紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、ユキノスです。
そして申し訳ない!前回の最後、『レミィが(以下略)』の所、『パチェが、()()()()()()()()』でした!何故間違えたのか?寝惚けてたのかと!(てめぇ)

……はい、書き手としては最悪クラスの大間違いをした所で改めて、なんかもう色々ごめんなさい。


ではどうぞ。上記以外の変更点はありません。


我儘

「起きなさい、霊夜」

「う…………パチェ?」

「あら、ご不満かしら?折角鍵を開けてあげようと思ってたのに」

鍵を指に引っ掛けてクスクスと笑うパチェに、どこか違和感を覚えた。どこだろうか?それとも気のせいだろうか?

「そう、だな……不満な訳じゃないさ。ただ、牢屋の鍵(それ)首輪(これ)の鍵は違ってる筈だろ?」

「……え、ええ。だから首輪の鍵(それ)も持ってきてるわ」

「それともう1つ」

「……何?」

露骨にイラついている様子だ。……おかしい。普段のパチェなら微笑程度しかしないし、何より話はちゃんと聞く。ストレス、とも違いそう。決定的なのは──

()()()()()()()()()()()()?」

そう、今俺に装着されている首輪の鍵。そんなものは()()()()()()()()()()()()()。何故なら、首輪の鍵は《呪文》だからだ。因みに俺は知らない。

「っ……何を言うかと思ったら、そんな事ね。いい、それを作ったのは私であって──」

「違うよな?……パチェが来た時には既にあっただろ?前に話していたじゃないか」

「~~~~~~~!」

「なぁ……()()()()?」

笑顔。隈が無い。魔力をそこまで感じない。発言がバラバラ。血色も良い。そして何より、俺の安全を考えているなら間違いなく出そうとしない筈。

「……ふ、ふふ。あはは、あははははははははははは!」

「…………」

「あーあ、流石にバレたみたいだね」

ぐにゃり、とパチェの見た目をした何かの形が歪み、戻った時には、()()()()()()()()()()()()()()()()()()狼女が居た。

「こんにちは霊夜君、死んで?」

「がっ……!」

狼女が妖力を放出した。ただそれだけで檻ごと吹き飛んだ俺は、しかし首輪の鎖によって少し止まった。だがそれも所詮は少し、すぐに根元が砕けた。加減されたのか馬鹿にされているのか天井に背中を強く打つだけで済んだが、パチェに化けていた時はしなかった強い血の匂いがする。

──こいつだ!

しかし、人里で問題になっている人殺しの犯人が分かったとは言え、俺に似ている以上は《そっくりな代わりを探してきただけ》と一蹴されるのがオチだろう。となると、俺はもう人里に入る事は不可能に近いという事が決定した。

「……いや、今はそこじゃないか」

頬を叩き、頭の中を切り替える。今後の不安より今の修羅場だ。

「あははっ、君に化けてした人殺しは楽しかったなぁ……ねえねえ、もっとさせてくれなぁい?」

「却下。俺は殺しが大嫌いなんだ」

「ちぇー、つまーんなーいのー。あーあ、折角60年に1度の良い機会だったのに」

──こいつ、殺しを楽しんでやがる……!

待て、()()()()()()?こいつ、死者が増える事を知ってたのか?

「……お前の目的は、何だ」

颯忌が聞いたら大爆笑しそうなレベルで(しわが)れた声が出たが……自分も殺されるかもしれないと思えば、こんな声が出てもおかしくはない筈。今はひたすらに、時間稼ぎに徹するしか無い。

(……頼む、誰か来てくれ……!)

