前回、輝夜戦入るか微妙だと言ったな……あれは嘘だ。
でも実際、こんな感じの展開にしようとは思ってました。許してくだせぇ。
Twitterで見付けたキャラの身長から霊夜の背を計算してみた所、なんと140~150㎝。……ちっさ!ほんとに16歳(永夜抄現在)か!?
ではどうぞ。
大量の襖が見える廊下―紅魔館の空間拡張と似た様なものだろうか―を駆け抜け、輝夜―さんを付けるべきかは分からない―が居るという部屋へ急ぐ。もこ姉によるともう少しで着くらしいが……
「……霊夜、やっぱり永遠亭もいつもと違う。下手したら、ここを一生――――」
「いやぁ、それは無いんじゃないか?ほら」
「ん?」
「いつの間に……」
先程から逃げも隠れもしていなかったてゐもしっかり連れている為、迷う事は無い筈だ。何故なら、あの時の《報酬》は人参20本だからだ。しかも働き様によっては増量もすると言ったので、まあ大体は大丈夫なのだ。
「……しっかし、にしても長――っと、!?」
床板に躓いてよろけた、その目と鼻の先に。レミィと咲夜が、屋根を突き破って降りてきた。
「あら、霊夜」
「よ、っと……さっきぶり、レミィに咲夜」
「ッチ、違ったか……」
……レミィがめっさ怒ってる。何だろう、ストレス溜まってるのかな?溜まってるか、月がすり替えられてるんだし。
「レミィ」
「っ!――――なんだ、霊夜だったのね」
振り向くと同時に槍――《スピア・ザ・グングニル》を突きつけてきたが、それは充分に間合いを取って躱す。
「ああ、黒幕じゃなくて俺だ。この先に居るらし――」
「行くわよ咲夜」
「はっ」
言い終わらない内に、2人とも消えて――正確には移動してしまった。
「……行っちゃった。ま、追い掛けようか」
「ああ、そうだな」
彼女らならば、きっと輝夜も大丈夫だろう。 ……足止めを喰らえばまた違うのだろうが。
―*―*―*―*―*―*―*
「……貴女が月を盗んだのかしら?」
タンッ、と歯切れの良い音を響かせ、襖が開かれた先には、上半身の右側が赤で左側が青、下半身はその逆というセンスを疑う配色の服を着た銀髪の女が居た。女はやれやれ、と言いたげな顔になると、
「ウドンゲは何をやってるのかしら……蝙蝠が入り込んじゃってるじゃない」
と呟いた。続けて弓に矢をつがえ、
「侵入者ども、輝夜の所へは行かせない。ここで死ぬか、実験台となるか、尻尾を巻いて逃げるか選びなさい」
と言った。私の象徴である月を盗まれて、逃げる?
「……ハッ、逃げる訳無いじゃない。かと言って、残りの2つも願い下げ。――私は、月を取り返す為に来たのよ」
「そう。――なら、死になさい」
女が矢を放ち、私の髪を数本掠め、ドッ!と音を立て――ない。何故だ?あの後曲がってすぐにこの部屋に来たから、絶対に鳴る筈――――
「……なるほどね」
「私はお嬢様の右腕ですので、これくらいは当然かと」
「くくくっ、それもそうね。行くわよ咲夜!」
「お任せを!」
―*―*―*―*―*―*―*
「……光が漏れてるな、あれか」
「そうそう、あそこに師匠が居るの」
「永琳が、か……となると黒幕は輝夜で確定だな」
「そんじゃ行こうか、飛ばすからしっかり掴まっててくれよ!」
「「……へ?」」
早口で詠唱し、終わった時には、足に雷を纏っている。飛行状態から着地し、床を蹴り飛ばす勢いで残る距離―およそ1㎞―を一息に駆け抜ける。……750m辺りからはブレーキにしたけど。
「よっ、と……わっ!」
それでも止まり切れなかったので、扉と反対側の壁を蹴って中に入る。それと同時に矢が飛んできたので、反射的に後ろ回し蹴りで叩き――いや折ってしまう。……怒られないよな?
