ていとくが、いっぱい!   作:deckstick

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帰りの会?
つまり、そろそろ「設定資料集(会話形式)」の終わりが……おや?


教えて、香取先生!-9?

 朝潮や天津風だけじゃなく、暇になったのか様子を見に来た羽黒(改二)や叢雲達に見守られながら契約は進み。

 

「うーむ、妖精も艦娘と同じ称号持ちとは。

 本格的に、夜間行動と魔法の訓練をお勧めするぞい。それも全員じゃろうなぁ」

 

「まほー、つかうです?」

「くらいとこ、とぶです?」

「じんせーは、おさきまっくらです?」

 

 うん、予想した称号と、あまり予想したくなかった妖精を得た。

 つまり、艦娘も装備の妖精も、期待した不老不死と暗視を含む眷属、それに魔法の称号を得た。

 そして、妖精の顔が(・ワ・)だったという事だ。

 可愛くないとは言わないが……名前付きの戦闘機が機体名のみになってるのは、これも原因なのか? (・ワ・)な顔を虎徹と呼んだりするのは、シュールというか、ギャグにしかならない気がするし。いや、こいつらなら吸血での精気吸収があるから、「今宵の虎徹は血に飢えてるです(腹ペコ的な意味で)」とかやれるかもしれんが。

 

「かわいいですね……」

 

「私の連装砲くんのほうが可愛いに決まってるでしょ?」

 

「今のところ、装備はほとんど決まってないのよね。

 他の装備の妖精もこうなのかしら……」

 

「性能や相性も重要ですよ?」

 

 ……まあ、艦娘も女の子的な感じだから、人形みたいな妖精をかわいがるのは問題ない。少なくとも嫌っているよりは協力しやすいだろうし。

 

「これで、名簿や書類の記入は終了です。

 今日中に少なくとも追加分の布団を、その後も食材などの搬入がありますから、何名か提督ギルドの倉庫に来てください。

 そちらでいくつか手続きを行い、受け取った荷物を運べば、今日の予定は終了です」

 

「分かりました。

 えーと、榛名、今動けるのは?」

 

「食堂にいた艦のうち、祥鳳と萩風を除けば大丈夫ではないでしょうか。

 この2人は、外の台所で夕食の準備を手伝っていますから」

 

「あー、もうそういう時間か。ええと……提督ギルドのやり方に慣れる意味もあるだろうから、これから中心になりやすい誰かの方が無難……か?

 んー、とりあえず、榛名の改二と、羽黒の改二、それに……叢雲に頼むか」

 

「はい、提督。連絡しておきますね」

 

「うん、任せた」

 

 やれやれ、何とか1日目は無事に終わる……のか?

 いきなり出撃ってことはない。襲撃が多発するようなら警告ぐらいはあるはず。夕食も材料がちょっと心配だけど腕は問題ない、はず。

 

「明日の予定ですが、とりあえずは宝珠内の環境整備や、手続きの続きが主となります。

 なお、初期の手続きが完了するまでは、同じ職員が担当する事になります」

 

「とういわけで、明日もワシが来ることになるからの。

 昼過ぎになると思うが、こちらで用意する仮印と預金口座の通帳を持ってくる予定じゃ。その際に、任務関係の具体的な説明やらもすることになっておる。

 法律関係の説明もあるが、長くて別途日程を組むから明日は簡単にじゃの。というか法律関係は面倒な手続きやらもあるから、提督と秘書艦だけでは手が回らん場合も増えるのは確実じゃ。早めに専任を決めるか、人を雇うかを決めた方がよいじゃろうな」

 

「法律関係、ですか……」

 

「うむ。

 実態はどうであれ、鎮守宝珠は独立国として扱われる。つまり、日本国とのやりとりは外交に相当するわけじゃな。

 独自の法を定めるのも自由じゃが、立法と行政、それに外交と艦隊指揮の全てを提督の独裁で行うのは、過労でぶっ倒れるのがオチじゃ。じゃから、法は関係の深い国等のものに準じ、外交の手続きは提督ギルドを介することで色々な手間と摩擦を減らす提督が殆どじゃ。

 日本人の提督の場合は日本国か提督ギルドの法を採用する場合が多いんじゃが、法を作る手間は省けても、理解して運用する必要はあるじゃろ?」

 

「あー……立法から自分で全部やるよりはマシですか。

 提督ギルドの法って、どんなのですか?」

 

「日本国の法を基に簡素化して、艦娘や隊息に対応したもの、かの。

 八丈島の提督ギルド本部で実際に使っておる物じゃし、簡素化するついでに古い法の整理なんかも進めておるから、日本国でそれを採用しようという動きすらあるそうじゃぞ」

 

「法の整理って、相当手間がかかる作業なのでは……?」

 

「もちろんじゃ。ギルド本部に集まる提督達や、彼等を支持する者達が多くいるからこそ可能な事じゃな。これに絡む噂は色々あるが……まあ、噂は噂じゃ。

 というわけで、法務については考えておいた方が良いかの。宣言するまでは暫定的に日本国の法に準じている扱いになるし、そのままでもしばらくは問題ないのじゃが」

 

「しばらく、ですか」

 

「艦娘が増えると、トラブルも増えるものじゃぞ。

 それに、少なくとも大々的に外部の人間を入れるには、どんな法を使っているかを宣言しておく必要があるの。でなければ日本国から渡航許可が下りる前提条件を満たせんし、法の運用状況や、独自の法であれば内容も調査が入って、その結果問題なしと判断されてからじゃ。

 日本国も、無法地帯に国民を行かせるほど無責任ではないという事じゃな」

 

「さすが独立国扱い……」

 

 独裁で危険そうなら行かせないとか、そういう事もあり、だろうな。

 法の内容や運用状況を確認するとなると、実績や実例があるものを使う方が色々と楽そうだし……そりゃあ、国かギルドのを使うわけだ。

 

「まあ、これ以上は明日じゃ。

 詳しく説明し始めると、時間がかかるでな」

 

「その準備というわけではありませんが、宝珠の設備関係に手を加える手伝いはいりませんか?

