そしたら8000字越えだ馬鹿野郎!
こんな長くなるとは思わなかった…
トンネルの最深部、そこあったのは蛇の模様が描かれた重厚な扉。
入口同様ハリーはその扉を蛇語で開ける、そしていよいよ現れた秘密の部屋。
その部屋の中央に倒れていたのは、正に死体の様な色となったジニー・ウィーズリー。
彼女に駆け寄るハリー、そこに現れたのはかつて日記が見せてくれた50年前の映像、そこに居たロンの祖先を名乗る幻影だった。
「お前が…お前がジニーを操っていたのか!」
怒りに震えながら叫ぶ、だがこいつはそれに動揺することも無く丁重な話し方で自らを語りだした。
「その通りだよ、さて、ちゃんと自己紹介した事は無かったね?
はじめましてハリー・ポッター、僕の名前はトム・M・リドル、50年前ホグワーツに在籍していた生徒であり…その時秘密の部屋を開いた張本人だ」
「じゃあハグリッドに罪を着せたのは貴方だったの!?」
「ハグリッド…? ああ、あのデカくて間抜けな半巨人か!
そうさ、あいつに限らず教員達も皆間抜けだったよ、僕の言う事を簡単に信じたんだから」
まるでジョークでも言っているような軽い言い方でそいつは言った、その言葉に僕はさらに怒りを燃やす、こいつはこんな軽い感覚で大切な友達のハグリッドを陥れたのだから!
「何で名前を偽ったんだ!」
「ああそれかい? 簡単な事だよ、君たちはこの日記をジニー・ウィーズリーの物だと思っていたんだろ?」
確かにそう思っていたけど…何故こいつはそんな事を知っているんだ?
「ジニーが色々書き込んでくれてね…その事を知ったのさ。
なのに君たちに対して「僕はトムです」なんて言ったら怪しまれるに決まってるじゃないか」
何てこった! つまり僕たちはこいつの作戦にまんまと引っかかったのか!
さらにトムは馬鹿にした口調で続ける。
「それにしても分からないな…こんな事にも気づかない子供に、何故将来の僕は滅ぼされてしまったんだろう?
しかも、この日記の事を知っていた筈なのにね…」
「? どういう事よ!」
「こういう事さ…!」
トムが手を美しい表紙の日記にかざす、そして表紙に沿うように手を払う。
すると表紙の模様が剥げ落ち、不気味な黒いカバーがその姿を現した。
「これは…あの時の!?」
そうだ! この本は去年のダイアゴン横丁で、ルシウスがジニーの大鍋に入れようとしていた本だ!
さらに腹が立った、あいつに対してではなく自分自身の間抜けさに!
「これは屋敷しもべ妖精の呪文かな? 何か事情があったのだろうけど…人の物を勝手にいじるのは腹が立つな。
そして本当に分からない、こんな間抜けに何で滅ぼされたのか」
「…貴方は一体誰なの!」
トムはにやりと蛇のような笑いを浮かると、自分の名前を光にして宙に浮かべた。
″
杖を払い文字を組み替えていく。
そして出来上がった文字に僕は驚愕し、ハーマイオニーは小さく悲鳴を上げた。
″
そして今パズルが完成した、秘密の部屋を開けた事、僕に疑いが掛かるような事ばかり起こった事、マグル生まればかり狙ったこと。
こいつは過去のヴォルデモートだったのだ! だから僕を陥れようとしていたのだ!
「疑問は解決したかい? じゃあ僕の方からも質問したいな、僕がどうやって滅ぼされたのか…
でもその前に、悍ましき血を排除するのが先かな?」
トム…いや、ヴォルデモートの表情が醜悪に歪む、すると水面から巨大な蛇の影…バジリスクが水しぶきと共に現れた!
目を閉じるのは間に合わない!…けど大丈夫だった。
あの時の大爆発のせいだろうか、顔の皮膚は爛れて、右目には机の足が痛々しく突き刺さり、左目は大きな傷がついている。
そして何故か少しだけとぐろを巻いていた、そのとぐろの中心には…キリコ!?
