マクロス U.C.   作:真仁

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前話からやく3カ月ぶりの投稿になり自分でもあまりの時間の掛かり具合に多少驚いております。気まぐれ更新にしても時間がかかってしまいました・・・
肝心の内容も掛かった時間に比例してるとは言いがたいですが気軽に読んでくださると嬉しいです


タイム・ドリフター

プロメテウス バルキリー格納庫

整備員「少尉達の戦闘記録を参考にミサイルの誘導装置を少し変更しました。敵機を目視可能な距離まで接近しなければなりませんがこれでミサイルの誘導が少しはマシに効くようになります」

輝「・・・・・」

整備員「少尉?」

輝「・・・あ!すまない、大丈夫だ」

整備員「そうですか?それでは・・・ご武運を」

そう言って整備員は輝のバルキリーのコクピットから離れる。

輝「・・・・・」

コクピットに一人になった輝は計器を確認するがその様子は何処か落ち着きが無い。

マックス「隊長、準備完了。いつでも行けます」

輝「・・・・・」

マックス「隊長?大丈夫ですか?」

輝「・・・あ、だ、大丈夫だ。何でもない」

柿崎「なんか元気ないですよ隊長?もしかして・・・ミンメイちゃんと喧嘩でもしたんですか?」

輝「くだらない事言ってないでとっとと出撃するぞ!」

柿崎「り、了解!」

 

出撃の1時間前・・・

 

 

 

 

未沙と別れた後、プロメテウスに戻ろうとしていた輝だったが街中で偶然ミンメイを見かける。

輝「おーい!ミンメイー!」

ミンメイの所に駆け寄ろうとした輝だったが途中でその足を止める。

ミンメイは見知らぬ男性と一緒に歩いていた。ミンメイはその男性の腕を引きながら笑顔で歩いており、その様子は妙に親しげな印象を輝に与えた。輝が暫く呆気に取られている内にミンメイらは人混みの中に消えてしまった。

輝「・・・・・」

輝は漠然としたモヤモヤを抱いたまま街を後にするのだった。

 

 

 

 

出撃後も浮かない表情の輝。柿崎、マックスとの三機編成で飛行していると後方から偵察機キャッツアイが発艦し、輝達の機体の後方に付く。

未沙「一条少尉、キャッツアイの護衛、頼むわね」

輝「え?・・・あ、はい!了解であります!」

未沙「ちょっと・・・大丈夫なの?それとも、私の護衛じゃ不満なのかしら?」

輝「そんな事はありません!全身全霊、命を懸けて中尉殿をお守りします!」

未沙「そ、そう?・・・頼むわね、一条少尉」

 

 

 

 

 

 

 

ルー「このぉっ!」

一方、Ζガンダムを駆りゼントラーディの機動ポッド群に応戦していたルー・ルカ。ゼントラーディの機動ポッドリガードの一機が上部に装備されたビーム砲を発射する。ルーはΖのスラスターを吹かしそれを回避、リガードからから距離を取ろうとするのだが・・・

ルー「うぅっ!」

ビームは掠めるようにΖガンダムの横を通過するがそれは狙って行われたものではなく偶然そうなっただけである。Ζガンダムはスラスターを小刻みに吹かしてながら体制を整えようとするがその動きはフラフラとしておりぎこちない。

ルー「ダメ・・・やっぱり私にはこの機体は・・・!」

元々あるエースパイロットの専用機として設計、開発されたΖガンダムはシュミレーター訓練を数回行っただけの新兵同然のルーにはとても扱いきれるものではなかった。必死に手にしたビームライフルの照準を合わせビームを発射するが自身の姿勢制御もままならない状態では当たるはずもなく難なくかわされてしまう。そんな状態のΖガンダムに向かい、リガードの一機が上部にビーム砲の代わりに搭載されたミサイルを発射する。発射されたミサイルはΖガンダム目掛けて飛んでいく。

