FAIRY TAIL〜魔龍の滅竜魔導士   作:長之助

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宴したって話だったので、アルタ・フェイス後〜宴までの話捏造です


白滅の里にて

「へぇ…ここが……」

 

「あ…貴様!!良くもやってくれたな!!」

 

アルタ・フェイスとの戦いが集結し、一同は一旦白滅の里へと戻ってきていた。『手』から生まれていたモンスター、ツメアカによって壊滅的な被害を受けていた白滅の里だが……そこにはセレーネの部下が何人も捉えられていた。

そんな中で、その1人であるヨウコがマルクに睨みをきかせていた。

 

「……?………あ!ウェンディ達を妖怪に変えたとか言ってた!!」

 

「貴様がいなければ…!」

 

「自業自得だ!!……にしても、この人達はこの世界に捕らえるのか?」

 

「いえ、その…彼女達はエレンティア出身です」

 

近くにいたファリスに声をかけるマルク。だが、帰ってきた言葉は驚くものであった。セレーネが滅ぼそうとした世界の住人が、セレーネの部下。当然だ、自殺行為そのものなのだから。

 

「……まじか」

 

「まぁ…魔力を使わなくてこれだけ強い人なら、アースランドじゃ有名になってそうだもん…他の大陸の人の可能性もあったけど」

 

「ルーシィ」

 

マルクに説明していたルーシィだったが、捉えられているセレーネの部下の1人である筋肉質で巨体な女性…ミミから声をかけられる。どうやらこの2人、戦ったようだが険悪な様子ではなかった。何か通じるものがあったらしい。

 

「またいつかバトルしよう!」

 

「いやぁ…それはちょっと……」

 

こうして連れていかれるセレーネの部下達。エレンティアの住人であるならば、エレンティアの法で裁かれるだろう。脅されていた様子もなし、自分の意思で従っていたのならばそれなりの罪になると思われるが…それはまた別の話。

 

「……ところで、皆さん。折角ですし…宴、なんてどうでしょう」

 

「「「宴!?」」」

 

ファリスが持ちかけた話にナツ、ハッピー、ルーシィが反応している。確かに息抜きするにはタイミングとしては丁度よく、気持ちの切り替えとしては必要なことだろう。そう考えたのか一同はそれなりに乗り気であった。

 

「はい…!」

 

「……けど、宴するにしてもな」

 

マルクはふと辺りを見回す。白滅の里は現在崩壊もいいところである。つまりは宴するにしても皆疲れ果てている上に、これから復興作業にも入らなければならない。

 

「そうねぇ…どっちにしろあたし達も一旦休まないといけないし…」

 

「帰るにしても、休まねばな…夜通し戦ってたんだ」

 

「体を癒せる場所……あ、そういえばセレーネの部下逮捕されたんなら…黒月山(こくげつやま)のセレーネの本拠地が結構良さげだったんで、折角だし使ってみません?」

 

マルクがふと思い出し、提案していた。ナツとグレイもそれで思い出したのか、納得したような相槌を打っていた。なお、女性陣とハッピーは妖怪化していたのでその場の記憶は無いのだが……

 

「へぇ、そんな良かったの?」

 

「えぇ、温泉とかありましたよ。セレーネの奴、風呂好きだったみたいでそれなりに大きいの拵えてました」

 

「そうか、それなら傷を癒せ………ん…?マルク、ちょっと待て」

 

「…はい?」

 

何か思い当たることがあったのか、エルザがマルクの顔をじっと見る。何か疑問になるようなことを言っただろうか、と。思い当たることは無いがマルクはエルザの方に視線を向ける。

 

「見たのか?実物を」

 

「えぇ、捕らえられてる時に」

 

「セレーネが風呂好きというのは?」

 

「本人が日に3度入らないと気が済まない、みたいなこと言ってたので」

 

「その風呂はどこにあるんだ?」

 

「俺達が捕らえられてた部屋の正面ですけど……」

 

「…マルクだけやけに服が濡れてると思っていたが……まさか、入ったのか?」

 

