さてさてそんな訳で、永夜抄宴会編その3、どうぞ。
「……えーと、なんかごめん霊夢………」
「いいわよ別に……月の酒とか楽しみじゃなかったし」
(絶対嘘だ……)
「霊夢〜、このお酒美味しいわね〜……あらいけない、霊夢飲めないんだったわぁ」
「紫ぶっ飛ばしに行ってこい」
「当たり前よっ!」
ふんす、と鼻息を荒くして(女子には失礼だろうが、実際荒かった)紫の方へ歩いていく霊夢を見送り、冗談抜きで美味い月の酒を味わっていると、唐突に輝夜が後ろから抱きついてきた。
「わっ、っと、っと!……ふぅ、危ない」
「あ〜、気持ちいいわ〜……えーりーん、
「「「はぁっ!?」」」
な……なんつー暴論だ……レミィ達どころか本人の許可すら取ってないのに……
「輝夜、俺は永遠亭に住むつもりは無いぞ」
「えー、残念……兎達を毎日モフれるのに……」
「中々に魅力的だな、でもたまにで大丈夫だ」
「むー……」
「おら離れろバ輝夜」
「おぐわーもこ姉俺も振ってるからストップ!」
「……悪い」
輝夜がいい盾を手に入れたと言わんばかりにケラケラ笑っているが、飲みにくいのでやめてもらえないだろうか。あと口喧嘩始めないで、耳に響くから。
「あーもう、とりあえず離してくれよ!」
「嫌よ、貴方離したらもこたんが殺しに来ちゃうもの」
「……あのな、俺は――――」
「……!!」
何かは言わないが、俺の言葉により一瞬力が抜けた輝夜からするりと抜け出し、徳利とお猪口を持って離れる。こういうのは抜け出したもん勝ちなのだ。
「……よ、影狼」
「わぁっ!な、なんだ霊夜かぁー」
「ははは、ごめんごめん。一緒に飲むか?」
「……うんっ」
……あの、既に頭の中がパニック起こしてるんですが。あー駄目だもう影狼が可愛い。
「霊夜?霊夜ー?」
「……へっ!?あ、なんだ?」
「お猪口の中空っぽだよ?注いであげるね」
「ああ、ごめん……」
―*―*―*―*―*―*―*
「……なんであそこ
「知らないぜ。あいつこーゆーのヘタレだよなー」
「聞こえたらまた怒られるわよ」
「そん時ゃブン屋に写真貰って盾にするぜ」
魔理沙が指差した先には、確かに文が居た。……ちゃっかりしてるわね。
「それはそうと咲夜、アンタ結構酒に弱いのね」
「うう〜……あらたに言われらくてもわーってるわよ〜」
「うわっ、ベロベロ……魔理沙、布団に運ぶわよ」
「あいよ。……布団敷いてあるのか?」
「勝手に使うわ」
「……お前らしいぜ」
―*―*―*―*―*―*―*
「……なあ影狼」
「うん?どうしたの?」
「あー、うー……えーと、あの……はい、これっ」
珍しくしどろもどろな霊夜が、顔を真っ赤にしながら渡してきたのは、1つの箱。……何だろう?悪いものではないみたい―と言うかそもそも入れない―だけど。
「……これ、ブローチ?しかも2つ?」
「……前々から思ってたんだけど、そのドレスに何もアクセサリーとか着けてないだろ?……だから、それスカーフの真ん中とかに着けてみろよ。きっと似合うから……」
語尾がごにょごにょとして聞こえづらかったが、それでも私の為にこれをくれたのは分かった。……でも、2つも着ける意味あるかなぁ……?
「……もう1つは俺の。気を悪くしたら謝るけど……お揃いって事だよ」
「……ぷっ、あはははははっ」
「やっぱり、嫌だよな……ふぐっ!?」
「何言ってるの、そんな訳無いでしょ?……嬉しいよ、ずっと大切にする」
「……良かった」
その後ブローチを着けて―霊夜は後日、紅魔館の魔女さんに少し加工してもらって、ペンダントとして着けた―、わかさぎ姫を始め草の根メンバーにあれこれ言われたのは別の話。
あ、因みにこの話には続きがあって……
「……影狼」
「なーに?」
「……だよ」
「……?」
「あの……言いづらいんで1回抱きしめるのストップしてもらっていいですか」
「あ、ごめんね……それで?」
「……ふー………あのさ、その……俺、影狼の事が……好きなんだ」
「えっ……あぅ……もー!夢かホントか分かんないよー!」
「ええ!?ちょっ、落ち着け影狼!夢じゃないから起きてるから!」
「そーゆー時に限って夢なんだもーん!」
「た、確かに……えーとそうじゃなくて、えーと……」
「……ふふっ、冗談。私も霊夜が好きだよ?」
「……きゅう」
「わぁぁぁっ!?霊夜ー!しっかりしてー!」
……この後よく聞いたら、ただ酔い潰れただけだって。大丈夫、霊夜はしっかり覚えてたよ。
リア充爆発しろ(何回目)。
……さて、永夜抄はあとEXだけですね。早いんだか遅いんだか……と思ったんですが永夜抄本編だけで12話近く使ってたんですね。早い遅いじゃなく長いでした。
ではまた次回。
もし良かったら、「妹紅と手合わせ」か「慧音の手伝い」のどちらか、それ以外が良ければその内容を感想でお知らせください。