年が明けましたねー。皆さんは何を見て過ごしました?ガキ使?紅白?それとも東方M-1?
さて、今回はなんと、本編も時系列も関係あります。
時系列は永夜抄と花映塚の間の正月ですね。なら何故書くのかって?書きたいからですよ←答えになってない
ではどうぞ。
「皆さん、蕎麦が出来ましたよ」
「わぁ…!美味しそうだね、霊夜!」
「そうだなー、咲夜が作ったなら美味いだろー」
今日は…いや、今は大晦日。やっぱりレミィが咲夜に命じて、年越し蕎麦を作らせていたのだ。美味そう。
「ほら、フランも席に着いて食べようぜ?」
「はーいっ」
「…ふふっ、霊夜も随分と懐かれたわね」
「嫌われるよりマシだろ?と言うかレミィより懐かれてる気がしてちょっと申し訳無いんだが……」
「ゑっ、そうなの?そんな事無いわよねフラ「霊夜の方が良いーっ」……………」
おいフラン、レミィの顔が驚愕から絶望に変わってってるから止めてやれ。泣きそうになってるじゃんか。
「蕎麦が伸びちゃうから食べましょ?」
「「「はーい」」」
パチェの言葉で全員席に着き、「いただきます」の唱和で――ってちょっと待った、美鈴さっきから一言も喋ってないぞ。
「うぎゃー!」
「…
「…霊夜、何言ってるか分からないからやめなさい」
「もぐ、もぐ……んくっ、はーい」
そんなこんなで時は経ち―フランは箸の持ち方で悪戦苦闘していた―、あと5分で年が明ける。咲夜がレミィに懐中時計を見せて時間を確認している間、フランがうたた寝していたので、椅子から落ちない様に支えていると、レミィが大きな声で喋り始めた。妹を寝かせるつもりは無いのかこの姉。
「皆、あと5分で年が明ける。だったら、皆でカウントダウンしようじゃない!」
「ふあぁ……俺この時間寝てるからねみーんだけど………」
「私も~…」
「パチュリー様ー、面白そ「興味無いわよ」あぅ……」
「私も眠いです……」
「「「まだ寝るの(か)!?」」」
美鈴は充分寝たろカウントダウン参加しろよ。と言うか賛成してんのこあと咲夜だけじゃねーか。
等と色々突っ込みたい所はあるものの、変わらず時間は進んでいく。レミィは気丈にも――または頑固にカウントダウンを続け、「ハッピーニューイヤー!」と叫んだ所で遂にフランがキレて、新年一発目の姉妹喧嘩となった。
「暑いし熱いから冬って感じしないなおい…」
「むにゃ……」
「起きろぉめーりーん!なんで寝られんだよ、死ぬぞ!?」
新年早々命を刈り取られそうになった。ああ恐ろしい。
―*―*―*―*―*―*―*
「さてと……皆、忘れ物は無い?」
年も夜も明けて、博麗神社へ初詣。やはりと言うべきか、全員晴れ着姿である。
レミィは赤地に銀粉を散りばめ、蝶の刺繍が入った着物。帯は水色だ。「私は和服も着こなせるのよ」とドヤ顔で言ってたのにはカチンと来たが。
パチェは紫地に月の刺繍、帯の色は…えーっと、アイボリーホワイト、だったかな?確かそんな名前だった気がする。髪は長いからアップして結わえられてるぞ。因みに結わえたのはこあと美鈴も同じ。
「私は無いよ、お姉様」
フランは赤地に金粉を散りばめ、帯は黄色。咲夜がやったのだろうが、薔薇の刺繍が施されている。
美鈴は緑地の赤帯、なんと装飾は龍の刺繍。咲夜すげーなおい。
こあは黒地に白の帯。刺繍は無しだが、不思議と違和感は無い。
そして咲夜だが、銀地に花の刺繍、帯は青。地味とも派手とも言えない、丁度良い具合だ。
最後に俺。1人だけ袴だが、上は赤で下は銀というシンプルなものだ。背中に狼の刺繍が入っていたが、これを咲夜はどれだけの時間で作ったのだろうか。そんな疑問が浮いてきたが、聞いても「1秒よ」と言われるのが関の山だという結論に至った。
「りょーやー、置いてっちゃうよー!」
「おー、今行くー!」
晴れ着はかなり動きづらいが、走る事は出来る。助走をつけて―本当は要らないのだが―跳び上がり、そのまま飛行して、向こうで手を振っているフランに追い付く為に速度を上げた。
―*―*―*―*―*―*―*
「よっと。よう、霊夢」
「あら霊夜、意外に似合ってるじゃない。咲夜が作ったの?」
「ああ。凄いもんだよなーほんとに……」
「うちにも欲しいわー……因みに素敵なお賽銭箱はそこよ」
「ああ、分かってるよ」
いつもは(かなり失礼だが)寂れた印象の博麗神社も、今日ばかりは沢山の人で溢れている。あ、妖怪も居るんだな。
「凄い人だな…フラン、はぐれるなよ?」
「うんっ、分かった!」
