紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、年賀状なぞ来なかった豹牙です。
萃夢想5人目、誰かはもうタイトルで分かる。そして6人分書く事は想像以上にキツかったです。
ではどうぞ。


時を駆けずに止める少女

「あのー…なんで俺縛られて吊るされてるんです?」

「あら、決まってるじゃない。壁を壊したのと、あと私の悪口言ってくれたでしょ?『下手したら咲夜も負ける』って」

「え、あーうぅ…はい、言いましたっつぁー!」

嘘言えば絶対に何かされる、と感じたから正直に答えたらつねられた。どないせいっちゅーねん。

「私が負けるとでも?」

「いやでも霊夢に負け―あっごめんなさいやっぱ何でもないだだだだだだ!」

「……本気で思ってる?」

涙目になりつつも、謝罪の意味も含めて頷く。だが実質、咲夜は強い。体術は俺や美鈴に劣るものの、それを補って余りある器用さがあるし、ナイフの扱いも目を見張る物がある。それに適応力や反応速度だって――

「…ま、そういう事にしとくわ」

「ふぐっ!」

次の瞬間、ぱらりと縄がほどけて落っこちる。床から1メートルの所から落ちてんだからそりゃもう痛い。

「いったたた……いくらなんでも酷いぜ咲夜…」

「どこがよ。私だって手加減はしているわ」

「むぐぐ…」

ほんとかよ、と聞きかけたが、手加減無しならナイフが最低5本は飛んで来ているので、手加減自体はされているのだろう。…言い返せない……

「それじゃ、罰の代わりに――」

笑顔のまますうっと細められた瞳に、恐怖に似た何かを感じたが、先程の鈍い痛みがまだ残っている為か―あるいは、咲夜の笑顔を滅多に見ないからか―動けない。力も入らない。

そのままふわりと抱き起こされ、頭を撫でられ……って何だこれ、すっげえ気持ち良い!次に撫でてほしい所が的確に、丁度良い力加減で撫でられて―――

「…?なんで止めるんだよ?」

「あら、罰を受ける側が口答え出来る立場かしら?」

「なっ……!?」

何だこのサディスト、酷過ぎるにも程がある。あんなに気持ち良いのは初めてだってのに、畜生この人でなし!鬼!悪魔!

「あら、反抗的な瞳ね。じゃあやめちゃいましょうか」

「………さい」

「え?よく聞こえないわねぇ」

こんにゃろう、楽しそうにしやがって……こっちの苦労も知らずして何言ってやがる。

……でも。

「撫でて………くださいっ…………」

「はい、よく出来ました」

咲夜はそう言って、柔らかな手で頭を()()()()()()

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「んぅっ……ひぁ、く……」

耳は先から根元まで、指先で擽りながら撫でると、霊夜が喘ぎ声を出し始めた。…たまには美鈴だけじゃなく、霊夜も弄るのも良いかもしれないわね。このふわふわした毛触り、癖になりそうだわ……あら、尻尾が震えてる。撫でてみよ―――

「ふみゃああ!?」

わっ、びっくりした。とまでは行かないものの、霊夜の息遣いが荒くなってきた為少し聞いてみる。

「…ふふっ、変な声ね。今どんな気分?っと、ちょっとやり過ぎたかな?」

すると霊夜は私のメイド服を掴み、もっと撫でろと言わんばかりに上目遣いで見詰めてきた。

――かっ……可愛い…!これはこあや妹様が好きな理由が分かる!

と、動揺の嵐が胸中で吹き荒れていたが、勿論顔には出さない。…良いじゃない、鉄仮面でも。

「しゃくやぁ…もっと撫でてぇ…」

「…全く、3分だけよ?」

「やったぁ…♪」

尻尾が揺れているのを我慢しようともせず、蕩け切った声で喜ぶ様子は見ていて…何と言うか、そそられる。

――でも、ちょっと堕とし過ぎたかな……?

「…霊夜、3分経ったわよ?」

「むぅ……分かった…」

あの柔らかな感触を名残惜しく思いつつ、霊夜が離れてくれるのを待っていると、まだ不満そうにじっと見詰めてきた。ああもう、霊夜は自分の可愛さに気付いてないのかしら。

「…あ、そうそう。霊夜、さっき言ってた私も負けそうな奴って誰?」

霊夜は「んー…」と言って首をぷるぷると振ると、いつもの調子に戻って話し始めた。

「鬼の伊吹萃香って奴だ。美鈴、俺、魔理沙とパチェとアリス、そして妖夢が挑んで……」

「負けたの?全員が?」

その問いに、霊夜は真剣な顔―さっきのアレを見た後だと真剣味が無くなってくるが―でこくり、と頷いた。

「…確かにそれは、私も負けるかもしれないわね……」

「だろ?だからまあ、分かってるだろうけど……」

「油断はするな、でしょ?当たり前の事よ。…それと」

「それと?」

また撫でさせて、と言おうとして危うく止める。確かにあれは依存症になりかけたが、言ったら言ったで弄られるのは目に見えているし。

「……何でもないわ」

「変な咲夜…」

次の宴会は、今まで通りのペースならば2日後。その時は、私の全力を以て相手しよう。




注:霊夜は男です。女顔ですが男です。
そして咲夜さんのキャラ崩壊。Sっ気漂う(と、俺は思っている)彼女ですが、ツンデレみたいですねこれ。
それと霊夜、咲夜に撫でられるとか羨ましいな、ちょっとそこ変われよ…おっと本音が。さて、例の如く次回は萃香戦です。…ちょっと(この作品における)キャラ紹介的なの書いて良いですか?
ではまた次回。
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