紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、ユキノスです。今回は紅魔郷EX。…ただ原作とは違うかな?
ではどうぞ。


指切りげんまん

「はぁー…修復作業が終わってからで良かった…」

「この時期の夕立は珍しいわね…確かレミィが博麗神社に行ったけど…」

「この雨じゃ無理ですよー…しかも日傘しか持って行かないんですもん…」

「…うわ、そりゃ災難だな」

「…私にとっては貴女の行動(本泥棒)が災難よ」

「失礼だな、私は死ぬまで借りるだけだぜ?死んだら返すさ」

夏が終わり、季節は秋に差し掛かろうとしていた。が、パチェの台詞通り珍しく夕立が降り―もっと言えば、パチェの喘息の調子が良い―、俺、パチェ、こあ、魔理沙の4人はヴワル魔法図書館にて談笑―もとい、魔理沙を監視していた。理由は簡単、度々本が盗まれる様になったからである。霊夢はそんな事しないし、そもそも魔法が使えない。しかし魔理沙は魔法が使えるし、よく紅魔館を訪れている。となれば犯人はもう1人しか居ない。

「―そう言ってる側から逃げようとす―」

 

ドッゴォォォォォン!!!

 

という音が、地下室への扉―の更に奥、地下の方から響いた。

「! …まずいわ霊夜、フランが…!」

「マジかよ……パチェ、水って出せる?」

「出せるけど、…なるほどね。兎に角急ぐわよ!こあ、付いてきて!」

「はっ、はい!」

「丁度いい、手伝え魔理沙」

「分かったぜ。1つ貸しな?」

「戯け、こちとら魔導書が取られまくってるんだ。貸しな、はこっちの台詞だ」

「…あぁもう、兎に角行くぞ!」

そう言って螺旋階段を駆け降り、辿り着いた先で―なんと扉が木っ端微塵、としか表現出来ない程に壊れていた。あれ結構頑丈だったよな!?

その先でパチェがスペル―水符『プリンセスウンディネ』を発動させ、1人の少女を拘束していた。水でぼやけてよく見えないが、あれがフランドールだろう。姉とは違うけど翼も生えてるし。

「…なんだ、私達は必要無いじゃないか。全く、骨折り損だっ――」

「いや待て、構えろ!」

「はぁ?何を言っ――!?」

驚くのも無理は無い。パチェの魔法が()()()()()()()()()()()()。その中から出てきた、やはり小さい吸血鬼―フランドール・スカーレットは狂っている――と言うよりも、情緒不安定、もしくは能力の制御が出来ないのではないだろうか?確かにその能力(チカラ)は恐ろしい程の威力がある。と言うか死ぬ。だが、当の本人は―泣いている。

「なんで…どうして、皆して私を遠ざけるの?私の能力が怖いから?私には分かんない…分かんない、のに……ッ!」

「…………フランドール…」

「なんで?どうして?なんで私を避けるの?咲夜は食事を運んだりぬいぐるみをくれたりはするけど……それも仕事だし、他は全然会ってくれない!495年もの間、私はずっと独りだった!なのに…なのに…っ……」

それを聞いて、誰も何も言えなかった。俺や魔理沙は兎も角、パチェも、こあも、いつの間にか来ていた咲夜、美鈴も。そんな中で、俺の声は重く響いた。

「…………なぁ、フランドール」

「うぐっ…えぐっ…」

「……聞いてると信じて話す。―俺も昔、ここに来る前は避けられていた」

「「「「「―!!」」」」」

ここからは、自分語りの時間。美鈴は前回話したので驚いてはいない―が、やはり心は痛む様だ。

「俺の髪、赤いだろ?…これは生まれつきだ。それが理由で酷いイジメを受けた。『妖怪とばかり遊んでいる』『人間の髪が赤くなる筈がない、こいつは妖怪だ』と吐くまで殴られ、体の一部が痣で染まる程蹴られ、泥水に顔を沈められて飲まされ、濡れ衣を着せられ、虫の死体を食べさせられた」