「キリコ!?」
「いやあ上手くいってよかったよ、何せこいつはバジリスクの顔をこんなにしてしまったヤツだからね、先に殺しておきたかったんだ、あ、まだ死んでないから安心してくれ」
「
ハーマイオニーが失神呪文を放ったが、バジリスクの強固な鱗はそれを簡単に弾いてしまう。
キリコはうめき声を上げながらもがいているが、脱出できそうにない。
「ウィーズリーの男の子と何だかよく分からないヤツを運び終えた時奇襲したんだよ、そしたら彼はそいつらを庇おうとしてさ…おかげで上手くいった、どうせあんな奴らはすぐ始末できるしね…ああそうだ、
キリコは杖を取り出す事に成功したが、あえなく奪われてしまう! これでは何の抵抗もできない!
「これで安心…とはいかない、こいつは何をしでかすか分からないからね、確実に仕留めさせてもらうよ、バジリスクの目線でね!」
「無理よ! バジリスクの目は潰れているわ!」
「確かに片目はね、だがもう片目は傷づいただけだったから治癒呪文を掛け続ければ何とかなったよ、そろそろ目が治りきる時間だ…そらっ!」
そう言ってトムは光を放つ! それに当たったキリコの目は閉じなくなってしまった!
そして無防備になったキリコに向かってバジリスクの左目が開きだす…!
その時近くの柱が燃え上がりその中から何かが現れた!
真紅の体に真紅の尾羽、そして黄金の嘴と爪を持つ美しい鳥。
ダンブルドアのペットである不死鳥フォークスがバジリスクに襲い掛かった!
《シャアアアアア!》
フォークスの爪がバジリスクの左目を抉り飛ばした!
その激痛に暴れのたうつ毒蛇の王! そして視力を完全に失った蛇の王は主であるはずのトムをブッ飛ばしてしまう!
「ぐわっ! つ、杖が!」
その衝撃でキリコの杖を手放すトム・リドル、弾き飛ばされた杖は放物線を描き、綺麗にキリコの手元に納まった!
「
「!?
キリコはすぐさま爆破魔法を発射したが、トムの方もすぐに体勢を建て直し盾の呪文でそれを防いでしまう。
それを見届けたフォークスは、何かを落として炎の中に戻って行ってしまった。
これは…組み分け帽子?
「…ハハハ、まさかあんな鳥にしてやられるとはね…だがどちらにせよバジリスクは健在だ」
トム・リドルはそう笑っていた、俺が拘束された状況から脱出できたとはいえバジリスクはいまだに相当な脅威を保っている。
まずあの蛇を何とかしなくてはならない、だがバジリスクを倒すためには時間が居る…
「なら今度は毒の牙で殺してやるとしよう、今度は逃がさないよキリコ・キュービィー…!」
リドルは口から蛇の言葉を出す、標的は俺か―――
が、おかしな事が起こった。
何とバジリスクが主の命令を無視しハリーに突っ込んで行ったのだ。
「うわぁ!?」
「どうしたバジリスク!? 僕の命令が聞けないのか!?」
何が起こっているのか分からなかったがこれはチャンスだ、これならば時間を稼ぐことができる!
「ハリー、時間を稼いでくれ、 バジリスクを倒す方法がある!」
それを聞いたハリーは聞き返す事もせず、瞬時に走り出す。
そして俺は正面の、巨大な顔の石造によじ登り杖を突きたてる、だがリドルはそれを許さない。
「何かするつもりかい?
「
「!」
俺に向かって撃った武装解除呪文はハーマイオニーの呪文によって相殺された。
「私も忘れちゃ困るわ!」
「クソッ、穢れた血め…!」
ハリーがバジリスクを、ハーマイオニーがリドルを引き付けてくれる。
だがいつまで持つかは分からない、それまでに呪文を完成させなければならない…
2分か? いや1分持ってくれれば良い―――!
そして、戦いが始まった。
「
「
先手を取ったのはハーマイオニーだった!
しかし濁流はあっさりと盾に阻まれてしまう。
ハーマイオニーは震えていた、何せ相手は闇の帝王である。
その若いころの姿でしかなかったが、その威圧感は十分帝王のそれを纏っている。
しかし彼女は戦った、ハリーが、キリコが戦っている中自分だけが震えて縮こまっているなど自分自身が許せなかったからだ!
「
「
二人の呪文がぶつかり合う!
だが拮抗したのは一瞬、リドルの切り裂き呪文が肩を切り裂いた!
「…!
「
失神呪文同士の激突!
しかしそれもリドルに軍配が上がった!
呪文を押し切り迫りくる呪い、だがそれを思いっきり横に飛ぶことで回避。
そして最も得意とする呪文を全力で放つ! 最初に放った水はその為の下準備!
