さて本編の話をば。
前回、男の娘ことリグルと、焼き鳥ことみすちーに出会った霊夜。今回は何しあっちょっとお二人ともやめ(ピチューン)ミP
ではどうぞ。
「まだ治らないか?」
「……うん、まだ……」
嘘ではない。もこ姉と手を繋いでる事は健全な思春期男子としては結構嬉しいが、鳥目が治っていないのは天命に誓って本当だ。ここで嘘をついてずっと手を繋ぐなど言語道断だ。……いや訂正、影狼だったら考える。
「わっ」
「おっと、大丈夫か?……足場がちょっと悪いなぁ……おぶってこうか?」
「うん、頼もうかな」
これも下心など断じて無い。足場が悪いとコケやすい為、戦闘になった時はかなり不利なのである。じゃあ飛べよって話だが、まだ鳥目な上に竹林なのでガンゴンぶつかるだろうと思われるからだ。
「よっ。……相変わらず軽いな」
「だからしっかり食べてるって……」
「分かってる、とりあえず行くぞ」
もこ姉が落ち葉を踏む音を聞きながら、俺が軽い理由を考えてみたりする。一番分かりやすいのは、美鈴との手合わせだろうか。あれ結構動くからなぁ、その後風呂にダイブしたくなるぐらいには汗かくし。ええとあとは……あれ、考えてみたら去年の夏辺りから(つまり紅霧異変の時から)かなり動いてないか?筋トレもそこそこの量やってるし……
という俺の長考を、もこ姉の声が遮った。
「……ん?霊夜、誰か居るぞ」
「え、誰?と言うかどんな感じの見た目?」
「えぇー……っと……あ、妖夢だ。あと一人、は……水色の服にピンク髪の女性だ」
「あ、幽々子だ。結局冥界組も動いたんだな」
そこまで呟いた所で、ザザッという音(恐らく妖夢が向き直って構えた)が聞こえた。
「わぁぁぁ白い髪の女の人がぁぁ!」
「あらあら、妖夢ったら怖がりねぇ」
違った、驚いて幽々子に抱きついただけだった。どんだけ怖がりなんだほんとに。半分は幽霊だろうに。
「妖夢。妖夢?」
「うう、悪霊退散悪霊退散……」
「……それ半分幽霊の妖夢が言うか?ってのは前も言った気がするが」
「……あれ?霊夜君?なんでおんぶされてるんです?」
「話すと長いけど……斯々然々」
「なるほど……それじゃあ今は目が見えていないんですか?」
「うん、まあ。でも幽々子、だからって悪戯はしないでくれ」
「あ~ん、見えないって言ってたのにぃ~」
「いやこれは勘だよ」
なんて実の無い(と言ったらそこまでの)話をしている内に、段々と目が見える様になってきた。……妖夢は何故、俺の頭を見て目を輝かせているんだろうか。さっき斬られそうになった身としてはかなり複雑なんだが。近付いてったら両断されました、とか笑えない。
とは言え見える様にはなったので、もこ姉に降ろしてもらう様に指示、いやお願い。親切にしてもらってんのに指示はしたくないし……。
「もこ姉、もう見えるから大丈夫だ」
「そうかい?それじゃ……よいしょっ、と」
「さんきゅ。……やー、視界があるってほんと素晴らしい……」
「何と言うか……少々大袈裟な気がしないでもないんですが……」
「いやいや、至って大真面目に言ってる。目が見えない人の苦労が少し分かった気がするよ」
「そうなんですか?」
そうそう、と俺が返事している間に、幽々子がもこ姉に蝶を飛ばしていた。何だろあの蝶。もこ姉に当たったらさらさら崩れて消えたんだが。
「……?」
「い、いやいやいや幽々子様!なんて事してるんですか!」
すいませんすいませんとぺこぺこ謝る妖夢に、2人揃って首を傾げる。すると、顔を青くした妖夢が説明してくれた。
「今の蝶は幽々子様の能力―『死を操る程度の能力』そのものなんです……」
「へっ……?て、こ、と、は……」
油の切れたブリキ人形の様にぎこちなくもこ姉の方を向き、先程幽々子が何をしたのかを悟った俺は、一瞬音を忘れてもこ姉に駆け寄った。
「だ、だだだ大丈夫かもこ姉!?どっか変な所とか気持ち悪いとか無いか!?」
「あ、あー……そっか、霊夜
「え?……何を?」
当然の様に固まる俺に、もこ姉は1つ咳払いをして教えてくれた。
「
「……へっ!?」
結局妖夢、しかも華麗に戦闘回避。やばいなこれ、下手したらほんとに会話だけだ。
ではまた次回。