FAIRY TAIL〜魔龍の滅竜魔導士   作:長之助

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VSギルダーツ

「強欲龍の…!強欲翼撃(ディザイアウィングズ)!!」

 

「こいつはウェンディと俺の魔法のかけあわせか…!」

 

強欲の力では、マルクの姿は小さな肉食の恐竜に翼が生えたようなの姿となる。その翼から風が吹き荒れて、ギルダーツを飲み込んでいく。その風に、ギルダーツの分解の魔法が乗せられて風で切り裂かれ細かく分解されていくという本来であれば凄まじい魔法になるのだが……

 

「だが、甘ぇ!!」

 

ギルダーツの魔法は『クラッシュ』と呼ばれる魔法を使う。これは触れたものを粉々に破壊する魔法である。このクラッシュは人に向けて打つ場合は、小さな細かい分身となってしまうだけで殺す魔法事態では無いのだが………その真価は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして直接殺さないからと言って、完全非殺傷の技では無い。

 

「くっ…!?」

 

「魔法である以上、それを砕いちまえば終わり…それ以前にこの魔法に関してはお前より一日の長があるんだ…仮に通ったとしても、元は自分の魔法だ…元に戻る術もちゃんとあるに決まってるだろ」

 

「それでも…!」

 

「勝てるってか?甘く見られたもんだな……この俺に、よりにもよってクラッシュで勝つなんてのはなァ……早ぇぞ?」

 

「それでも、です!!」

 

再びクラッシュを放つマルク、そして今度は同時に翼もはためかせてクラッシュの魔法を発動させておく。翼にぶつけることでクラッシュを当てる算段だが…これくらいせねば、まともにギルダーツに攻撃が通らないと分かっているのだ。

 

「クラッシュでの同時攻撃か!!だが、それこそ甘いつってんだ!!破邪顕正━━━!!!」

 

即座にギルダーツもクラッシュを当てて飛んできた分を相殺。そして、飛び込んでくるマルクには1度拳を引き…クラッシュの魔法を発動させ溜め込んでいく。そして、タイミングよく放ちその拳をマルクへとぶつける。クラッシュの魔法の奥義の1つ。

 

「━━━━一天!!!!!」

 

「がはっ………!!!?」

 

クラッシュ同士の魔法、それ自体は打ち消しあったが故にマルクが破壊されるということは無かった。だが、単純な力と大きな魔力の乗せられた拳はマルクにダメージを通していた。そして、そのまま殴り飛ばしていた。

 

「ぐっ……!!やっぱ、強え…」

 

「どうしたァ!!もっとかかってこい!!来ねぇなら……こうだ!!」

 

「っ!!!」

 

マルクは本能的に避けた。次の瞬間には、先程までいた地面はクラッシュによってバラバラにされて、マルクが直前までいた空間にはギルダーツ自身が拳で放ったクラッシュの魔法の奥義…破邪顕正・一天が空回りしていた。

 

「っぶな……!?こんのっ!!」

 

「今度はクラッシュの波状攻撃か!?だが、全部通じねぇぞおらァ!!」

 

連続でのクラッシュ。しかし、これら全てが相殺され消えてしまう。ここまで攻めに攻めて…マルクは歯がゆい思いをしていた。今回のこの戦い…死に物狂いでギルダーツを攻めているのは変わらないが、1つだけマルクには考えがあった。何も無策で挑んでいる訳では無いのだ。だが、そのたった一つの考えも『賭け』でしかない。つまりその1つの考えを成功させた上で…賭けにも勝たなければならない。その考えとは━━━

 

「まだまだァ!!強欲龍の強欲拳(ディザイアハンド)!!」

 

「ウェンディの風だろうが…無意味だ!!!」

 

━━━()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして、それで起こるであろうことが…賭けなのだ。白魔導士と操られているギルドメンバーには、魔力操作と洗脳という見えないパスのようなものが存在しているのでは?とマルクは考えている。そして、クラッシュを当てた場合…そのパスが切れるかもしれない…という一縷の望みに賭けているのである。

もし成功すれば、ギルダーツは元に戻り…そして同時に強力な仲間が得られるのだ。失敗すれば……その時はその時である。

 

