Fate/Grand Order【The arms dealer】   作:放仮ごdz

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ヴェルカム!ストレンジャー・・・どうも、バイオ7の黒幕やファミパンおじさんが何故か気に入ってしまった放仮ごです。ああいうの好き。本気で怖いBBAだけはお呼びじゃない。

今回はVS黒髭海賊団。メディアさんがついにディーラーの力を借りて本格参戦。決して侮れない黒髭に立香達はどう挑むのか。楽しんでいただけたら幸いです。


油断大敵だぜストレンジャー

迷宮の島から脱出後、聖杯の手掛かりを探して次の島を目指し海に出たカルデア一行。アステリオスにオルガマリーがビビったりしたが、ドレイクの一括で海賊たちにも受けいられ、順調な航海を続けていた。

 

そんな中エウリュアレから、ヴェルデューゴを差し向けた張本人である海賊のサーヴァントに「自分が可愛いから狙われている」と伝えられ、そのサーヴァントが今回の聖杯の持ち主ではないかという結論に至った。至ったからと言ってもどうしようもないと途方に暮れていた立香達に、先を進んでいたマイクから攻撃されたと報告を受け、襲ってきた海賊船…即ち、黒髭の海賊船と邂逅した。

 

 

どうも、クイーン・ディードに出くわす前にドレイクも襲われたらしくリベンジに燃える彼女が吠え、対する黒髭は「BBAの声など聞こえない」を始めとした変態的罵倒で煽りに煽られ、ついでにエウリュアレにも「ペロペロしたい踏まれるのもいい」などと気持ち悪い笑顔で言いのけ、ついでにマシュまでもを許容範囲だと騒ぐ伝説的な大海賊に頭が痛くなる立香達。

 

 

「…どうします所長?マシュの精神が病み始めてるんで逃げたいんですけど」

 

「全くの同感だけど後ろにいるのは間違いなくサーヴァントだし、聖杯を持っている可能性もあるし…」

 

「おや!これは何とも魅惑のマーメイド…ではなく何ともスーハーしたくなるタイツ!そこの銀髪娘もドストライクですぞ!」

 

「…アルトリア、宝具」

 

「金ピカ王に言い寄られた私としては気持ちは分かりますが落ち着いてくださいマスター。もし聖杯を持っていたら一緒に破壊してしまいます」

 

 

イラついて指示をしたマスターを宥めるアルトリアにねっとりとした視線を向ける黒髭。それに気付いてディーラーが銃口を向けるが、次にその口から出た言葉に驚いて静止する。

 

 

「ふむ?アルトリアとな?どう見てもくっころが似合いそうな騎士様で如何にもな鎧、不可視の風に纏われながらも動作から持っていると思われる得物…床に付かない長さから見て剣でおじゃるか?

そして少女の身でアルトリアとくれば、ジャンヌ・ダルクではないと言う事は、聖剣を抜き成長が止まって少年王と謳われたアーサー王の可能性が!?男装美少女だったとは萌え萌え~ですな~(テレテレ)

同じ顔の後ろの二人もその関係者か何かですかな?だとすればモルガンかなモードレッドかなそれともアーサー王の別の側面かな?何にしてもどちらもレベルが高い上に水着でメイド、きょぬーツインテとは実にそそるでおじゃるよwデュフフフッww」

 

「なっ…!?」

 

 

そうつらつらと述べた黒髭の言葉に驚愕する面々。最後のが変態過ぎて分かりにくいが、その前半部分は無視できない発言だった。

 

 

「先輩、あのサーヴァント…アルトリアさんの真名を…」

 

「馬鹿な、聖剣を晒してもいないと言うのに看破しただと…!?」

 

「…さっきのマシュへの「名乗らなければ夢で見る」という変態的言動も、真名を晒し出させるため…!?」

 

「ちっ、馬鹿で変態に見えて策士か。厄介な野郎だ…!」

 

「おっと!アン氏の銃に比べたら屁でも無いクソエイムでは拙者には当てれませんなーwデュフフフフッ」

 

 

