【完結】ハリー・ポッターとラストレッドショルダー   作:鹿狼

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本編作るより予告ネタの方に時間割いてるんじゃねえか?
まあいいや、
という訳で開幕グルメ、始まります。


第四話 「ホバリング」

こんがりと小麦色に焼けた皮を破ると軽快な歯応えと同時に芳醇な肉の香りと肉汁が口の中に広がっていく。

授業初日の朝、俺はホグワーツの朝食に舌鼓を打っていた。

イギリス料理とは曰く、「オウムの餌」「劇物」「ポリマーリンゲル溶液直飲み」などと自国民にさえバカにされるほど酷い物である。

俺も何度か外食しに行ったが、あれと比べれば味はまともな分アストラギウスの料理の方が遥かにマシだったと断言できる。

だが朝食だけは例外だ、これだけは何処に行っても安心して食べることができる、さすがEat three times a day breakfast(朝食を三回食べよ)と言われることはある。

ブラックプティング(ソーセージみたいな食べ物だ)を食べ終えた俺は豊かな朝食を再開する。

次はマッシュルームを頂くことにする、それを奥歯で噛み締めるとキノコの特徴的な噛み心地はもちろん、ちょうどいい焦げ目が作り出す香ばしい風味が口の奥にやって来る、塩の加減も絶妙だ。

しかし焦げ目と塩のせいか口の中が辛くなってきた。口に焼きトマトをほおばり、あふれかえる酸味で口内をリセット。

次は豪快にトーストの上に目玉焼き、その上にベイクドビーンズをたっぷり乗せる、三つとも同時に入るようかじるとビーンズにかかったトマトソースの酸味と目玉焼きの甘味、そしてカリカリのトースト達が三重奏を奏でる、もうたまらない。気がつけばトーストは食べきってしまっていた。

一通り食べきった後紅茶を飲み一息つく。本当はコーヒーが良かったのだか無いものはしょうがない。すると俺の隣に誰か…キニスが凄まじい勢いで突っ込んできた。

 

「ハー、ハー、キ、キリコ…お、起こしてくれても、良かったじゃんか…ハァ、ハァ、」

 

寝坊したヤツが悪いのに何を言っているんだ。大急ぎでヤツは朝食を食べ始める。俺も少し足りなかったのでおかわりをすることにした、

 

「モレニシヘモ、ホンナヒュヒョウヲスルンヒャヒョウ(それにしても、どんな授業をするんだろう)」

 

「…食べてから言え」

 

こいつには食事を味わう感性が無いのか、まあ俺も人のことは言えなかったのだが。

今日の授業は「魔法史」「闇の魔術に対する防衛術」「魔法薬学」だったはず、

…今の所ここの授業で最も興味があるのが闇の魔術に対する防衛術だ、俺の目的、そのための魔法を探すには普通の魔法では無く禁忌とされるような物で無くてはならない。それを知るためにも闇の魔術について知ることができるであろうこの科目は目的に適してると言える

 

「ハンハヘンヒヲヒ―――ゴホっ!ゴホっ!(何か返事をし―――ゴホっ!ゴホっ!)」

どのような授業になるだろうか、教科書は大体読んできたが実際に受けてみるのとは訳が違う。食べ物を詰め込みすぎたのかむせかえっているそいつを眺めながら俺は紅茶を飲み干した。

………俺はまだ知らない、この授業がまともに機能するにはあと二年かかることを…

 

 

 

無数の消える階段に動く階段、扉のようなただの壁、揚句絵が描かれたドアは合言葉や特定の言葉が必要。そんな軍事施設よりもたちの悪いセキュリティを何とか突破したころには授業開始ギリギリとなっていた。

思い返せば昨日の校長挨拶の時、死が潜む部屋には入ってはいけないとか言っていたがそんな部屋何故作ったんだ、何にせよここをつくったやつは相当ひねくれたヤツに違いない。授業開始のチャイムが鳴る直前に俺達は教室へ入っていった。

ホグワーツで受ける最初の授業は「魔法史」、つまり歴史の授業だ。この授業の担任であるピンズは教員の中で唯一のゴーストなのだとか、

しかし肝心の授業内容はピンズがひたすら教科書を読んでいくだけと恐ろしく単調な物であった。授業開始から数分で隣のキニスを含むほとんどの生徒は朝食の満足感とともに夢の世界へ一足先に旅立っている。教科書を既に読んで来てしまった俺も例外では無かったが、三時限目の魔法薬学の教科書を引っ張り出しその予習をすることで何とか机に留まることが出来た。