いやまあ来るんだろうけど。地下とはいえ一応音は通るので、檻を壊した音やぶつかった衝撃、また妖力は感じられる筈だ。

「っ、あ、が……っ!?」

「あれれ~、どったの?わっ、この鎖重ーい!」

恐らく逃亡された時の足止め用だろうが、首輪と鎖が冗談では済まないレベルで重くなったのがキツ過ぎる。

(動け、な……)

「あはっ、まあいいやぁ。ねえねえ、その右目見せてよ~」

「やめろ……!」

「君の意見は聞いてないの。私が見たいから見るんだよ、分かる?」

そう言って俺の上に跨り、眼帯(右目が潰れているので、前から着けている)を取り払い、右瞼を強引に開いた狼女は──その中に爪を入れ、撫でるように引っ掻いた。

「い゙っ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!」

眼球の周りの肉を引っ掻かれて叫ばない奴が居たら、そいつはもう人間も妖怪も超越してそうだ。

「あ゙っ、あ゙あ゙……!」

「きゃはははっ、面白い声~。……ねえねえ、もっと聞かせて?」

恍惚とした、甘い蜜を舐めているかの様な顔で、狼女は呟いた。これで発情でもしているのか、乗っかっている所が少し濡れているのが気に食わないが、1ヶ月もの間動いていない体は鈍りに鈍っている。恐らく、今狼女(こいつ)をぶん殴ろうと、大したダメージは与えられない。今は、耐えるしか無いのか……?

「はぁ……可愛い♪ねぇねぇ、私のモノ(オモチャ)になってよー♪良いでしょー、可愛がってあげ──」

言葉は最後まで続かなかった。……いや、続けさせなかった、と言った方が正しいか。

「ハッ、霊夜(そいつ)はお前如きに扱える代物ではない。──失せろ、ハイエナ。貴様には、荒野で死肉を貪る方がお似合いだ」

レミィの槍─それこそ致死の威力を持つ魔槍─が2度投げられ、流石に狼女も舌打ちした。俺で遊ぶ快楽より、致死の槍を掲げるレミィに天秤が傾いたのだろう。俺に跨るのを辞め、寒気がする程の殺気を放っている。

「……ハイエナ?蝙蝠の幼女は狼とハイエナの違いも分からないのかな?」

「分かっているさ。分かった上で、貴様はハイエナだと言っている」

「ふーん。じゃあよっぽど馬鹿なんだね。霊夜()()()()()()()、区別がつかないなんて」

「霊夜は、正確には狼どころか妖怪ですらない。言わば《なり損ない》だ。……だがな、私は霊夜を《飼っている》のではない。1人の《家族》として接している」

「レミィ……」

「だからこそ」

右目は涙腺も取ったので涙は流れないが、左目から涙が溢れた。先程流れた苦痛ではなく、《家族》として認めてくれている事の嬉しさに。

「地の底で悔やむがいい。私の《家族》に手を出した事を。2度と、私から《家族》は失わせん」

高慢で背伸びしたがりな吸血鬼は今、普段の姿を全て捨て、怒りの炎を燃やしていた。




レミィはかっこいい、いいね?

さて狼女ですが、今はなんと名前すら決まっていません。相変わらずの無計画。今だから言えますが、実はこの花映塚EX、当初の設定では人殺しは狼女ではなく、《霊夜を苦しめていた男》でした。それがここまで変わってます。永遠亭では、輝夜に右目を治して貰ってました(これは輝夜の能力としては無理だからという理由があった)。そして、美鈴に気絶させられる事も無く、1人で人間を相手にしようとしていました。
ここまでで何が言いたいのかと言うと、《プロットを書いていてもいなくても、投稿する前だったらいくらでも話を捻じ曲げて良い》という事です。勿論設定はちゃんと通さないとダメですが、書いていて「これで大丈夫かな」「こっちの方が面白いんじゃないかな」という考えがあれば、いくらでも書き直すor別の話を書いても構わないのです。
投稿された後で話が大きく変わったら、勿論困惑するでしょう。ですが、投稿する前、つまり誰にも見せていない状況で大きく変わっていても気付かない訳です。


そろそろ長くなってきたので要約すると、《面白いと思ったものを書く。ただ、それ以上に面白いと思ったもの、または別のものが浮かんだ場合は、遠慮なく書き直し、手直し、別の話を書く等して構わない》という事です。最後に、《我々はプロではなく、趣味として楽しんで書く》という事を忘れなければ、書き手としては十分だと思います。文章力だのストーリー性だの何だの、気にしてどうするんだと。自分が『良い!』と思ったものを書けば良いだけです。書き手を目指す人、もしくは書き手をしている人、ガンバレ!

ではまた次回。後書きに約700字もの長文失礼しました。
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