今回は募集した日常回、霊夜のスペカ製作です。いやまぁ、少ないですし……ね?
ではどうぞ。
「うぅ――――ん…………」
「? 何か悩み事?魔導書の内容がよく分からない……という訳では無さそうね。それ、白紙のスペルカード?」
「そうなんだよ、大量に貰ってさ……どうせならスペカ作っちゃおうと思ったんだ。少ないし」
「まあ……確かにそうね。5枚だけでしょ?」
事実である。自分で作った物2枚、美鈴と作った物1枚、パチェ&フランと作った物1枚、レミィと(以下略)1枚の計5枚しか無い。これでは戦闘のバリエーションが無さすぎる。
と言う訳で。
「……いや、だからって多い気がする。大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ、丁度暇でしたから」
「は、はぁ……何かほんとすいません……」
「気にするな、霊夜が負けてしまっては元も子も無いしな」
「いや死にませんよ!?何不吉な事言ってんですか!」
あれから少しして図書館に来たのは、もこ姉に慧音先生、魔理沙、妖夢、影狼、こあ、パチェ、アリスの8人。ここに住んでいるこあとパチェを引けば、俺の知る限り一番多い来客数だ。よくもまあこんなに集まったな。
何人かは魔法が使える為、魔力の応用に向けられるのもありがたい。他はほとんど妖怪だしな。
「ほら、ささっと作っちゃいましょ?」
「いやアイデアが無くて……」
「それならまずパワーだな!弾幕は派手なのに限るぜ!」
「悪いけどパワー重視なら却下で頼む。真っ正面からってのはどうも苦手でな」
「それじゃあ……こういうのはどう?満月を模した球型弾幕を中央に……」
「ふむふむ……こんな感じか?」
「うん、そんなの」
「だったらこうした方が……」
「いやいやこっちのが……」
……さて、結構ヒートアップしてきたぞー?妖夢は一言も喋ってないし……
「ちょ、ちょい待てちょい待て。妖夢にも何か言わせてやってくれ、困ってるだろ」
「え、え!?いや、あの、私は……その、刀と半霊も一緒に使う前提なので、あまり参考にはならないかと……」
ごにょごにょ、と語尾を濁す妖夢に、盛大な溜め息を吐いた魔理沙がばしーんと背中を叩いた。うわ、痛そう。
「いっ……!?」
「お前は、ちゃんと、喋れ!自信も持てないのか!?」
「……も、持てます」
「なら――」
魔理沙の説教を聞きながら、俺は妖夢の刀と半霊について考えていた。聞く限り、妖夢の刀は斬った所にしばらく威力が残り、半霊は独立して弾幕を放つ。そっくりやれと言われれば、どだい無理な話だ。でも、
「出来るかも」
「「え?」」
「似た様な事は出来るかもしれない……ちょっとやってみる」
言ってしまえば、半霊の弾幕は魔方陣を置いてそこから出せば良い。刀は爪に妖力を纏わせて引っ掻けば――そして軌跡に妖力を維持出来れば可能だ。
「ふーっ……っ!」
半霊から弾幕を放つが如く、1ヶ所に魔方陣を複数個展開。互いを邪魔しない程度に……調整を……
「……出来た!」
「おぉ……なんかお前、何でも出来そうな気がするな」
「いやそんな事は無いと思うけどなぁ……」
元々少なめに出す様にしていた為、あっさり避けた魔理沙がなんかとんでもない事を言い始めたので否定しておく。俺は咲夜の下位互換だっての。
「まあいいや、次は刀だろ?」
「ああ、だけど……スピードの調整が難しいなぁ……」
「え、ええ……?」
「冗談だ。――はっ!」
「わぁっ!?」
爪に妖力を集中させて―――一気に加速っ!
「……お、残ってる!やった、出来た!」
「おっと。……成長したな、霊夜」
くるくると回りながら降りてきた所を、先生が受け止めてくれた。そのまま優しく撫でてくれるが、ちょっと恥ずかし――――って、今結構人居るよな……?
恐る恐る見てみると、にやにや笑っている魔理沙と、ぽかんと口を開けているアリスと影狼と妖夢が目に入った。元々を知っているもこ姉とパチェは呆れ半分で笑っているが、こあが羨ましそうにじーっと見ているのがびっくりした。……ああ駄目だこれ、魔理沙には絶対弄られる奴だ。
「り、霊夜……君?」
「えぅ……あー……そのー……」
「えーと、妖夢……だっけ?霊夜は昔、慧音の所で育てられてたんだよ。そん時もこうだったなぁ……」
「へぇ~?良い事聞いたなぁ~」
「こら魔理沙、意地悪しないの」
今鏡を見たら、絶対に耳まで真っ赤に染まっているだろう顔をそっと逸らす。アリスの親切心が嬉しい筈なのに、今はただただ恥ずかしい。
「……あうぅ…………」
「ははは、今も昔も霊夜は霊夜だな」
「そーそー、いくら口調を変えようと根っこが変わってないんだよ」
「わっちょっ……」
わしゃわしゃと撫でてくるもこ姉も、やっぱり昔と変わらない。我武者羅だけど根は優しい――だからこそもこ姉、って感じの撫で方。
……あ、ヤバい。眠くなっ……
―*―*―*―*―*―*―*
「……尻尾振ってますね」
「嬉しいんじゃない?目も細めてるし」
「私もやってみようかなぁ……霊夜君があんな風にしてるの、何だか新鮮です」
「あら、そうなの?美鈴やこあによくああされてるけど」
「あの撫で心地は最高ですよ~、一度はやってみた方が良いです」
パチェの話は嘘ではないらしい―そもそも嘘を吐かない―し、私もちょっと撫でてみよう。影狼と言うらしい茶髪の狼女さんもうずうずしているし。
「なぁアリス、私撫でるの下手だって言われたんだが……」
「……ふふっ」
「笑うな!」
―*―*―*―*―*―*―*
「……すぅ」
「あれ、寝ちゃってる……」
寝顔も可愛いなあ、と思いながら頬をつついてみると、指をぷにんと柔らかい感触が押し返した。長い髪と中性的な顔も相まって、眠っていると女の子にしか見えないが、その奥に人を惹き付ける不思議な力を持っている霊夜の、一挙一動が大好きで、それを思うと夜も眠れない。胸が切なくて、でも不快じゃなくて。これってやっぱり――――
「んぅ」
「!」
気付けば唇を奪いそうになっていた。霊夜が寝返りを打たなければそのまま奪っていただろう距離まで、顔が近付いていたぐらいに無意識で、キ、キスを……
「は、はわわわわわ……」
「……これはまた何とも……」
「よくもまあ気付かないものね……」
「本当にな……」
ほぼ全員が、はぁーっと盛大な溜め息を吐いた。しかし、妹紅さんだけは「なるほどね……」と納得していた。
霊夜『で』遊ぶとは一体(この野郎)。次回、弾幕ごっこ回……のつもりだけど果たして尺が届くのやら……(笑)。
ではまた次回。