そして俺はまた校内を彷徨いながら次の教室へ入っていった。次こそはまともな授業のはず。

 

 

 

 

授業が始まって早々、俺やキニスだけで無く、合同授業で一緒となったレイブンクロー生も顔を青ざめながら帰りたそうにしていた。

その原因は教壇のあちこちと、防衛術の担任クィレルが体中にぶら下げてる大量の大蒜のせいだ。その臭いが部屋中に充満している。

キニスいわくヤツはルーマニアで吸血鬼に襲われたことがあるらしい。だとすればあれは吸血鬼避けということになる。

なら十字架にすればいいのに

そう言っていたキニスはもう何も話さず顔面蒼白で口を抑えていた。…放っておいたら確実におう吐するだろう。

 

「セメルフレス ー臭いを消せ」

 

「……あれ?」

 

俺が杖を取り出しそう唱えるとヤツは不思議そうに周りを見渡す、今のは「臭い除け」の呪文であり、ここに来るまでに使えるようになった内の一つだ。少なくともこの授業中は持つだろう。自分にもそれをかけた後、杖をローブにしまい代わりに教科書とノートを取り出す、これで授業に集中できるだろう。

 

「ねえ今のってキリコが唱えたの?もう魔法が使えるってことは知り合いに魔法使いが居るってこと?」

 

「予習してきただけだ、…俺に家族は居ない」

 

「あっ…ごめん。…さっきはありがとう」

 

俺が言いたいことを察したのか、それとも俺が授業に集中していたからか、その時間の間ヤツは話しかけては来なかった。

それでいい、俺に関わるとろくなことにならないからだ、これで気まずくなり話しかけてこなくなればそれが一番だろう。そう本当は望んでもいないことを願いしながらノートを書き綴っていく。

 

その日の授業の内容というと、魔法界に生息する様々な生物―例えば人狼やケンタウロウス、ユニコーンなどがどういった物なのかを解説することで終わってしまった。特に吸血鬼の話をしていた時はまるでそこに吸血鬼が居るのかのようにヤツは震え続けていた。

どこにもいない「吸血」鬼に脅えるか、それを見ていた俺もまたこの世界に居るはずの無い過去を思い出し、右肩が軽く震えるのを感じた。

 

 

 

 

最後の授業は「魔法薬学」だ、城内の仕掛けは幾つか覚えたのでさっきよりはスムーズに地下の教室へ向かっていく。キニスは俺の後ろをひたすら追いかけているが先ほどの事を引きずっているのか相変わらず無言のままである。俺はそれを追い払うかのように早足で歩き続けた。

地下へ続く通路を歩いていると魔法薬学を受け終わったばかりの生徒たちとすれ違う。しかし彼らは廊下の右と左、緑と紅で真っ二つに分かれて歩いており、お互いを常に睨み合っていた。

 

グリフィンドールとスリザリンはとても仲が悪い…

 

そう聞いてはいたがここまで露骨とは意外だった、一体何故ここまで険悪なのだろうか。

そう思っているとふと紅の中に見覚えのある顔を見つける、あれはたしかハーマイオニー・グレンジャー、そして稲妻の傷を持つハリー・ポッター、…それと隣にいる赤毛の少年。

…ホグワーツ特急の中で言い争いをしていた中に見覚えはあったが名前は知らなかったな。そうか、あいつらはグリフィンドールになったのか。

あいつらの方を見ていると彼女の方も俺の方に気づいたようだ、こちらに向かって手を小さく振ったのに対し軽い会釈で答えておいた。

 

魔法薬学の教室はさっきとは違い、大蒜の代わりに色々な薬品臭が少し臭っていた。教室に入ると教壇には入学を手伝ってくれたスネイプが立っている。ふと目が合ったので軽く会釈をする。

 

「魔法とは馬鹿みたいに杖を振るだけでは無い、この授業で学ぶのは魔法薬剤の微妙な化学とそれがもたらす厳密な芸術である。これを地味と感じるものも多いだろう。最もそう思うのはこの授業を真に理解していないウスノロだけであろうが」

 

授業開始早々辛口のあいさつをしてきたが、これだけでもこいつがどれ程魔法薬学を好きなのかは十分こちらに伝わってきた。

その後スネイプは魔法薬の概要や、調合する際に起こる危険性について説明した後薬剤の材料を配り、おできを治す薬を調合するように指示を出す。

二人一組か、誰と組もうか考えると隣のキニスがこちらを見つめている。

…誰でもいいか

そして俺達は薬の調合に取り掛かった。初めての調合とはいえ所詮一年生でならう初歩の初歩だ、量と手順を間違えなければ問題は無………っ!?

