【完結】ハリー・ポッターとラストレッドショルダー   作:鹿狼

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第五十六話 「会談」

自衛能力の強化を目的に、昨年から継続を許されたダンブルドア軍団。

指導者であるハリーとハーマイオニーは、今後の計画を練っていた。

失神呪文や武装解除呪文の習得が概ね終わった今、新たな呪文を習得させようと彼らは考えていたのである。

 

しかし、その計画はキリコの参入により、大きく変わる事になる。

 

「……お前達を鍛えろとダンブルドアから頼まれた」

 

使用許可の出た『必要の部屋』で、壇上に上がっているキリコは、事の経緯を説明する。

 

「俺に頼まれた理由は、誰よりも地獄を生き残ってきたからだ」

 

ホグワーツ生の知っている限りでも、賢者の石強奪阻止、バジリスク討伐、三大魔法学校対抗試合、闇の陣営からの単独脱出など、逸話は非常に多い。

彼が指導してくれるなら、誰にも負けない強さを得れると、彼等は意気込む。

 

「……お前達は敵に勝てない」

 

その意気込みを、今までの努力を踏み潰す発言。

一拍の休符を起き、怒声と混乱のフォルテが起きる。

 

「ちょっと皆! 落ち着きなさない! 先ずは話を聞きなさい!」

「駄目だ、皆聞いてないよ」

 

場を収めようとするハーマイオニーの声は届かない。

よってキリコは、爆破呪文の爆音で狂奏を畳む。

 

「たった一言でこうなるお前らと、人殺しに躊躇しない死喰い人。

結果は明らかだ」

 

確かに技術は身に付いている、努力も無駄ではない。

だが勝てるかと言われたら、ほぼ不可能。

戦場において重要なのは、場馴れしてるかどうか。

 

死体を見ても動じないか。

友の死体を踏んでも、進めるか。

痛みを捩じ伏せ、攻撃出来るか。

咄嗟の直感を、信じられるか。

 

死喰い人は当然出来るだろう、そんな連中を相手に、生徒が勝てるとは思えない。

いや、不可能。

よってキリコは、『勝つ』という目標を捨て去っていた。

 

「だからお前達には、生き残る為の特訓をして貰う」

 

ダンブルドアの頼みもあるが、頼まれなかったとしてもこうする予定。

 

「生き残れば、戦闘経験を積める。

生き残れば、敵の戦術を知れる。

生き残る事は、最終的な勝ちに繋がる」

 

魔法族の戦争は、決闘形式が基本。

そこに持ち込まれたマグル式……と言うよりテロリスト式の考えは、彼等にとって未知の考え方。

 

「だからこそ、生き残ってきた俺が教官に指名された」

「皆納得した? 勿論予定していた新しい呪文の習得もやるわ、けどそれはキリコの特訓が終わってから。

基本の力が上がるのだから、そちらもスムーズに進む筈よ」

 

今度はブーイングも起こらず、全員納得する。

それを確認したキリコは、まず始めにやる事を指示する。

 

「最初にやるのは『体力強化』だ」

 

キリコが杖を振るうと同時に、必要の部屋の内装が変化する。

 

「……何処、ここ」

 

ハリーが呆然と呟く、彼等三人も、具体的内容までは聞いていなかったのだ。

 

キリコは知っていた、生活するだけで体力が鍛えられる星を。

彼等にとっては最悪な事に、必要の部屋は此処を再現出来る力を持っていた。

深い谷、聳える山、過酷な荒れ地、低酸素環境。

 

……レッドショルダーの本拠地、惑星オドンの地獄が地平線まで広がっていたのである。

 

「体力があれば、逃げ切れる。

逃げ続け敵の体力が尽きた所に、集団で襲撃をかける事も出来る」

 

キリコが最大の問題と考えたのは、魔法族の体力が少ないと言う欠点。

移動は箒や姿現し、もしくは煙突。

何をするにも魔法なせいで、基礎体力が少なくなってしまっている。

 

「以上、走り込みを始めろ」

「……ハリー、先頭は貴方よ」

「あ、はい」

 

何だか嫌な予感に襲われながら走り出すハリー、彼に続き走り出す生徒達。

 

エクスパルゾ(爆破せよ)

 

キリコはそんな彼等の最後尾に、呪文を叩き込んだ。

当然驚く生徒達は思い知る、生き残る為には地獄を見なければならない事を。

 

「一定の速度を保て。

遅れたヤツにはこれを食らわせる、ノルマは五十周だ。

一定時間以内に終わらなくても、これを食らわせる」

 

まさか、冗談だよな?

