指先に映る貴女   作:とある世界のハンター

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頑張れば5話まで行くかも。多分続きません。
次は春休みor卒制終わり+就活終わり後になるかなと。


№4 憧れの瞳

 

 

 

 

 

 

 

「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」

 

 本格的に授業が開始して数日。午前は英語等の一般科目、お昼を過ごしたヒーロー科の午後の授業は『ヒーロー基礎学』。ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う科目だ。入学してから数日は座学を行っていたが、本日はどうやら違うようだ。

 

「早速だが今日はコレ!戦闘訓練!!!」

 

『BATTLE』と書かれたプレートを突き出す筋骨隆々のヒーローは"№1ヒーロー オールマイト"。絶やさぬ笑顔で人々を救ける最強のヒーローで、国外でも名前が知られている程の知名度を持つ大人気ヒーロー。"平和の象徴"として、今も活躍し続けている。

 そんな彼は、今年から雄英で教師をしている。人気絶頂のヒーローが身近にいると言うのだから、生徒達からは勿論大人気だ。

 

(戦闘訓練!)

 

『戦闘訓練』というワードに、生徒達は目を輝かやかせる。クミもその中の一人だった。

 

「そしてそれに伴って......こちら!入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた......」

 

 教室の壁が稼動し、数字の書かれたアタッシュケースが現れる。

 

戦闘服(コスチューム)!!!」

 

 

 

 

 

 

 ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪

 

 

 

 

 

 

 

戦闘服(コスチューム)?」

 

 被服控除。入学前に『個性届』と『身体情報』を提出すると、学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれるシステムが存在する。その際、『要望』を添付することも可能で、ヒーロー科に入学する生徒の殆どが利用しているシステムだ。

 

「とりあえず一通り書いてみたんだけど。」

 

 リビングの机に()()()()を目一杯広げるクミは、仮で書いた要望を姉に手渡した。クローゼットの奥に仕舞われていたであろう分厚いゲーム資料、一昔前の漫画、それらしい過去の文献、数年前のヒーロー図鑑、最新のヒーロー図鑑etc......全て彼女が集めていたもの。数年前に収集癖に目覚めてから、毎月のお小遣いをこれに当てていたのだ。

 

「......こんなヒーローいるの?」

 

「居たらキャラ被るじゃん。」

 

「......そう。」

 

 こうもあっけらかんと答えられては、返す言葉も湧いてこない。真っ直ぐな瞳で見つめられては、苦言を呈すのは罪悪感が付き纏う。姉は『......そう』を反芻しながら、キッチンへと入っていった。

 

「......?」

 

 その真っ直ぐな瞳は、純粋さ故に留まることを知らない。

 

 

 

 

 

 

 ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪

 

 

 

 

 

 

 

「これは?」

 

「趣味。」

 

「これは?」

 

「趣味。」

 

「じゃあ、これも?」

 

「趣味。」

 

「そっかぁ......」

 

 戦闘服(コスチューム)を渡された生徒達は、更衣室で着替え終わった後にグラウンドβへと集まるよう指示を受けていた。

 ここは男子禁制の女子更衣室。打ち解け始めていた彼女たちは、皆殆どが着替え終わっていた。自分とは違う戦闘服(コスチューム)、話題作りにはピッタリ。だからこそ、その余りにも多い"付属品"を持つクミは質問攻めにあっていた。

 

「先生を待たせるのは宜しくないですわよ?」

 

((((ツンツン......!))))

 

 そこに割り込むのは推薦入学者の1人、八百万 百。本来ならその奇抜な(露出の多い)戦闘服(コスチューム)に突っ込むべきなのだろうが、彼女のその生真面目さと、それよりも注目すべきモノの存在によりスルーされていた。

 

「八百万さんの言う通りだよ。準備出来たなら行こう?」

 

(((ワクワク......!)))

 

 八百万の意見に賛同し、クミは"付属品"を片手に扉へと向かう。

 髪型はいつも通り、右眼を隠して左でサイドテール。フード付きのロングコートを羽織り、右腰には日本刀。インナーはクロップドTシャツにショートパンツ。左太腿にホルダーを巻き、ロングブーツを履いた姿はまるでゲームに出てくるアサシンの様だ。だが、その憧れを宿した瞳はヒーロー志望の女の子そのものだ。

 

 クミら女子陣がグラウンドβに着く頃には、男子陣の殆どは既に揃っていた。

 ここは入試の試験会場の一つで、馴染みのある生徒も居るようだった。

 最後の一人である緑谷出久が来たことにより、オールマイトから戦闘訓練についての詳細が告げられた。

 

「今回は"屋内での対人戦闘訓練"を行ってもらう!」

 

「屋内限定ですか?」

 

「そうさ!(ヴィラン)退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪(ヴィラン)出現率は高いんだ。」

 

(ニュースで聞いたことあるな......)

 

「監禁、軟禁、裏商売......真に賢しい(ヴィラン)屋内(やみ)に潜む。そして!君らにはこれから『(ヴィラン)組』と『ヒーロー組』に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

「基礎訓練も無しに?」

 

 蛙吹の問いに対して、オールマイトは基礎を知る為の実践だと返した。続けて彼は今回の状況設定を話し出した。

 曰く、(ヴィラン)がアジトに"核兵器"を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている。

 勝利条件は、ヒーローは制限時間内に(ヴィラン)を捕まえるか、核兵器を回収する事。(ヴィラン)は制限時間まで核兵器を守るか、ヒーローを捕まえる事。

 

「コンビ及び対戦相手はくじだ!一人余ると思うけど、そこは3人チームで組んでくれ!」

 

 そこからはオールマイトがトントン拍子で進めて行った。彼が出席番号順にクジを引いていき、コンビが決定。クミはAコンビとなった。

 

(相手は......あの緑の子(緑谷出久)。)

 

「続いて最初の対戦相手はコイツらだ!」

 

「Aコンビが『ヒーロー』!Dコンビが『(ヴィラン)』だ!」

 

死ねの人(爆豪勝己)真面目そうな眼鏡(飯田天哉)、か。)

 

 話した事のない相手ばかり。少しだけ寂しさを感じたが、そんな事はどうでも良いとスグに捨て去った。幸いにも、コンビ相手はすぐ側にいる。

 

「糸包クミです。よろしくね、緑谷くん。」

 

 彼女の瞳には、憧れが映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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