紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、そして明けましておめでとうございます(遅い)。遂にゲーミングPCを購入したユキノスです。

今は書く事が無いので、本編どうぞ。ワンチャン、ここと後書きに書いてあるの消えます()


酒と喧嘩は鬼の華

俺が(一時的に)互角の実力となった為、どちらかと言うと喧嘩になった手合わせをしていて分かった事は、

①魔法が使えない

②肉体が頑強になった

③肉体の状態は引き継ぐ(?)

の2つと、仮定として出た1つだ。 探せばもっとあるんだろうが、今は探していられない。 だって華扇本気出してきてるし。 言われてないし聞いてないけど、薄々感じられてはいる。 最初の時に比べて明らかに重いし、何より笑みに凄みがある。 具体的に言うと、戦闘狂の笑み。 怖い。

 

「ラァッ!」

「デリャア!」

 

それともう1つ。 肉体が頑強になった、とは確かに言った──鬼の特性として、《頑強な肉体》が挙げられるからだろうか──。 だが、それでも前述の通り互角なので、正直言うと痛い。 それは華扇(向こう)も同様だろうけど。

 

「……中々、強力になりましたね」

「俺の実力じゃないってのが、悲しいとこだ……がっ!」

 

何度目かの衝突。 骨を砕く感触と、砕かれる感触が同時に来た。 ──楽しい。

 

笑みが浮かんだ。 闘いに対する快楽が生まれた。 鬼の特性だろうか。 色が消えていく。 視界が引き伸ばされていく。 1歩踏み出す。 跳ぶ。 そして──殴る。

 

「うお……」

「……マジか」

 

「…………………」

 

内臓が振り上げられたような感覚。 貫かれてはいないが、ふっ……と力が抜けて、誰かの手に抱えられた。

 

「……ごめんなさい、少しやり過ぎてしまったようです。久々に高揚してしまって……」

「あー、いいよいいよ。 ある意味仕方ない事だし。 ……で、天魔に萃香、これで満足? 動いたらまた吐きそうだ(あんま動きたくない)から、こんな姿勢だけど」

 

いや待って、普通に吐きそう。 内臓シェイクされたらそれはまあ当然なんだが、力が互角とはいえ華扇が強過ぎる。

 

「ん、満足満足。 ちゃんと使えてんじゃないか、適応性高いねぇ」

「俺も、異論はねぇ。 とは言え、勝負は華扇殿の勝ち。 つっても鬼の四天王と渡り合ったんだ、賞賛に値するぜ」

「なぁんでお前が上からなんだよっ」

「いぃってぇ!? 俺霊夜(こいつ)に対して言った筈なんですけど!?」

「え、気付かなかったすまん」

 

よくもまあケラケラと笑ってるなこの野郎。 あと叩くな。マジで吐く。 ……いやまあ、既に服汚しちゃってんだけどさ。 咲夜になんて言おう……吐いたのが掛かった、うーんアウト。

 

「──おーい、起きてますか? おーい」

「……ペちペちしないでくれ、吐きそう」

「何が『吐きそう』ですか全く……相当な無茶して、挙句吐いても続行って。 ただのバカじゃないですか」

「はは……ぐうの音も出ねぇや」

「……ほら」

 

すっ、と椛の華奢な手が差し出された。 あんな重そうな刀振ってるのに綺麗な手だなー、凄いなーと思ってたら、顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。 えーと、すぐ近くまで来てそっぽ向くって事は『撫でてほしい』って事でいいのかな? ……多分違うな。立てって事だろう。

 

「……さんきゅ。 しばらく動いてなかったから、鈍ってるのかもなぁ」

「はぁ……私が言いたいのはそこじゃなくて、ああもう……とにかく! こっちに来てください!」

「………??????」

 

頭に大量の疑問符を浮かべたまま着いていくと、白狼天狗の詰所に戻ってきた。 奥の方で何やらゴソゴソ探しているようなので、外で待つことにしよう。

 

「やぁ、あの時取材した男の子がこんなになってるというのは……いやはや、感慨深いものですねぇ」

「なぁに浸ってんだ。 初見で『こんにちはペンキ塗りさん!』って言われたの覚えてるからな」

「あやや、薮蛇でしたねぇ。 ……その目、やっぱり治らないんですか?」

「治らない、っつーか何つーか……潰されてグチャグチャのまま取り出した、って言われたな。 どんな事も包み隠さず話す永琳の性格からして、嘘じゃないだろうよ」

「ほほう……見させていただいても?」

「よろしい訳あるかバカタレ」

 

