紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、ネッ友のパズドラーオフに行けなかったユキノスです。ボーリングやってたらしいです、楽しそう()。
まあそれは単に金欠だったからなので置いとくとして、今回はハロウィン特別編その2。本編もさっさと進めないとですね。他の小説もなんですが。他の小説もなんですが!(重要)
ではどうぞ。


特別編:HAPPY HALLOWEEN!!

「いよっ、と。よっ、お2人さん」

「あっ、霊夜!やっほー!」

「あら、妙に凝った仮装なんかしちゃって。……目の色違うけど、何?」

「紫に貰った。『カラーコンタクト』っていうんだとさ」

「ふぅん……」

先程紫に貰った──と言うか着用させられたのは、何も服だけではない。と言っても、カラーコンタクト─目の色が変えられるんだとか─だけだったので、他に何か……と思ったが、髪を結ぶ以外何も浮かばなかった。お洒落とか普段しないからなぁ……。あ、尻尾はローブに隠してるぞ。

「で、なんでまた?貴方、傍観者の立場じゃなかったの?」

「いや俺もそうするつもりだったんだけどさ……」

事の顛末を、今度は紫に言われた分をプラスして説明する。紅魔館での事については「なぁんだやっぱり協力的なんじゃない」と笑っていた2人だったが、紫(と、(影の苦労人))との事については苦笑していた。フランは申し訳なさそうにしていたが。

「……まあ、俺は俺で楽しむ事にするよ。名目上は監視だけど」

「ええ。それじゃあ行くわよフラン、レイ」

「れ、レイ?」

「霊夜は霊夜だよ?お姉様、頭のネジでも取れた?」

「ねぇ、どうして庇おうとしてるだけでここまで馬鹿にされるの私?」

「……あ、レイって俺の事か。すまん、普通に気付かなかった」

「そうよ。霊夜じゃバレるかもしれないじゃない。それと、少し高めの声って維持して出せる?」

「へ?ああ、出せるけど……ああ察した、女性のフリしろって訳だな」

うん、と頷いたレミィにおいおいマジかよとは思ったが、むしろ男性でここまで伸ばしてるのは俺ぐらいなのですぐバレそうだ。となると、妥当な判断と言える。……あれ?レミィ有能過ぎない?頭の回転早くない?俺が遅いの?え?

「りょ──じゃない、レイ?レーイー?」

「ん、えっ?って、おーい待……んんっ、待ってー!」

ひょんな事から奇妙な女装が始まった件。どうしてこうなったし。

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「……通してもらえて良かった」

「正直、肝を冷やしたわ……」

「あっ、ねぇねぇお姉様!色んな人が仮装してるよ!」

「あら、ほんと。狼男だけ妙に居ないのはわざとかしらね?」

「多分な……じゃない、多分。まあ、魔女っぽい格好した人と言ったら……」

「ようお前ら!お前らも来てたんだな!……と……あっ霊──」

「し、しーっ!」

「……?」

首を傾げる魔理沙を物陰に連れていき、こうなった経緯を話す。そして、俺が本来なら人里に行ってはいけない理由も話した所で、ようやく納得してくれた。

「……なるほどな。にしても、お前も災難だなーレイ」

「ほんとにね。それじゃ、また」

「はいはい、またな」

魔理沙と手を振って別れ、本物の吸血鬼姉妹を追い掛けた、が……

「……早速はぐれた。どーしよ……レミィー、フラーン」

と言っても、この人混みでは声も届きそうに無い。……文が新聞でハロウィンについて書いてたが、絶対に書いてた内容と違ってるぞ。アレには、「仮装した子供が家々を訪ねて甘味を貰う」と書かれていた。なんで大人もしてんだ、仮装。