マルクからとんでもない量の冷や汗が流れ始める。下手なことを答えれば突き詰められるのは目に見えている。気が付かない間にルーシィやファリス、ウェンディとシャルルから疑いの視線を向けられていた。

 

「えっ……………と、入りは…しましたね…入ったというか…皆と別れた後…セレーネと戦って…俺の、体質で…何か思う所があったのか…よく分かりません、けど…湯に…投げ入れられてたみたいで…気がついたら…半裸で、温泉に……」

 

嘘は言ってない。どれも事実である。真実の1部を隠すことで実質的に嘘をついているようになっているが、マルク的には嘘は言ってないのだ。だが目が凄まじく泳いでいるが。

 

「ナツ、グレイ、今のマルクの話…本当か?」

 

「…いや、そもそも最後に温泉から引っ張り出されて俺らのいる部屋に連れてこられたからな。入ってたのは事実だぞ…その後すぐにお前らと戦ってたようなもんだし」

 

内心、マルクはグレイに感謝していた。エルザを除き女性陣が疑っているのは『マルクが温泉に入ったこと』ではない。『セレーネと一緒に入った』又は『セレーネの風呂を覗いた、覗こうとしたが失敗』である。因みにエルザもその可能性に至っているが、どちらかと言うと『先に温泉を一人きりで味わって楽しんだのでは?』という疑問である。彼女自身、ナツやグレイと風呂に入ろうとしているのでそういうのは(異性と風呂)あまり問題にすることがないのだ。

 

「て、敵の本拠地で風呂楽しむ余裕なんてないですよー!!」

 

「…マルク、肝心なところ答えてないわよ。あんた…()()()()()()()()()()()()()

 

「ッ…!!!!」

 

シャルルの追撃が襲いかかる。マルクは一心不乱に頭を回して答えを探す。間が開けば開くほど、疑いの目は強くなる。付き合いたてのウェンディに幻滅されることだけは嫌なので、マルクは『やはりこれしかない』と答えの一つにたどり着く。

 

「は、入ってない!!」

 

「嘘ついたぞあいつ」

 

「まぁ大目に見てやろうぜ、あいつも男だし」

 

ナツとグレイが小声でなにかを話しているが、マルクには今は関係がない。ウェンディはほっとした顔をしているが、シャルルとルーシィはまだ信じきれていなかった。

 

「ほんとにぃ…?ほら、ドラゴンだけどいい体してたじゃないセレーネ」

 

「ルーシィさん、なんかおじさんみたいなこと言いますね」

 

「……まぁ兎も角、そのようなものがあるなら行くとしよう」

 

「だな」

 

こうして、一同は一旦白滅の里を離れて黒月山に行くことになった。勿論、トウカの水の翼(アクアエーラ)を用いた転移での移動だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「いいお風呂ねー!」

 

「うむ、風呂好きというのも嘘ではなかったようだ」

 

「景色も綺麗ですもんねぇ」

 

「歪んでるのが好きなのに、自分はこんないい所を陣取るなんてね」

 

「全くです!」

 

「あはは……」

 

黒月山にて。セレーネの温泉に女性陣が浸かっていた。単純に温泉に心地よくしているルーシィ、エルザ、ウェンディ。そしてそれを1人で楽しんでいたと思われるセレーネに文句が出ていたシャルル、トウカ。そしてそれを苦笑いで見ているファリス。だが、ファリスは改めて問題が解決したのだと理解していた。それだけ、彼女はセレーネに脅かされていたのだから。

 

「……改めて…皆さん、ありがとうございます」

 

「いいのよ!スザクと共闘したようなもんだけど…実際セレーネを追い払ったのはマルクなんだし!」

 

「聞く限り、かなりボロボロになっていたらしいからな…回復するには時間がかかるだろう…それに、魔力暴走の解決にもマルクは一役買ってくれていたわけだしな」

 

「それに、私達が妖怪にさせられた時も…怒ってくれたみたいだし」

 