直ぐにキニスの腕を渾身の力でつかみ取る。

 

「いたたたたた!なっ何だよ急に!」

 

ヤツは大鍋を火から下ろさない内に山嵐の針を入れようとしていたのだ。これをしてしまうと大鍋が割れ、むしろおできまみれになる薬をばら撒いてしまうのだ。驚いた顔でこちらを見ていたヤツも鍋を見て自分が何をしようとしているのかようやく気付いたようだ。

 

「どうしたのかね?」

 

「…いえ、もう大丈夫です。お騒がせしました」

 

「さようか、気を付けるように」

 

スネイプはそう言い残し戻っていった。キニスに怪我がないことを確認した後鍋を火から下ろすと、ヤツはギリギリ聞こえる声でこちらに何か言って来た。何を言っているかは分かっている、しかしそれに対し俺は無視を決め込み作業を再開する。

 

その後俺たちの班はこの教室の中で最も早く調合を終えることが出来た。恐らく何の問題も無いだろう。そう思っているとスネイプはこちらに来た後。

 

「調合はほぼ完璧だ、だがもう少し遅くかき回すべきだな」

 

と言い残していった。

…やはり本で見るのと実践は違うな。どことなく悔しい気分になった俺は隣からの視線を遮るためにも一時限目同様教科書を取り出し、徹底的に読み倒すことにした。今度は完璧な調合をしてみせる。

 

 

 

 

これで今日の授業はすべて終わりか。余った時間は図書館で勉強に当てることにしているがこのままでは荷物が多いので一旦自室に戻ることにする。

…来てみると談話室入口周辺は顔を軽く火傷した子らと地面に転んだ子で溢れていた。その理由は絨毯のようにぶちまけられたビネガーが全てを語っている。

自室に戻り、教科書を置いた所で急にキニスが叫びだした。

 

「…キリコ!ごめん!」

 

俺は一切それに反応しなかった…だがそれでもヤツは尚続ける。

 

「そういった人も居るんだって、少し考えれば分かるはずなのに…僕は何も考えないで酷いこと言っちゃって…そのせいで嫌なこと思い出させっちゃって…本当にごめん!えっと…だからこれからちゃんと気を付けるし…も、もし怒ってるなら君の気が済むまで謝るから!あ、あと魔法薬学の時のも…だから、ゆ…許し…」

 

「…もういい」

 

「え!?…そ、そうだよね、謝っただけで許されようっていうほうが間違いだよ 「怒ってはいない」 …え?」

 

気にしていないことを伝えるために「もういい」と言ったのにキニスは今にも泣きそうな顔でこちらを見てくる。…このままでは正直俺の心が持たない、というかこれを放っておいたら俺は確実に人でなしになる。

罪悪感に耐えられなくなった俺の心はそいつを落ち着かせることを即座に決定した。

 

「気にしていないから大丈夫だ、謝る必要はない」

 

「…許してくれるってこと?」

 

「そうだ、だから落ち着―――」

 

「本当に!?やったーありがとうキリコ!次からはちゃんと考えて話すようにする!鍋の時も止めてくれてありがとう、それも気を付けるようにする!

ところでキリコはこれからどうするの?やっぱり校内探索?ここの学校いろんな仕掛けがあるから楽しいよね!キリコも一緒に行こうよ!」

 

………許した途端これか。ずっと引きずっているのもどうかと思うが、これはこれでどうなのだろう。切り替えが早いとポジティブに考えるべきなのか、考えているあいだにヤツはもう外へ飛び出して行った。

…どこへ行ったのか分からない上、追いかける理由もない。俺は当初の予定通り図書館で勉強することにした。

結果その日の晩、「来てくれなかった、やっぱり怒ってるじゃないか」と言われまたヤツを説得する羽目になった。あいつ思ったより相当面倒くさいかもしれない。

 

 

 

 

 