不意打ちとも言える、一旦戦意喪失して下ろしたと見せかけた直後に発砲したハンドガンの弾丸を、ひょろっと動くだけで避けてしまった黒髭に立香達は確信する。このサーヴァント、油断ならないと。

 

 

「まあまあwおちけつおちけつw拙者たちはエウリュアレたんとBBAの持つ聖杯さえもらえれば干渉するつもりはないでありますからしてー…あーつまりは、君達に勝ち目はないから無理しないで大人しく降参してちょ?そしたら見逃してやるよ~?」

 

「言ってくれるな。ヴェルデューゴがアンタのサーヴァントなら納得だがな」

 

「おや、マスターでもないのに真名を知られちゃってるとはまさかお仲間ですかな?」

 

「言っとくが俺の真名は知ったところで得はしないぞ」

 

「バレてたかーwしかしお主とそこのデカいの、ちとハーレムすぎやしませんかね?こちとら頑張って召喚しても呼べたのはマッスルとイケオジとよく分からない怪物ばかりで、ここにいるお二人しかおにゃのこはいないのでおじゃるのにー。うらやまけしからんですぞ!」

 

「本当、召喚されるんじゃ無かったよ」

 

「まったくですわ」

 

 

パンパンと、無言で立香とオルガマリーとメイドオルタも加勢したハンドガンの雨を避けながら煽りまくる黒髭を眺めながらアンとメアリーがぼやく。船長がヘイトを稼いで囮役に徹しているが、まだ全然距離が離れているので迂闊に攻め込めないため全くの無駄である。大砲が撃たれるよりはマシだが。

 

そんな攻防が続いていると、「BBA」と言われてからずっと精神が死んでいたドレイクが覚醒した。

 

 

「…撃て。大砲。全部。ありったけ」

 

「あ、姉御?」

 

「いいから。撃て。さもないとアンタ達を砲弾代わりに詰めてから撃つ」

 

「ア、アイアイ…マム!」

 

「あれ、BBAちゃん?おこなの?げきおこなの?ぷんすかぷん?ずっと黙っているからボケてしまったと心配したでおじゃるよーwww」

 

「船を回頭しろッ!あんのボケ髭を地獄の底に叩き落としてやれェェッ!」

 

 

ブチ切れるドレイクの指示で船が速度を増し、船体が揺れた事でハンドガンの応酬が止んで一息吐いた黒髭は、ずっと後ろで待機していた狂戦士と追跡者に一声告げた。

 

 

「あらやだ怖い。んー、ヴェルデューゴ氏、ブラッドアクス・キングさーん」

 

「…」

 

「ギギギ…」

 

「ちょいとBBAの船から聖杯取ってきてくれない?なんか邪魔が入りそうですが念には念を入れて二人なら余裕でござるよね?その間に、拙者はエウリュアレたんをペロペロする人類の義務に勤しんでくるから!」

 

「…(コクッ)」

 

「コロス!コロスゾォオオオオッ!」

 

 

黒髭の指示に頷き、咆哮し、跳躍してドレイクの船に乗り込んでくるエイリークとヴェルデューゴ。異形が並び立ち、クルーたちが応戦しながらも逃げて行く中、オリオンを肩に載せたオルガマリーが前に出た。

 

 

「二人共!」

 

「はい!」

 

「暴れるぞ!」

 

 

オルガマリーの指示でアルトリアとネロが同時に飛び出して、それぞれエイリークとヴェルデューゴと衝突。ネロの拳でヴェルデューゴを海に突き落とす事に成功し、海面に飛び降り追撃を行なうネロを余所に、巨大な斧を振るうエイリークと、それを軽やかに避けながら剣戟を叩き込むアルトリアに、加勢しようとした立香を止める手があった。

 

 

「…立香、あの史上最低のフナムシがこっちに来ないようしっかり私を守りなさい、いいわね?援護ぐらいならするから。アステリオスは加勢しなさい」

 

「う、ん…!」

 

「分かったよエウリュアレ。みんな、気を付けて!」

 

「来るぞストレンジャー…構えろ!」

 

 