「あれは凄かったわね…私達捕まえた…ヨウコだっけ?彼女、一撃で倒すんだもの」

 

温泉を楽しみつつ、今回の戦いを思い返す一同。セレーネによって連れてこられ、そして戦いが始まった。セレーネが率いる一団との戦い、妖怪化させられた仲間との戦い。スザクとの邂逅…そして『手』の大量発生に、セレーネの一団との決着。そして、アルタ・フェイスとの戦い。ほぼ一日の間でこれが起きた、実に濃密な1日だったと言えるだろう。実際には日を越しているので、少し多めなのだが。

 

「そう、ですね…マルクさんにも…改めて、お礼を言わないと…エドラスの時にも助けてもらいましたし…色々と…」

 

「…ふふ、そうねぇ?」

 

「…?ルーシィさん?何で私の方見るんですか?」

 

温泉が暖かいせいか、顔が少し赤くなっているファリス。その様子のファリスを見て余計な邪推を働かせているルーシィは、ウェンディを見ていた。だが、当のウェンディはその意図に気づかないでいた。

 

「ふふふ、修羅場の予感ねぇ」

 

「ルーシィ、あまり茶化すものでは無いぞ……しかし…そうだな、そういえば私達が帰ったとしても、トウカはこちらに来れるのか」

 

アクアエーラを使えば、世界を渡ることもそれなりに安定して可能である。そして、未熟とはいえファリスも使うことが可能であり会おうと思えば、彼女達とは会えるのだ。別段、アースランドとエレンティア間で魔法が使用不可になる…などということは無いのだから。

 

「わたしもハッピー様に会いたいですし〜!」

 

「む…」

 

「な、なら…私もそれに着いてきても…」

 

「ま、同じギルドの仲間…家族だからね!いつでも来なさい!」

 

「は、はい!!」

 

ルーシィがファリスに笑いかけ、ファリスもそれに応える。利用するためだったとはいえ、ファリスも立派なギルドの一員である。その事実だけは、変わらないのだ。

 

「……っと、今日だけはここに泊まって…明日に修理が終わるからそこで宴…だったな」

 

「あ…はい!」

 

「ま、今日は先んじて楽しんどきましょうよ!」

 

「ふ…そうだな」

 

月夜…ではなくまだ昼間ではある。だが今日は休憩ということで1日休んで過ごす事となった。だが、降り注ぐ太陽の日差しがこの世界の問題を解決できたことを証明するかのように…彼女達を輝かせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はー…落ち着いて入ると気持ちいいもんですねぇ…」

 

「だなー…色々あって疲れてた体に染みるわ…」

 

「んー……」

 

しばらくして、男性陣が風呂に入っていた。覗きに入る…なんてことも無く、ゆったりと温泉につかり癒されていたのだが…その中でナツだけが妙に首を捻っていた。

 

「どうしたのさナツ〜…」

 

「いや……何か嫌な予感がして…」

 

「嫌な予感〜…?」

 

「何だろうなぁ…いや、マジでわかんねぇんだけど……」

 

うんうんと唸るナツ。温泉で体を伸ばしながらも、そんなに気になることがあっただろうかとマルクとグレイは頭を何とか回し始める。

 

「…そういえば…この後ご飯ですよねぇ…」

 

「そうだなぁ…セレーネの部下は全員捕まえたから…白滅の里の人間を連れてきて…」

 

「ここに残ってる食料でご飯食べるんだよねぇ…オイラお魚食べたい……」

 

「おぉ、そういやそうだったな!」

 

飯の話になり、途端に興味がそちらに移ったナツ。どうせ宴をするのだから明日にはまた美味しい食事が得られるのだが、美味い飯はいくら食べてもいいと言わんばかりに目を輝かせていた。

 

「何が出んだろうな!楽しみだ!」

 

「って、いっても…セレーネが宴用で使う食料しかないので……ある程度のご飯とお酒くらいしか………お酒?」

 

マルクは一瞬で意識を覚醒させた。そして同じようにグレイとハッピーも覚醒した。そして最後に、何かを思い出したかのようにナツの顔色が悪くなっていく。

 

