紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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こんにちは、前書きに本編以外の話を書くことで定評のあるユキノスです。
早速ですが、深秘録を購入しました。一輪の弾幕(物理)感大好き! ってのが率直な感想で、多分書く時にもやり込むと思われますので、今の所深秘録だけ原作に近いストーリーになるかなーと思ったり思わなかったり。

ではどうぞ。


転校生

朝。今日は火曜日なので、普通に学校もバイトもある。学校の方が憂鬱なのは、言うまでもないだろうけど、最近はバイトも憂鬱になってきた。バイト先を特定した《友達》が来て、度々割引をせがんでくるから。

勿論、そんな事は出来ないのだけど。

 

手早く制服に着替え、身だしなみを整えて、パンにベーコンエッグを載せて焼いた物を食べる。……うん、今日のは半熟みたい。

 

「……行ってきます」

「行ってらっしゃい。お弁当持った?」

「うん。それじゃ」

 

***

 

「それでさー、そのオッサンが……あれ、早苗ちゃん? おーい、聞こえてますかー?」

「あっ、え……? き、聞こえてます……」

「もー、ぼーっとするなんてらしくないじゃん。どったの、言ってみなさい」

 

えへん、と威張られても、信じてくれなさそうだから言うに言えない。何故って、私以外には()()認識されていないのだから。

 

頭に大きな耳を生やした、銀髪の男性。うちの制服を着ていたが、あんな生徒が居ただろうか? それ以前に、女ではないのか?

 

「……少し、見慣れない男の人が居たんですよ。うちの制服だったので、転校生かもしれません」

「ほんと!? うわー、楽しみー! カッコよかった!?」

「えっ? い、いえ、残念ながら顔までは……」

 

しっかり見ている、何なら迷っていたので案内もした。……とは言えなかったので、はぐらかす事にした。どちらにせよ、机が増えているから転校生でほぼ確定だろう。事実が明かされるのは、その時でも良いのだ。

 

「おっはよー早苗ぇ、元気ぃ?」

「っ……お、おはよう……ございます」

「もー、そんなに怖がられちゃったら私が悪者みたいじゃん! このこのー」

 

……どの口が言っているのだろうか。「みたい」ではなくそのものだろうに。

と思うのは簡単だが、口に出すのはとても難しいのだ。言おうとすると、喉の辺りで詰まったように声が出なくなってしまうから。

 

「あ、あはは……。1時間目って、何でしたっけ?」

「えー、それよか転校生っしょ! 男の子って聞いたんだー、イケメンだと良いなー」

「えっ、ほんと!? うわ、楽しみー」

 

 

「ちぇっ、男か……」「帰ろ帰ろ」「杉野ー、課題見せろよー」「やだよてめぇでやれ」

 

やっぱり、どっちが来るかで反応の差は大きいようだ。まあ、私と深く話す事は無さそうだし、特に気にする事でもないだろう。

 

キーンコーンカーンコーン……

 

「はーい号令お願い、今来てない人遅刻ねー」

「きりーつ」

「ねぇ転校生はー?」「そうだそうだー!」「早く出せー!」

「うるっさい、今は気をつけ! 高校生にもなってそんなん言われてどうすんの!」

「そうやって怒るから独身なんだよ、センセ」

 

クラス中で笑いが起きたが、正直全く面白くない。前に先生が、「今は生徒の方が大切だから」と言っていたのを聞いたからだろうか。

 

「(……先生、凄いなぁ……。こんな人達を愛せるんだから)」

「気をつけー、れー」

「お願いしまーす」「オネッシャース」

「誰よ略したの……。まあ今日はいいや、入って」

 

先生の言葉に、(だる)そうな声で「やーっとか、なっがかったなぁ」とぶつくさ言いながら、1人の男性が入ってきた。

やはりと言うべきか、さっきの《見慣れない男性》だった。が、顔を見て本当に女じゃないかと錯覚した。

 

「にい……じゃない、風萩零です。こんなナリしてるけど男、あとは……特に言う事無いかな、以上終わり」

 

声も高いが、しっかり男だ。……だが、やはり大きな耳と尻尾は認識されていないようだ。

 

(……人じゃないのは確かだなぁ、でも何しにここへ?)

 

「えーと、風萩君は……そこ、東風谷の隣の席ね。教科書とかは、あの子に見せてもらって」

「──あの()()()()()()()()()()()()()()?」

「……え?」

「えっ……?」

 

この髪が、緑に見える? 黒じゃなく?

なら、いよいよもってただ者じゃない。──彼は、何者なのか?

そんな疑問符が浮かんだが、席に着いて早々にうつ伏せで眠ってしまった。

 

「……聞けない、か」

 

ぽつりと呟いた言葉が、大きな耳をぴくりと動かした。




風萩、学校行くってよ(白目)
いやー来ちゃいました、転入生として。
え? 手続きとかどうしたのか? そりゃ勿論ゆかりんパワーでどうにk(殴)。

さて、風神録序章からドタバタモノですが、どうか最後までお付き合いいただければ幸いです。

ではまた次回。
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