双方共に突撃した事で接舷し、大砲の撃ち合いを始める黄金の鹿号(ゴールデンハインド)アン女王の復讐号(クイーン・アンズ・リベンジ)

乗り込んでくる海賊たちを、マイクの援護も加えて己のサーヴァント達と共に迎撃しながら、立香は勝ち目の薄さを実感した。英霊とそうじゃない人間の船では圧倒的にポテンシャルが違うのだ。この状況を打破する策を考え、一つ思いついて後方から援護するメディアに近付いた。

 

 

「…メディアさん」

 

「何かしらマスター?ああ、竜牙兵を出したいなら魔力を回しなさい」

 

「そうじゃなくて……あれ?そう言えばディーラーは何処に…」

 

 

例にもよって何時の間にか自分のサーヴァントが消えていた事に気付いたが、状況はどんどん悪化の一途を辿った。

 

 

「早速乗り込みますぞ、皆様方!先んじたお二人に続きましょうぞ!黒髭組、ふぁいと、おー!」

 

「…僕達はやらないからね」

 

「自害せよと令呪で命令された方がマシですわ」

 

「そんなに拙者の部下がイヤなの!?」

 

「「うん」」

 

「あー、船長?俺は、一応イヤじゃないぜ。ほら、真面目に真面目に」

 

「やってくれないパーカー氏に好かれても嬉しくないもん!」

 

 

言いながら、乗り込んでくるドレイクの部下たちを殴り飛ばしていく黒髭に続いて迎撃するパーカーとアンに、ゴールデンハインドに乗り込むメアリーとヘクトール。すると上空から何者かが来襲し、黒髭の顔面にモップを押し付けそのまま頭から床に叩き付けた。

 

 

「ぶへえ!?」

 

「行儀の悪いぞ黒髭!どこが悪い!?そこか! そこか!」

 

「ちょっw、そこは駄目ッw」

 

 

そのままゲシゲシと蹴られて何故か喜ぶ黒髭を足蹴にしているのはメイドオルタ。

即座に反応したパーカーとアンが各々の武器を振るうも、それはドレイクの船から放たれたメディアの紫の雷撃により妨害され、さらに黒髭の髭を掴んで奥の船長室にぶん投げて追撃するメイドオルタから距離を離すように銃撃が襲い掛かる。上空を、ヘクトールでさえも気づかない様にマイクのヘリが旋回して的確に援護をしていた。

 

 

「やるねえあちらさんも。こりゃオジサンもちょろっと本気を出すしか無い様だ」

 

「おいおい。最初から出しておけよ大英雄?欠伸ばっかして寝不足か?」

 

「アンタこそ、ありゃアンタの専門だろうに。接近を許すんじゃあねえよ」

 

「そりゃ悪かったな。こっちは船長たちの背中を守るので精一杯なもんでね」

 

 

ヘリの銃撃を手に持つ槍で防ぎ切ってしまうヘクトールと、襲ってくるドレイクの部下等をラリアットで海に突き落としながらハンドガンを手に応戦するパーカー。そんな二人を他所に、マスケット銃を構えたアンが黒髭の連れ去られた(?)船長室に向かおうとする。

 

 

「メアリー!しばし援護はできませんわ!一応船長だから変態でもアレは助けませんと…!?」

 

「行かせないわ。転移でいつでも乗り込めるのに皆せっかちよねえ?」

 

 

しかしその行く手を、転移して来たメディアが阻む。見ると、メアリーとヘクトールもマシュ、アステリオス、エウリュアレの参戦で押され始めていた。手が空いているのはパーカーぐらいだと思えば、こちらはこちらでドレイクと銃撃戦の真っ最中だった。

 

 

「…数が多いそちらは有利ですわね。この船の真価も全く発揮できない模様で」

 

「そちらの戦力をうちの優秀な魔術師さんのサーヴァントが足止めしてくれているおかげね。マスターの有無って意外と大事なのよ?」

 

「それで、魔術師風情が一人で私に太刀打ちできるとでも?」

 

「生憎、一人じゃないわ」

 

 

