ソードアート・オンライン 【風紀の守護者】 作:kanmuru
これからもこんな調子だと思うのでまったりとお待ち下さい。
『プレイヤーの諸君。私の世界へようこそ』
「私の世界…?」
キリトが先程出て来たフードのやつの言葉に違和感を感じている。
『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間』
「「っ⁉︎」」
キリトとクラインがフード男が茅場だと分かると息を飲んだ。
『プレイヤー諸君はすでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいているだろう。しかしこれはゲームの不具合ではない。繰り返す。不具合ではなくソードアート・オンライン本来の仕様だ』
茅場の不具合ではなく仕様だという発言により周りがざわめきはじめる。
『また、外部の人間の手によるナーブギアの停止或いは解除もありえない。もしこれが試みられた場合、ナーブギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君の脳を破壊し生命活動を停止させる』
「何言ってんだ?アイツ。頭おかしんじゃね?なぁキリト?」
「いや、信号素子のマイクロウェーブは確かに電子レンジと同じだ。リミッターさえ外せば脳を焼くことも……」
「じやぁよ電源を切ればいいじゃねぇか」
「いやナーブギアには内蔵バッテリーがある」
「それにここに大勢プレイヤーがいる時点でナーブギアを外したら死ぬ、という現象が実際に起こってると見ていい」
「⁉︎でもムチャクチャだろ!何なんだよ‼︎」
「残念ながら現時点でプレイヤーの家族や友人が警告を無視してナーブギアを強制的に外そうとした例が少なからず有り、その結果213名のプレイヤーがアインクラッド及び現実世界からも永久退場している』
「信じねぇ、信じねぇぞ!俺は!」
クラインはこの情報が信じられなくなっている。
『ご覧の通り多数の死者が出たことをあらゆるメディアが繰り返し報道している。よってすでにナーブギアが強制的に解除される危険は低くなっていると言っていい。諸君は安心してゲーム攻略に励んでほしい』
この状況で安心しろなんて無理があると思う…
『しかし十分に留意して貰いたい。今後ゲームであらゆる蘇生手段が存在しない。
ゲームオーバー=死ということを突きつけられて1万人近くいる集団がシン…となった。
『諸君が解放される条件はただ一つ。このゲームをクリアすれば良い。現在君たちがいる最下層第一層から各フロアにある《迷宮区》を攻略しフロアボスを倒せば上の層へと進める。そして第百層の最終ボスを倒せばクリアだ』
「クリア?第百層?出来るわきゃねぇだろ…βテストじゃロクに上がらなかったんだろ?」
『最後に諸君のアイテムストレージに私からのプレゼントが配布してある。確認してくれたまえ』
「…?手鏡?」
アイテムストレージにあった手鏡をオブジェクト化すると次々とプレイヤーを青い光が包んでいた
「「うゎぁ!?」」
「クライン⁉︎キョーヤ⁉︎」
「大丈夫か?キリト、キョーヤ?」
「あぁ俺は大丈夫だ」
「キョーヤは分かるけどお前…誰?」
「オメェこそ誰だよ…?」
「お前がクラインか⁉︎」「オメェがキリトか⁉︎」
「な、なんで?」
「スキャン…ナーブギアは高密度の信号素子で顔の形を把握出来る。でも、身長や体格は……」
「ナーブギアを最初に付けた時に…キャリブレーション?とかで自分の体をあちこち触ったじゃねぇか」
「そ、そうだな」
「でも何でこんなことしたんだ?」
「どうせすぐに答えてくれる」
キリトの言葉に呼応するように茅場が話し始めた。
『諸君は今、何故?と思っているだろう。何故ソードアート・オンライン及びナーブギア開発者の茅場晶彦はこんな事をしたのか、と。私の目的は既に達せられている。この世界を創り出し鑑賞するためにのみ私はソードアート・オンラインを創った』
「…っ茅場!」
キリトが苦虫を噛み潰したように茅場を睨む。
『そして今全ては達成せしめられた。以上でソードアート・オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤーの諸君の健闘を祈る』
「嫌……………嫌ァァァァァァァァ!!!」
誰かの声をキッカケにみんなの怒りや困惑の声が聞こえてきた。
「ふざけんなよ‼︎出せ!ここから出せよ!」
「困るんだよ!何考えてんだ!」
「これから友達との約束があるの!出して!」
阿鼻叫喚の騒ぎが起こり広場の雰囲気は最悪だ。
「クライン、キョーヤ。ちょっとこい」
キリトに連れられ広場から少し離れた路地に来た。
「よく聞け。俺はすぐに次の村へ向かう。お前らも一緒に来い。あいつの言った事が本当なら生き残るためには自分を強化し続けるしかない。VRMMOが供給するリソース……つまり俺たちが得られる金や経験値は限られている。はじまりの街周辺のモンスターは狩り尽くされる。効率よく稼ぐには次の村を拠点にするべきだ」
「俺ァ他のゲームで友達だったやつと一緒に徹夜で並んでゲーム買ったんだ。あいつらも広場にいるはずだ置いていけねぇ」
「………っ」
「…お前にこれ以上世話んなる訳にはいかねぇな。だからよお前は次の村へ行ってくれ。俺だって他のゲームじゃギルドの頭はってたんだお前に教わったテクでなんとかしてみせらぁ」
「そっか。…キョーヤは?」
「俺は1人だけどちょっとここに残るわ」
「分かった…。じゃあな」
「キリト!お前結構カワイイ顔してんじゃん。俺、結構好みだぜ」
「お前こそ野武士面のほうが何倍も似合ってるけどキョーヤには及ばねぇな!」
「ウルセェ!こいつと比べんな!」
「ハハッ!」
かくして影浦恭弥のキョーヤとしての人生が始まった。
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「そういやクライン」
「どーしたキョーヤ?」
「お前キリトのカワイイ顔が好みとか言ってたけど、お前…こっち系なのか?」
「ちげぇーよ!?あれは少しキリトを元気づけようとしてだな!俺はちゃんと女好きだからな!」
「あーハイハイ、そーゆー事にしといてやるよ」
「本当だからなぁ!」
その数日後キリトから「お前…ホモなのか?」というメッセージが来てキョーヤに軽く殺意を抱いたクラインがいたとかいなかったとか。