「…おい!アイツらに酒飲ませちゃまずくないか!?」

 

「と、止めねぇと!!」

 

「今回止めるの俺達4人ですよ!?」

 

「しかもファリスとトウカもいるんだよ!?」

 

そう、いつも絡むこの面子…女性陣の酒癖がかなり悪い。ウェンディは酔っ払ってダウンする程度で済むが、シャルルはかなり高圧的な態度になり、ルーシィは甘えんぼとなり構わないと泣きそうになる。そしてエルザは修羅となりその場の者達に恐怖を与える。そして今回未知数のトウカとファリスもいるのだ。

 

「俺らじゃ制御しきれる気がしねぇぞ…!」

 

「ま、まずい…!」

 

「い、今すぐ上がって酒の確認しますか…!?」

 

「それしかないよォ…!」

 

温泉どころではなくなり、すぐに上がって服を着る男性陣。片方が風呂に入っている時はその際の音や声が聞こえないように、もう片方のグループは別の部屋に移動していたので男性陣は部屋に移動したのだが………

 

「「「「遅かったー!!!!」」」」

 

………男性陣の、悲痛な叫び声が聞こえてきて…そのまま彼らの悲痛な数時間が始まるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はー…疲れたな、別の意味で」

 

「そうだね…ところでマルク、寝なくていいの?」

 

「ん?いや……さっきまでのが…な…目が冴えちゃって…」

 

ある意味一足先に始まった宴会。エルザが修羅とかした事により、マルクはウェンディとシャルルと共に気配をこっそり消して離れていた。戻る頃には全員寝て……ナツとグレイに関しては、タンコブで塔を形成されていたので気絶の可能性もあるが、ひとまず全員意識がない状態となっていた。それがよりショックだったのか、少し寝たくらいでマルクは目が冴えていた。

 

「私も同じかも…でも、シャルルは途中で寝ちゃってたね」

 

「まぁだから部屋に寝かせてきたけど…こういう時男女別で良かったよな」

 

自分が寝たあとの事を聞いてきそうだ、とマルクは何となく気にしながら、月を眺めていた。色々思うところがある、大きな大きな満月だった。

 

「……」

 

「…気になるの?2人のこと」

 

「…ん、あぁ…まぁな………こうやって落ち着くと、改めて気になったことがあって」

 

「それって?」

 

「セレーネは本当に本気を出していたのか、スザクは本当にドラゴンを狩れるのか…だな」

 

マルクの気になっていること。それはスザクとの戦いの際にセレーネがドラゴンとしての形態にならず、ずっと人の形をしていたことだ。マルク自身が戦った時はドラゴンになっていたが、何故スザクとの戦いの際はならなかったのか。

そして、スザクの戦闘能力は…果たして本当にドラゴンに届いているのか。確かにナツとエルザを一撃で倒したので実力はあるのかもしれない。だが、どうにもセレーネを2人で協力しただけで倒せたかもしれない…という事に納得がいかなかったのだ。

 

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)じゃないのに、どうやってドラゴンを狩れたのか…って疑問でな。小手先の技とか、語りで騙すようなタイプじゃない…ってのを考えちゃってな」

 

「……確かに、私も気になる。2人の行方…それに、他の五神竜の事も」

 

セレーネを倒した、と仮定した場合残り二頭。炎神竜イグニア、そして金神竜ビエルネスの二頭である。イグニアに関しては、調べれば分かるかもしれない。だがビエルネスに関しては本当に分からないのだ。

 

「金の神、か…ま…どちらにせよ戻ってから考えよう」

 

「ふふ、そうだね……あれ?ファリスさん?」

 

「え?」

 

ウェンディがマルク越しに視線を向けていた。そして、それに釣られてマルクも視線を自身の後ろへと向ける。そこにはファリスが立っていた。

 

「どうしたんだよ…」

 

「えっと、その…マルクさんにお礼を言いたくて…」

 

