ジュドー「スッゲェ!本物のガンダムだ!こりゃあ凄いお宝だ!」
目の前にあるZガンダムを見て喜びのあまり飛び跳ねるジュドー、その真下には下敷きになったイングラムがいたのだが。
イングラム「ぐえ⁉︎や、やめろジュドー!いくら体重力区画でも潰れる!」
ジュドー「へ?・・・あ、イングラム、いたの?」
イングラム「いたの?じゃない!なんでお前がこんな所にいるんだ!」
ジュドー「い、いやぁ・・・道に迷って・・・」
イングラム「なんで目をそらす!」
ドォォォン!
再び轟音が響いてマクロスの船体が大きく揺れる。
イングラム「くっ!また敵の攻撃か⁉︎」
ジュドー「いや、違う・・・この衝撃は中の方からだ!」
マクロス 物資保管庫
バルキリーによる補給作業により置かれたコンテナ類の一つが内側から破壊され中からMSが一機姿を表す。
マシュマー「フハハハハ!潜入は成功のようだな。見てて下さいハマーン様、このマシュマー必ずや貴方のお力になってみせます!このギャンで!」
ギャンと呼ばれた壺のような頭をしたMSの目が怪しく光り、右手に持ったビームサーベルをふるい保管庫の壁を破壊する。
・・・潜入前、エンドラ ブリッジ
マシュマー「よし、これより潜入を開始する。私が合図を送ったらお前たちはMS隊を発進させて外側から攻撃を開始するのだ!」
ゴットン「うまくいきますかねぇ・・・?」
マシュマー「何を弱気な事を言っている!心配するな!この作戦は必ず成功する!では私は行くぞ!ガルスJを出せ!」
ゴットン「マシュマー様、ガルスJはまだ組み立て前のパーツの状態です」
マシュマー「何?そうか、ではガザDで行く!」
ゴットン「ガザシリーズは変形機構に不備が見つかりメカニック班が現在改修中です」
マシュマー「・・・ならばゲルググで!」
ゴットン「ゲルググはジェネレーターの調子が悪く出力が上がりません」
マシュマー「じゃあ何なら出せるのだ!」
ゴットン「そうですね・・・今のタイミングで動かせるMSですと・・・」
マシュマー「まさかギャンに乗る事になるとは・・・。いや、この機体はかつての一年戦争の時にかの知将マ・クベが乗り込み連邦の伝説のエースパイロット、アムロ・レイを撃墜寸前まで追い詰めたと伝えられるMS。基本スペックは申し分ない筈だ!」
ギャンは右手の高出力ビームサーベルと左手に装備したシールドに内蔵されたミサイルを駆使してマクロス内部の隔壁を破壊しながら歩を進めていく。
マクロス ブリッジ
未沙「艦長!コンテナ保管庫より熱源反応を探知!隔壁を破壊しながら市街地エリアの方向へ向かっています!」
グローバル「何?敵の別働隊か・・・?とにかく市街地に入れる訳にはいかない。デストロイド隊を至急向かわせるのだ!」
未沙「了解!」
グローバル「クローディア君、バルキリー隊の発進状況は?」
クローディア「順調とは言えませんね・・・。コンテナ輸送でほとんどの機体が出払っていましたし、加えて敵戦艦からの砲撃、帰還した機体への各種武装の取り付けにも手間取ってるようです」
キム「艦長!敵戦艦から熱源の射出を多数確認!こちらに向かって来ます!」
艦長「何?ミサイル・・・いや、違うな。これは機動兵器・・・MSか!クローディア君、バルキリー隊の発進を急がせるのだ!」
クローディア「イエッサー!」
フォッカー『ブリッジ!聞こえるか!こちらフォッカー!』
未沙「フォッカー少佐⁉︎」
フォッカー『発進許可を出してくれ!俺のバルキリーはもう武装の取り付けが終わってる!後方でコンテナ輸送の指示を出してたのが幸いしたな!敵戦艦からの砲撃が始まってる以上、艦載機が向かってくるのも時間の問題だろう・・・出れる機体だけでも出さなけりゃやられるぞ!』
未沙「しかし敵戦艦の砲撃がプロメテウス側に来ている今の状況では発進許可は出せません!出撃中に撃墜される危険も!」
フォッカー『じゃあこのまま手も足も出さずにやられろって言うのか⁉︎』
クローディア「未沙、代わって。私が許可を出すわ。いいわね?ロイ?」
フォッカー『ああ、君の事なら信じられる。それで死んでも悔いは無いさクローディア』
クローディア「オーケー。スカルリーダー、カタパルトに移動してください」
フォッカー『了解!』
敵戦艦からの砲撃がマクロス左舷を襲う中、プロメテウスのカタパルトにフォッカーのバルキリーが現れる。白を基調としつつ黒と黄色のラインが入り尾翼にはジョリーロジャースを彷彿とさせるドクロのマークが刻まれている。
未沙「少佐・・・」
クローディア「・・・スカルリーダー、発進どうぞ!」
フォッカー「ロイ・フォッカー、発進する!」
クローディアの指示と同時にメインエンジンに点火しフォッカー機はカタパルトを加速していく。その時、砲撃の一つがカタパルトのすぐ脇に命中する。爆炎が上がりフォッカーのバルキリーは黒煙に包まれ見えなくなってしまう。
未沙「フォッカー少佐⁉︎」
クローディア「・・・・・」
思わず声を上げてしまう未沙と違い隣にいるクローディアは悲鳴も上げずにカタパルトを見つめている。その瞬間、黒煙を突き破り白い機体が翼を広げて現れた。
フォッカー「これより敵艦載機の迎撃に向かう!」
そうブリッジに連絡を入れたフォッカーは彼方に見える敵影を見据え、愛機のペダルを深く踏み込んだ。
マクロ艦内
マシュマーの操るギャンは手にした武装を駆使して艦内の隔壁を次々と破壊しながら進行していくがやがて艦内市街地にたどり着く。街は既に避難指示が出て住民はシェルターに避難している為、無人となっていた。
マシュマー「む?なんだこの街は・・・?なぜ戦艦の内部にこんな所があるのだ?」
そこに迎撃のために統合軍のデストロイド部隊が到着、ギャンに向かって攻撃を開始する。
マシュマー「データにない機体!やはり連邦の新型MSか!だが!」
デストロイド隊の攻撃をかわしつつギャンはミサイルシールドからミサイルを放ち前方にいた小型デストロイド、トマホークとディフェンダーに命中させる。ミサイルの爆風で怯んだ隙に一気に間合いを詰めて後方に陣取るモンスターのキャノン砲をビームサーベルで切り裂き無力化、駄目押しと言わんばかりに機体にサーベルを突き刺し沈黙させる。
マシュマー「まるで手応えがないな!連邦の新型とはこんなものか!」
その時、地鳴りとともにギャンの立っていた地面がひび割れ何かが突き破り飛び出てくる。
マシュマー「あ?何⁉︎」
突然の事に困惑しそのまま転倒するギャン。
マシュマー「なんだというのだ!一体!」
突き破られた地面の辺りには衝撃で砂埃が舞っており突き出てきたその物の姿を窺い知る事は出来ない。マシュマーはギャンの体勢を整えながらミサイルシールドを構える。やがて砂埃が晴れ、その正体が露わになる。
マシュマー「あ、あれは・・・!」
地面を突き破って出てきたのはZガンダムだった。腰の部分がつっかえてしまっているようで上半身だけでバタバタもがいている。そのコクピットにいたのは・・・
ジュドー「あちゃ〜引っかかっちゃった?なんか変な所出ちゃったし・・・どーしましょ・・・コレ」