肉なんか見て何が面白いんだろうか。 仮にも鴉だから、肉でもついばむつもりだろうか。 嫌だ。

 

「あったあった……っと、文さん来てたんですね」

「そんな嫌そうな顔しないでくださいよぉー、私と貴女の仲じゃないですかぁー」

「…………」

「……すっげぇ嫌そうだぞ、その態度辞めとけ」

「あやや、残念。 で、その服は?」

「彼の服ですよ、吐瀉物で汚れてるじゃないですか。 それに、この山で働くならこれ着ろって言われてるんです」

「へぇ……まあ、ありがたく着させてもらうよ」

 

木の陰で着替える事にしたが、この服意外と軽い。 袴のような見た目だが、ちゃんと機能性が重視されている。 ……これ、誰が考えたんだ? 河童?

 

「……おっ、ぴったり。 まあ尻尾はどうすっかねぇ……」

「ちゃんとそれも出来てます、心配は無用です」

「お、おお……流石」

「……まあ、貴方の場合は普段着でも良さそうですが」

「……? どゆこと?」

 

まだ分からないのか、と言いたげに溜め息を吐き、椛は宴会に戻った。 残されたのは、全く分からなくて頭に「?」を浮かべる俺と、含みのある笑みを浮かべる文だけだった。

 

「……まあ、あの子は不器用なので。大目に見てやってください」

「ああ、そりゃ良いんだけどさ。 とりあえず、戻ろうぜ」

「おや、もうそろそろ夜明けですよ?帰らなくていいんですか?」

「人間にバレなきゃいいよ。 多分」

「あやや、随分とイケない子ですねぇ」

「その言い方腹立つな。 縛り上げて紫外線で焼いてやろうか?」

「それはそれで嫌ですよ、私の白いお肌が……」

「鴉は黒いだろ」

 

因みにその後は容赦無く背中を叩いて水をぶっかけるつもりだ。 ……まあ、文には色々と恩があるんだけど。

 

「とりあえずアレだ、鬼でいる間にちょいと『程よく酔った』状態ってのを味わってみたいんだよ」

「おっ、弱い人特有のアレですね?」

「弱い人皆が特異体質(こんなん)じゃねぇだろ。 そんな『弱い人ならこうなれます!』みたいな言い方されても」

「いえいえ、そこではなくて。 程よく酔っ払う方です」

「あ、そっちね」

「むしろその発想が驚きです」

 

前々から不思議なんだが、文と話しているとネタが尽きない。 あちこちで取材した時の話をしてくれるので、実は結構好かれてるんじゃないかと勝手に思ってたり……あ、それは無い? 知ってた。

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*

 

「……で、飲む直前に能力が切れて、普通に酔っ払ったと」

「む〜……だぁってぇ、そこまで時間経ってると思わなかったんだもぉん……」

「あぁはいはい、分かったから顔を埋めるのをやめてください。 夜明けだからって、ここで寝るのもやめてくださいね……ほらっ」

 

両頬を叩いて挟み込むが、蕩けた目付きは変わらない。 酒に強い妖怪は数あれど、ここまで弱いのも珍しいぐらいだろう。 他に酒に弱い妖怪と言ったら、私に浮かぶのは……いや、居なかった。全員が全員、最低でも酒瓶3本分は飲める者ばかりだった。

 

「なんで影狼も、こんなのを好きになったんだか。 ……いや、こんなのだからこそかな。 幸せ者ですね、貴方も」

「うぇへへぇ……い〜でしょ〜」

「はいはい良かったですね、どうせ私には春なんて来ませんよーだ」

「……ふふっ、だぁいじょぉぶ………きっろ………もみじ、にも……」

「……口ではいくらだって言えます。 でも、……まあ、来るとは思っておきますよ」

 

(他人)の膝の上で完全に寝入ってしまったようで、規則的な息遣いを立てている。 やけに可愛げのある顔なのがまた癪に障るが、《あの人》の息子ならまあ……と納得。 事実、()()()である彼女も美人だ。

 

「………そう言えば、最近顔見てないなぁ。 どこに居るのかな、あの子」

 

昇る朝日と他人の子供を肴に、酒を呷る。 我ながら変な取り合わせだな、と思いながらも、悪い心地はしなかった。




椛可愛いよ椛。ケモ耳って完全なる萌え要素ですよね(唐突)。

さて、夜通し続いた宴会編も終わり、次回は……流石に異変行きましょうか。1年半ぐらいすっ飛ばす事になりますけど……流石に日常回だけってのもアレですし、ね?

ではまた次回。
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