「クソっ!!また魔法が破壊されて…!」

 

「この大陸は、どうやらお前にとっては魔力が回復しやすい大陸みたいだが……回復するだけじゃあ、格上にァ勝てねぇぞ」

 

「ッ…!」

 

実力不足。マルクの頭にその言葉がよぎる。確かに、ギルティナ大陸ではエーテルなのが結晶化するほどの濃さである。そしてエレフセリアから貰った布がなければ、マルクは魔力のオーバーフローで吐き気を催してしまう。

なのでこの大陸では戦う前にはその布を外すことで、凄まじい魔力の回復をしながら魔法が実質的に使い放題となるのだ。しかし、魔力が完全に回復仕切ってしまうと…悪魔龍の力が使えなくなってしまう。回復よりも多い出力による消費で、戦わなければならないのだ。

 

「オラどうしたァ!!」

 

クラッシュが次々に襲いかかる。単なる肉体のスペックだけでも、マルクの実力はギルダーツには及ばない。この戦いは、ギルダーツにクラッシュを当てれば勝ちなのだ。それだけで……それだけで、良いので━━━

 

()()()()()()()()()()()()()()!!!」

 

「っ!!」

 

「分からねぇとでも思ったか!?何がしてぇのかは分からねぇが、実力でねじ伏せようって気概を感じねぇ!!勝ちてぇなら()()()()()()()!!」

 

「…………」

 

顔を俯かせるマルク。マルクは今まで、ここ一番と言う時の勝ちを得たことがないと思っている。他の者達がどう考えていても、恐らくこの考え自体は変わらないだろう。

六魔将軍(オラシオンセイス)との戦いではまともに戦えず、エドラスでの戦いでエドラスのマルクの弱点を着いただけである。そして悪魔の心臓(グリモアハート)との戦いはアズマに負け、大魔闘演武ではそもそも3対3のバトルでまともな個人戦にあらず。

冥府の門(タルタロス)との戦いでは逆に敵の手に落ちており、黒魔術教団(アヴァタール)では雑魚狩り。そしてアルバレスとの戦争では…ディマリアとの戦いでシェリアが魔法を失ってしまい、アイリーンとの戦いではエルザのサポートをしただけである。そう、マルクは考えていた。

 

「……わかりました。俺も、死ぬ気でいきます…いや……」

 

「…?」

 

「やっぱ、死ぬ気ってのは無しで…今ここで死んだら…ウェンディ守れなくなっちゃうから」

 

「はっ…ガキが色付くなよ…けどまぁ…守りてぇもんがあんなら…それ守れるように動けやァ!!」

 

クラッシュが両脇から襲いかかる。マルクはもう、後ろには下がらない…()()()()()()()()()()()()()()()。ナツのようにデタラメに、底抜けに、ただ前を向いて勝ちを取りに行く。生きるために、今ここで…ギルダーツを殺すためではなく助けるためにギルダーツを助けようと改めて覚悟をする。

 

「ナツさんみたいに!!負けを恐れず!!!」

 

「ははは!!アイツみてぇな考えしてたら、命がいくつあっても足んねぇぞ!!ガキが!!!」

 

ギルダーツの体から凄まじい魔力が溢れる。目の前にしただけで竦む程の圧を感じてしまうマルク。だが、止まらない。恐れを知らない訳では無い、本来であれば危ないと引くのを促していただろう。だが、()()()()()()()()()()()

 

「まかり通る、ってやつです!!!」

 

「……止まらねぇか、なら━━━」

 

今までの比にならないほどの魔力が、ギルダーツの手に込められていく。その一撃だけで、ドラシール…いや木神竜アルドロンを破壊し尽くすのでは無いかと思うほどの大きな魔力の圧。

白魔導士がギルダーツにアルドロンを討伐させないのは、白滅(ホワイトアウト)させて操るためだろう。そして、もし元に戻った時…同じように魔法を街に打たないように言わないといけない…とどこか冷静な視点でことを考えていた。

 

「破邪顕正……絶天!!!」

 

「━━━━━!!!!」

 