ルー「やられる⁉︎」

しかしミサイルはΖガンダムに当たることなく四方八方に散っていってしまう。

ルー「え・・・?なんで・・・」

リガードはミサイルが見当違いの方向へ飛んでいくのを見て動揺したのか動きが止まる。

ルー「ッ!今なら・・・!」

その隙を見逃さずルーはビームライフルのトリガーを引く。放たれたビームはまっすぐリガードを撃ち抜きその場で爆発が起きる。

ルー「やった!」

喜ぶのも束の間、味方機を撃墜された残りのゼントラーディ軍はΖガンダムを落とそうと一斉に迫る。

ルー「このままじゃ・・・どうすれば・・・」

その時、Ζガンダムのセンサーが何かを感知して警告音を鳴らす。それと同時にミサイルが数発飛来してゼントラーディ機に命中する。

ルー「味方機⁉︎・・・違う、エゥーゴの識別信号じゃない・・・」

センサーが反応した方へΖガンダムのメインカメラを向けるとこちらに向かって飛来する機体を発見する。それは・・・

ルー「戦闘・・・機・・・?」

歴史の教科書で見たような旧時代の戦闘機のようなフォルムの機体が3機、Ζガンダムの前に姿を現した。

輝「ヴァーミリオンリーダーより各機へ!相手はゼントラーディだ!散開して攻撃を開始!」

 

 

 

 

 

その頃、マクロス艦内のマクロスタウン

街を歩いていたミンメイは一緒に歩いていた男性が立ち止まったのに気がつく

ミンメイ「あら?どうしたの?色男さん」

男「・・・その色男って呼び方はやめろ」

ミンメイ「いいじゃない。あなた、綺麗な顔してるんだし!遠くから見たら女性みたいよ?」

男「俺をからかってるのか!・・・あ、おい!」

怒っている男を尻目にミンメイはいきなり走り出すと喫茶店のポスターの内容に食いつく。

ミンメイ「ねぇねぇ!コレ期間限定の新メニューだって!一緒に食べましょうよ!」

男「ったく・・・どっかの誰かにソックリだな・・・」

ため息をつきながら男はミンメイの所へ歩いていく。

その後二人はポスターの新メニューを頼んで席に着き二人で他愛の無い話をする。

ミンメイ「でね、輝ってば私をロボットの手で握ったまま左手が取れて私を空から落としたのよ」

男「そ、そうなのか?あの一条輝が・・・」

ミンメイ「輝の事知ってるの?」

男「え?あ、いや・・・ちょっとな。バルキリー乗りの間じゃ有名だからな・・・」

ミンメイ「ふーん。確かに飛行機の操縦は得意って言ってたものね。でももっと優しく操縦して欲しいわ、空中で私を落とした後もキャッチしてコクピットの中に入れてくれたけど髪の毛メチャメチャになっちゃったんだから」

男「それも十分凄いと思うけどな・・・」

ミンメイ「じゃあ今度はあなたの事教えてよ色男さん。なんで道端に倒れてたの?」

男「だから色男はやめろ!・・・さあな、覚えてない」

ミンメイ「それはさっき散々聞いた。自分の名前も覚えてるから記憶喪失でもないんでしょ?なんで教えてくれないのよ」

男「いいだろ。別に」

ミンメイ「意地っ張りね!そんなんじゃ女の子にモテないぞ!」

男「ほっとけ!余計なお世話だ!」

ミンメイ「何よその言い方!もう知らない!じゃあね!・・・あ」

立ち上がった際にミンメイのバッグから一枚のチラシが落ちる。それは男の足下に落ち、男はそれを拾う。

男「これは・・・ミス・マクロスコンテスト?」

ミンメイ「返して!」

ミンメイは引ったくるように強引にチラシを取り返す。

男「出るのか?それ」

ミンメイ「・・・うん。元々はマクロスの進宙式のイベントの一つだったんだけどね、こんな事になって中止になってたのを街が完成した記念にやる事になったんだって」

男「そうか・・・それで・・・」

ミンメイ「お店の看板娘だからきっといいとこまでいける!って町会長さんが勝手に応募しちゃったの」

男「そんな事情があったのか・・・。アンタはそれでいいのか?」

ミンメイ「え?」

男「自分じゃなくて他の誰かが決めた事を納得して出来るのかって事さ。アンタはそれで良いのか?」

ミンメイ「・・・・・輝がね」

男「は?」

ミンメイ「輝がね、今軍隊に入って私達を守る為に頑張ってるの。だから私も何かやりたいな、変えてみたいなって・・・そう思ったの。だから・・・平気、かな?」

男「・・・そうか、つまらない事を聞いて悪かった」

ミンメイ「いいわよ別に、気にしてないし。じゃあそろそろ帰り・・・」

ドォォォッ!