多くの生徒は一瞬そう考え、直ぐに改める。

彼等は覚えていた、去年アンブリッジに一泡吹かせる為に、大勢の襲撃者を返り討ちにした事を。

やる、間違いなく撃ってくる!

恐怖に駆られた彼等は脱兎の如く走り出した。

 

時間にしておおよそ一時間後、目の死んだ魚の様に走り込みを続ける彼等の中から、ハリーとロンが表れる。

 

「ゼェ……ゼェ……五十周、終わった……」

 

まさか完走するとは、流石はクィディッチの選手か。

感心するキリコ、クィディッチは酷い場合だと数日間に渡って行われる。

それを想定して訓練に励んでいる二人の体力は、抜き出ていたのである。

 

「これで……終わ……」

「続けて三十周」

 

二人の目が点になる、今キリコは何と言った?

そうだ、これはきっと幻聴に違いない。

希望的観測をするも、目の前のキリコの目は本気であった。

 

「体力以上に重要なのは精神力だ、体力が尽きて逃げれず、殺される事態は避けなければならない」

 

この訓練は、それも兼ねている……とキリコは説明する。

彼は不器用だが、糞真面目な男。

中途半端な優しさは死に繋がる、彼は優しさを完全に捨て去り、レッドショルダーだった頃に戻っていたのだ。

 

「戦場で精神力を鍛えられない以上、訓練で限界以上まで追い詰めるしかない」

「…………」

「スネイプ先生から非常用の魔法薬は貰っている、問題は無い」

「……マーリンの髭」

 

ロンの断末魔と、ハリーの声にならない断末魔。

 

「死ぬ気で走れ、死にたくなければ」

 

結局このノルマをクリア出来たのはクィディッチ経験者の何人かしか居らず、キリコは警告通り、タイムオーバーの罰則である爆破呪文を敢行。

最後に魔法薬の処方を以て、この日の訓練は終わった。

 

 

 

 

しかし、本当の地獄はこんなものでは無かった。

 

「今日は走り込みの後、武装解除呪文の訓練をする」

「……キリコ、それは皆出来るけど?」

「知っている、お前達には武装解除呪文を、最低でも百発は撃てる様になって貰う」

 

百発という数字は、彼等を絶望させるのに十分な威力を持っていた。

 

「ひゃ……く……!?」

「呪文の多様性でも、お前達は勝てない。

使いやすく優れた呪文が必要、それがこの呪文だ」

 

攻撃呪文の中では最も基本型、故に魔力消費も低く、連発もし易い。

 

「数でもお前達は勝てない、だが簡単に、大量に放てる呪文は数の有利を覆す。

こういった呪文を何れだけ撃ち続けられるか、それが重要だ」

 

話は理解出来るし、納得も出来る。

しかしそれとやる気には何の関係性も無い、と言うかやりたくない。

最も、彼等の為を思っているキリコが、そんな甘さを認めてくれないのは、もう誰もが知っていた。

 

「……僕、死ぬかも」

「……恨むよ、ダンブルドア」

「以上、今日の走り込みを始める」

 

時期はまだ1月、単純に考えても特訓はあと半年は続く。

絶望するハリーを余所に、キリコは悩む。

 

(キャビネットが何時修理されるかは分からない、何時ヤツ等が学校を襲っても可笑しく無い。

何れだけ走っても消えはしない影と不安が、今も俺を捉えようと蠢いている。

……いや、これは過去。

何かにがむしゃらに成る事で、少しでも傷を癒そうとする俺の、傷そのものか)

 

 

*

 

 

その大きな館は、本来なら持ちえた権力を示すかの如く、月明かりを鈍らせる。

しかし今宵、この館に灯る明かりは僅か、月の光は煌々と闇を照らし出す。

さながら、闇に紛れ、卑しいことを隠そうとしているかの如く。

 