「
「やれやれ…こんな物かい?」
だが! その氷河は杖を振るだけで燃え、溶けてしまった!
インセンディオの無言呪文だ!
炎! 濁流! 衝撃波! 次々と迫りくる無言呪文の大旋風! ハーマイオニーは呪文の正体も掴めず無様に地べたを転げまわる事しかできない!
せめて、せめてあと一人いれば!
その瞬間! 剣を持ったハリーが現れた!
《こっちへ来い》
バジリスクが自分にくぎ付けになるように、蛇語で気を引きながら狭いパイプの中を逃げ続ける!
何度もぬかるみに足を取られ、既に体は傷まみれ。
それでも走り続けたその先はなんと! 行き止まり!
振り向けば今にも食らいつかん迫力のバジリスク!
駄目だ! やられる!
絶望感に息も出来なくなったハリー! 数秒後訪れる死の恐怖から逃れようと目をつぶった!
…
…
…あれ?
ゆっくりと目を開けると、そこには周りを見渡す毒蛇の王。
一体どういうことだ…?
そして思い出した! バジリスクの感覚は視覚、聴覚、そして嗅覚だという事に!
その内二つはフォークスと糞爆弾のせいで機能停止済み!
音を立てない様、足元の石を投げ飛ばす。
するとバジリスクは、石が落っこちた通路へ移動し始める。
その隙に反対の通路へ移動! そして!
「こっちだよ!」
《!》
バジリスクを再度誘導した!
そう、ハリーの目的は逃げる事では無く時間稼ぎ!
だからこそ命を危険に晒してまで逃げ続けているのだ!
再び地獄のチキンレースを再開する。
そして光が見えて来た、その先には―――
「!? しまった!」
まさかの大広間! いつの間にか戻ってきてしまった!
だが絶望したのは一瞬! 直ちにハーマイオニーの援護へ向かう。
何故か? 顔を見たからだ、自信に満ち溢れたキリコの顔、それを信じたからだ!
《キリコを殺せ》
その瞬間聞こえて来たリドルの蛇語、今度は命令を無視することなくキリコのもとへ真っ直ぐと突撃をする!
それを見届けハーマイオニーの救援に向かうハリー・ポッ―――!?
その時ハリーがスッ転んだ! 組み分け帽子に躓いてスっ転んだ!
何だ、今の固い物は?
組み分け帽子を見ると、そこには先ほどまでは無かった何かが入っている。
それを引っ張り出すと、そこには美しい白銀の剣があった!
ハリーは当然知らないが、これこそバジリスクを倒しうる秘宝!
ゴドリックの遺産! 真に勇敢なる物が抜ける剣!
グリフィンドールの剣だっ!
「やあああああ!」
迷い無くリドルに肉迫し、ハリーは斬りかかった!
無論これが何か等知る余地も無い、だがハリーは直感で確信した!
これはフォークスが、ダンブルドアが届けた物だ! ならばヤツを倒すことが可能な筈だと…!
「…! 日記を狙え!」
バジリスクの攻撃を跳躍して回避するキリコがそう言った!
その発言に日記を持っているリドルは顔を歪める!
間違いない! これなら倒せる!
「チッ邪魔だよハリー!」
忌々しく呪いを打ち出すリドル、それに向かってがむしゃらに剣を振る!
すると呪文が真っ二つに両断された!
普通の剣でこんな事は出来ない、だがこの剣が普通の筈が無い!
その隙を狙い呪いを撃ち込むハーマイオニー、しかし素早く無言呪文で打ち消す!
カウンターを撃ち込むがそれはハリーの剣が遮ってしまう!
そして日記に斬りかかるが…当たらない!
当然だ、ハリーは剣の使い方など知らない。
故に大振り、故に単純挙動! 剣と戦った事の無いリドルでも避けるのは造作も無かった!
「フフフ…流石にそれを喰らったら僕はマズイだろうね…
でも分かっているのかい? 君は剣の素人、僕は熟練の魔法使い、勝てる見込みなんて無いんだよ!」
そう嘲笑いながら次々と放たれる無言呪文!
ハリーが剣を振り、ハーマイオニーが呪文を唱えても尚押し切られる程の圧倒的破壊力! 圧倒的実力差!
そしてハーマイオニーは気づいてしまった!
駄目! 勝てない!
その時である!
「「「!?」」」
彼らは目を疑った!