ミンメイの声を遮り、突然巨大な轟音と共に街が大きく揺れる。

ミンメイ「きゃあっ⁉︎」

男「地震⁉︎いや、そんなのはありえないな・・・」

間髪いれず今度は爆発音が街に響き渡る。

ミンメイ「こ、今度は何?」

男「爆発⁉︎くそ!何が起こってるんだ!一体・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

二人の会話の少し前、ゼントラーディと交戦中のΖガンダムを発見した輝達ヴァーミリオン小隊、見慣れないシルエットの機体に彼らは戸惑いの表情を見せていた。

柿崎「た、隊長!何ですかあの機体は?」

マックス「バルキリー よりも一回り大きいですね・・・」

輝「人型か・・・新型のデストロイドか?早瀬中尉!」

輝は後方に待機している偵察機キャッツアイに搭乗してる未沙に機体の映像を送る。

未沙「私も知らない機体ね・・・マクロスが地球を離れてる間に開発された新型という可能性も否定出来ないけど・・・」

輝「けど?」

未沙「機体の外観というか、形状というか・・・バルキリーやデストロイドとは何か違うような気がするわ」

マックス「別系統の技術で作られた物、という事ですか?」

未沙「ええ、もしかしたら反統合同盟軍の可能性も・・・」

輝「反統合同盟でもなんでも地球人に変わりはないでしょう!ゼントラーディに襲われてるなら助けるべきだ!」

柿崎「隊長の言う通りですよ!助けましょう!中尉!」

未沙「・・・そうね、でも向こうはこちらを味方とは思ってくれるとは限らないわ、後ろにも注意して!」

輝「了解!」

3機のバルキリーはゼントラーディ機に向かって攻撃を開始する。

輝「敵が視認出来る距離まで接近・・・!」

輝はリガードの攻撃を最小限の動きで避けながら接近、ミサイルの照準を示すターゲットサイトがロックオン可能になった事を示すと同時に発射する。ミサイルは吸い込まれるようにリガードに向かっていき直撃、その場で爆発する。

輝「よし!正確に、とはいかないけどこれなら・・・!」

実際ミサイルの何発かは外れており狙いの精度は低下しているのだが全く使い物にならないよりはマシである。輝が戦っている部下達の様子を気にして目をやるとマックスはやはり変形を駆使しながら手際良く、柿崎も気合で奮戦していた。

輝「あっちも大丈夫そうだな」

部下達の様子を見て安心した輝は正体不明の機体に接近する。

輝「そこの所属不明機!聞こえるか!返事をしろ!」

通信で何度も呼びかけるが応答は無く、統合軍、反統合同盟軍、あらゆる周波数での呼びかける。が、やはり反応は無い。

輝「仕方ない・・・」

輝はバルキリーを人型のバトロイド形態に変形させると手にしたガンポッドを手放し攻撃の意思がない事を伝えながら接近、そのまま所属不明機の肩に手をかける。

輝「聞こえるか!所属不明機!」

ルー「き、聞こえるわ・・・」

輝「良かった、接触通信は出来るみたいだな・・・」

所属不明機・・・Ζガンダムとコンタクトを取る事に成功した輝はそのまま続ける。

輝「えーと・・・こちら統合軍所属艦SDF-1マクロス所属のヴァーミリオン小隊隊長、一条輝少尉だ。貴官の名前と所属を教えて欲しい」

ルー「反地球連邦組織エゥーゴ所属、志願兵のルー・ルカ。階級は少尉よ」

輝「反・・・地球連邦?」

聞きなれないワードに困惑する輝。しかし考える間もなくゼントラーディの攻撃が二機を襲う。

輝「ルー・ルカ少尉!聞きたい事は山ほどあるがまずはゼントラーディ軍を片付けたい!援護を頼めるか⁉︎」

ルー「わかったわ。私も・・・こんな所で死ぬ訳にはいかないのよ!」

Ζガンダムがバルキリー隊と協力して迎撃を始めた事で次第にゼントラーディ軍の機体も次々と撃墜されその数を減らしていく。隊長機であるリガードの上位機種、グラージに搭乗していたゼントラーディ兵は離れた場所に待機していた母艦に援護を要請していたのだがその援軍は一向に現れなかった・・・。