そう言ったメディアが手をかざし、召喚したのは竜牙兵。数は、ざっと30。他の黒髭の手下の足止めもできる程の戦力に、息を呑むアン。

 

 

「まさか、卑怯とは言わないわよね?」

 

「…ええ。これでも、多数相手は得意ですの。…メアリーが居れば背中は安全なのですけど」

 

「それ、転移する前に貴方の相方も言ってたわ。仲いいのね?」

 

 

さらにメディアが取り出したのはディーラーから頂戴したマシンピストル。この日、アン・ボニーは初めて目にする銃撃に圧倒される事となった。

 

 

「さあ、文字通り指先一つで仕留めてあげる。苦しんでもらおうかしら?」

 

 

魔術で軌道修正された弾幕の嵐が、竜牙兵と共に襲い来る。逃げ場のない状況に、アンは心の中で黒髭を助けようとするんじゃ無かったと毒づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船の上で、海の上で、船内で。斬り合い、撃ち合い、殴り合う。戦闘、喧嘩、どちらの言葉でも正しい、敵か味方か分からなくなってくる乱戦。

双方互角の攻防戦。この戦いを一言で纏めればそれが正しい。拮抗していると言う事は逆に言えば何か暗躍するチャンスでもある。オルガマリーの指示で、メイドオルタのパーカーに入って来たオリオンは、ひっそりとメイドオルタと黒髭が殴り合っている船長室から抜け出して、火薬庫を目指していた。

 

 

「さあて、さっさと仕事しますかね。アルテミスがいれば搖動は完璧なんだろうけどなぁ…まあしょうがねえか」

 

 

海賊と竜牙兵と海賊が斬り合うどこか異様な光景をすり抜けながら、オリオンは火薬庫を目指す。彼の負ったミッションは、火薬庫を爆発させて混乱に陥らせる事。宝具だと思われる船に勝つにはこれしかないと言うオルガマリーの判断だ。

一番の不安であった敵サーヴァントは、全員誰かサーヴァントかドレイクが足止めしている為、黒髭の部下の海賊たちにさえ気を付ければ無力の自分でもなんとかできる、はずだった。

 

 

「おい、何処へ行くお前?」

 

「!」

 

 

行く手を銃撃で阻まれた上で声をかけられ、振り向く。そこには、ドレイクと撃ち合いしていたはずのパーカー・ルチアーニが斧とハンドガンを手に立っていた。

 

 

「な、なんで…?」

 

「あちらの船にヴェルデューゴが乗り込んで俺の相手をする余裕がなくなったらしい。今日の俺はツイてるな。ええ?」

 

「…で、俺をどうするんだ?」

 

「そりゃあ、あっちに戻すしかないだろう。俺は船長を助けに行かないとな。生かしてやるだけありがたいと思えよ?」

 

 

そう言って逃げようとしたところをむんずと掴まれ、斧でホームランの如く送り返されてしまうオリオン。それによる混乱を好機に、戦況は少しだけ黒髭側に傾く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「拙者、殴り合いなら負けませんぞ~!」

 

「くそっ、でたらめな癖に強い…!?」

 

 

モップによるリーチの懐に潜り込まれ、黒髭の連撃に苦戦に強いられていたメイドオルタ。室内であることを利用して近くの物を片っ端から叩き飛ばしているのだが、それすらも軽くジャブで防いで拳と蹴りの連打を繰り出してくる黒髭は、ライダーにクラスチェンジして中距離特化になったメイドオルタでは戦いにくい相手だった。

 

 

「デュフフフッ、実に戦いにくそうですなw…外の戦いならばそれこそ無双でありましたのにな残念ですぞww」

 

「貴様、分かっていて私をここに…!?」

 

「さあ、何の事やら。ここに飛ばしたのはメイドさんでしょうに」

 

「ちっ…なめるな!」

 

 

状況を打破しようと、牽制のために銃を構えるメイドオルタ。しかしその銃が高威力の何かに吹き飛ばされ、ジンジンと痛む手を押さえながら発砲音の鳴った入り口を見る。そこには、異様に長い銃身を持ったマグナム・ペイルライダーを構えたパーカーがいた。

