紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、卒業校の離任式を全く知らなかったユキノスです。いやほんとに、いくらLINE持ってないからって連絡も何も無かったんで聞いた途端に「はぁ!?」って声出しました。だからゲーセンにあんな人数が居たのかなぁ……と思うとコミュニティ所属数が少なかった事に苦笑いします。皆さんはちゃんと友達作りましょうね!
てな訳でどうぞ。


永夜のその後

この暖かな感触から離れたくない。

この手に全てを委ねて、どこまでも沈んでいきたい。

でもどうだろう、瞼越しに届く光が、徐々に目を覚ましていく。だが、暖かな感触は消えていない。……となると、この感触は現実?

「う………」

「おや、起きたか?おはよう、霊夜。と言っても、昼過ぎだがな」

「あ……せんせー、おあよごじゃいます……くぁぁ……」

「昨日は……いや今日か?とにかくお疲れ様。煮物しか無いが、食べていってくれ」

「え、そんな悪いですよ……」

「いやいや、ここまでの量を進められたのは霊夜のお陰だからな。その礼も含めているという訳さ」

「はぁ……なら、ありがたく頂戴します。顔と手、洗ってきますね」

そういやなんでこうなったんだっけと思いつつ、昨日の回想をしてみる。えーと、確か……

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「やっほーもこ姉ー」

「うん?霊夜か。どした?」

「遊びに来たー」

「子供かっ」

「子供だろうに」

「そーいやそうか」

忘れてた忘れてた、と笑いながらも、もこ姉は竹炭を作っている。……そういやミスティアに売ってるんだっけか。屋台も行ってないなー、魔理沙の家の掃除にも行ってない。……結構前だけど未だに行けてないんだよ。だって咲夜会えないんだもんよ。

「まあそれは建前として、本音は?」

「この前先生に「妹紅は体術なんかも得意なんだぞ」って教えてもらったからどんなのかなーと思って来た」

「得意……得意なのか私……」

「えっ、違った?」

「いや出来なくはないんだが……自己流だから何とも言えん」

「んー、まあ実戦で使えれば充分じゃないかな?」

「実戦てお前……殺す為に武術習ってるのか?」

「自衛手段だよ自衛手段。やられたら殺さない程度で追い返すって訳」

「だろうね、本気でやったら慧音が激怒するから」

「そゆこと。……じゃあ、相手を頼めるかな?もこ姉」

もこ姉は言葉で返さずニッと笑い、体の力を抜いた。つまりは「いつでもかかってこい」と言いたい……のだろう。ちょっと自信無い。

「―――――――、ふ―――……セイッ!」

「よっと!へえ、中々どうして良いじゃないか!」

「そりゃ、まあ!毎日稽古は、してるから、ねっ!」

話している間も手は止めていないが、全てが腕の動きでいなされてしまっている。全て真正面から受け止める美鈴とは違う、剛ではなく柔の体術。

実の所、申し訳無いが技を習うだけなら萃香の方が100倍は早い。だがそれに比例して危ない。まともに喰らえば腕が()げる様な稽古とかやりとうないわ。

「っ……!」

「……なるほど、お前の弱点見付けたぞ。要するに()()()()()()()

「ぐぬぬ……」

喉元に指を突き付けられ、的確に弱点を指摘されてしまった。……言われてみれば、確かにフェイントとかしてないなぁ……美鈴も得意じゃなさそうだし。ううむ、課題が増えた。

「でもまあ、筋は悪くない。でも、ただ殴る蹴るが体術じゃない……ってのは知ってるよな」

「うん、それは分かる。頭突き、体当たり、足払い、引き落としからの膝蹴り……」

「そこまでやってんのか!?あーでも、寝技とか拘束手段とかも身に付けておいた方が良いぞ」

「あー、なるほど……んー、萃香だと拘束と書いて粉砕しそうだからなぁ……もこ姉、その辺レクチャーしてくれない?」

「ん?良いぞ。暇が出来たらウチに来い。居なかったら……まあ、永遠亭か、夜は夜雀の屋台に居るから」

「うん、了解。……早速だけど、フェイントのやり方教えてー」

「元気な奴だなお前は……よし分かった、まずはだな……」

この日から度々、もこ姉の家を訪れる様になった。永遠亭に行った時、輝夜と殺し合いをしていた時には本気で怒鳴ったが、うるさくし過ぎたらしく3人とも永琳に叱られてしまった。因みにこの後、俺が居る時には2人とも仲良くする様になった……というのは鈴仙の話。あ、鈴仙も体術得意なんだっけか。ナイフ使う前提だったらどうしよ。

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「こんばんは、先生」

「お、おぉ、霊夜か。ブローチは喜んでくれたか?」

「はい、お陰様で。選ぶの手伝ってくれてありがとうございました」

そう、影狼に送ったブローチは、先生と一緒に選んだのだ。俺がうんうん唸っている所に先生が通りかかり、事情を小声で説明したら快く引き受けてくれたが、「赤飯でも炊こうか?」と言われてしまった。恥ずかしいから言いふらさないでほしい、と釘は刺したが……杞憂だったらしい。