 

 

 

 

 

 

同時刻、マクロスブリッジ

ヴァネッサ「艦長!前方にデフォールド反応!・・・えぇ⁉︎」

グローバル「どうしたのだ?距離は?」

キム「め、目の前です!」

グローバル「なんだと⁉︎」

マクロス前方の空間が歪んだかと思うと一隻のゼントラーディ艦が姿を現す。その距離は正にマクロスの目と鼻の先であった。

クローディア「なんでこんな至近距離に・・・?」

シャミー「ま、まさか特攻とか・・・」

グローバル「考えるのは後だ!今は回避に全力を尽くすのだ!」

ゼントラーディ艦は艦首を左に逸らし衝突を避けようとしている。

グローバル「こちらも艦首回頭!この距離ではもう衝突は避けられん!少しでもダメージを減らすのだ!」

クローディア「ピンポイントバリア、左舷プロメテウス付近に集めて!急いで!」

両艦が必死に正面衝突を回避しようと万策を尽くしたおかげか全面的な衝突こそ避けられたもののそれでも完全に避けきれず左舷プロメテウス部分にゼントラーディ艦の側面部が衝突する。

グローバル「全員!衝突に備えろ!」

ドゴォォォォォォンッ!

シャミー「キャアァァァッ!」

凄まじい轟音と共にマクロスとゼントラーディ艦が接触、ピンポイントバリアを展開していた為かろうじてプロメテウスは守られたもののそれでも完全に無傷とはいかず側面部が大きく抉れてしまう。

グローバル「だ、大丈夫か・・・?」

クローディア「は、はい。なんとか・・・。無傷とはいきませんでしたが・・・」

ゼントラーディ艦もまた側面部が抉られていたがマクロスのようにピンポイントバリアもなかった為かそのダメージはより大きな物だった。衝突後、徐々に離れていく両艦だったがやがてゼントラーディ艦から艦載機なリガードや戦闘ポッドが出てくるとマクロスに向かってくる。

グローバル「この状況で向かってくるというのか・・・。クローディア君、プロメテウスのバルキリー 隊はどうなっている?」

クローディア「プロメテウス側面部の損傷により大破、もしくは中破の機体が多数、出せる機数は限られてます・・・」

その時ブリッジにプロメテウスから通信が入る。

フォッカー「こちらフォッカー!ブリッジ!何があった⁉︎」

クローディア「ゼントラーディ艦と接触したのよ」

フォッカー「なんだと⁉︎ブリッジはぶつかるまでわからねぇほどボケっとしてたってのか⁉︎」

クローディア「敵艦がいきなり目の前にデフォールドしてきたのよ。そして今衝突したゼントラーディ艦から敵機が接近中よ」

フォッカー「クソ!コッチは機体もそうだがパイロットをかなりやられてる!出撃出来てせいぜい全隊の半分ってところだ!」

グローバル「むう・・・」

フォッカー「とにかく俺は先に出る!整備の邪魔になるからと隅っこの方に退かされてたのが幸運だったぜ。他のバルキリーも出せる奴から順次出させる!よろしいですね?艦長!」

グローバル「頼むぞフォッカー少佐、クローディア君、艦内の民間人に急いで避難指示を出してくれたまえ。場合によっては艦内に侵入されるやもしれん。対空迎撃用のデストロイド隊を艦の内部にも何機か残しておいておくのだ」

クローディア「了解です」

 

 

 

 

フォッカーを始めとするバルキリー 隊が出撃、ゼントラーディ軍の戦闘ポッド群を迎撃するがいかんせんバルキリーの発艦部分であるプロメテウスを損傷した為、思うように出撃する事が出来ず数で圧倒的に劣る戦いを強いられる。

