紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、豹牙です。
UA8000突破しました!早い!
と言う訳で、今回から萃夢想に入ります。こいつ自機に居ねーじゃん、という突っ込みはまあ…判断に任せます。
さて、普段から敬語で、異変の犯人に気付きそうな人は…?
ではどうぞ。


人妖、社に萃まりて
宴会、多くありません?


異変の影響で短かった春も終わり、梅雨も明けた夏のある日。私は、最近多い気がする宴会について考えていた。

「う~ん…」

「どうしたみすず!何かあったならあたいに言ってみろ!」

「私は美鈴ですよ、め、い、り、ん」

「みすずとも読めるから良し!あたいったらさいきょーね!」

チルノは平常運転らしい。でも、やっぱり最近溶けかかっている気もする。…日陰に居る、という選択肢は無いのだろうか。無いんだろうなぁ。

「…今度霊夜君に聞いてみようかな……なんだか違和感を感じてたみたいだったし…」

「…美鈴?珍しく寝てないのね」

「あ、咲夜さん。昨日の前に宴会が開かれた日っていつでしたっけ?」

「えぇ?確か…3日前だったかしら」

「その前と、更にその前って覚えてます?」

「6日前と…9日前だった気がするわ。でもそれがどうかしたの?」

「あー、いえ、何も…」

「…ふぅん?」

幸い深くは問い詰めては来なかったので、チルノを宥めつつ情報を整理してみる事にする。

①宴会は3日おきに開催される

②それは全て博麗神社で、全て魔理沙が企画している

③最近、博麗神社全体に妖霧が掛かっている

以上が、私が今持っている情報。分からなさすぎて苦笑いしか出来ない。

「…今度、妖霧を今度きちんと調べてみようかな……」

「突撃ー!」

「わぐえぇ!?」

チルノと大妖精、そしてルーミアのちびっこ3人衆が一斉に、それも不意に突撃してきたら流石に痛い。正確に鳩尾を狙ってきたチルノは、少し恨みたい…が、悪意は無さそうだ。

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

3日後。やっぱり開かれた宴会に、留守番をしているパチュリー様とこあちゃんを除いた―行く直前まで、こあちゃんは霊夜君にべったりだった―全員で、やっぱり博麗神社に向かい、やっぱり魔理沙が――流石にしつこいか。

「ねえねえ美鈴!あっちで遊ぼうよ!」

「申し訳ありません妹様、ちょっとやることがありまして……」

「むー…」

「フラン、代わりに俺が遊んでやろっか?」

「ほんと!?」

いつもの和服から表向きの洋服―お嬢様が紫さんに頼んで、外の世界から数着取ってきてもらった物だ。よく似合っているので、服のセンスは悪くないと思う―に着替えた霊夜君には、その《やること》を話してあるので、全面的に協力してくれている。

嬉しそうな妹様に引っ張られ、神社の境内へ消えていく霊夜君を見送って、私は妖霧の調査を始めた。すると――

「…この霧……()()()()()()()()()()()…!?」

これは容易ではない。博麗神社の境内をすっぽり覆える程の霧を、たった1人で作り出しているとなれば、それは間違いなく大妖怪ではないか。その目的は一体――

「…考えるより、聞いた方が早そうですね」

元凶が居る。どこかではない。異変の犯人は、()()()()()()()だ。

「そうでしょう?誰だか存じませんが」

すると、声が響いた。一度も聞いた事のない、こちらを試す様な声が。

「いやぁ、参った参った。誰も見抜けないんじゃないかって、内心ビクビクしてたんだよ」

霧の一部が集まり、やがてそれは人の形を作った。人外である証として、捻れた2本の角が生えた小さな鬼。

「どだい、私と闘わない(やらない)かい?」

「それは、弾幕ごっこですか?それなら少々不得手ですが」

「んー…まあお前さんとは殴り合ってみたいな」

「…分かりました、では真っ向殴り合い(そちら)でやりましょう」

「そう来なくっちゃ!鬼は嘘を嫌う、不意打ちは無し…ってのはまあ分かるかい?」

「ええ、ご心配なく」

鬼は瓢箪の酒を煽り、私は目を閉じる。

そして――互いに名乗らぬまま、私達は激突した。




はい、最初は美鈴でした。次回は…どうしようかな、萃香戦やるか次に入るか…
次回までには決めます。ではまた次回。

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