それ以降俺はひたすら授業を受け、図書館で勉強をし、布団に潜る…という生活を繰り返していた。

ただし図書館でやっていることは授業の予習では無く、本を引っ張り出しては片端から読み漁っていくという単純な作業であった。

当初は図書館にある「禁書棚」の本を読みたかったのだが、それを読むには先生の許可が必要でしかもそれを得るのは極めて困難らしく、一年ではまず許可は出ないことが分かった。

最悪夜にでも侵入すれば良いのだが、仮にそれで読むことが出来たとしても今の俺の知識ではまず理解できないだろう。だから今は通常の本を読み、徹底して基礎を固めることにしている。

 

ちなみに今読んでいる本は〝偉大なる錬金術師達とその偉業″という物だ、それを読んでいく内に俺は、ある一つのページに興味を持った。そのページにはニコラス・フラメルという人物、そしてこの男が作ったという「賢者の石」について書かれていた。

賢者の石とは如何なる金属も黄金に変え、不老不死を生み出す命の水を作り出すらしい。この男の生きている年齢が明らかに人間のそれを超えているあたり、その力は本物なのだろう。

 

不老不死…それについて俺は考える。何故人はそんなものを求めるのか、それは死への恐怖か永遠を生きることへの欲望か、もしくは死を超越することで全てを支配する力を求めるのか。そのどれも俺には到底理解できない。それを欲するヤツらに追われ続け、戦いの中で生きることがなぜそこまで魅力的なのか。

死への恐怖から逃れられるという甘美な誘惑、だがそれこそ悪魔の罠、死は地獄から逃れる唯一の免罪符。それに騙された哀れな獲物は永遠に蟻地獄の中で魂を食われ続ける。

賢者の作りし誘惑。それに引き寄せられた蟻はどこに潜むのか。

俺は無意識の内に感じ取っていた、この城に潜む蟻地獄、それに集まる獲物の気配を

 

 

 

 

 

その日、ハッフルパフの一年生はいつもよりも浮かれていた。それは談話室に張られたあの掲示のせいだろう。

 

「飛行訓練は今週の水曜日。ハッフルパフとレイブンクローの合同授業です」

 

そして今日がその待ちに待った水曜日、授業直前になったのである。まだ時間があるにも関わらず何人かの生徒は我先にと談話室を飛び出して行っている、その中にキニスの姿も見当たった。

かくいう俺も少し楽しみにしている、乗り物なら前世で棺桶に嫌というほど乗っていたが空を飛ぶというのは流石に初めてだ。そんなわけで俺もいつもより早足で広場に向かっていくのであった。

 

 

「何をボヤボヤしているんですか! 皆箒の傍に立って! さあ早く!」

 

そうこの科目の担任であるマダム・フーチが大声で指示を出す。やはり危険が伴う授業だからなのだろうか、他の担任に比べだいぶ厳しそうな人である。さきほどまで浮かれていた生徒たちも急いでその指示に従っていた。

 

「右手を箒の上に突き出して! そして、「上がれ」と言う!」

 

あちこちで「上がれ」と言う声が響く中、俺もさっそく試してみる。

 

「上がれ」

 

………

………………

何も起きない。周りを見てみると成功しているのは数人しかいなかった、しかもその中にキニスが含まれている。キニスはこちらを見ると自慢げな笑いを浮かべていた…ほんの少しだけ腹が立った俺はもう一度試してみる。

 

「…上がれ…!」

 

少し箒が震えた後、跳ねるように俺の手のひらに飛び込んできた。何故さっきのは成功しなかったのだろうか、まあそれはどうでもいいか、その間にもフーチは生徒の持ち方などを注意して回っている、キニスは持ち方を指摘され、さっきとは逆に軽く落ち込んでいた。

そしてようやく生徒全員のチェックが終わり飛ぶ段階となる。

 

「さあ、笛を吹いたら強く地面を蹴るんですよ。箒はしっかり持って、数メートル浮上したら前かがみになってすぐ降りてきなさい。いいですか、笛を吹いたらですよ? 1,2,3!」

 

ピー!

 

その音と同時に地面を蹴り飛ばす―――!

 

次の瞬間、俺の視界は一気に広がった、見下ろすと皆俺同様に驚きながらも楽しそうな顔をしている。しかし俺はそこに違和感を感じる。

…キニスはどこだ?