「うーん……あっ、すいません」

「いや、そちらこそ大丈夫か?……って、」

霊夜!と叫ぼうとした先生の口を必死に塞ぎ、また説明。今日だけで何回説明したのやら。そしてこれ知り合いに会う度にしそうだ。

「……なるほど、とりあえずウチに入れ。そこで落ち着いて話そう」

「は、はぁ……」

俺としては、レミィとフランが心配なんだが……と思ったが、どうやらそっちはもこ姉が行ってくれるそう。なら安心。

「……さてと。とりあえず、奥に来てくれ」

「は、はいっ」

「……ぷっ、あはは……駄目だな、そんな感じで居るのを見ると……どうしても、女性に見えてしまうよ」

「うぐっ……ま、まあ女顔ですから。それで、どういった要件で──」

そこまで言った途端、小さな包みを渡された。その中から、微かに甘い匂いがする。

「……お菓子?」

「ああ。《はろうぃん》はそのようなものだと聞いたので、な。……本来は、豊穣を祈る祭りらしいが」

「みたいですね。ブン屋の解釈がちょっと違ってたんでしょうか?」

「かもしれん。……ん、なんだ?やけに騒がしいが……」

言われてみれば、確かに騒がしい。「せーの!」とか何とか言ってるが──

ズドォン!

「うぅわあ!? な、何が……」

「……あいつら、何をやっているんだ……」

手招きされたので見てみると、ひっくり返った荷車が見えた。近くには、それに載っていたらしい石─大きさからして、恐らく漬物石─があちこちに落ちている。

そして、ひっくり返したであろう大人達は……何故か、大喜びしている。因みに子供はドン引きしている。

「……先生、ここはいつから地獄郷(ディストピア)に成り果てたんです? ……先生?」

返事が無いので気絶しているのか……と思ったがそうではないらしい。勢い良く扉を開ける音がした。

この先は見ても地獄絵図だろうとは思った。先生が1人1人に頭突きをかます音がしているし。……だが、暴徒と化した集団を、先生ともこ姉の2人─レミィとフランが加わっているなら別だが、恐らくそれは望めない─だけで止めるのは難しいだろう。

「ったく……なぁんで行く先々で騒ぎが起きるんだろうなぁ」

そんな愚痴を零しながら、次々と沈んでいく人の波を掻き分け掻き分け──る必要は無い為、飛んで中央へ。

この魔法は覚えたてなのでどこまで範囲があるかは分からないが、個人にしか無いと言ったら泣きたい。

「ハルフ・グリンプス・プリースス・マーヒュン……」

何だ何だ、誰だあいつ、との声が聞こえる。何人かは呂律が回っていないらしく、どうやら酒を飲んだ結果ああなったらしいが……まあ、分かった所で遅い。

「……?なんらか……眠……ひゅ……」

パタパタと倒れていく……もとい、眠りに落ちる人達。と言っても、人外である先生やレミフラ姉妹、あと人外枠に入ったらしいもこ姉は起きているが。

「助かったよ、レイ。……いや、霊夜で良いか?」

「えっ、うーん……一応、まだレイで。効果がどこまであるか、……私も分からないんだ」

「そっか。そんじゃレイ」

「……もこ姉?」

「ほい、そこで買ってきた団子だ。持って帰って、皆で食べな」

「……うんっ!」

「って、尻尾そこにあったんだな。見えないからどこにあるのかと思ってた」

「えへへ……まあね。……しっかし荒れたねぇ」

「ああ……あいつら、ここまでやるとは思わなかったよ」

「ふふっ……ほんとにね」

今の笑い方が無意識に出たので、しばらく女言葉が無意識に出そうになると思うとゾッとしないが……範囲の外だったのだろう、小走りに阿求が来るのが見えた。

「はっ、はっ……ふぅ、疲れた……あれ?何やら大騒ぎだった筈ですが……」

「ああ、それならこいつが……レイが止めてくれたぞ」

「レイ……?気のせいでしょうか、霊夜さんに似ているんですが……」

「似てるも何も、本人だよ。訳あって女装する羽目になったけど」

「あ、そうなんですね……心中お察しします。それと、今回の件について幻想郷縁起に載せたいのですが……止めてくださった霊夜さん、じゃなくてレイさん。何か、一言お願いしても?」

「えっと、そうだなぁ……『ハロウィンの日は、豊穣を願おう。ハロウィンの精より』って書いといて」

「何よその、『ハロウィンの精』って。ダサいにも程があるわ」

「そう?『不夜城レッド』よりは良いと思うけど……」

「へーえ? レイ、後で私の部屋に来なさい」

「やーだ。……あ、そうだ。文には、こう言ってたって言っといてほしいな。『「Trick or Treat?」と聞いても聞く耳を持たず、お菓子をくれなかったので、イタズラしました。慧音さんと妹紅さんは、お菓子をくれたのでイタズラしていません』って。勿論、レイの名前でね」

