第2章 やはり俺の春休みは間違っている。 作:あらがき@北宇治高校
特に意味もなくペンネームを変えました。
pixivでも『あらがき@材木座以下のss』というユーザー名で投稿しておりますが、こちらにも投稿させて頂きます<m(__)m>
ただ、pixivに投稿しているものに若干の修正を加える場合もありますので、ご了承ください。
こちらは、私が投稿した『第1章 案外俺の卒業式は間違っていない。』の続編になります。
まだ勝手が分かっておりませんので、取るに足らない部分は多々あると思いますが、よろしくお願いします。
⓪あと少し、卒業式の1日は残っている。
「ねぇ、比企谷くん?」
「なんだ?」
「友達なんだから…その…
今度、買い物にでも行くというのはどうかしら?」
「そうだな…。」
俺は人生で初めて友達ってやつができた。
そいつの名前は雪ノ下雪乃。
今、俺の隣に座っているのだが…。
なんだ、その…
雪ノ下は眠いのか、少しウトウトしていて…
やもすれば、俺にもたれかかってきそうで…
「ゆきのちゃーん!」
雪ノ下は体をビクッと硬直させ、俺との距離を離してから振り返る。
俺も声のする方に目を向けると、そこには…
ニヤニヤしながらこちらを見つめる陽乃さんがいた。
「あらー?
お邪魔だったかなぁー?」
雪ノ下は決まりが悪そうにするわけでもない。
というのも、陽乃さんの思わぬ登場を理解できていないのか、呆けた顔をしている。
雪ノ下は顔を横にぶんぶんと振ってから立ち上がり、口を切る。
「姉さん、何故ここにいるのかしら?」
「いやぁー雪乃ちゃんが珍しくわがまま言って行くほどの用事だから、きっと楽しいんだろうなーと思ってね!
ちょっと顔出しに行こうと雪乃ちゃんの部屋に行ったらいないからさぁー
ここかなーと思ってきてみたのよー
そしたら、まさかの!
逢瀬の場に出くわすという!
いいとこだったぽいしねぇー( ̄▽ ̄)
ごめんねー」
「なにを言っているのかさっぱり分からないわ。」
雪ノ下は平然と答えるが、陽乃さんは気にせず続ける。
「またまた~
もう!雪乃ちゃんも隅におけないなぁ~
でも、私!比企谷くんなら大歓迎だよ!」
誤解されちゃ雪ノ下に悪いし、俺がちゃんと言っとかなきゃな。
「いや、陽乃さん。」
「なんだい?弟よ。」
おい。いつから俺はあなたの弟になったんだ。
「俺たちはちょっと酔いを醒ましに外の風を浴びに来ただけですよ」
「ほんとーかなぁ~?」
「姉さん、くだらないこと言ってないで帰って。
そろそろ比企谷くんを送って行こうと思ってたとこだったし。」
「いや、いいよ。
俺、道覚えてるし。」
お前みたいに方向音痴じゃねえからな。
という言葉はそっと胸にしまう。
「何言ってるの?2人とも?
もうすぐ11時半だよ?
比企谷くんの家まで帰れる電車はないよー」
確かにそうだ…
千葉に詳しいヒキペディアによれば、海浜幕張から俺の家に帰るための最後の電車は23時41分発。
今からじゃ間に合わないだろう。
「ってことで、比企谷くんは雪乃ちゃんの家にお泊まり決定ね♪」
「何を勝手なことを言っているの、姉さん。
だいたい、わt…」
「あれー?
もしかして、雪乃ちゃん、比企谷くんのこと意識してるのかなぁ~?
別にただの友達なら家に泊めるくらい、なんてことないよね?」
陽乃さん!また余計なことを…
でも流石に雪ノ下もこんな分かり切った挑発には…
「そうね。
こんな腐った目の男が居ようと居まいと私は構わないわ。」
乗るのか…
本当に負けず嫌いだな。
だが、
「いや、ネットカフェとかありますし、そこら辺で適当に暇つぶして始発で帰りますからいいですよ。」
「え~?比企谷くん、雪乃ちゃんが作る朝ごはんが食べたくないの~?
雪乃ちゃん、すっごくお料理上手なのになぁ~
そっかぁ、食べたくないのか~」
おい、雪ノ下までこっち見るんじゃねえよ。
そりゃあ…
「食べたいですけど…
でもそれとこr…」
「だって!雪乃ちゃん!」
「ま、まぁ、料理は苦手ではないし…
比企谷くんの口に合えば…その…」
完全にまるめ込まれてんじゃねえか!
はぁ…もうここまで来て断れねえよ…。
「雪ノ下、いいのか?
嫌なら、ちゃんと断ってくれ。
別に友達だからってのとこれとは関係ないし。」
そういうのを『友達』という都合の良い言葉で押し通すのをよく耳にするが、俺はどうかと思うしな。
「構わないわ。
それに、そのゾンビのような目で夜道を歩いていたらガラの悪い人に絡まれてしまいそうだもの。」
お前、それ心配してると見せかけてけなしてるからな。
陽乃さんはしてやったりと言わんばかりの表情で言葉を継ぐ。
「それじゃあ、私は車で帰るから。
またね~!」
まったく…この人は何がしたいのかさっぱり分からん。
「それじゃあ、部屋に戻りましょう。」
「あぁ」
俺と雪ノ下は少々気まずい雰囲気のままエレベーターに乗り込む。
ふと思った。
「なぁ、雪ノ下。」
「なにかしら?」
「陽乃さん、車で来てたなら送ってもらえれば帰れたな。」
「…そうね。」
無言状態が続く。
エレベーターに居た時間は今までで一番長く感じた。
さっきと同じ雪ノ下の部屋の前なのだが、やけに緊張する。
俺…ここに泊まるんだよな…。ゴクリ
「どうぞ」
「おう」
雪ノ下はリビングに入るとすぐにキッチンに向かい、カタコト何かを準備している。
「雪ノ下、俺、もう寝るから。」
お互いのためだ、とりあえずさっさと寝よう。
「そう…。
お茶を淹れようと思ったのだけれど。」
「いや、寝れなくなるしいいよ」
「そう、分かったわ。
布団を用意するから少し待っててもらえるかしら。」
「いいよ。
地べたでも何でも。」
というか、その方がありがたい。
「いいえ、そういう訳にはいかないわ。
来客用の布団くらい用意してあるもの」
そう言って雪ノ下が持ってきたのは大きいのに軽そうな布団…
これ絶対いいやつだよ…
まぁ、こいつのお家柄からしたら当然なのか。
「その…寝巻の代わりになるものが無くて…
私のじゃ小さいと思うのだけれど…。」
「大丈夫だ!
俺はこれでいいから。」
俺は、すぐに布団をかぶってみせた。
「そう、それじゃあ私も寝ようかしら。
おやすみなさい。」
「ああ」
長かった卒業式の1日はようやく終わりを迎える。
色んなことがありすぎて、とても1日のこととは思えないが…。
明日から春休みという大学入学までの猶予期間が与えられる。(リア充どものために)
分かり切っていることなんだが。
多分、今年も…
第2章 『やはり俺の春休みは間違っている。』
って、言うことになるんだろうよ。