そして掠っただけでも死ぬであろうと思ってしまう程の大きな魔力の一撃が、マルクに襲いかかる。その威圧感は、まるで大きな人間に殴られかけているかのような死の気配。だが、恐れることなかれ…迷うことなかれ…そして、怖気付くことなかれ。

マルクはそれでもなおギルダーツに向かって、走っていく。だが、このままではギルダーツの魔法に当たって消し飛び消滅するだけだろう。それを理解してもなお、マルクは飛び込んでいく。

 

「なっ…!?」

 

「当たるわけ、無いでしょ!!!」

 

だが、既のところでマルクは跳び上がり…体をひねらせて回避する。空打ちに終わった破邪顕正・絶天は、凄まじい爆音と共に直線上に進んでいき民家を数件粉微塵に消し飛ばしていた。

 

「これで━━━!!!」

 

「終わるのはテメェだ!!オールクラッシュ!!」

 

「っ!!」

 

━━━ギルダーツには、まだ片腕が残っていた。その片腕から別の魔法が放たれる。これを受けてしまえば死ななくても終わりである。だから、()()()()()()()()()()()

 

「モード悪魔龍!傲慢傲り《エレガンス・プライド》!!ごはっ…!?」

 

魔法の効果を寄せつけない悪魔の鎧。即座に纏った結果、クラッシュの魔法はきちんと受けきれていた。だが、クラッシュという魔法は…ギルダーツ・クライヴという魔導士から放たれるその魔法は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。中身はクラッシュの影響を受けていない。ただ、殴られた時のダメージで多少血が出た程度である。

 

「はぁはぁ…!モード、悪魔龍…強欲欲しがり…!」

 

吹き飛ばされたマルク。直後に再び魔法をコピーできるモードへと切り替える。だが、満身創痍を待ってくれるほど…今のギルダーツは甘くないのである。

 

「終わりだ」

 

「あ━━━」

 

クラッシュが、襲いかかり……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時は遡り、マルクがギルダーツとぶつかり始めた時。ウェンディはシャルルに捕まれ右肩の街を目指していた。

 

「━━━ねぇ、ウェンディ?」

 

「何?シャルル」

 

「ギルダーツに、マルクが勝てると思う?」

 

「勝てるよ、マルクなら」

 

「どうしてそう思うのかしら?相手は妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の魔導士なのよ?」

 

「それでもだよ、マルクは絶対に勝って…私達に追いつく。皆を戻すために頑張ってくれるって、信じてるから」

 

「………そう、なら私も信じるしかないわね……」

 

「うん、2人で信じよ?あ…シャルル!右肩の街が見えてきたわ!」

 

「行くわよ!本腰入れていきなさいな!」

 

「うん!!」

 

そうして、2人の少女は目的のために飛んでいく。想い思う故に、彼の事を大丈夫だと信頼しながら…自らがやるべき事のために覚悟を決めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こうなっちゃ、終わりだ」

 

時は戻り…ギルダーツとマルクの対決。ギルダーツの周りには、沢山の小さな分身となったマルク達で溢れていた。そのサイズ差は踏み潰そうと思えば簡単に踏み潰せてしまうもの。だが、小さくなったマルク『達』はそこらかしこで騒いでいた。

 

「まだ!まだです!!」「まだ負けてません!!」「まだ勝てます!」「やってやります!!」

 

「……S級魔導士昇格試験の時を思い出すなぁ……ナツもこんなんになってよォ……やかましくて……」

 

「悠長に喋ってる場合ですか!?」「不意打ちしますよ!?」「隙だらけですね!」「こんなんでも戦えますからね!!」「まだまだ元気有り余ってますよ俺は!!」「噛み付いちゃえ!!」

 

「やかま……」

 

「これ靴だ!」「飛んでも登るのに時間かかる!」「義手硬い!!」「爪引っ掛けちゃえ!!」「小さくなりすぎて何も通らない!!」「でも魔力は通る!!」「えいえい!!」「おりゃ!」「小さくて通じてない!!」

 

「…………」

 

「割れたタイル邪魔!!」「動きづらーい!!」「石畳の段差もちょっと無視出来ない!!」「飛べばいいじゃん!!」「時間かかるって言ってんだろアホ!!」「俺がアホならお前もアホだよ!俺なんだから!」「ぼーっとしてていいんですか!?」「隙だらけですよ!」「今もボコボコですよ!!」「全部通じてないけどな!!」