間に合わなかった、 ハリーが稼いだ時間でも呪文完成は間に合わなかった…!
だが問題は無い、間に合わなかったなら間に合わなかったなりにやるだけだ。
バジリスクの突撃を跳躍でかわすと、今まで杖を突きたてて来た石像の一部が崩れ去った!
そしてキリコは、呪文を唱えた! 今まで研究してきたあの呪文を!
「アーマード・ロコモーター -装甲″起″兵」
宙を舞う石像の破片、それが地面に落ちた時それは降り立った。
回るターレット
むき出しのフレーム
薄っぺらい装甲
お袋の温もりを感じた、数多の地獄を共に彷徨った、戦争を泥沼へ引きずり込んだ最低野郎…!
ATM-09-ST、ミッド級アーマードトルーパー、スコープドッグが地獄に降り立った!
キュイイイイイイン
その頭頂に降り立ったキリコは杖を突きさす!
そして聞きなれたローラーダッシュの回転音!
ガキィンッ!
一瞬で肉迫しアームパンチ! バジリスクの顎をホグワーツ創設1000年以来初の衝撃が襲った!
《!??!?!?!!》
「「「!?」」」
大混乱した様子のバジリスク…とキリコ以外の全員。
当然の反応である、まるでジャパニーズアニメーションに登場しそうなロボットが現れたのだから。
装甲起兵、ATをゴーレムの要領で再現した魔法である。
しかし今回は精製時間が足りなかった為、大部分の装甲無し、よって骨組みがむき出し。
ついでに射撃兵装も無し、つまり出来損ないである。
が! 今はこれで十分!
食らいつくバジリスク。
だが
散々使ってきたターンピックとローラーダッシュの合わせ技だ!
さらに一回転しバジリスクの側面に! その勢いのまま口に手を突っ込んだ!
そしてアームパンチで口を強引にこじ開ける!
バジリスクの毒で溶け出す腕部! キリコは勝負に出た!
「
呼び出した無数の蛇を全て爆弾化させ、口の中へ滑り込ませる!
しかし途中でATの腕が溶けきり、蛇もまた喰らい潰されてしまった!
「!? まずい!」
しかしリドルが企みに気が付いた!
とっさに蛇語でバジリスクを呼び戻そうとする―――が!
「―――――――――――――――――――――――――――――――――」
突然響き渡る異常な音、それを聞いたバジリスクは動かなくなってしまった!
下を見るとそこには、蛇語を話すハリー・ポッター!
彼とリドルの命令の板挟みとなり、動けなくなっているのだ!
…そしてトリッガーは引かれた。
「
部屋を包み込む閃光! 轟音! 爆炎! 肉片! 宙を舞うバジリスクの生首!
バジリスクがやられた―――
部屋は土煙に包み込まれる。
その時戦っていた三人は感じた! この一瞬で勝負は決まると!
いざ始まる最後の決闘!
動き出したのはハーマイオニー! 放たれかけた武装解除呪文!
「
「
しかしそれを予見していたリドルは、その杖をあっさり奪い取った!
魔法使い同士の戦いでは杖を失う事は死を意味する!
「奇襲なんて随分単純な手だね? まあ穢れた血ならこんな物か…せっかくだ、君の杖で葬ってあげるよ!」
そして輝く緑の閃光! 許されざる呪文! 死の呪いが放たれた!
「アバダケダブラ!―――!?」
そして吹き飛んだ!
だが吹っ飛んだのはハーマイオニーでは無い!
リドルが! 何故かトム・リドルがブッ飛ばされたのだ!
一体何が起こった!? …しまった日記が!!
事態を理解する間もない! 今の衝撃で日記も飛ばされてしまっている。
宙を舞う日記に向かって剣を構えたハリーの影が突っ込む!
だが問題は無い、武装解除呪文を叩き込めばいいだけだ―――!
「!?」
そう思ったのは一瞬だった!
無い!
何も無い!
ハリーの手には剣はおろか、杖も何も持っていなかったのだ!
予測不能の事態に混乱するリドル、だがその混乱はコンマ数秒!
だから何だ! むしろ好都合! 直接殺せばいい!
そして再び死の呪いを撃とうとする、だがその数秒は既に致命傷だったのだ!
「
爆炎を切り裂き赤い光が杖を貫く! そして奪われた杖!
改めて言おう、魔法使い同士の戦いでは杖を失う事は死を意味する!
何故ヤツが杖を!? 奪った筈!?
