FAIRY TAIL〜魔龍の滅竜魔導士   作:長之助

143 / 226
今回は短めです


思惑

「━━━妖精の尻尾(フェアリーテイル)?聞いたこともねぇギルドだな」

 

「イシュガルのギルドらしい」

 

「良くも悪くも、イシュガルではトップクラスの知名度を誇るギルドだ!!だが、悪いところも多い!!素行、性格、金遣い、酒浸り、人相、種族………あぁ!鳥肌が立つ程に罪!!!!」

 

「相変わらずやかましーなてめぇは」

 

「しかし、中々やるっちゃ」

 

「いいや!!ワシ1人でも何とか出来たんじゃ!!それをこいつらが!!!」

 

魔導士ギルドディアボロス。この大陸、ギルティナ大陸にあるギルドの1つであり…大きな特徴として第5世代滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)、ドラゴンイーターのみが所属しているギルドである。今、そのギルド内で話し合いが行われていた。

 

「いいや!キリア!!君ではあの女剣士に勝つことは不可能だ!!」

 

「なんじゃと!?」

 

「彼女の名はエルザ・スカーレット。妖精の尻尾最強の女騎士、妖精女王(ティターニア)の異名を持っている……肉体的強さは勿論、素晴らしいのはその近接戦闘能力の高さ!換装魔法騎士(ザ・ナイト)を使い様々な鎧や武具に換装する状況判断能力の高さだ!!

単なる武器使いでは無い、場合によっては効果付きの武具を使う事による相性有利を突きやすい戦闘方法をとる!!」

 

「……ずいぶんと調べとるの」

 

「罪とは!!調べることでより細かく分類され、その分裁けるのさ!!先程の話に戻すが━━━」

 

ここで、テーブルを大きく叩きつける音が響く。それにより喋っていた2人…刃竜(じんりゅう)のキリアと裁竜(さばきりゅう)のスァーヴァクは黙り込む。

 

「どうでもいい、そんな奴らはな……ぐぁ…んぐっんぐっ…」

 

音を出した張本人、大柄で粗暴そうな男は素手でステーキを掴み……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その様子を見た他のメンバー達は、多少なりとも異様さに引いてしまっていた。

 

「ふぅ……肉は絞って飲むに限るわい……俺ァな、早く食いてぇんだ…1度食ったドラゴンの味は忘れないからよ…早く食わせろ、神の竜の肉を」

 

ディアボロのギルドマスター、その名をゲオルグ・ライゼン……神の竜の肉を欲す悪食家である。そして、そのマスターの後ろから…二人の男が現れる。

 

「ではマスター、次は僕達もスカリオン達に同行させて貰いますよ」

 

「ついでに…ネバルの野郎も連れていかせてくれ」

 

一人の男はメガネをつけた黒髪の青年、癖っ毛も無くせいぜい前髪が目に少しかかる程度で物腰は丁寧そうに感じられる。だがその目の奥には獲物を狙うかのような『強さ』が感じられた。

もう1人の男はスキンヘッドであり、猫背のように背を曲げながらゲオルグのことをじっと見ていた。その目はとてもぎらついているが、ゲオルグに対してはそのギラつきぶりは大人しくなったように思える。

 

「………あ?なんだ、テメェら神の竜の場所わかるのか」

 

「えぇ…事前調査をずっとしていましたからね…他の五神竜の場所、おおよそ把握しております…と言ってもアルドロンとイグニアの2頭だけですが」

 

「ならいい、どっち行くつもりだ?」

 

「近いのは…アルドロンですね……あぁ、まぁ…能力抜きに倒すのは手間が掛かりそうですが」

 

「レークよ、つまりワシが手間取るという事か?」

 

キリアにレークと呼ばれた青年…眼鏡をかけた黒髪の青年はキリアに視線を合わせ、その眼鏡をかけ直す。真剣な表情のまま、淡々とその情報を語り始める。

 

「あぁ、手間取るね……木神竜アルドロンはね……()()()()()()()。如何なる魔法も単純な質量差によって効かない……そうなってしまうほどに差がある」

 

「それでもワシなら斬れる!!」

 

「そうだね、切れるだろうね……表皮の1部くらいは」

 

「……ダーツ殿の滅竜魔法で、魔力を奪うなり魔法を奪うなりは…できないっちゃ?」

 

マッドモールがもう一人の男…ダーツと呼ばれた男に話しかける。少々苦い顔をしたダーツだったが、マッドモールの質問には素直に答えていく。

 

