紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、珍しく全作品通して連日投稿が出来ている豹牙です。
今回は慰労会的な打ち上げ的な何か(意味不明)。普段そんなに絡んでる印象の無いメンバーですが、どうなるんでしょうか?
ではどうぞ。


裏方達の慰労会

「終わっ……たぁ………」

「つ、疲れました…」

「…貴方達、そんな所でだらけないの」

「「えぇ……」」

咲夜はそう言うが、頼むから休ませてほしい。アリスと話した後は本当に大忙しで、それこそ全員休む間もなく動き回っていたので、寧ろ何事も無かったかの様に立っている咲夜がおかしいのだ。妖夢でさえ少しだが息が上がっているというのに。

「…咲夜さん、今は休ませてあげましょうよ……皆さん慣れない仕事で疲れてるんでしょう…」

「むぅ………」

不服そうだが、アリスを含めた3人が疲れきった状態なのを見て納得はしてくれたらしい。アリスは指先も使っていたので余計に疲れている。

「シャンハーイ!」

「ホウラーイ…」

「わっ…びっくりした」

そうだ、上海と蓬来(人形コンビ)は半自動で動くんだったな。忙し過ぎてすっかり忘れてた。…って、何故俺の耳―勿論狼の―にスリスリしてるんだ。ちょっと擽ったい。

もしかして、と思い気に入ったのかと聞いてみた所、毛触りが気持ちいいんだそう。なんか照れる。

「霊夜君、アリスさん、美鈴さん、それから咲夜さん…お疲れ様でした」

「いいわよ、そこまで改まらなくても」

「いえ、幽々子様がかなり…」

「「「「…あぁ……」」」」

確かに、あれは一種のホラーだった。今度から幽々子は、ピンクの悪魔と呼ぼう。

「と言う訳で」

ぱん、と手を打ち鳴らし―

「―慰労会、しましょう」

反対意見は出なかった。

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「…えー、宴会が無事終了した事を祝って…乾杯っ」

「「「「かんぱーい!」」」」

妖夢の音頭で始まった慰労会は、人数が人数な為どんちゃん騒ぎとはいかなかったが、賑やかな物になった。

「妖夢さん、ここの庭師って誰なんですか?かなり綺麗に整ってますね」

「ありがとうございます美鈴さん、実は庭師は私なんですよ」

へぇ、そうなんですか!と明るく話し始める美鈴と妖夢。同じ庭師として、やはり仲良くなれそうなのだろう。和と洋で違うが、和洋折衷という事で。使い方が違う?気にするな。

「…ねえアリス」

「はいはい、どうしたの?」

「可愛いわね、あの人形達」

「ふふ、ありがとうね」

珍しく敬語を外して話す咲夜を見て、へぇー珍しーと―咲夜は基本的に、他人には敬語しか使わない―思っていると、何やら人形の作り方を教わっている様だ。レミィとフランに贈るつもりだろうか。

さて俺だが、少し気になる節があったので少し席を外させてもらう事にする。上海と蓬来は…いいや、そのままにしとこう。音を立てずに屋根へと飛び、座る。そして、何も無い空間へ声を掛けた。

「……居るんだろ?藍」

勿論、答える声は無い。だがその代わりにスキマが開き、苦笑した藍が出てきた。

「いやはや、驚いた。どうして分かったんだ?」

「あー、うーん…何と言うか、勘かな」

「ははは、勘か。なるほど凄い」

「当たるのは珍しいんだけどな」

「いや、充分さ。―さて、何か話があるんだろう?」

「…ああ、1つどうしても気になる事があってな」

そう、俺は藍に聞きたい事があったのだ。紫に聞いたのはあくまでついで。藍の方が聞きやすいとかもあるのだが。

「―異変の時、俺達を守ってくれたのは藍、お前だな?」

「…どうして分かった?」

この従者、実は結構抜けているのではないだろうか。どうしても隠せない特徴があるだろうに。

「俺が覚えているのは、金髪で、導師の様な服を着た女性の尻尾に巻かれた所までだ。そんな分かりやすい特徴を持つ妖怪、そう居ないだろう?」

「うっ…それもそうか」

「別に責めてる訳じゃないさ。寧ろお礼が言いたい。―ありがとう」

「どういたしまして。…礼を言ってくれたのはお前だけだぞ」

「…あいつら……」

「何、気にしてないさ。主が主だからな」

ふふふ…と笑う藍に少し驚愕してから、俺は持っていた物を見せた。

「飲まないか?」

「…じゃあ戴こうかな。潰れないでくれよ?」

「た、多分…」

と曖昧に返してから、はて人形達がやけに静かだと思い、上を見ると――気持ち良さそうに眠っている。痛くない程度に掴まっている為落ちる心配は無い様だ。

「―じゃあ、」

「乾杯」

和の庭師と洋の庭師。七色の人形遣いと紅魔館のメイド。そして、スキマ妖怪の式と新月の銀狼。世にも奇怪な組み合わせで始まった慰労会は、月の下で静かに賑わっていた。

 

 

因みにこの後、やっぱり酔い潰れてしまい、藍の尻尾で眠ってしまった上、冷えない様に配慮してくれた藍に惚れかけたのは別の話。




お、ぴったり1800文字。はいそこ、短めとか言わない。さて、次は…えー、萃夢想か。原作とはかなり違うかと思われますがその辺りはご容赦ください。ではまた次回。
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