FAIRY TAIL〜魔龍の滅竜魔導士   作:長之助

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ドグラコア

ドグラ大迷宮……そこで行われたセレーネ率いるディアボロスと妖精の尻尾(フェアリーテイル)滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)達+その他数人。最初こそ2ギルドの最終決戦かと思われたこの戦いは、突如として現れた炎神竜イグニアの介入により混沌を極めていく。

イグニアの介入により、エレフセリアの心臓は潰された。そしてそれを合図としたかの様に迷宮の生みの親…死んだと思われていた土神竜ドグラマグが姿を現した。そして、そのドグラマグは人間の姿を取りナツ達と相対する。そして今、ナツとスザクとマルク…そしてドグラマグがぶつかろうと睨み合いの火花を散らせていたのであった。

 

「━━━━行くぞ!!」

 

「はい!!」

 

「いざ!!」

 

「越魔龍の━━━━!!!」

 

3人同時に飛び込み、同時にマルクはブレスを準備する。だがドグラマグは悠長とも思えてしまう程冷静に、自らの迷宮を操作して目の前に大量の柱を生み出す。

 

「━━━━轟砲!!!!」

 

迷宮は基本的にいかなる攻撃であっても破壊不可能。唯一イグニアの炎だけは、迷宮を溶かす程の熱を生み出すことが出来ていた。だが、マルクの攻撃はその例外にまでは━━━━

 

「いい攻撃だ、誇れよ?()()()()()()()()()

 

「チィッ……!!」

 

━━━━なりえなかった。大量に生み出された柱。マルクの攻撃によって削れた柱はマルクから見て1番手前の柱だけである。それも、ほんの少しだけ角がかけた程度…そしてドグラマグ本人にはブレスは届きすらしていなかった。

 

「ナツよりもこいつの方が楽しめそうだがな、少なくとも今この場では……ん?」

 

「火竜の━━━━」

 

マルクのブレスの直後、ナツが柱の隙間を潜り抜けてドグラマグに迫っていた。思考をマルクに割いていた為に、気づくのが遅れたドグラマグ。その顔面に、ナツの拳が炎を灯してぶつけられる。

 

「━━━鉄拳!!!!!」

 

「………ふん、人間にしてはいい拳なんじゃないか?俺には効かんが」

 

「ッ!!」

 

だが、それでも届かない。ナツの拳でさえも、避ける事すらされず一切のダメージすら入らない。お返しと言わんばかりに、ドグラマグの後ろに迷宮の瓦礫が集まっていく。

 

「ドラゴンのパンチってのは…こうだ!!」

 

「がはっ!!」

 

「ナツ!!」

 

集まった瓦礫が拳の形となり、ナツを殴り飛ばしそのまま地面へと叩きつけられる。入れ替わるようにして、今度はスザクがドグラマグに迫っていく。

 

「クルクギ流抜刀術…!冥界煉舞(れんぶ)!!」

 

多数の斬撃がドグラマグに与えられる。けたたましい程の金属音と風切り音が鳴り響く。抜刀による高速の連撃は確実にドグラマグを切り裂く……かと思われたが、そこに居たのは意にも介していないドグラマグの姿であった。

 

「もう忘れたのかい、この迷宮の壁は『壊せない』。迷宮その物である俺を壊せると思うか?そこで倒れてるセレーネと一緒に…震えな、土神竜のゼ・キトラ」

 

「ッ!!モード━━━」

 

腕を交差するドグラマグ。瞬間、各人の上から大量の移籍の瓦礫が降り注いでいく。それに合わせ、マルクはセレーネが狙われていることにも気づきそちらの方へと向かう。だが、瓦礫は追いつくのを待ってくれない。4人の上に、瓦礫が大量に降り注ぐ。

 

「ぐああああああ!!!」

 

「うおおおおおおお!!!!」

 

「ぐううううううううう!!!」

 

「震えよ、大地の叫び……」

 

瓦礫は絶え間なく降り注いでいく。ナツ、スザク、マルク、セレーネを消し飛ばそうとする勢いで。だが、それを素直に受け取る一同では無い。

 

「━━━舐めんじゃ、ねぇぞ!!おらァ!!!」

 

