ではどうぞ。
冬は好き、寒いのは苦手
「うーさみ…まだ春は来ないのか?」
季節は冬。まあ雪が降っているのも積もっているのも当然だ。だが、今年の雪解けはまだ来ないのかと言いたくなる程に、春が来ない。もう桜が咲くどころか梅雨入りが近付いててもおかしくないのに、まだ雪が降っている。
「…明らかに異変、だよなぁ…」
なんて呟きつつ、3階にある自室から1階の大図書館まで歩いていく。パチェなら何か知っているかもしれない、と考えたからだ。途中、何人かの妖精メイドが、咲夜に指示を受けているのを見かけた。妖精メイドの動きが前に比べたらかなり良くなったのは、咲夜のお陰だろう。咲夜に感謝。
「パチェ?こあでもいいが…入るぞー」
部屋に入る時はノックする、これ常識。「入っていいわよ」と聞こえたので素直に入ると―クッキーの良い匂いが鼻を刺激した。
「おぉ…美味そう」
「私だけじゃ食べきれないし、霊夜達にもあげるわ」
「本当ですか!?やった~♪」
「じゃあ貰おうかな。…あむっ」
うん、程よく甘くて美味しい。咲夜の料理は何でも美味しいからなぁ…昔は美鈴がやってたらしいけど。
「…そういや、パチェ」
「どうしたの?霊夜」
クッキーを何枚か口に運びながら、春が来ない、もう梅雨が近い云々を説明すると、パチェは結構良い反応を見せた。
「…なるほど…興味深いわね。霊夜」
「うん?」
「―異変の解決、してみたら?」
クッキーが喉に詰まった。
「んぐっ!っ、っ、っ…ふぅ……え、俺が?」
「ええ。サポートはするけどね」
「…了解、やってみる」
「ありが…けほっ、けほっけほっ…」
「っと…こあー、薬頼むー!」
すぐに分かりましたーと返ってきたので、俺は俺でパチェの背中を擦る。暫くして、こあがパタパタと飛びながらトレイに薬と水を乗せて来た。
薬を飲ませ、発作が落ち着いた辺りで、パチェが早口で詠唱を始め―僅か3秒で、星が描かれた球体が出来上がった。…明らかに男性用では無さそうだが。
「安心なさい、こっちは咲夜のよ」
どうやら、咲夜はレミィに異変の解決を命令された様だ。続いて、同じ球体ではあるものの、こちらには狼の横顔が描かれた物が出来た。
「おぉ、かっこいい」
「さてと…咲夜呼んでこないと」
「お呼びしましたか?パチュリー様」
「きゃっ!?…え、ええ。異変解決のサポートぐらいはしようと思ってね。咲夜は霊力、霊夜は魔力を込めると弾幕が撃てるわ。これは任意だから、話から始めたい時は止めて。えーと、後は…以上よ」
「ん、ありがとなパチェ」
「ありがとうございます、パチュリー様」
「行ってらっしゃい、咲夜さんにりょう君♪」
「…また懐かしい呼ばれ方だな。行ってくるよ、お姉ちゃん」
にこにこと笑いながら、手を振って見送りに来てくれたこあに―咲夜は美鈴にマフラーを渡されてから見送られた―手を振り返してから、咲夜とは別の方向へ向かう。こういうのは、別行動の方が効率が良い筈だ。
「じゃ、主犯の所で落ち合おうぜ」
「ええ、それじゃ」
暫く飛んでいると、かなり吹雪いてきた。それでも少し進むと、嘘の様に吹雪が晴れた―訳ではなく、丁度俺が居る所だけが吹雪いていない。
「…なんだ、こりゃ?」
「うふふ…♪」
「っ、誰だ!」
吹雪の中からゆっくりと現れたのは銀髪の女性。思わず警戒して――
「くろまく~」
「…は?」
呆気に取られた。
ちと短いですがここまでで。さぁてスペル覚えないと…
霊夜の持ってる球体には名前なぞありません。咲夜のは言わずと知れたまじかる☆さくやちゃんスターです。
ではまた次回。