 

 

「悪い、遅れた船長。ここは任せてアンタはさっさと目的を果たして来い」

 

「ちょっ、遅いですぞパーカー氏wあんなに分かりやすいサインをしておいたのにw」

 

「モップで虐められていた時にしていた人差指か?…ありゃサインだったのか、てっきり罵倒かと…アメリカとは違うんだったな、すまん」

 

「貴様…私が行かせるとでも?」

 

「メイドなんかに負けたら男が廃るって物だよな!」

 

 

そう言って手に持ったハンドアックスを投擲したパーカーの攻撃を咄嗟に右に横転して避け、同時に放たれたペイルライダーの銃撃もくるりと一回転して避けながら飛ばされたセクエンスを回収し、立ち上がって振り向いた時には何時の間にか回収した斧を手に振り上げ突進してきたパーカーの姿が。

 

 

「オラッ!」

 

「ちっ…」

 

「では拙者はこれにて。ではまた今度ねメイドさ~ん!」

 

 

振り下ろされた斧を何とかモップで受け止めるも押し潰され、その間に黒髭に逃げられてしまう。敵の首魁をマスター達の元に向かわせてしまった事で焦り、鍔競り合うモップを両手で押し上げて蹴りを叩き込むも易々と回避され、お返しにパーカーの強烈なパンチを受けて後ずさるメイドオルタ。

 

 

「…貴様、クラスは何だ?」

 

「何の因果かバーサーカーだ。別に狂っている自覚は無いんだがね」

 

「いいや。モップを武器にするか弱い女である私に平然と斧で斬りかかってくる。…これのどこが狂ってないと?」

 

「そうだな。最高のパートナーが強い女だったから麻痺してんのかもなあ!」

 

 

強烈なスイングを、飛び上がってモップを手に急降下して突きを繰り出す攻撃で倍返しするメイドオルタはそのままモップで床を掃除する様に突撃。たまらず横に飛び退いたパーカーにセクエンスを乱射するも、避けてから同じく手にしたハンドガンを乱射され、モップを回転させて防ぎ切るメイドオルタ。

 

 

「どうやら銃の腕前は俺に一夕の長があるみたいだな。素人が銃を握るものじゃないぜ、メイドさん?」

 

「それは認めざるを得ないな。さっさと倒させて奴を追いかけさせてもらうぞ、奉仕の途中だったのでな」

 

「そりゃ船長も残念がる、散々だな。…続きのお相手は俺なんかどうだ?」

 

「ほざけ!すぐに片付ける」

 

「ようし!一丁やるか!」

 

 

一進一退互角の攻防を繰り広げた両者は各々の近接武器を構え、再びぶつかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ゴールデンハインドの船尾に飛び乗った黒髭は、ほとんどの者に知られる事無く戦況を観察していた。

 

 

「エウリュアレ氏はどこかな~wしかし拙者w船長なのに誰も相手してくれないってひどくね?w…ねえ、そこの人もそう思うでしょ?w」

 

「変態なんかとわざわざ戦うのは俺の様な物好きぐらいだろうぜ。ああ、セイバーオルタの奴はストレンジャーのお願いだったか。アンタの事だ、ライダーの癖して気配遮断もどきでも使ってここに来ると思っていた」

 

 

そう言って、物陰から現れたのはシカゴタイプライターを手にしたディーラーであった。元々周囲に溶け込む事は慣れていたからの芸当だった。立香にはばれていたが黒髭対策だと念話で伝えて納得させた。それほどに、この黒髭と言うサーヴァントをウェスカーと同じく油断ならないと評価していた。

 

 

「俺はアンタみたいにふざけている癖して優秀だった男を知っている。まあそいつはサドラーに殺されたが、アンタもその類だろう」

 

 

自分と同じくレオンの助けになろうと奮闘し、サドラーによって殺された自称超能力者を思い出して笑む。あれにはレッド9を売ったが、レオン以上の腕前で使いこなしていた。一人でサラザール城の中腹まで来ていたというのだから腕前が窺える。この黒髭からは同じものを感じていた。

 

 