「甘い」

 

絶え間なく降る瓦礫、だが面制圧での回避不可の攻撃ではなく量による攻撃。ナツはその隙間を見つけ、瞬時にそこを伝ってドグラマグへと近づいていく。近づく合間に瓦礫を殴り飛ばすが、いとも簡単にドグラマグはその瓦礫を弾き飛ばしていた。

 

「火竜の鉤爪!!!」

 

「…効かぬわ」

 

「ぐあっ!!」

 

「ならば…!」

 

「届かん」

 

「ぐぅ!!」

 

頭への直撃を受けたドグラマグ。だがそれさえも通じず、ナツの足を掴みなげとばす。その瞬間が隙だと認識したのか、スザクが首元に抜刀を当てようとするが…それも簡単に指で刀を摘まれてしまい、そしてカウンターと言わんばかりにそのままスザクを殴り飛ばす。

 

「悪魔龍の!!!憤怒暴食咆(ラースグラトニーキャノン)!!」

 

「ほう、悪魔の力。呪法であれば対処できると考えたか?だがそれも目論見が甘すぎる」

 

先程は大量の柱を生み出したドグラマグ。だが今度はそれを全てひとまとめにしたような…パッと見れば壁だと誤認してしまいそうな程に広く大きく太い柱を生み出す。それにマルクのブレスが当たり……()()()()()()()()()()()()()()

 

「……ヒビが…そうか、迷宮に着いてる俺の魔力を……」

 

「危なっ!!」

 

ヒビが入ったことに何やら思考をめぐらすドグラマグ。だがその合間にヒビが入った柱をあえて砕き、瓦礫を飛ばしていた。マルクは一旦悪魔龍を解除して元の大きさに戻り、瓦礫の隙間を縫って回避していた。

 

「強ぇ…!」

 

「攻撃が…全く通らぬ…!」

 

「これ倒したエレフセリアすげぇな…」

 

3人がドグラマグの硬さに辟易しながらも、どうすればいいかをそれぞれ必死の考える。だが、そんな中で1人立ち上がる姿があった。

 

「……神の名を持つ、ドラゴンの1頭…人間が叶うわけなかろう……」

 

「セレーネ……」

 

「…なんだ、ぶっ倒れてたのに傷はいいのか?」

 

「庇ってくれたおかげでな……だが…ぐっ……傷を負っていなければ私が相手してやったものを………()()()()()()()()()()()()

 

「ッ!!」

 

「この迷宮は奴の体その物と言ったな…巨大な迷宮を作るにあたり、自分の力を封じた宝石を至る所に配置した。その宝石を中継して迷宮を拡大していったのだ」

 

突如として明かされる事実。セレーネが弱点ということはつまり、それに何かをすれば現状倒す手段が出てこないドグラマグを倒すことが出来る……かもしれないという事である。

 

「奴が宝石を実態化したことで、宝石の幾つかは実体に吸収された。だが、まだ吸収しきれていない宝石が幾つもある。それは奴の力の1部であるが…今この瞬間も奴に力を与えている。つまり、その宝石を全て破壊してしまえばやつの力は衰える」

 

「壊してしまえば、力が霧散する…って事か」

 

「その宝石は幾つあるの!?」

 

7()2()()

 

「そんなに!?こんな大きな迷宮に散らばってるんでしょ!?見つかりっこないよ!!」

 

「いや…セレーネの力は……」

 

「あぁ……私は魔力を追える…そして、空間を繋ぐことが出来る」

 

そう言いながら、セレーネは空中に円を描く。魔力の込められた円は門となり、空間を繋げていく。繋げられた先は…散らばった仲間達の所である。

 

「━━━マルク!!」

 

「ウェンディ!!」

 

「ってか…」

 

「セレーネ!?」

 

「グレイ!エルザ!みんな!!」

 

「行くぞ」

 

「は!?」

 

マルクは先程離れたグレイ達との再合流を果たす。セレーネがマルクとハッピーの腕を掴み無理やり連れてきたのだ。だが、今はふざけている場合でもゆっくり時間を過ごす場面では無いのも事実。つまり、急いでやることがあるという話である。

