さて、鬼巫女相手の鬼ごっこ、皆さん勝てます?俺は勝てません(白目)。
ではどうぞ。
「こんな恐ろしい鬼ごっこ初めてだ……おわっ!」
「ははは、いやぁ危ないねぇ」
「り、霊夜君!?これは一体――」
「悪い後で詳しく説明するしいくらでも謝る!だから今は逃げてくれー!」
「へ?何言ってぎゃー!」
あれから2分。博麗神社は騒然と――いや、混沌としていた。何故って、霊夢がバラバラに逃げる俺、咲夜、萃香に札や弾幕を放っている為、犠牲者が大量に出ているのだ。避けたら避けたで犠牲者増えて、当たったら当たったで退治される。
「どないせーっちゅーんじゃこらぁー!」
「アンタがやられれば良いのよこんの犬っころー!」
「俺は狼だー!」
なんて不毛なやりとりの間にも、沢山の犠牲者が出ている。魔法使い3人組と美鈴、ルーミアチルノにレミィ……数えていったらキリが無い。多分、俺達が当たらない限り増える。
「う、お、わっ!」
「ちょっと霊夜!こっちに来ないでくれるかしら!?」
「わ、悪い……って言ってる場合じゃない!」
「たはは、頑張れー」
「萃香てめぇ逃げやがってー!」
「後で覚えてなさーい!」
「やーだyぐふあぁっ!?」
あ、やられた。ざまあ見やがれ。でもこれ、俺と咲夜もやられないと終わらないんだよなぁ……
「わ、分かったわよ!手柄は私と貴女で6:4に……」
「私が9でアンタが1よ!それ以外認めないわ!」
「そんなの無いで……きゃっ!」
「咲夜ー今行くぞー!」
「逃げてるじゃないの!」
「行けたらだよ!流石にキツいって!」
俺は妖怪だから、霊夢の札や針に当たったら大怪我レベルのダメージを受けるのだ。咲夜が被弾した時の比ではない。
と言うか、俺が事を穏便に済ませる方法なんて無くないか?
あれ?じゃあ俺どっちにしろ痛い思いするの?やだよそんなの。
「霊夜くーん頑張れー!」
不意にこあの声が聞こえ、手を振ったと同時に―――霊夢の踵落としが、俺の首に突き刺さった。
「がっ……!」
意識が途切れなんてしない。首に激痛が走った上、石畳に叩き付けられたのだ。気絶なんてしてられるか。
「ふん、これが博麗の巫女の力よ!」
「お、ま、え、なぁ……鬼より理不尽だぞ……」
「あら、私程に公正な博麗の巫女はそうs」
「先代の巫女のが公正だったぞこんにゃろー!」
結局犠牲にならなかったのは、何故か屋根に座っていたこあと、咄嗟に井戸に隠れていた幽々子&妖夢だけ。後は……酔い潰れてた連中か。
「ああ、痛い……」
「咲夜ーごめんなー……」
「…ま、貴方よりはマシなやられ方よね」
萃香は後頭部に針が直撃、咲夜は腕に札が当たり、俺は前述の通り。やられ方としては、確かに俺が一番酷い。妖怪化してなきゃ死んでたな。
「う……ん、ってぇ!」
ゴキッという鈍い音がして、首の向きが直った。ギリギリ折れてなかったみたいだが、痛いのには変わり無いんだよ畜生。
「おっ、直った直った。折れてないみたいで良かったよ」
「折られないで良かったよ……で、霊夢」
「何?取り分なら変えないわよ」
「は?何言ってんだてめえ」
「……へ?」
―*―*―*―*―*―*―*
「あーあ…霊夢さん、霊夜君怒らせちゃった……」
私は屋根に座り、足をぷらぷらさせて―因みにこの時、パチュリー様を置いて行ってしまった―境内を見ていた。霊夜君が落とされたのはまだ分かったけど、霊夢さんの言動は理不尽以外の何物でもない。異変に後から気付いたのに、その手柄を9割も横取りしたり、大量の何もしていない人妖を理由無く(流れ弾とは言え)ボコボコにしておきながら「公正な博麗の巫女」だと宣う。これは誰だって理不尽に思うだろう。それが例え、普段は牙を剥かない狼だとしても。
「ふふ、どうなっちゃうのかなぁ……♪」
私は、甘美な蜜を舐めた気分だった。
こあはやっぱり小悪魔でした(2回目)。
そして霊夜ガチギレ。多少の理不尽は渋々受け入れても、あそこまでの理不尽は流石にアウトだったみたいですね。
ではまた次回。萃夢想はもうちょいだけ続きます。これが終わったら、日常挟んで永夜抄です。