紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、今話を書き始めた時は模試に向かうバスの中に居る豹牙です。どうでも良かったし歳バレそうだからこれ以上は話しませんが。
さて、今回はようやく宴会本編です。長かった(?)
ではどうぞ。


花より団子、桜より酒

「―えー、それじゃあ…異変解決を祝って、乾杯!」

「かんぱーい!」

とは言うものの、後は秩序無きどんちゃん騒ぎへと移行するだけだ。因みに皆で持ち寄った食材は、妖夢や咲夜が頑張って―いや必死に料理へと変えていった。何故って幽々子が凄まじい量を食べるのだ。あの細身の体のどこに入るんだ、と言いたくなる―普通だったら死んでいる―程に。ああいや、亡霊だから死なないのか?消滅はしかけたが。

「…調理班は今頃地獄だろうなぁ……幽々子、よく噛んでゆっくり食べろよ?」

「む♪」

口の中に炒飯を―先程美鈴が台所に向かったからだろう―入れながら、嬉しそうな顔で頷く幽々子。生前はあまり食べなかった―紫談―らしいので良いと言えば良いのだが、にしても量が凄い。見ているだけで満腹だ。

「料理運ぶのも大変だな…」「ああ、何しろ量が凄「おかわり!」また!?」

担当としては、調理班が咲夜と妖夢、給仕が俺と美鈴、そしてアリス&上海蓬来コンビ―だったのだが、美鈴が調理に回った為かなり厳しくなって――

「…お、助っ人が…いや人じゃないか」

「妖夢の半霊ね…でもありがたいわ」

「おーい霊夜ー!酒の追加頼むー!」

「はいよー!何本だー!?」

「2本だー!」

「…だとよ。頼む上海と蓬来(2人とも)

「シャンハーイ!」

「ホウラーイ…」

それぞれの返事と共に、滑らかな動きで酒瓶を取りに行く人形コンビを見送って、ようやく給仕の仕事が一段落した。

「「…ふぅー…」」

アリスと2人、背中を合わせてずるずると座り込む。ああ、腕が痛い…。

「お疲れ様です、お二人とも」

「ん、ありがとうリリー」

「いやぁ…このぐらいだと筋力とか落ちてるもんなんだなぁ…ってあれ、酔ってる?」

「あ、はい…それと、お二人に言わなきゃならない事があるんです」

「言わなきゃ…」

「ならない?」

揃って首を傾げる。リリーの言いたい事ってなんだろう、春が来たんではしゃぎすぎたのかな?

「えっと、あの…は、春ですよー」

…え、何この可愛い生き物。咲夜はこんなリリーを瓶詰めしようとしていたのか、何やってるんだほんとに。

因みにリリーだが、顔を真っ赤にしながら俯いてしまったので、「ありがとうな」と言いながら頭を撫でた。うわ、嬉しそうな顔するなぁ…

「あぅ…えへへ…」

「ふふっ、幸せそうね」

「撫でるの凄い上手いです…気持ちいい……」

頬を赤く染めたまま、とろんとした目でこちらを見詰めてくるリリーは、なんと言うか…とても扇情的だった。

「なん()か…眠く…」

ぽすっと体を預けてきてきたリリーは眠ってしまったらしく、規則的な息遣いが聞こえてきた。

「…よしよし、お疲れ様」

俺に寄り掛かってきたと同時に落ちてしまった帽子を拾い上げ、土埃を落としてから再度被せる。だがいつまでもこうしてはいられないので、名残惜しく思いつつ布団へ運ぶ。…うわ、持ちづらいし歩きづらい。

「紫が原因なら戻してもらわないとなぁ…流石に色々とやりづらい…」

愚痴りながらもそっと寝かせ、さぁ俺も飲もう―と立ち上がろうとして、服の裾が引っ張られている事に気付く。

「んぅ…春ですよー…」

「…寝言も春なんだな」

ぽつりと呟くと、ぎくっとしたかの様に一瞬体を強張らせ、また先程同様に穏やかに寝息を立て始めた。さっきの反応…起きてるな?

「なあ、リリー」

「すぅ…」

「起きてるだろ」

「むみゃっ!?」

予想外だったのか素っ頓狂な声を出し、布団に顔を埋めて「はうぅ…」と恥ずかしがっているのを見ていると、大妖精を思い出す。彼女も確か似たような事をして―その時は全く気付かなかった為、後でルーミアに聞いた話だ―俺に寄り掛かって眠っていた。ルーミアは大妖精の目の前でバラしたので、大妖精が大慌てしていたのを今でも覚えている。

「全く…何かしてほしい事でもあるのか?」

途端にピタッと動きを止め、やや遠慮がちに頷いた。具体的にはなんだと聞いてみると、照れ笑いの表情(かお)で「内緒です」とだけ答えた。

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

リリーの「してほしい事」が何か分からないまま、俺は紫―居なければ藍でも構わない―を探してあちこちを見回していた。ついでに酒でも貰おうかなー…っと、居た居た。

「紫ー、ちょっと良いか?」

「あら?誰かと思えば…」

「そうだよ元人間の銀狼だよ」

「まぁまぁ、小さくなって…」

「…小さくしたのは紫なんじゃないのか?と俺は疑ってる訳なんだが」

「あら鋭い、その通りですわ」

くつくつと笑う辺り、ふざけてやったのだろう。こんにゃろう、俺の苦労も知らずに。

「まあまあ、そうかっかせずに。()()()に面白い物を見せてもらいましたし……ねえ?」

「あの時…?」

「―俺も昔、ここに来る前は――」

「わ、わーっ!?やめろーっ!」

「むぐっ!?」

この管理者、中々に酷い性格をしている。声真似はするわ黒歴史はほじくるわ小さくしてくるわと、録な事をされていない気がする。藍の方が優しいぞ?

「…うぅー……」

「ごめんなさい、馬鹿にしたつもりはありませんわ」

「じゃあ戻してくれよ…」

ムスッとしていると、瞬きを1つする間に目線が高く―正確には戻っていた。

「これでよろしくて?」

「ああ、大丈夫だ…それと、これは藍も交えて聞きたい」

紫は薄く笑い、扇子を口元に当てたまま首を傾げているが、恐らく何が聞きたいのか分かっているのだろう。それでも言わねばなるまい。

「――異変解決間際、何があったか聞かせてくれないか?出来る限りで構わな「無理ですわ」…返事のお早いことで」

それじゃ、と席を立ち、アリスと魔法談義中のパチェの元へ歩いていく―途中何か聞こえた様な気がするのは気のせいだろう―。俺だって一応は魔法が使えるのだ、訳あって炎系統が多いが。

「よっ、パチェにアリス」

「あら、霊夜は行くの?」

「…?何の話だ?」

「それは――」

続くアリスの言葉に、俺は卒倒しそうになった。




さて、宴会本編はこれで終わりな訳ですが。絵に描いた様な中途半端ですねぇ…次回は裏方の皆さん(咲夜や妖夢、美鈴等)でやる打ち上げ的な何かをしようかなぁと。ではまた次回。
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