さて、前回は冥界で妖夢を怒らせた訳ですが、今回は人里へ行きます(ネタバレ)。
ではどうぞ。
「いやー酷い目に遭った……」
あれから謝りに謝って、なんとか―妖夢は涙目で頬を膨らましていた―お許しを戴いた俺は、幽々子の「冥界は関係無いわよ~」という台詞を信じ、次は人里へ向かっていた。例の如く、慧音先生に聞きに行く為である。良いだろ別に、頼りにしてるんだから。
「ってあれ!?
そう、無い。人里があった場所には、更地が広がっているのだ。いやほんとなんでだ?人里を壊さず消すだなんて、そう出来る筈が―――
いや。慧音先生の能力なら可能だ。でも何故?
むむむ……と必死に考える俺の後ろで、微かに足音がした。振り向くと、ランタンの光に照らされた先生の姿が目に入った。髪に光が反射して、幻想的な雰囲気を醸し出している。
「…霊夜か?」
「あ、先生。なんで人里隠してるんですか?」
「ああ、月がすり替えられただろう?人里に何かあってからでは遅いからな」
「なるほど…それと、やっぱり今日はハクタクじゃないんですね」
「当たり前だろう?偽物の月で力が得られる訳が無い」
「ですよね…俺も妖力が回復しないです」
因みに、俺はハクタク状態の先生もカッコいいと思う。歴史の編集を手伝っていた為、はっきり見た事も1度や2度ではない。尻尾に抱きついた事もある。あれはもふもふとしていて心地良かった。頭突きで沈められたが。
「……ん?って事は、先生も何も知らないですか?」
「ああ、残念ながらな。話は違うかもしれないが、私は人里の守護に当たっているから安心して異変の解決に行ってこい」
「はい、了解ですっ……なんだか11年前に戻ったみたいですね」
「ああ、本当に懐かしいよ………」
過去の情景を見ているのか、そっと睫毛を伏せる先生と何故か目を合わせづらかった俺は、少し上を向いた。するとなんと、
「おーい慧音ー、人里は完全に隠れてたからとりあえずは大丈夫だぞー」
「へっ?あ、ああ、分かった。ありがとうな妹紅」
「どういたしまして。それと…霊夜か。どうしてここに?」
「そりゃ勿論、異変を解決しに。今は情報集めの真っ最中だ」
そこで先生がぱんと手を打ち鳴らし、俺と妹紅を驚かせた。いやまあ、先生にそんな意図は無かったのだろうが。
「なあ妹紅、私は異変を解決したい訳だ」
「は、はぁ…そりゃまあ、分かるよ」
「だが、私は人里を護らなくてはならないんだ。となれば、異変の解決には出向けないだろう?」
「まあ、そうだろうなぁ」
……なんだか先生が言いたい事が分かってきたぞ。これってもしかして……
「そこでだ妹紅。霊夜と一緒に、異変の解決に向かってくれないだろうか」
「…………へ!?」
「…やっぱりこうなるかぁ……いや、俺は全然構わない、と言うか来てほしいんだが……それでももこ姉の意見次第だよ」
「うーん…う―――――ん…………よし分かった、一緒に行こう霊夜」
「ほんとか!?助かるよもこ姉!」
「わっちょっ、抱きつく力強っ!お前ほんとに変わったな!」
「へへへ……」
悪戯っぽく笑い、抱擁を解くと、「どこに行く?」と聞いてみた。すると――
「あー、それなんだが……ここかも、って所はあるんだ」
「へー、どこどこ?」
「永遠亭だよ。前に、輝夜の話したろ?そいつが住んでる場所だよ」
「ああ、わがまま姫~ってもこ姉が言っむぐっ」
口を塞がれ、もこ姉をじーっと見ていると、人指し指を口に当てて「しーっ!」と口に出さずに言っている。ここでもこ姉の手舐めたら怒られるだろうなぁと思いつつ、それ以上喋るのは中止。
「……?」
「ははは……大丈夫、なんでもない。霊夜、行くぞ!」
「ぷはっ…あいよ、それじゃ行って来まーす!」
「ああ、気を付けるんだぞー!」
ふわりと体が浮き、横を見るともこ姉が飛び始めていた。なんか飛べるのに浮いてるって変な感じだ。
「いよっと」
「うわっ、びっくりし―――」
「やっほ―――う!」
「ちょっ、待て待て速い速い!」
「あ、ごめん」
「おいおい……」
もこ姉と一緒に何かをするのは何だかんだで久し振りなので、思わずはしゃぎ過ぎてしまった様だ。今は魔力を使って飛んでいるので、節約しなければならない。バランス考えないとなぁ……。
「で、どこ行く?」
「永遠亭だよ。さっき言っただろ」
「そうだっけーあははー」
「もう忘れたのかお前はー!」
「いだいいだい!強く引っ張らないでくれ!」
「あ、でも柔らかい……」
……まあ、大丈夫だろ。多分。
妹紅×霊夜だと会話が繋げやすい件について。このペアの名前付けるなら何だろうなぁ………ちょっと思い浮かばないです←
ではまた次回。