「そう言うのは一番厄介だ、行動が読めない。まだまだ半人前なストレンジャーには相手が悪すぎるし、オルガマリーも手一杯だ。どんなにふざけていてもアンタは極悪非道の海賊のイメージを決定づけた男だ、誰かが対処しないとなあ。そうだろう黒髭?」

 

「おぅふw拙者なんかを過大評価し過ぎですなwではでは黒髭らしく黒髭らしく…これより、強奪略奪の時間。即ち、子供は寝る時間ですなぁ!デュッフッフ、こんな感じー?」

 

「…俺が子供か。なめられたものだ」

 

「だってそうでしょ?パーカー氏と同じタイプだと思っていたけどただの商人みたいですしー?w海賊にとって商人ってカモ同然でおじゃるよ知ってた?wヘイヘーイピッチャービビってるーw」

 

「ウェルカムだストレンジャー。地獄を見せてやる」

 

 

カチンときたディーラーが引き金を引くよりも速く、黒髭の手に握られたピストルが火を噴いた。最期にディーラーが見たのは、相変わらずふざけた悪い笑みを浮かべながらも、信念を持ってぎらついた男の目であった。

 

 

「油断大敵ですなーwデュフフフッw」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、そうだね」

 

「ぐはーっ!?」

 

 

下から飛んで来たロケランが直撃し、海に吹き飛ぶ黒髭。海に落ちる瞬間に見たのは、自分の船とは反対側のゴールデンハインドの死角、船に続く梯子のすぐ傍に浮かぶ流氷に乗ってロケランを手にしたオレンジ髪の少女と、その隣に立つディーラーがこちらに向けて何かを投擲した光景。

 

 

「天下の黒髭に一人で挑む阿呆がいるか」

 

「今のはマシュの分。これはエウリュアレの分だー!」

 

「ホンットーに油断大敵ですなー!?」

 

 

直後に海に投げ込まれた電撃グレネードの電撃が襲い、黒髭の意識は暗転した。




何が難しいって黒髭の口調が普通に難しい。パーカーをイケオジに書くのも難しい。なんでかっこいい髭の人は文章にするのが難しいのか。

それに対してメイドオルタはらしく書けたかな、と。水着メイド何て言う特殊な趣向、黒髭が見逃すはずなかった。メイドオルタは中距離戦や遠距離戦が強くなった代わりに得物の関係上近距離戦が苦手に。しょうがないね。
対してアルトリアは原作を意識してバーサーカーと一対一で対決。圧倒してます。士郎がマスターじゃなければ普通に強い気がする騎士王です。ネロの方は逃がしてしまっていますがヴェルデューゴを一人で足止めできただけでもデカい。

メディア+マシンピストル=弾丸の檻。軌道を操れるって最強じゃね?と。いくら跳弾を得意とするアン・ボニーでも楽には勝てない相手を考えたらこれしかありませんでした。

パーカーはペイルライダーの他にも、特殊兵装をいくつか有していますが宝具は斧です。何でバーサーカーかというとクラスがそれしか思いつかなかった。狂化ランクはEで、好戦的なぐらいです。相手が相手ならば有利に立ち向かえますがバイオ系サーヴァントの例も漏れず、正面きっての戦闘は苦手です。クリーチャー系はそうでもないんですが。

カルデアに男性サーヴァントが少ない分、色んな女性サーヴァントがいる為テンションが最高潮で何時にも増して強い黒髭氏。何気に某アラフィフ並みの変態推理でアルトリアの真名を看破していると言う。さすがにメイドオルタが同一人物とは分からなかった。
ディーラーVS黒髭、これは決めていました。商人って海賊からしたらカモ以外の何物でもありません。しかしそれを見越して立香も協力した騙し討ちで撃退。黒髭らしい負け方かなーと思ってます。流氷が何処から来たのかは勘がいい人は気付いてそうなので黙って置きます。

次回は竜の材料なんていらなかった決着戦(これがアルテミス早々退場の理由だったりする)。VSヴェルデューゴ&エイリーク、そして…?次回もお楽しみに!よければ評価や感想などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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