 

「………喧しいッッッッッッッ!!!!」

 

「「「「「「「「わー!!!!」」」」」」」」

 

あまりのやかましさに、一気にマルク達を吹き飛ばすギルダーツ。マルク達は一気に吹き飛ばされて、まるで塵のように1箇所に固められてしまう。

 

「ったく……なんでやかましい所までナツと一緒なんだ……まぁいい、これで終わり━━━━━」

 

トドメを誘うとしたその瞬間…ふと、ギルダーツは違和感を覚えた。彼の記憶の中にあるマルクは、気分を高揚させることはあってもナツの様に戦いを楽しんで騒ぐタイプでは無いのだ。故に、先程までにわちゃわちゃやって騒いでいるのは良く考えればいつものマルクからではあまり考えられないのである。

勿論、今までの緊張もあって変な方向に気分が高揚してハイテンションになってしまった可能性もあるが……今回に限り()()()()()()()()()()()()

 

「━━━━やっと、隙を見せましたね」

 

「しまっ……!!!!」

 

ギルダーツは、後ろを向いた。丁度眼前となる位置…そこにはクラッシュを発動させていた、小さなマルクが1人だけいた。小さなマルク達の騒ぎに乗じて、こっそり1人だけギルダーツの後ろに回り込んでいたのである。そして、発動されたクラッシュを対処するにはあまりに近く…そのクラッシュは、立っている地面ごとバラバラにしていきながらギルダーツに直撃した。

 

「はぁはぁ……やったか…?」

 

クラッシュの魔法が直撃して、小さなマルクはゆっくりと地面に降り立つ。残っていた魔力を総動員して、クラッシュをぶち当てたのだ。故に範囲は小さくなった割にはかなり広くなっており、これで終わっていなければ…マルクは負けだと確信していた。

 

「………」

 

「…………あー…」

 

「…ッ!そんな……!」

 

土煙の中から、声があがる。そして段々と土煙が晴れていき…その大きな人影一つが現れる。ギルダーツは、五体満足…マルクの放ったクラッシュでも分裂することなく…存在していたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギルダーツは最強の魔導士…けれど、そんな彼は今では義手などのパーツに頼らなければ生きていけない体…本人から話させましたが…五神竜の討伐…していたようですね…まぁそれもアクノロギアと呼ばれる竜によって、失敗に終わったようですが……」

 

白魔導士は今、用意させた玉座に座り思考していた。五神竜の白滅、その目的自体は今も変わらない。だが、彼女の思考にはもうひとつの策があった。

まず基本の作戦として、木神竜アルドロンの両肩、両手、そして背中の5つの街にあるオーブの破壊…これによってアルドロンの無力化である。

 

「つまり…全盛期と比べれば弱体化している様なもの……今回は戦いに向かわせましたが…場合によっては、アルドロンとの戦いにも使わねばなりません……しかし、そうなると……」

 

そして、もう一つの策……それはアルドロンの弱体化が予想よりもされなかった場合である。例えて言うのであれば…50%弱体化すると思っていたが、実際は25%だった…という話である。だがギルダーツのクラッシュを使いバラバラにしてからなら…白滅が通りやすいのでは?と考えているのだ。

 

「……アルドロンが大きすぎますね…文字の通りウドの大木と言うやつでしょうか…今の不動っぷりを見るに意味まで通りそう…」

 

そう、クラッシュは別に指定したもの全てを破壊する魔法では無い。それが可能なら、アルバレスとの戦争が起きる前に連れて行って大陸ごと…もしくはアルバレス軍の城ごとクラッシュでバラバラにしてしまえばかなりの無力化がされているからである。しかし、実際にはそうはしない…大きすぎるものは、バラバラにした際の被害も大きくなってしまうので自らの首を締めかねないのだ。

 

「仕方ない…もし弱体化があまり出来てなさそうなら、背中の町から頭に飛んで、頭からバラバラに………ッ…!」

 