「出来るかもしれんが……どうなるか分からん、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ふむ…2人が…特にレークがそう言うのであれば、警戒しておこう…では早速、この2人と…ネバルを連れてアルドロンのところへ参ります」

 

スカリオンがゲオルグにそう伝え、新たなメンバーを加えてディアボロス達は木神竜アルドロンの所へと向かっていく。次の場でも…未だメルクフォビアを巡った因縁が途切れていない、ということを考えないままに彼らは彼らの願いのために動くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、場所は変わりここはマグノリア。ナツ達のギルド、妖精の尻尾がある街である。その当の妖精の尻尾は…いつもは騒がしいが、今日は打って代わり雨音の方が喧しく聞こえるほどの静寂に包まれていた。

 

「━━━これで1つの黒の芽は消えました。妖精の尻尾は今、白に染まりましたわ」

 

優雅にそのギルド内で紅茶をすするは、このギルドの新人……そして白魔術教団(リベリアス)トップの白魔導士トウカである。そして、その周りでは……妖精の尻尾のメンバー+α達がそれぞれ横たわっていた。意識は無く、皆白目を向いていた。

 

「さて…後は、ギルティナを目指すだけですわね。全員連れて…残りの妖精も白に染めなければいけませんわ…待っててくださいね、ナツ様」

 

そう言ってトウカは立ち上がり…準備を進めていく。彼女の力を持ってすれば、魔力を奪った者を操作することは容易いことなのである。水神竜メルクフォビアの様に。

 

「……さて、と………ふふふ、改めて見るとよく実感できますわね。この大陸最強のギルドと名高い妖精の尻尾を白に染めたという事実…1部、別のメンバーが居ますが……それを鑑みても流石に壮観ですわね」

 

そういった後、再び紅茶を飲むトウカ。そして、ゆっくりと口に運び…飲み込み…一息ついた後でふと思い至る。

 

「………どうやって、全員運び出しましょうか……ひとまず子供と女性陣から……えぇっと…担ぐのは無理だから……台車があれば…あぁでも積み込みできる荷車も用意して……」

 

そうしてテキパキと準備を進めていくトウカ。荷車を用意し、ギルドメンバーを連れてきては抱え込む道具を揃えていく。幸いにも大きなギルドなので道具自体はすぐに揃っていた。

 

「で…後は子供たちと女性陣と……」

 

その後は台車にメンバーを乗せて運び、荷車に抱え込んで連れていく。それをひたすらに続けていく。距離だけで言うなら全くないのだが、人数が多いので必然的に体力も時間もかけられていく。

 

「はぁ…はぁ……何とか女性陣は運び終わりましたわ……何故私がこの様な肉体労働を……あとは男性陣……」

 

まず代車に引っ張るまでが手間であった。どの男性陣も重く、肉が着いていたからである。しかし、何とか連れ込んでいく。しかし重い、非常に重い。

 

「どいつも…!こいつも……!!重すぎ、ですわ………!!!」

 

運ぶだけで体力を疲れ果てさせているトウカ。しかし、終わったのは男性陣の中でもまだ比較的軽い方のメンバーだけである。まだ、重量級と言ってもいいほどの重い人物がいるのだ。

 

「はっ!?そうですわ!!先日奪ったばかりの浮遊魔法なら…!いけますわ!!かなり魔力を消費しますが、これならいけますわ!!流石私ですわ!!ならこの魔法で重量級(デカブツ)共を…………あれ?」

 

浮遊魔法、対象を浮かせられるという至極簡単な魔法である。そして、それをちょうど近くにいたエルフマンに使おうとして………反応しない。いくらやっても反応しない。

 

「━━━持ち、あがらない…!?重っ!!ビクともしませんわ!!大地に根を生やしているかの如く!!普段どういうもの食べてたらこんな体になりますの!?あと人数多い!みんな酒臭い!!もう嫌ですわ〜!!!」

 

そう喚きながら騒いでいるトウカ。だが、ふとなにかに思い至り冷静になって立ち上がる。そして、エルフマンの方に視線を向けたかと思うと…途端にエルフマンは立ち上がり大柄なメンバーを担ぎ上げていく。

 

「コ、コホン…少々取り乱しましたわね……よ、よく考えたら既に問題ないのですから…操って動かせばよろしいのですわ…おほほ……いざ…ギルティナへ………」

 

非常に疲れてしまったトウカ。残りのメンバーは担がせて運んで、何とかなっているが…彼女自身、これから先のことが思いやられると考えながらギルドメンバー達と共にギルティナ大陸へと向かうのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。