「それで、お礼がしたいんですけど……」

「ふむ、お礼か?」

「えと、内容は考えてるんですが……その、嫌じゃないかなと……」

「ははは、礼をされて嫌な顔をするぐらいならそもそも遠慮しているさ。それで、何をするんだ?」

「歴史の編纂(へんさん)の手伝いをしようかなと」

「それなら今から始める所だ。帰るついでに話しながら歩こうか」

「そうですね。……いてて」

「ん?どうした、筋肉痛か?」

「はい……昼間にもこ姉と色々やってて……」

「なるほど……無茶はしない様にな」

「はいっ、大丈夫です。あ、そう言えば大妖精が『チルノちゃんが宿題やらなくて……』って言ってましたよ」

「ああ、彼女は本当に優秀なんだが……チルノは本当に頭を抱えるよ……」

「未だに『子分になれー!』って言ってますからねぇ……」

「ふふっ、まだ言われてるのか?お前も子供に好かれるなぁ」

「えーと……あ、確かにそうですね。寺子屋に来てる面子は仲良いのが多いです」

「……と言うか人間以外はほぼ全員じゃないか?」

「……ですね」

2人して微妙な顔で笑っている内に、もう日の入りが訪れていた。よく見てみると、先生の髪も次第に緑がかってきているのが分かる。角も少しずつ生えてるし。……って、なんか違うと思ったら服の色か。

「思ったんですけど……先生って、満月になったらそれ用の服とかに着替えてるんですか?」

「ああ、流石に服の色が勝手に変わりはしないよ。そんな服があるとも思えないしな」

「確かにそうですね」

――気のせいだろうか?先生の顔に、悲壮感に似た感情が見え隠れしているのは。

「――今は気にする事でもないかな」

「どうした?」

「ああいえ、なんでもないです。ささっと始めちゃいましょう」

「ああ、そうだな」

すっかり仕事(?)モードになった先生は、下手に刺激すると頭突きによって物理的に沈められるので、ここからは俺も仕事に集中する事にする。……ん?何するんだって?巻物の用意や墨の補充、あとは休憩時のお茶とか。先生だけでなく皆そうだが、流石にぶっ通しで出来る訳じゃないのだ。むしろ出来たら凄い。

「「………………………」」

特に何を話すでも無く、黙々と作業を進めていく。昔はあの尻尾をぎゅっとした結果沈められたが(本当に床に沈んだ。更に、その数日前の記憶が綺麗さっぱり無い)、今回は自分の尻尾で我慢する。むぅ、やっぱり自分のだとなんかあんまり気持ち良くない……いや、もふもふはしてるんだけどさ。なんか違和感がある。

「……霊夜、巻物を頼む」

「はーい分かりましたー。……えーと確かこの辺に置いてた筈……あったあった」

「ありがとう。それとお茶も頼めるか?」

「大丈夫ですよ、今持ってきますね」

こういう時、魔法を効率良く使う事で時短になるのだ。ヤカンが焦げたりしない程度に炎で熱する事で、普通に沸かすより早く沸かせる。……実は温度も変えられる様になったのは割と最近で、前は超高温かぬるま湯ぐらいの熱さしか出せなかったから、かなり進歩した方だろう。

「はい、どうぞ。……どの辺まで進みました?」

「ありがとう。そうだな、今は永夜異変まで書き終えた」

「おおー、じゃああと半分ですね」

「ああ……と言っても、実は半分まではもう少し掛かるんだがな」

「そうなんですか……ふぁぁ……」

「おいおい、流石にもう寝た方がいいんじゃないのか?いつもならとっくに寝ている時間だろう?」

「ふぁい……でも、もうちょっと起きてます……先生、いつも朝まで作業じゃないですか……だから、すこ、しは……………んんん」

気を緩めたら閉じてしまう瞼を必死に開き、閉じたらまた開き、というのを繰り返し、ぷるぷると首を振ったりしてみるが、(大体)夜中の3時まで起きた事は1度たりとも無い為、襲いかかる睡魔に勝てる訳も無く……

「……すぅ」

「やっぱりな……まったく、いくつになっても可愛い奴め」

深い眠りに入る直前、柔らかな手が持ち上げ、もふもふとした柔らかな所に寝かされた。

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「……?」

「どうした霊夜、布団など触って……寝心地が良くなかったか?」

「いえ、やっぱり違うなぁと……と言うかあのもふもふした感触、やっぱり先生の尻尾ですよね!」

「分かってたのか?こいつめ」

「だってあんなに柔らかくて安心するのは先生のだけですからね」

「褒めても煮物しか出ないぞ?」

「それで大丈夫です」

その後も色々な事を話したが、紅魔館に帰った時にこっ酷く叱られてしまった。何も連絡を寄越さずに帰らなかったんだし、それはまあそうか。




結局EXは意見が無かった為どっちも書きました。いぇい。
さて!次回は何しよう!(おい)
ではまた次回。
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