そう、今宵ここに集うのは死喰い人、闇に巣食い、闇を広げ、闇に生きるモノ共。

特に重宝されている何人かが、このマルフォイ邸に集うことを許された。

だがこの館の主は居ない、ルシウス・マルフォイは未だアズカバンの中なのだから。

尤もアズカバンに居るお陰で、帝王の粛清を逃れているのは皮肉としか言えない。

 

その代わりに粛清を受け、両親や自分の命の為血眼になりキャビネットを修理しているドラコ・マルフォイも今はホグワーツの中。

ナルシッサ・マルフォイ以外家族はおらず、主なきこの館は死喰い人の温床に成り果てていた。

 

豪華絢爛な椅子を一つ残し、質素な椅子に腰かける死喰い人。

目の前に置かれた上等な紅茶とスコーンを彼は啜り、彼は貪り、時を待つ。

 

途端、扉が開かれ"死"が飛翔した。

そう、主、ヴォルデモートの到着である。

 

「お前達、今宵はよく集まってくれた」

 

始まるのは闇の宴、死と陰謀渦巻く恐怖の会議。

こここそ、イギリス魔法界の闇の底なのだ。

 

「さて、こうして集まってくれたと言うことは、俺様の為の計画が着実に進んでいるということだが」

「は、はい! その件についてですが」

 

死喰い人の中でも出世争いは存在している、ヴォルデモートの機嫌を取ろうと一人が突っ走るが、彼は忘れていた、主の言葉を遮る事が如何なる結末を招くか。

 

「……俺様が喋っていいと、何時言った? 答えてみろ」

「!!」

「答えてみろ」

 

圧倒的圧力に心まで震えながら、彼は自身の迂闊さを呪う。

火炎呪文か!? それても磔の呪文か!? せめて死の呪い以外であってくれ!

だが彼は、今この場では幸運だった。

 

「まあいい、今一々指摘しててもキリがない、報告を聞いてみようじゃないか」

「あ、有難う御座います!」

 

ここ最近のヴォルデモートは機嫌が良い、予言を取れなかったことは惜しかったが、裏工作や破壊活動などそれ以外は概ね上手く行っているからだ。

 

「お任せ下さった破壊活動についてですが、現在マグル界のロンドンなど、イギリスの都市部を中心に多くの破壊活動を行っています!

最近では大英博物館に破壊工作、あちこちに吸魂鬼を放ち、国防総省の何人かに服従の呪文を掛け、疑心暗鬼に陥らせています」

「そうかそうか、愚かなマグル共は狙い通り疑心暗鬼になり、狙い通り注目を集めているということか、よくやってくれた、この調子で頼むぞ」

「はっ! 有難う御座います」

「では次だ」

「はい、ご命令通り計画に備え、各地に死喰い人を潜伏させています。

無論魔法省に露見しないよう、記憶を操作し、マグルの移動方法を用いさせています」

 

それからもご機嫌で報告を聞いて行くヴォルデモートを、一人冷めた目線で見る男が居た。

 

(何故、あそこまで機嫌が良いのだ? 気味が悪い)

 

騎士団と死喰い人の二重スパイ、セブルス・スネイプである。

幾ら上手く行っているからと言って、部下を褒めるなど病気に掛かっても言わない相手だぞ。

 

「さてセブルス、お前の報告を聞こうか」

「……はい、ドラコ・マルフォイの計画についてですが、以前報告した通り、キャビネットの修理は順調に進んでおります、この調子ならば6月頃には修理が完了するでしょう」

 

意識を切り上げ、事務的に報告していくスネイプ。

それをヴォルデモートは、やはり嬉しそうに聞いていた。

果たしてそれはダンブルドアを殺せる歓喜か、ルシウスを苦しめられる愉悦か。

 

「成程、実に素敵なことだ、ではセブルス、ドラコに伝言を頼む」

「何なりと」

「『期待しているぞ』と、しっかりと伝えて欲しい」

「……かしこまりました、我が君」

 