1歩ずつ、着実に歩を進める度にコツ、コツとやけに大きく聞こえる足音が立つ。

「―でも、俺はそれを誰にも言わなかった。言えなかった。当時4歳の幼子は、復讐が怖かったんだ」

「4、歳……」

と呟いたのは魔理沙。彼女は確か、霧雨商店の一人娘だった気がする。

「結局俺は、誰にも言わず、人里を飛び出し、霧の湖の辺りで倒れた。目が覚めたら檻の中さ、笑うだろ?―俺は元々、人狼の餌として拾われたんだ」

「…………」

フランドールはいつの間にか泣き止み、ぽかんとこちらを見ている。そんな彼女に視線を合わせる為にしゃがみ、語り続ける。

「でも、俺は今こうして生きている。それは何故だと思う?フランドール」

「…分かんない……」

「まぁ…そりゃそうさ。拙い魔法で人狼を焼き殺して逆に喰って、そのまま開いていた檻を出てきた、なんて普通じゃ絶対にしないし出来ない。…俺を見たお前の姉は、薄く笑いながらこう言ってたよ。『面白いわね、貴方。何か望みはあるかしら?』ってね。俺は迷わずこう返した。『なら、ここで暮らさせてほしい』と……俺はその選択を後悔していない。ここで色々な事を知ったし、チルノや大妖精、ルーミアとも気軽に、咎められる事なく遊べる」

「……それが、どうかしたの?自分の幸福を、不幸な私に自慢したかったの?―ふざけないで…」

「ふざけてなんかいない!」

突然張り上げた大声に、俺以外全員の肩が跳ね上がる。

「一部だが同じ事が、お前にだって言える。495年前、お前が吸血鬼を殺して笑っていた理由は守れたという安堵と達成感、そして褒められたかったからだと、破壊衝動は分かってもらえなかったストレスだったと、地下室から出て皆と話したかったと……お前は1度でも言ったのか?どうなんだ、フランドール・スカーレット!言わなかった結果追い詰められるか、言った結果受け入れられるか!逆もまたあるだろう、でも何もしなきゃ何にも得られない…俺はそれだけが言いたいが為に、あんなに長い話をしたんだ。分かってくれたか?」

「……うん、分かった…私、お姉さまと話してくる!」

「あぁ待った待った、今外は酷い雨だしレミィは外出中だ。帰ってきたら引き摺ってでも連れてくる、約束だ」

小指を立てると、華奢な小指が絡められる。「せーの」と声を合わせ――

「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます!指切ったっ!」」

笑顔になったフランドールの頭を帽子の上から撫でてやる。―かなり場違いな事だが、風呂はどうしていたんだろうか。咲夜が濡れタオルか何かで拭いてたのかな?

「お兄ちゃん、名前は?」

「新月霊夜だ。よろしくな、フランドール」

「うんっ!私のことはフランって呼んで!」

「おう、頑張れよフラン」

 

因みにこの後、姉妹で抱き合って和解した。その日から、館をフランがうきうきしながら歩いている所を見る様になったのは、言うまでもないだろう。




わーお、弾幕ごっこすらしなかった。更には半分近く前回と似たような内容っていう滅茶苦茶っぷり。ははは(白目)
ではまた次回。


キャラクターメモ

フランドール・スカーレット

種族:妖怪(吸血鬼)
年齢(紅霧異変時):495歳?
能力:ありとあらゆるものを破壊する程度の能力
説明:作者の考える限り原作と一番違うと思う人。狂っていないし気も触れていない、レミリアの妹。495年も幽閉されていたが、霊夜の活躍により和解。少々ヤンデレ気質ありの霊夜大好きっ子。雪を見た事が無かった程に紅魔館の外を知らなかった。
咲夜が作ってくれた人形がお気に入りで、ベッドで寝る時は必ず抱きしめて寝ている。
霊夜はフランを義妹の様に思っている。レミリアより懐かれているのは複雑そうにしているが。
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