書く事無いので、本編どうぞ。
「この何行・何活用ってのは《必ず》テストに出すから、しっかり覚えておくこと〜。ほら、ノートに書いて書いて〜」
「むにゃ……」
1時間目、古典の時間。ほわほわした性格の先生は皆に人気だが、それよりも《来たばかりの》《最初の授業で》夢の中を旅している
普通はしないような……と苦笑いしつつ、ノートはきちんととる。実践方式で諏訪子様が教えてくれはするが、それだと理解とは違うのだ。
……ところで、先生が出席簿とこちらをチラチラ見ているのは気のせいだろうか。まあ、理由は察しがつくけれど……
「あ、東風谷さん。そこの、え〜……
……やっぱり。大方、起こしてくれと言いたいのだろう。頬杖をついた男子の、「
「あっ風萩……彼、起こして〜」
「はっ、はい。……風萩君、風萩君(ユサユサ)」
「う……んん……ああ、おはよ……」
「おはようございます。授業中ですよ」
「あー、分かった……んん───っ」
早苗「(自由な人だなぁ……)」
大きく伸びをして、真新しいノートにペンで書いている所を見ると、普通の学生なのだが……にしても、その耳と尻尾は何なのだろうか。ぴこぴこ動いて、目を奪われるのだが。
***
古典の時間含め、鐘の音を8回程聞いた。まだ自堕落──と言うかフランに合わせた生活が抜け切っていないようで、昼間はめちゃくちゃ眠い。運動してたら別だが、退屈過ぎやしないか。あの頃の俺、よくこんなん耐えてたなぁ。
「あ゙ー、疲れた……」
「零君、一緒に昼食べよー!」
「え、あ、あの」
おお何だ何だ。これが噂のモテ期って奴か。要らんわ。
さてふざけてる場合じゃない。ささっと出てった早苗を追っ掛けないと。ここには、学生生活を楽しみに来た訳じゃないし。……今更楽しんだ所でアレだが。
それと、前に─紫が入学手続きを捏造する少し前だ─早苗に対して嫌がらせをしていた女子も居た。恐らくこいつが大元なので、これさえ取り除けば早い……筈だ。
何故って俺が進める訳じゃないので、その辺は何とも言えない。
「……えと、ちょっと早苗さんに聞きたい事があってさ。申し訳無いんだけど、それからにしてもらっても……いいかな。ゴメン」
「えーっ」と残念そうな女子達を後目に、早苗を追い掛ける。足音立てたら絶対バレるので、一応立てないでおこう……。いや走るんだけどね。
***
屋上
結論、バレてました。いやぁ凄いね、風の流れで分かったって。俺には出来ない。
ムスッとした訳でもなく、かと言って怯えてもいない表情で、弁当を食べかけで固まる早苗と、作り笑いで顔の筋肉が引き攣ってきた俺。魔理沙辺りが見たら大笑いしそうだ。
そんな微妙な空気の中、沈黙を破ったのは早苗だった。
「……何か用ですか? 風萩君」
「いやぁ、ちょいと他人に聞かれちゃマズい話を……
「……っ!」
「やっぱそうなるか……まあいいけど、
ここで言う《そういうの》とは、勿論拒否反応の事だ。他に何があるってんだ。……マゾヒスト? ちゃうわい。
って、そんな事はどうでも良くて。流石に警戒されるし、じりじりと離れられる。柵が邪魔で離れられないけど、目が段々恐怖に彩られていくのが分かる。
「…………何の、話ですか」
「大丈夫だ、悪いようにはしない」
「そういう人が、一番、信用、ならなっ……! かひゅー、ひゅー、ひゅー──」
「……おい、早苗? おい、おいっ!」
突如息が荒くなってきて、胸を掴んで喘ぎだした。ゆらり、と体が傾き、食べかけの弁当と一緒に床に崩れ落ちる。宥めるだけでは効果が無いと分かっていながら、宥める事しか出来ない。真正面から顔を見たが、少女としてはかなり酷い形相だった。
──考えろ、まず何するべきだ?
あれこれ浮かんだが、全て違うと切り捨てていき、最後に残ったものは、結局「その筋の人に聞く」だった。
「保健室ってのがあったよな、場所は……1階! 早苗、ちょっと揺れるから舌噛むなよ!」
返事は無かったが、それどころではないのだろう。急いで抱え上げ、柵を飛び越え、下に落ちる。保健室の場所は反対側なので、中を通るよりこちらの方が早いのだ。
着地の寸前に一瞬だけ飛行して速度を殺し、全速力で保健室へ向かう。流石に蹴破る訳にはいかないので、頭でゴンと音を立てた。
「はい、ってあれ? キミ、新しく──東風谷さん!?どうしたの、大丈夫!?」
「さっき、呼吸が荒くなったんです……何か分かりませんか」
「うーん、分かるよ? 分かるんだけど、これをキミに言って良いものなのか……」
「ですよね、なら言わなくて大丈夫です。……ただ、彼女を知る人物から、色々聞かされて……心配で」
神を人物、と言って良いのかは分からないが、まあ神様と言っても通じないだろうし良いだろう。それは兎も角、やはり早苗は恐怖を抱いているのだろうか。それ以外の、俺には分からない感情か。
「とりあえずキミは、先生に報告して。この子、
「分かりました、ありがとうございます」
とりあえず報告に行こうと、保健室を出て数歩。空間の正面に、滑らかな亀裂が入った。
「報告に参りましたわ」
「……なんの?」
あの紫が、主語の無い会話をするというのはかなり衝撃的だったが、続く言葉で笑いが消え失せた。
「急がないと、結界の維持が難しくなる。この言葉が何を意味するか……分かりますわよね?」
「……博麗大結界が、壊れて…………」
「──
「え……?」
モチベが……モチベが……。
もう霊夜よりこっちがゆっくりしてますが、流石に雲隠れとかは勘弁です(戒め)。
ではまた次回。