立春だからワンチャン新春と勘違いはされ……ませんよね、ハイ。
「……まあ座ってくれや。風萩日向」
「では、失礼するよ」
正座すると共に変化を解いた日向は、なんと言うか……痩せた?
「何かおかしな所でもあるかね?」
「いや、特に。それよりも、個人的に気になる事があるんだ」
「ほう? 言ってみると良い。父親として、答えられる範囲で答えよう」
『父親として』。……まぁ、間違ってはいないんだけど。記憶の限り1度もそう振る舞われた事以前に会った事が無いので、複雑な気持ち。
「……言いづらいかもしれないけど、さ。母さんって、どんな人だった?」
「理由は聞かないのかい? てっきりそっちかと思ったが、ふむ……そうだな、簡潔に言えば──良妻賢母、だった。私には勿体ない程に」
「そっか。じゃあもう1つ。──俺の片割れ、今どうしてる」
「どこで知ったんだ……いや、写真を見たのか。そうだな、確かに君には双子の姉がいる。彼女は今も幻想郷に居るはずだよ」
「……そうなると、椛が知らない筈無い。それなのに、彼女は何も言わなかったんだけど?」
「なら……私の
「半身? 善悪で分裂でもしたってのか?」
「そうだ。幻想郷の『風萩日向』は、悪の半身と言っても良い」
「……自分で言うことでは……」
「ないですわね。と言うより、それが分かっているのならどうにかしようという意思は無いのですか?」
おわ、紫がピリついてる。あーでもそっか、紫からしたら問題の元凶放置されてるから……。そうじゃなくても、出来る限り口出し無用にしてたのに突っ込んでくる時点で結構来てるらしい。
「……出来るのなら、したい所だが」
「「が?」」
「生憎、戦闘能力の大半はあちらが持っているのでな。私が単身で挑んだ所で、物理的に一蹴されて終わりさ」
「戦闘能力ぅ? 妖力とかそう言うの?」
「まあ、そう言うのだ。筋力は丁度半分らしいが、妖力に至っては3分の2以上持っていかれた」
「信じる?」
「幻想郷の風萩日向を見ていないので、何とも。ですが、生きた年数から見れば少な過ぎるとは思います」
「……ナルホド。俺はその辺分かんないんで、そこは紫の判断に委ねる」
幻想郷の風萩日向を見れば恐らく違いが分かると思うけど、そっちを見てないので本当に分からない。かと言って、妖怪としては赤ん坊同然の年齢なので、歳による妖力の量も分からないのだ。……というか紫、日向の年齢知ってたの?
「でも、そうなるとなぁ……姉さ……お姉ちゃ……ごめん、名前なんて言うの?」
「一華だ。一つの華と書いて一華。華は難しい方だぞ」
「……一華に会って、話してみたい」
双子の姉、となると、紅魔館を襲った妖怪は一華である可能性が高い。しかも俺にそっくりなので、人里に向けて俺だと思われてもおかしくない。
「悪の側面の元に居たとして、それが本人の意思なのかどうか……それが気になるんだ」
「私の知る限り、彼女は母親に似た優しい子だ。脅されでもしない限り従わないだろうさ」
「そっか。でもそうだとしたら、こっちに回収する事も考えないといけないかも」
脅されているなら、庇ってあげたい。レミィも、先生も、こあもそう言うだろう。
「……お前は、考えが甘い。そういう所は、母親──エルザに似たんだろうさ」
「そりゃまたどうも。でもさ、世界にたった1人の血の繋がった姉なんだ。助けたいと思っても良いだろ?」
「否定はしていないだろう。だから、そうだな……まず、エルザに会うと良い。私に言われた、と言ったら嫌がるだろうが」
「そりゃ言わなきゃ良いだろ。……って、俺母さんの居場所知らないんだけど」
「……ぷっ」
なんだ紫、居場所知らないくらいで吹き出しおって。なんか無性に腹立つな。
「……ごめんなさいね。だって貴方、
「……嘘ぉ!?」