混乱、焦燥、そう! 全て手遅れ!
そしてハリーが何も持っていない筈の手を振り下ろす。
すると日記は切り裂かれ、リドルの胸も同じように引き裂かれた…
爆炎が晴れた。
そこにあったのは勝者と敗者、その姿だけだった。
リドルは負けたのだ、あのたった数秒で。
そして理解した、何故呪文が逆流したのかを。
地面に転がるその杖はパッと見綺麗だが、呪文の反動でバラバラになっている。
そして修理した後のようなテープが幾つも引っ付いていた。
「こ、これは…」
「そうよ、私の杖じゃない、ロンの杖よ」
単純な話だ、壊れていた、だから逆流してしまった、たったそれだけの事だった。
「悔しいけど、私達じゃあなたには勝てない。
…だから負けてあげたの、まさかわざわざ使ってくれるとまでは思わなかったけど」
ならば、何故日記は切り裂かれたのだ?
その答えもすぐに分かった。
ハリーの手元から何かがほどける、その何かの中からグリフィンドールの剣が現れた。
「と、透明マントか…」
あの一瞬の時、ハリーはグリフィンドールの剣に透明マントを巻き付けて置いたのだ。
たった刹那の虚、それを突くために。
「認めろトム・リドル、お前の負けだ」
「フフフ…まさか未来の闇の帝王たる僕が…こ、こんな子供にやられるとはね…
だ、だが、ただ死にはしないよ…!」
シュー…シュー…
「させるか!」
無駄な悪あがきをしようとするリドル!
ハリーは日記に剣を突き立てた、そしてリドルの幻影もまた光を放ち砕け散った。
「!!」
「ジニー! 大丈夫か!」
それと同時に息を吹き返すジニー…どうやら全て終わったらしいな。
結局俺のやった事はバジリスクを仕留めただけだが、まあジニーも含め全員無事ならそれが一番だ。
闘いが終わり外からは足音が聞こえてくる、ロンが教員を連れて来たらしいな。
一段落つき俺も胸を撫で下ろした…その時俺は見た。
水面から迫る蛇の頭を
「ッ!!」
とっさにジニーとハリーを突き飛ばす!
バジリスクの頭が食らいついた! 馬鹿な! こいつはまだ生きていたのか!?
…そして俺の心臓はバジリスクの牙に俺は貫かれた
キリコ、いやここの誰も知らない事だろうが…蛇の中には頭部だけになっても数日間生存できる種類もいる、そして不幸な事にバジリスクもその一つであった。
「!? キリコーーー!!」
その異常事態に気づいたハリーが剣を構え突撃する!
《ギャアアアアアアァァァァァ………》
グリフィンドールの剣はキリコを掠め、口の裏から脳天を貫いた。
そして千年分の怨念、千年分の野望と共に今度こそ毒蛇の王は絶命した。
牙の間から崩れ落ちるキリコ、その胸には風穴が空き血が溢れ出している。
「キリコ! しっかりして!」
その時再びフォークスが現れた。
そしてフォークスが涙を流すと、キリコの胸の傷はみるみる塞がっていく。
不死鳥の涙には癒しの力が存在し、そして唯一バジリスクの毒を中和出来るのである。
…しかし。
「どうしたのキリコ! 傷は治ったわ! 毒ももう中和したわよ!」
「………」
「早く起きてよキリコ…!」
「駄目だ、…ハーマイオニー…」
「言わないで!」
「分かってるだろ、心臓が止まって生きてる人なんていないって…!」
「辞めて! お願い…」
「キリコは…もう、…死んでいる」
駆けつけた教員達とロン、彼らが見たのは涙を流し嗚咽するハリーとハーマイオニー、絶望した表情で呆然とするジニー、涙を流さないフォークス。
そして…キリコ・キュービィーの遺体であった…
時代は撓みに撓み、そして、崩れた。
嗚咽とは正にこれ。
悲劇とは正にこれ。
聖マンゴに響き渡る涙と絶望。
血筋も理想も火に焼かれ、毒に飲まれ、冥府へと流される土砂流。
悲劇は堆積され、軌跡となり、異能となる。
次回「奇跡」。
キリコは、歴史の裂け目に打ち込まれた楔。
フォークス「キョエエエエエwwwwカァアアッカwwwwwwピェエエエエエエwwwww」
バジリスク「おめーじゃねぇ!」
きゃあ! キリコが死んじゃった!
この人でなし!