「はい、言っておきます。……今回は暴動になってしまいましたが、皆さんありがとうございました。お礼に、お菓子をお渡ししますね。吸血鬼のお2人にも」

「ほんと!? やったねお姉様!」

「ええ、私からも礼を言うわ。こんなに賑やかなハロウィンを過ごしたのは初めてだもの」

これで『賑やか』と呼べるとは、レミィはどれだけの暴動が起きたハロウィンを過ごしていたんだろうか。それとも、過ごした事が無かったからなのか。……それを聞くのは、野暮というものだろう。

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

こうして、ハロウィンの暴動は終わりを告げた。スカーレット姉妹は紅魔館に、もこ姉は竹林に帰ったが、俺は衣装の返却と藍の労いの為にマヨヒガへ向かった。無意識に飛んでいれば案外入れるもので、今回もすんなりと入れた。

「よっと。お邪魔しまーす」

「おや、ようこそ。無傷で来たという事は、平和に終わったらしいな」

「お陰様で。……藍、お前結局休まなかったな? 幻術で俺の顔を分からない様にしたの、気付いてるぞ」

「何、それからはちゃんと休んださ。……それと、その衣装とカラーコンタクトは譲渡するそうだ」

「な、なにっ……となると、俺ハロウィンの度にこれ着て行かないと駄目って事か……」

「そうなるな。術を掛ける時に見ていたぞ、お前が女言葉で喋っているのを。案外、違和感の無いものだな」

「ふーんだ、毛繕いしてやーらない」

「……子供か、お前は」

子供だ、悪いか。こちとらまだ17だぞ。……大人と言っても差し支えない歳だった。

「……中間ぐらい。上がるぞ」

「む、毛繕いはしないんじゃなかったのか?」

「違うよ、お前に渡すものだよ。……はい、これ」

やけにぶっきらぼうな渡し方になったが、阿求に貰った金鍔──を、丸ごとではないにせよ持ってきた。これは、藍に対するお礼として受け取ってもらいたい。浮気とかじゃないし、そもそも恋愛感情は無い。

「……ふ、そこまで言わずとも分かっているさ」

「思考を読むな。わた……俺そんなに分かりやすいか」

「ああ、観察していればな。それと、毛繕いする気でいるのも分かっているぞ」

「……バレたか。ほら、寝っ転がんな。膝枕は流石にしてやれないが」

「分かっているさ。どうせ『影狼にしかしないから』だろう?」

「……そうだよ。あーもー、調子狂うなぁ……」

クスクス笑っていた藍だったが、珍しく帽子も取っていて、ついでにそのサラサラした髪も梳かしておいた。梳かしている途中、気持ちよさそうに目を細めていたのにはドキッとしたが。

9本全て毛繕いした感想としては、冬毛になってもふもふした尻尾が本当に魅力的だった。毛繕い前に存分にもふもふしたが、これが本当に癖になりそうなレベルで気持ちいい。いつかこれで枕でも作ってみたいなぁ……と思いつつ、ちゃんと眠っていたのは嬉しく思った。

お菓子をくれなくても、こいつだけはイタズラしたくないとも思った。元々苦労人だし。

 

 

そう言えば、颯忌はどうしているのか知りたい人も多いだろう。実は今日、颯忌は散歩に出掛けていたんだ。何せあいつはハロウィンを知らないから。帰ってきた時、「なんで連れてってくれなかったの!もー!」とポカポカやってきたが痛くはなかった。まあ、来年は参加させようか。




最後関係無い?ンなこたぁ良いんですよ!藍しゃま労おうぜ!

さて、そんなこんなでハロウィン特別編はようやく完結いたしました。……え?「最近見覚えのあるものが混じってた?」いやいやまさか、ハロウィンで軽トラひっくり返したなんてある訳無いじゃないですかやだー(棒)。
余談ですが、件の動画が撮られた近くでダンスバトルが行われていたそうで、そこに友達が居たそうです。世界大会優勝者が居たとか何とか。

ではまた次回。
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