この伝言は心の底からのエールなどでは決してない、『失敗すれば分かっているな』という相手の苦しむ姿が見たいだけに生まれた呪詛なのだ。

スネイプは内心で、毒づいた目線を差し向ける。

 

「さて、次は……」

「私です、ヴォルデモート卿」

 

軽く身を乗り出し存在をアピールするその男、ヴォルデモートの席に最も近い二つの席の片割れに座るその男は。

 

「そうだったな、ロッチナ上級次官」

 

ペールゼン・ファイルズのことを黙っていたにも関わらず、尚ヴォルデモートの腹心という立ち位置に納まっているジャン・ポール・ロッチナである。

ファッジの辞任により彼は魔法大臣秘書を解雇されたが、同時にアンブリッジもアズカバン行きとなった。

この隙を突き、彼はちゃっかり上級次官のポストに納まっていた。

 

「魔法省内部での裏工作についてですが、既に各部署の局長、その三分の一近くの協力を取り付けております」

「……よくそこまでやったな、服従の呪文の維持は平気なのか?」

「いえ使っておりません」

 

その時、死喰い人に衝撃が走った。

 

「スキャンダルを利用した脅迫や、我々の側に付いた際のリターンを丁重に説明することで納得して頂きました」

 

訴えれば自身のスキャンダルが明るみに出る以上、保身しか脳にない彼等が告発する可能性は皆無である。

 

「又万一闇の陣営が敗北した場合においても、支援者の方々に被害が及ばないよう調整することで、より積極的な支援と、再起体制を確立しております」

 

一切の穴が見当たらない計画に絶句する死喰い人達、服従の呪文無しでこの成果、彼等の出世の道は閉ざされた。

だが、この計画に怒り狂う者が居た。

 

「貴様! 我が君が敗北するかもしれないと言うのか!?」

 

死喰い人の中でも特に忠誠を誓っているベラトリックスにとって、彼の言葉は到底容認できるものではない。

しかしロッチナはどこまでも冷静に説明するだけである。

 

「ダンブルドアも健在、一度ヴォルデモート卿を滅ぼしたポッターも健在、滅ぼされないにしろ、我々が先に壊滅し組織活動が成り立たなくなる可能性は十分存在すると考えられますが」

「ハッ、あんな連中を恐れるなんて、所詮は半純血だね」

「そのあんなポッターに、偶然滅ぼされたのでは?」

「貴様ぁ! まだ愚弄する気か!?」

 

言わずもがな、ハリーに一回殺されたことはヴォルデモートにとってタブーな話題である。

それに何度も何度も触れるロッチナ、もはや何時殺されてもおかしくない。

いや、今正にベラトリックスは殺そうと杖を構えている。

 

「止めた方がよろしい、貴女は貴重な戦力なのだから」

「何だと?」

「これ以上来てしまうと、貴女は死んでしまう」

「ふざけたことを! お前が殆ど戦えないのは知っている!」

「いや、既にチェックメイトだ」

 

コツン。

ベラトリックの首に、杖が刺さる。

 

「!?」

「…………」

 

何時、どうして、どうやって。

エディアが背後に立ち、杖を向けていた。

どうやろうと、エディアが撃つ方が早い。

だがプライドに掛けて引く訳にもいかない、状況は固まった。

 

「お前達いい加減にしろ、ベラもだ、こいつが俺様に欠片も忠誠を誓っていないのは良く知っている」

「……申し訳ありません」

「ロッチナにも言っておこう、お前を重宝しているのは……他の誰よりも政治工作に長けているからだ、成果を上げれられなくなった時は……」

「無論、承知しております」

 

ヴォルデモートの仲裁により一先ずこの場は収まり、その後の会議は恙なく進んで行った。

その内会議も終わり、屋敷から人が散り散りになって行く。

流れに沿い消えようとしたロッチナを、スネイプが呼び留めた。

 

「どうしたセブルス?」

「……不躾ながら、先輩に聞きたい事がありまして」

「何だね、答えられる範囲でだが……」

「……貴方は、『神』を信じていますか?」

 

神、即ちワイズマン。

スネイプはダンブルドアから一つの任を受けていた、ロッチナがワイズマンについてどの程度把握しているか調べるという任務を。

 