 

「ちょっと!!ナツ達は…」

 

「どうなってんだ一体…」

 

「……ガジル、だったか。そなた宝石を拾ったな?」

 

「…?これか?」

 

ガジルは懐を漁り、1つの黒い宝石を取り出す。セレーネはそれを受け取り、マルクへと投げ渡す。いきなり投げられたが、マルクは何とかキャッチをすることが出来た。

 

「それは土神竜ドグラマグの1部…ドグラコア。今からこのコア…これを含めた72個を破壊する」

 

「はぁ…?」

 

「いきなり何の話!?」

 

話を聞いていなかったメンバーは、当然のごとく困惑していた。何も聞いていないにも関わらず、敵であった筈のディアボロスのマスターのセレーネから何故か頼み事をされているのだから。

 

「…時間が無いから手早く説明します。まず迷宮を作ったドラゴン…土神竜ドグラマグが復活しました。今ナツさんとディアボロスのスザクが戦っていますが…俺も途中まで参加してましたが、一切攻撃が入りませんでした」

 

「復活!?」

 

「…ナツの攻撃でも通じねぇのか…」

 

「はい…ですが、この宝石…同じものが71個あるらしいですが、それら全てを壊せば…ドグラマグが弱って倒す可能性が見えてくる…らしいです」

 

「━━━わかった、私達も手を貸そう」

 

「エルザ!大丈夫なのか!?」

 

「あぁ…なんとかな…」

 

目を覚ましたエルザ。グレイにおぶられていたが、下ろしてもらい何とか立ち上がっていた。その間にセレーネは更に門を開いて残りのメンバーの元に繋げていた。

 

「え…皆!?」

 

「ッ!?なんだこりゃ…」

 

「ルーシィ!ラクサス!!」

 

「これで全員集まったようだな…」

 

「……おい、これはどういう事だ。なんでおめぇがそこにいる」

 

ラクサスは門越しにセレーネを睨みつける。何故彼女がこちら(フェアリーテイル)側に就いているのか、事情を知らねば何が起こってるのかまるで意味不明な状況だからだ。

 

「詳しい説明は後だ…このままでは世界が滅ぶ。頼む、ドグラマグを倒すために力を貸してくれ」

 

「よく分かんないけど…その宝石を破壊しないとナツが土神竜に勝てないってこと?」

 

「あい」

 

「うーむ…ナツなら何とかしそうな気もするがな…」

 

「多分…悪魔の心臓(グリモアハート)のマスターハデスみたいな感じだろ…倒すことは出来るかもしれないが、そもそも力の根源を破壊しないと倒せない」

 

かつて戦った闇ギルド悪魔の心臓。そのマスターであるハデス戦にて、ナツ達は何度倒しても復活するハデスに苦戦を強いられていた。それもそのはず、魔力の源が別の箇所にありそれがマスターハデスの強力な強さの秘密だったからだ。その際はハッピー達が破壊してくれたおかげで何とか倒すことが出来た。つまりは、その時と同じなのである。

 

「回りくどいんだよ…今からみんなで加勢しにいけばいいだろう」

 

「何人で立ち向かおうが…相手に全くダメージが入らなければ無意味だ…それに、今までの戦いで魔力も体力も疲弊しているだろう…それでどうやって戦うつもりだ?」

 

「…たしかに、そうですね」

 

「チッ…わァったよ!急いだ方がいいってこったな」

 

少し不満げだが、ラクサスとガジルもそれで納得していた。現状恐らく1番強いのがセレーネになるが、現状怪我をしている為に万全のドグラマグに勝てる可能性は低くなってしまっている。

 

「71個もあるんでしょ!人員は多い方がいいわね!開け!仔犬座の扉!羅針盤座の扉!プルー!ピクシス!手伝って!」

 

「プルー!」

 

「ピクー!!」

 

仔犬座の星霊プルー、犬らしい。星霊界には色違いやデザイン違いが多数存在する謎が多い星霊。ピクシス。羅針盤が頭に着いた鳥の様な星霊。正確な方向が分かる能力がある。ルーシィは魔力の消耗が低い星霊を出すことで人員を安定して増やしていた。