フォッカー「くっ!劣勢か!」

そしてグローバルの懸念通りマクロスの一部に爆発が起き、内部にリガードが何機か侵入する。

フォッカー「しまった!スカルリーダーより各機へ!艦内に敵機が侵入した!近くにいるものは艦内に侵入した敵機を掃討しろ!俺も片付いたらすぐに向かう!」

 

 

 

 

 

マクロスタウン

緊急の避難警報が発令中され、街中は逃げ惑う市民で溢れていた。ミンメイ達もまた避難の為、一番近いシェルターにむかっていたのだが・・・

男「クソ!なんでいきなりこんな・・・!」

ミンメイ「コッチよ!・・・キャア!」

ミンメイ達の上空を数機のリガードが飛んでいく。

男「艦内に侵入されたのか⁉︎」

リガードの一機がミンメイ達の前に着地する。その銃口は彼女達に向けられている。

ミンメイ「あ・・・」

男「やめろぉぉぉっ!」

男は咄嗟にミンメイを庇うように前に出る。しかしリガードの砲撃は放たれる事無くその場で崩れ落ちる。

ミンメイ「え・・・?」

崩れ落ちたリガードの後ろに一機のバルキリーがガウォーク形態でガンポッドを構えたいた。ガンポッドの銃口からは煙が上がっている。

バルキリーはその前にゆっくり近付いてきてミンメイ達の所に来るとコクピットを開ける。

統合軍兵「大丈夫か!ここは危険だ!早くシェルターに避難しろ!」

男「は、はい!」

ミンメイ「ッ⁉︎後ろ!」

ミンメイが指差してた方角に別のリガードが現れ、頭頂部のミサイルを1発発射する。

ドォォォン!

ミンメイ「キャアァァァッ⁉︎」

統合軍兵「うおぉぉぉっ⁉︎」

ミサイルはバルキリーの足下に着弾、バルキリーはバランスを崩しコクピットを開けていたせいで乗っていた統合軍兵は投げ出される。

男「大丈夫か!・・・う!」

バルキリーの体勢を崩したリガードがこちらに狙いを定めている。ミンメイは先の爆風のせいで気を失っており逃げられない。

男(やられる・・・!)

死を覚悟したその瞬間、数発の銃弾がリガードに撃ち込まれる。見ると投げ出された統合軍兵が拳銃でリガードに攻撃している。

統合軍兵「俺が奴の注意を惹きつける!その隙にその子を連れて逃げるんだ!」

男「何・・・⁉︎無茶だ!よせ!」

統合軍兵「その子を頼んだぞ!うおぉぉぉっ!」

統合軍兵は拳銃を乱射しながらリガードの注意を惹きつける為に二人と別方向へ走る。しかし無情にもリガードはミサイルを数発発射、ミサイルは統合軍兵の側に着弾し、彼は爆発の火炎に飲まれながら吹き飛ばされる。

男「あ・・・あ・・・!」

その様子を茫然と見ていた男、その視線は鎮座しているバルキリーに、そして側にいるミンメイに向けられる。

男「同じじゃないか・・・あの時と・・・!・・・くっそぉぉぉぉっ!」

彼の絶叫と共にミンメイが目を覚ます。

ミンメイ「う・・・一体何があったの・・・?」

ミンメイの問いに答える事無く男の目はバルキリーに向けられている。

ミンメイ「まさか・・・あれに乗るつもり?無茶よ!あなた輝みたいに飛行機乗った事ないんでしょう⁉︎」

男「バルキリーになら乗った事があるさ・・・、戦った事もな。俺が奴を惹きつける、アンタはその隙に逃げるんだ」

ミンメイ「嫌!一緒に逃げましょう!」

男「あの兵士に言われたんだ!アンタを頼むって・・・。だから俺は君を守る!」

そう言って男はバルキリーのコクピットに乗り込む。その後ろ姿を見ながら、ミンメイはいつの間にかこのマクロスに流れ着いていたという男の名を初めて叫んだ。

ミンメイ「アルト!」

 




例によって例の如く次回更新の予定は未定です
3カ月はかからないようにはしたいです・・・

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