「いや…エドラスでの時のことならもう大丈夫だって」

 

「それも、そうなんですけど……この世界のことも、です」

 

夜闇の中の月明かり、ファリスの白い髪は月に照らされ輝いているが当のファリスの顔は夜闇に紛れて少々見えづらかった。だが、少なくとも彼女の雰囲気は悪くなく…ただお礼を言いに来たのだろうとマルクは判断していた。

 

「…アルタ・フェイスを止めれたのは皆の力あってこそ、魔力の暴走を止めれたのはファリス含めた白滅の里の人達の存在あってこそ…俺は何もしてないよ」

 

「聞きました、セレーネを追い払ったのはマルクさんだと」

 

「出来れば素直に受けたいところだけど…それもスザクの力あってこそだ。倒したわけじゃないし、1人で戦ってた訳でもない」

 

褒め言葉は嬉しい、しかしそれを素直に受け取るにはあまりにも『一人で成した訳では無い』という考えがマルクの中にあった。その根幹も、一度ドラゴンとなったセレーネに負けてしまっているというのが大きいのだが。

 

「それでも、です……私は貴方にお礼が言いたくて」

 

「……どういたしまして、まぁファリスの世界を救えてよかったよ」

 

「……その、マルクさんは…」

 

「…うん?」

 

「怒ってないですか?」

 

「何を?」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆さんを操ったことです」

 

今ここで言われて、『そう言えば操った張本人だった』とマルクは思い出していた。エドラスでも事情を話されていたが、その時までに聞いていた情報とエドラスで腰を落ち着けた時に話し合った態度があまりに違った為、未だにきちんと印象が噛み合ってなかったのだ。

 

「……マルク、忘れてたの?」

 

「い、いやぁ…はい……」

 

「わ、忘れてたんですか!?私、同士討ちをさせようとして…!」

 

「まぁ…本気でそう思って自分からやってたならともかく…話聞いてた感じ、暴走してたみたいなもんでしょ?しかもセレーネに脅されて…」

 

「そ、そうですけど…!」

 

「なら俺は気にしてないよ……多分ほかの皆も気にしてないんじゃないかな」

 

「そ、そんなわけが…」

 

「寧ろナツさんは喜んで感謝してるよな、ウェンディ」

 

「そうだね……ノリノリで倒しに行ってたからみんな……」

 

苦笑しながら話し合うウェンディとマルク。自らが糾弾されない事、寧ろ感謝されると言われたこと、そして2人の様子を見て……色々感情が混ざった複雑な表情をしていた。

 

「……そう、なんですか」

 

「おう…だからあんま気にすんな…少なくとも、宴が終わるまではな……あんまり暗い顔してると、ナツさん辺りが肉食べさせに来るかも」

 

「『おー!どうしたー!?』とか言いながらだよね」

 

「言いそう…ふふっ」

 

モノマネをしながら少し笑うウェンディに、つられて笑うマルク。それを見ている内に、どこかほっとしたような感情を得ながらファリスは自らも気付かぬ内に微笑んでいた。

 

「ふふっ…なら、言われた通り…そのままで居ます。皆さんが帰られる時に改めて…」

 

「それでいいと思うよ」

 

「うん!」

 

「ふぁ…さて、寝るとしようか」

 

軽く欠伸をして伸びをするマルク。それに釣られてウェンディも欠伸をし、2人で微笑みあっていた。その様子がとても微笑ましく……ファリスは2人より先の方を歩き、振り向きながら笑みを向けていた。

 

「では、早く寝ましょうか」

 

「おう…じゃあおやすみ2人とも」

 

「おやすみ、マルク」

 

「おやすみなさい、マルクさん」

 

こうして、2人は女性陣のいる部屋に。マルクは男性陣の部屋に帰っていった。日は沈み、月は登る。しかしその月がどれだけ大きく周りを脅かそうとも…いつかは沈み、また登るのだ。それを表すかのように…月は刻一刻と傾きつつあるのであった。

 

 

 

━━━五神竜、残り━━━━━

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