「悪いてゐ、手ぇ離すぞ」
「へ?ウサ――――ッ!」
なんとか着地に成功したらしく、色々怒鳴ってくるが無視。許せてゐ。
「行かせない!」
「うえぇ!?」
もう少し、という所で永琳が立ちはだかり、仕方無く停止――はしない。
走り続ける俺を見て、レミィも咲夜も意図を察したらしかった。
「ハアァッ!」
「――ッ!」
投げられた神槍とナイフを掻い潜り、永琳に突っ込――む前に極太のレーザーが永琳を直撃した。
「おっ、当たったぜ」
「……魔理沙、当てずっぽうでやるものじゃないわよ?」
「まあまあ、当たったから良いじゃないか」
「……はぁー……」
どうやら――あるいはやはり、魔法使い2人組だった様だ。先に行くぜー!の声と共に飛び去っていく魔理沙とアリスを追う前に、永琳に一言。
「えっと……なんかごめん、永琳……」
「けほっ、けほっけほっ……いいわよ別に、貴方が謝る事じゃないわ」
「じゃーな永琳、また今度ー」
「……輝夜とはくれぐれも《仲良く》ね」
永琳の指摘に、口笛を吹いて答えるもこ姉。……自信、無いんだ……。
―*―*―*―*―*―*―*
レミィは「月は戻ると分かったけど、どうせなら最後までやるわ」と言って、咲夜と共に並んで歩き始めた。
「ストップ。ここだ」
「了解」
すう……と襖が開かれ、部屋の奥にあるけどここにあってはいけないもの――月があった。そしてその下で、1人の女性が微笑んでいた。
――綺麗だ。
そう思わずにはいられない程に、その光景は幻想的で美しかった。
「霊夜。おい、霊夜」
「……あ、ごめん」
「へえ……霊夜っていうのね、貴方」
「「「っ!?」」」
気付けば、頬を撫でられていた。瞬きはしていない。咲夜と同じ、時間操作の能力だろうか?
「おい輝夜、お前焼かれたいらしいな」
「あら、もう
「んだとゴラァ!」
え、怖っ!?もこ姉がここまで怒ったの初めて見たんだけど!?
「きゃー怖ーい、護って霊夜ー」
「え、ええー……」
「……何やってんのよ、貴女達……」
「こっちが聞きたいよ……」
「あら、霊夜じゃない」
「あ、ほんとだ……良かった、戻ったんですね」
どうやら妖夢と幽々子、霊夢と紫も来た――って珍しいコンビだな。霊夢って紫の事ウザがってなかったっけ?
なんて現実逃避していると、魔理沙とアリスも来た。これで異変解決に来たメンツは全員となる。……計10人か、多いな。
「……あら、永琳はやられちゃったのかしら?」
「あー、まあ……かなり不本意なやられ方だったけど」
「そう、残念。――ふふっ、あははははっ」
「……へ?」
「うわ、笑ってるぞこいつ……マゾヒストなのか?」
「……魔理沙、失礼でしょ」
魔理沙の無礼はいつもの事だが、突然笑い始めてどうしたと思わざるを得ないのは俺も――ひょっとしたら全員だ。
「あー、笑った笑った……ごめんなさいね、この部屋にここまで沢山の客人が来たのは久し振りなものだから」
久し振り、という事は、何度か来た事はあるのだろう。……求婚者の皆さんの事かな?
「私は蓬莱山輝夜。貴女達の言うかぐや姫。――貴女達に出すのは、かつて誰も成し得なかった五つの難題」
そう妖しく笑った輝夜は、霊夢と紫に、魔理沙とアリスに、妖夢と幽々子に、咲夜とレミィに、そして俺ともこ姉に1枚ずつ――計5枚の
「――さあ、貴女達だけの答えを、私に見せて頂戴?」
一応紅魔組帰らせる選択肢もあったんですが、それだと難題が四つになるんで帰らせませんでした。そして輝夜のラスボス感……まあラスボスなんですけど。
ではまた次回。