キリコからは、居るかもしれないし居ないかもしれないと証言したと聞いている。

しかし数々の事実……スネイプへの梟便や更なる転生者イプシロンという護衛の存在は、ワイズマンの実在を浮き彫りにしつつあった。

 

知らねばならない、ロッチナが自覚在る『神の目』なのか如何かを。

 

「……神か、はたまた賢者か」

 

此処まで直球な質問をした理由は、キリコからの助言が在ったから。

はぐらかすか如何か、それで答えは分かる。

 

「残念だが私の見識は変わらない、神が実在するならば、我々愚かな人類に……とうに干渉をしているだろう」

「……そうですか、すいません、妙な事をお聞きしていしまい」

「構わぬよ」

 

狙い通りに行った、とスネイプは静かに安堵する。

ロッチナは徹底して中立、在るがままのキリコを観察するのが目的。

つまり中立の意見が出るという事は、その質問がキリコに影響すると知っているという事。

 

ワイズマンの事を聞き、それをはぐらかす。

スネイプは確信した、ワイズマンの実在を。

……と安堵した所に、ロッチナが予想外の反撃を繰り出した。

 

「所で……ルシウスの倅の調子はどうかな?」

「……先程報告した通りですが?」

「いや違うな、ドラコの計画をダンブルドアはどう利用しようとしているか、だな」

「!!」

 

バレている、それもヴォルデモートの腹心に。

何とか平静を装うが、背中を伝う冷や汗は止まらない。

 

「フフフ……隠す必要はない、本心がどちらにあるかなど、お前が抱いているリリー・エバンズへの思いを知っていれば、容易く分かる」

「何を言っておられるのか、リリーなどという穢れた血への思いはとうに棄てている」

 

他の死喰い人への嘘を、半濁するように繰り返し誤魔化そうとする。

 

「いや、それはない、お前のような人間がどういう行動を取るのかはよく知っている」

「お前のような……?」

「似ているのだよ、お前はキリコに」

 

似ているだと、あの男と我輩が?

一体何処が、そう思ったスネイプはある一点を思い出した。

 

「大方私についても知っているのだろう、なら分かる筈だ、特に……一途な所などそっくりだ」

「……だから、何だと言うのですかな?」

 

だが、やはり意図は分からない。

人の気持ちを勝手に暴いておいて、一体何がしたいのか。

 

「何だという程でもないが、何お節介だよ、私はお前のことを気に入っているからな」

「……それは、キュービィーに似ているからだと?」

「それもあり、又ホグワーツの先輩としてでもある。

ではお節介だ、キリコ・キュービィーと少し話してみろ」

「は?」

 

ますます訳の解らない提案に、スネイプはまず発しないであろう間抜けな声を出してしまった。

 

「お前は少しヤツを見習った方が良い、あいつの方が人生の先輩なのだからな。

では行くぞ、エディア」

「…………」

 

そのまま影に溶け込んでいくロッチナを、ただ茫然と見送る。

見習うとは何を、吾輩はそれを見て何を学べというのか。

ある意味キリコ以上に意図の読めない男、もしかしたら神に手を貸してるかもしれないあの男。

 

我輩は間違ってなどいない、リリーへの贖罪こそ残された唯一の道なのだから。

このお節介を彼は切り捨てたのであった、この時は、まだ。




赤い空、赤い土。
今まさに流されて夥しい血がこびりつく、憐れな星。
そして、メルキア装甲騎兵団特殊任務班X-1、
レッドショルダーの生き残りが予言を導く。
次回「マグル作戦」。
間も無くこの星で、人の皮を被った疑惑の悪魔が蠢き始める。




おまけ 今日のロッチナ

ロッ「まだだ! まだ終わっていない!」
クィ「勘弁してください! もう敗けでいいですから!」
モブA「何さわいでんだアイツ」
モブB「ポーカーで負けまくってんだとよ」
ロッ「俺は最高の博打打ちだぁぁぁ、受けてやるぅ!」

″ノーペア″

ロッ「かぁっ!?」

※この後クィレルと通りすがりのポル○レフがコインにされました。
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