そして、召喚された瞬間にピクシスの能力が発動、頭の羅針盤が回転し…近くのドグラコアへ指し示す。

 

「ピクー!」

 

「あっちに1つあるみたい!!」

 

「いや…場所は私が把握している……それ以前に直接ゲートを開ける…」

 

ルーシィとピクシスは壁に向かって体育座りをし落ち込んでしまう。構っている暇は正直ないので、セレーネは向き直り改めて説明をして行く。

 

「これから残り71個のドグラコア付近に転送する。私はここで中継し…そして、破壊して欲しい」

 

「……で、さっき投げ渡されたけど。これも破壊していいんだよな?」

 

「…少し、事情が違う。マルク・スーリア…お前の場合はドグラコアの中にある魔力…それを吸ってから破壊だ」

 

「理由は?」

 

「ある程度魔力を吸い取れば…お前はドグラマグに対抗しやすくなる…ナツ・ドラグニルとスザクの2人で仕留めきれなかった場合は…ドグラマグの力を持って、ドグラマグを制す」

 

そう言いながら各人の前に門を開いていくセレーネ。その間にもマルクはドグラコアから魔力を吸い取る。そうして力の抜けたコアを、地面に叩きつけて破壊する。

 

「…では、頼む」

 

「行くぞ!!」

 

「「「おう!!」」」

 

そうして門を通じてドグラコアの元へと移動した……が、セレーネの傍にマルクとグレイが残っていた。息も絶え絶えとなっているセレーネを見て、思うところがあったのだろう。

 

「…あんた、大丈夫なのか?」

 

「ふ…幸い、マルク・スーリアに庇われてな…これくらいの力は残っている」

 

「呼んだのお前だろ…しかも強制的に」

 

「…なんで俺達に手を貸すんだ?ディアボロスの奴らがやられてるから…とかって理由じゃねぇだろ」

 

「そうか…そなた達には言ってなかったな…私は、五神竜を殺したい」

 

「……仲間じゃねぇのか?」

 

「全員敵さ、その為に様々な世界を歪ませ五神竜を葬る為の武器を探してきた」

 

五神竜は、全員が全員互いを敵だと認識していた。唯一イグニアとドグラマグだけは何か協力関係にある様だが、それ以外は基本的に睨み合いをきかせ互いを攻め入ることはしていなかった。だが、今となってはそれも無くなっているような物…100年クエストでの討伐というのが成され続けている今、五神竜同士の戦いは行われ始めているのだ。

 

「それは白滅の魔法であったり…ドラゴンを食う集団であったり…エレフセリアの心臓に残されていた古代兵器であったり…だが、今ようやくわかった。その力とは…そなたら妖精の尻尾の魔導士だ…!」

 

「……」

 

「…で、あんたは全ての五神竜を倒してこの世界を征服したいのか?」

 

「そんな事は望んでおらぬ…人々を脅かす竜無き世界で、人間として静かに暮らしたい…月見酒でも嗜みながら、な」

 

天を見上げ、微笑むセレーネ。少なくとも野心や邪悪な欲望は、2人は感じとれなかった。しかし、今の今まで敵対していたのも事実。それを簡単に信じるというのは、少し難しかったのだ。

 

「そんな話を信じろとでも?」

 

「だな、申し訳ねぇが……」

 

「信じずとも良い、今は…(ナツ)の為に動いてくれ」

 

「……そうだな、そうする」

 

そう言って、門を通ろうとするグレイとマルクだったが…ふと向き直り、マルクはセレーネを少し睨みながら指をさしてわざとらしく怒り始める。

 

「今回は協力するが!!条件としてこの後ちゃんとファリスに謝りにいけよ!?それに人の裸見て酒飲むのも悪趣味だからやめろ!!協力すんだから守れよな!!」

 

「謝るのは…善処しよう………けど、月見酒は辞める気は無いわ…」

 

「ふん!!やるんだから守れ!!」

 

「お前…わざとらしいなぁ…」

 

そう言いながら、マルクとグレイはそれぞれ目の前にある門を通っていく。妖精の尻尾総出で、ナツとスザクのドグラマグ討伐を手伝うことになるのであった。

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