突如として額を抑える白魔道士。一瞬、頭痛が起こっていた。すぐに治まったが、謎の痛みに困惑を覚えるばかりである。

 

「今の痛みは……?まるで、無理矢理何かをちぎられたような……くっ…」

 

その痛みの理由は、彼女にも分からないまま……考えても仕方ないと白魔導士は頭を振ってオーブ破壊と、アルドロン白滅のための準備を改めて進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ…まさか、通じていなかったなんて……」

 

「………?」

 

土煙の中から現れたギルダーツ。だが、辺りをキョロキョロ見回して怪訝な顔をしていた。その様子にマルクは同じように怪訝な表情を返していた。

 

「……あ!?お前マルクか!?なんでお前そんな小さくなってんだ!!てか何だこのカッコ!!下何も着てねぇじゃねぇか!」

 

「………へ?」

 

「うお!?よく見たらあっちに大量に小せぇマルクが重なってやがる!?ま、まさか酔ってクラッシュぶち当てちまったか!?い、いや待て!よく考えたらここ何処だ!?」

 

明らかに驚き、動揺し、そして困惑しているギルダーツ。演技でこのようなことが出来るほど、彼が役者だとはマルクは思っていないし…そもそもする理由がない。つまり……

 

「元に戻ったんですね!?」

 

「あ?元に…?と、とりあえず戻してやるよ」

 

「うおっ!?」

 

ギルダーツは冷や汗を流しながら、クラッシュの魔法の影響下にあったマルクを元に戻す。どうやら、酔った勢いでぶつけたと思い込んでいるらしい。

 

「……で?えっと…何があった…?ここどこだよ…」

 

「……と、とりあえず一から説明しますね」

 

マルクはギルダーツに一通り説明した。100年クエストの経験者であってもクエスト内容は話さない方がいいか、とマルクは考えたのでその辺は省いている。

 

「……合点がいった。俺達は操られてギルティナ大陸に連れてこられて…ここで戦った、と。んで、俺が正気に戻ったのはマルクが俺にクラッシュを当てたから…か……俺がバラバラになってないのは、操られた俺が咄嗟に体を元に戻したからだろうな…けど、通じてはいた…んで、洗脳が解けちまったんだ…解けたっていうか…無理やりちぎって破ったが正しいか」

 

「なるほど!!!!」

 

つまり、操られていたからこそ勝てた勝負であり…もし何かしらの形で戦っても、ギルダーツにクラッシュの魔法はそもそも通じないという事である。マルクは、内心ギルダーツのことを本気で化物だと思い始めていた。

 

「…だが、白魔導士とのパスが途切れたのはデカイな。クラッシュの魔法は使えるままだ」

 

「じゃ、じゃあ…!手助けして欲しいんですけど…!」

 

「分かってる、俺の魔法で洗脳されたギルドの奴らを助けていきゃあいいんだろ?」

 

「はい!!あ…だからなるべくカナさんから助けた方がいいかも…!」

 

「…カードに封じ込められるからだな。カナがメンバーの確保、俺が洗脳の解除…カードにさえ封じ込めちまえば、出した瞬間にクラッシュでバラバラにしていけばいい」

 

ギルダーツがギルドメンバーに出会った場合は、クラッシュの直打ち。カナがであった場合はボコして行動不能にしてから、カードに封印。その後ギルダーツに解除という流れである。

 

「とりあえず…俺はそうさせてもらう。お前はウェンディを追いな」

 

「はい!!」

 

強欲龍の羽を広げて、マルクは空を飛ぶ。魔力は回復できるが、呪力はもう残り少ない状態である。恐らく、ウェンディの所にたどり着いたあと…誰かと戦うことになったとしても悪魔龍の力はほとんどもたないだろう。

だが、それでもマルクは向かう。ウェンディの元に辿り着き、彼女の力になる為に。




今回、クラッシュでブラックホールとか魔法とかバラバラになるなら
バラバラになる→受けていた魔法もバラバラになり影響を受けなくなる→元に戻るという、ということになるのでは?という事にしました。

因みにギルダーツが正気の状態で同じように挑んだら、マルクは100%負けます。ですが洗脳状態でも白星は白星です。
というか強欲の力自体劣化オーガストみたいなもんです。
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