何とか完結できるよう頑張ります。
それはかつて「異能生存体」と呼ばれていた。
それは不死身の力……では無い、
それは死なない力、
それは死なない状況を作り出す力、
それは死ぬことのできない力、
それは街も、星も、大切な人を犠牲にしてでも生き残る力、
……呪いの力であった。
この呪いのために彼は苦しみ、絶望し、悲しんできた……。
しかしそれも今終わる。「異能」といえども寿命には逆らえなかったのだ。そして彼は幸せの中にいた、かつて幾度も共に死線を潜り抜けた3人の友、共に緑の地獄を、神の棲む星を生き抜いた仲間、そして唯一彼の子供といえる存在、彼らに見守られ確かな幸福を感じながら彼は眠りについた。かつてその手から抜け落ちた彼にとってのささやかな望み、彼女のもとへ行くために、覚めることの無い、永遠の眠りについたのだ……。
ついた、はずだった。
有り得てはならない目覚め、そして彼が見たのは既に息絶えた女性と、赤子となった自身の姿だった。
彼は……俺は理解した、何が起こったのかを、「異能」は俺をとらえて離さなかったのだ、異能は「記憶」と「人格」を保ったまま俺を転生させたのだ、どこか別の銀河、別の宇宙に……
記憶と人格を保ったまま転生する。それは生まれ変わったと言えるのか?死んだといえるのか?俺はこれを「死」だとは思えなかった、認めることも出来なかった。
俺の肉体は死んだ、しかし俺の魂は死ぬことができなかった、俺は再び地獄へ迷い込んだのだ。
しかしそれは今までに比べればはるかにマシな地獄だっただろう、
生まれると同時に母を失った俺を引き取ってくれた、新たな両親は俺に惜しみない愛情を注いでくれた。それは炎によって両親の記憶を奪われた俺にとって初めて感じるものだった、かつて…もう出会うことのできない彼女と交わした「愛」、もう二度と感じることないと思っていたそれを彼らは与えてくれた、それは地獄のなかで得た、かすかな炎だった。
しかしそれは、またもや炎によって奪われた、俺が6歳の時、何者かによって俺の家は炎に包まれたのだ。
母は俺を守るために死に、
父は俺を救い出すために死んだ。
俺は再び地獄へ、地獄の最底辺、ボトムズへ叩き落とされた。
……再び愛を奪われた俺に残されたものは何もなかった。
もう愛を得ることも
もう希望を抱くことも
もう死ぬこともできない
あてもなく俺は地獄をさまよう
絶望のまま…惰性のまま…
地獄をさ迷い続けるキリコ・キュービィー、
地獄に再び炎が灯ったのは11歳の誕生日の時であった。
魔法界を真っ二つに分けた、闇払いと
死喰い人が、杖を交えて数十年。
死喰い人の長が滅ぼされ、ようやく終戦となった
大戦の末期。イギリスの辺境、リドの町の
闇の中で物語は始まった。『ハリー・ポッターと
ラストレッドショルダー』、お楽しみに。
次回予告ネタは続けられるだけ続けます……。