俺の袖を掴み、懸命に着いてくる様は見ていて和める……が、和んではいられない。何せこの人だかりだ、参拝も早めに済ませないと――と言うか博麗神社の奉り神ってどんなお方なんだろうか。居るのかどうかすら怪しいんだが。
ともあれ賽銭箱には着いたので、フランに礼儀作法を教える。フランがお参りを終えたのを確認してから、俺もお参り。願い事の内容?秘密だ秘密、言わせるな。
「さて、お参りもした事だし……屋台、巡ってみるか?」
ぱぁぁっ、とフランの顔が明るく―と言うか嬉しそうになった。「こっちこっち!」と言ってたこ焼きの屋台へ向かうフランに引っ張られながら、俺は財布の心配をしていた。実は、賽銭の分を除けば少ししか持ってきてないのである。幽々子に奢ったら数分で消し飛ぶ――いややめよう、分かりづらい。
―*―*―*―*―*―*―*
「楽しかったー、お腹いっぱい……」
「そうか、良かったな」
「えへへー……………」
「…ん、フラン?」
「………くぅ…」
帰り道も俺に甘えてきたフランだったが、はしゃぎ過ぎて―昨日の姉妹喧嘩もあるだろうが―眠ってしまった様だ。夕方が曇りで助かった。晴れ着だとおんぶしづらいからな。
「…あそうだ、レミィ」
「何かしら?」
「今日の夜さ、迷いの竹林行って良いか?」
「迷いの竹林?なんでまたそんな所に」
「なーに、ちょっとした散歩だよ」
半分は嘘である。迷いの竹林は正解だが、散歩ではなく影狼に会いに行くのだ。…なんだよ、良いだろ別に。
「…へーえ?まあ良いわ、行って良いわよ」
「ありがとよレミィ」
「撫でるなーっ!」
皆で笑いながら帰路に着いたが、美鈴が速攻で眠って咲夜に怒られていた。普通飛びながら寝ないわ。
―*―*―*―*―*―*―*
何度か行った為完全に覚えた道を歩いて―流石に着替えた。畏まった服装はあまり好きじゃないのだ―いると、
「り…霊夜!?
「言ってたけどさ…その、会いたかったんだ、影狼に」
「えっ……?」
きょとんとした表情で固まる影狼に、照れながらも微笑みかけていると。
鼻先が触れそうな距離にまで近付いた影狼が目を瞑り、そっと唇を重ねた。
一瞬が永遠にも感じられた時間も終わりを告げ、頬を赤くしたままくいくいと袖を引っ張ってきた。連れられて家の中に入ると――心なしか甘い声で、影狼が呟いた。
「…ね、霊夜……」
「ん、どうした?」
因みに俺だが、声音は落ち着いているものの、頭の中はパニック状態だった。いやだって考えてもみろよ、今のあれファーストキスだぞ。しかもその相手は
そんな俺の胸中に吹き荒れる感情を知ってか知らずか、影狼は話を続けた。
「私がこの時期――10月から3月にあまり会えないって言ったのはね……発情期が、その時期だからなの」
「え?…俺、そんな感じしないんだけど……」
「ふふっ、そりゃそうよ。…だって、狼の発情期はメス、つまり女性にしか無いもの」
「な、なるほど…うわぁっ!?」
急に抱きつかれた為尻餅をつくが、そこから更に仰向けにされて馬乗り状態―俺は乗られる側だ―になった。
息を荒くして見下ろす影狼のとろんとした瞳に、ハートマークが浮かんでいるのは目の錯覚だろうか。
いつも着ている、ドレスの様な服がはだけているのも気にしていない様子で、影狼はそっと呟いた。
「だから、さ……責任、取って?」
はらり、と衣服を取り払い、上半身を露にした後、俺の衣服も(言い方が悪いが)剥ぎ取った影狼は、俺に覆い被さってキスをした。今度は触れるだけではなく、舌を絡めてのディープキス。それだけではなく、口移しで何かを飲まされた。
「ん、んんっ……」
「くちゅ、ん、ぷはぁ…」
先程のキスとは違い、1分近くも続いたそれが終わる頃には、呼吸が出来ない苦しさと、例え様の無い高揚感が合わさって、思考が混濁していた。
「…さっき飲ませたの、何だと思う?」
頭の中が蕩けているかの様な状態で考えられる訳が無く、かぶりを振る。
「だろうね…それは、精力剤。八意さんが作ってくれたの」
「せーりょく……ざい?」
「そう。…ふふっ、もう逃げられないよ?」
――入ってるの絶対それだけじゃないだろあのヤブ医者!
と言いたいぐらいに力が入らないし、先程から体が火照って仕方無い。どうやら本当に、逃げ口は無さそうだった。
色々言いたい事もあるでしょうが、俺からも言わせてください。ど う し て こ う な っ た 。
いやほんとなんでだ。正月から何やってるんだろうか。
……永夜抄さっさと書かないとなぁ………
ではまた次回。