第2章 やはり俺の春休みは間違っている。   作:あらがき@北宇治高校

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初めまして、あらがきと申します。
特に意味もなくペンネームを変えました。
pixivでも『あらがき@材木座以下のss』というユーザー名で投稿しておりますが、こちらにも投稿させて頂きます<m(__)m>
ただ、pixivに投稿しているものに若干の修正を加える場合もありますので、ご了承ください。
こちらは、私が投稿した『第1章 案外俺の卒業式は間違っていない。』の続編になります。
まだ勝手が分かっておりませんので、取るに足らない部分は多々あると思いますが、よろしくお願いします。


①飄々たる雪ノ下雪乃も情味のあるもてなしをする。

①飄々たる雪ノ下雪乃も情味のあるもてなしをする。

 

んっ…。

知らない天井だ。

とか、某シンジ君を感じながらまったりと起き上がる。

何と言っても今日からは学校がないからな。

なんて気楽なんだ。

 

とはならない。

ご存知の通り、俺は一人暮らしの雪ノ下雪乃の家に泊まらせて頂き、あろうことか、朝食まで頂くことに…。

まぁ、それも陽乃さんの仕業なのだが。

 

カタカタと朝らしい音がする。

小町が朝飯の準備をしていても同じような音が鳴っているのだろうが、それさえも今はどこか新鮮に聞こえるのだから不思議だ。

由比ヶ浜の誕生日プレゼントを選びに行った時に買ったエプロンを付けている雪ノ下は…

なかなか、、、いいな。

主夫(婦?)を譲るのも案外悪くないなとか思いつつ、キッチン全体をぼんやりと眺めていたら、ふと雪ノ下と目が合った。

「うす」

「おはよう、比企谷くん。

朝ごはん、もう少しでできるから。」

なんかいいよな、この響き。

「おう、サンキューな。」

 

それから5分もせぬうちにリビングのだだっ広いテーブルがディッシュで埋め尽くされた。

それぞれの皿は料理自体が占める面積の2倍くらいの大きさで、それは何とも言えぬ高級感を演出している。

手前には彩りと栄養バランスが考慮されているであろう野菜中心の小振りなサンドイッチ。

インスタントでないことが一目で分かる具だくさんのコーンスープ。

ベリー系の果物を中心に様々な種類の果実をふんだんにのせたヨーグルト。

一番大きな皿には中央にいい具合の半熟オムレツがあり、それを囲むように薄い生ハムが美しく並べられている。

基本MAXコーヒーしか飲まない俺でも分かる上品な香りを漂わせるエスプレッソコーヒー。

随分高そうなカップなだけに飲むのも一苦労だろうな。

「朝から豪勢だな…」

独り言のつもりだったのだが、雪ノ下には聞こえたらしく

「当然よ。

…比企谷くんだもの。」

どうしたものかと俺が雪ノ下の目を見ると、雪ノ下はすぐさま目を逸らし

「そそそのっあなたの腐った目を少しでも矯正するために私も友人の一人として当然の義務を果たしただけよっわ私が作った朝食ならいくらあなたのそのゾンビのような目でも少しは効果があるのではと思って… はぁ はぁ…」

お前、潜水対決してるわけじゃねえんだから、息継ぎしろよ。

そりゃ、そうなるわ。

「まぁ、なんにしろ、ありがたく頂くわ。」

俺は手を合わせてから、手前にあるアボカド中心の具が入ったをサンドイッチを一口で食べる。

うまい。

無言で赴くままに食べ進めていると、気が付けば俺の分の皿はきれいに平らげられていた。

「ふぅー

ご馳走様でした。」

お腹をさすって満腹のジェスチャーをする俺を雪ノ下は心配そうに窺っている。

「そ、その…

どうだったかしら?」

「これだけガツガツ食ってたら分かるだろ。」

雪ノ下は不安そうな表情を変えず答える。

「だって、無理して食べてくれてるかもしれないじゃない…」

んなわけねえだろ。

「これで不味かったら、気の済むまでバカにしてやったんだけどな。

そう出来なくて残念だよ。」

「そう…///」

雪ノ下は胸に手をあて、大きく息をはきだす。

「よかったわ。」

なんか、ここまで素直だと調子狂っちまうんだけど。

「いや、こんなに豪華な朝飯は初めてだわ。

いつか俺にもお返しする機会をくれ。」

「いいわよ。このくらい。

由比ヶ浜さんにもご飯を作ってあげたことだって何度もあるもの。」

「いや、施しを受けたままとか、俺の専業主夫プライドが許さねえから。」

「なんなのよ、そのくだらないプライドは…」

ぼっちってのは、こだわりを持ってしてプライドを捨てることで生きていくのだが…。

そのこだわりにプライドを持って行動することもあるのだ。

俺で言うとそれは例えば専業主夫についてのこだわりが該当する。

「洗い物は俺がやる。」

「そう、それならお任せしようかしら」

美味かったのは本当だしな。

恩着せがましくって訳じゃないが、せめてもの…と言ったところだ。

 

 

家事は今でも小町と役割分担してるし、ちゃっちゃと洗い物を終える。

リビングに戻ると、雪ノ下はソファーで姿勢を正して座ったまま微睡んでいた。

こう見ると小動物のような可愛さがあるんだがな。

黙ってれば可愛いってやつか。

 

「比企谷くん。」

雪ノ下は突然目を見開き、俺を睨む。

なんだ!?俺の心の中を覗いて怒ってんの?

心身掌握術でも会得してんのこいつ?

こえーよ。

「今日、ショッピングモールに行きたいのだけれど。」

なんだ、そういうことか。

こりゃ、来いってことですね。

口ごたえする余地を与えたくないがための、この言い方ですから。

「まぁ、俺からしても平日の方が人少なくて楽だしな。

それじゃ、今日の昼すぎにでも行くか。」

雪ノ下は「いいだろう」と言わんばかりに腕を組み

「そうね。

じゃあ、1時に駅でいいかしら。」

「ああ、それで。」

「それじゃあ、また後でね。」

俺は小さく頷いて、踵を返し、雪ノ下の家を後にした。

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