その答えは下から迫ってきた。

 

「ギャアアアアア!」

 

絶叫は下から近づいた後聞こえなくなり…一気に急降下している。その先には浮遊している生徒たちが大量に居る、このままでは激突とパニックで大事故になるだろう。それはマズイ、浮遊魔法を使うか? いや、今撃っても他の生徒に当たるだけだろう、なら方法は一つ。俺は箒を前に傾け全力で突っ込んで行く。操作方法など無論知らなかったが所詮乗り物だ、ATと変わらない…はず、

ヤツを追いかけ生徒の中へ突撃を掛ける、驚く生徒がパニックになる前に助けなければ。

そう考え人の中を突き進む、箒の先は常に目標を捉えたまま最大速度で…

右に、左、上に下に、生徒の間を縫いながら、急カーブですり抜け、ターンを描きヤツの下に回り込み杖を取り出す。

 

「ウィンガーディアム・レビオーサ ー浮遊せよ」

 

勢いを無理やり止め…られず俺は木の中に派手に突っ込んで行った。何とかはいずり出てみるとヤツは無事地上に着陸していた。ほかの生徒も緩やかに着陸していたので、惨事は免れたようだ。木を降りながら状況を確認しているとこちらにフーチが駆け寄ってきた。

 

「大丈夫ですかキュービィー! 念のためあなたも医療室に―――」

 

「怪我は無い、それよりあいつを早く」

 

「ほっ本当に大丈夫ですね!? 決して無理はしないように、ハッフルパフに5点! 私はリヴォービアを念のため保健室に連れて行きます、私が戻ってくるまで絶対箒に乗ってはいけませんよ!いいですね!」

 

そしてフーチはキニスを抱え保健室に走って行った。見たところ外傷は無いようだし気絶しているだけだろう、それにしてもあれだけ無茶な落ち方をして箒から振り落とされなかったというのは中々凄いことなのでは無いだろうか。そう考え戻ってきたフーチからキニスは無事ということを聞き、俺はそれに安堵しながら再び箒に乗り込んでいった。

 

その日からしばらく経つと、「ハリー・ポッターがグリフィンドールのシーカーになった」という噂が校内に伝わっていた。どういうことかと言うと、ポッターが飛行訓練で素晴らしい飛行をし、それを見たマクゴナガルが、ヤツをシーカーに推薦した…と言うものである。

規則ではクディッチ(魔法界で人気のスポーツで、ホグワーツでも寮同士で試合をしてるらしい)の選手になれるのは二年生以上なのだが、校長のダンブルドアはポッターを気に入っているためそんな規則無視するだろう、ということらしい。先生一人ならともかく校長がそんな露骨に一生徒を優遇していいのだろうか。

その話を聞いていたキニスは「僕たちもすごい飛行をしたから選手になれるんじゃ!?」と期待していたが流石に二人も例外を認めることは無いだろう、第一俺はクディッチに興味は無いのだ。

そんなことより今俺が最も興味があるのはハロウィンパーティだ、きっとさぞ美味いものが食えるのだろう。俺は少し早すぎる期待に腹を減らしていた。

 

目新しい出来事の数々に俺はささやかな幸福を感じていた

だがこの幸せは湖に張られた薄氷のようなもの

それは突如簡単に砕け散り、真下に潜む深淵がこちらを引きずり込む

決して逃れることはできない底なしの暗闇を忘れるかのように

俺は砕かれた氷にしがみついていた。

 

 




最も危険な罠、それは不発弾。
たくみに仕掛けられた平穏の影に潜む内通者。
それは突然に動き出し、偽りの平穏を打ち破る。
ホグワーツは巨大な罠の城。
そこかしこで、陰謀を抱えた者たちが火を放つ。
次回「罠」。
キリコも、巨大な不発弾。
自爆、誘爆、御用心。


「キリコってこんな性格だったっけ?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
しかしこれにはちゃんとした理由があります。
まずキリコの精神年齢は前世を足すと約111歳です。
さらに神の子も育てきっているので子育て経験アリです。
この結果キリコの同級生を見る目は基本的に親のソレになっています。
なので同級生を助けることが多くなる…という訳なのです。
そのためキニス君、キリコ的には友人だとは思っておらず、親戚の子供みたいな感覚で接しています。
はたしてキニス君はキリコの戦友になれるのでしょうか?(壮大な付線)
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