 これはギルドではなく、舞姫提督からの支援という扱いになります」

 

「えっと……設備関係の手伝い、ですか?」

 

「はい。

 提督ギルドとしては、何か問題が出ていない限り、鎮守宝珠の中の事には口を出しません。これは内政干渉に相当してしまうためですね。もちろん初期の手続きや最低限の指導を行うことは国際的な了承を得て行っていますが、それ以上に提督ギルドの手を借りる際は、提督側から支援や教導を要請する、という手順を踏むことになります。

 ですが、例えば設備をどのようにしたらよいかというのは、提督の方針や地域性に大きく影響されるため最低限の指導に含まれません。経験の有無が効率や失敗率に大きく影響するのに、です。

 というわけで、他の提督からの個人的な支援という形で、私が引き続き色々と教えましょうか、という提案になります」

 

「手続きに関しては、言われても仕方ないの。

 なるべく協力する方針ではあっても、国際的な組織である以上、なあなあでは済まぬ部分もあるのじゃ。人的な限界で塾のような形式で複数人に教える形になったり、そもそも時間が制限されたりする場合も多いしの」

 

 えーと、つまり、提督ギルドに教えてもらうのは、手続きや労力的に面倒が多いと。

 それより、ある程度慣れた相手にしばらく教えてもらうのはどうだ、って事だよな。

 

「私達舞姫提督の派閥に属していると見られやすくなるとか、私達のやり方が基本になる、程度の問題はあります。

 ですが、初期は誰かに教えてもらうことが多いですし、完全な我流は茨の道です。私達のやり方が合わないようであれば、他のやり方をしている人を探すのも良いでしょう。

 もちろん、そのまま協力していけたら、という下心があることは否定しません」

 

「当然というか、当たり前の前提かな……教えてもらう時点で、誰かのやり方を参考にするわけだし。

 じゃあ、とりあえずお願いします」

 

「はい、わかりました。

 提督ギルドの話は昼からですので、午前中……そうですね、9時頃に来ましょうか。

 やるべきことが多いですから、時間は多めに確保した方がよいでしょう」

 

「わかりました」

 

 現状では、組織運営の入り口、ってとこだしな

 一歩踏み入れたら大迷宮、じゃなきゃいいんだが……期待薄かな、これは。

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

 あの後は、まあ、あれだ。

 指示した3人──3隻とか3艦とかの方が正しいのかもしれないけど、見た目は人なんだから人でいいだろ──が布団やら日用品やらを運び。なお、倉庫での手続きというのは、受け取り確認と、そのための身分証明を先行で仮発行するものだったらしい。

 交代で入浴し。もちろん俺は入渠施設の方じゃなくて、家の風呂だ。

 用意してくれていた夕食──足柄が参加していたせいかカツが主菜の定食風だった──を食べ。

 新しく増えた朝潮と天津風を交えて、部屋の割り振りと外の部屋番を決めて。

 まだ眠くないという事で、外の部屋にあった本……今の世界情勢やら提督ギルドの業務や手続きやら魔法入門書やらの実用書や新聞、加えてトランプや将棋などを広げながらの、雑談タイム・いん・食堂。

 

「新聞とインターネットが情報を得るための主な手段になったってのも、何だか不思議な感じだな……」

 

「消えかけてるのは、無線のテレビとラジオだっけ?

 えーと……山上の電波塔が深海棲艦の空襲を誘引するから避雷針的な役目を担い、重要な情報を独占的に扱うことを禁じられた……ま、娯楽で使えるならいいんじゃない? 興味はあるし」

 

 速報とかは……空襲のサイレンが音声付きになったようなものもある、と。

 短時間で周知するって意味では、テレビとかより優秀か。スイッチを入れてない人に伝わらないって事がないし。

 というか、叢雲の興味は、ラジオじゃないだろうけど、テレビ自体なのか、番組の方なのか……

 

「興味か……えーと、宝珠の中でテレビやラジオを視聴するには、宝珠の中へ信号を転送し、更に有線または無線で各機器へ送る必要があります。詳しくは伝送ゲートを参照してください?」

 

 特殊空間だから簡単には見れないだろうとは思ってたけど、方法はあるんだな。有線ラジオとかいう、わかりやすいけどもっといい名前はなかったのかと言いたくなる単語もあるが。

 インターネットも同じ方式で情報のやり取りを行う、と。

 

「見る方法があるならいいわ。外の部屋に小さいテレビはあったから、とりあえずそれで面白いかどうかは判断できるでしょうし」

 

 なるほど、番組の方か。で、外にはテレビも準備されていた、と。

 

「客が来ることも少ないだろうから、部屋番の時に見る時間はあるんじゃないか?

 やることをやった上で見るなら、別にいいと思うが」

 

「そうね、部屋番は明日だし、少し見てみるわ」

 

「そういえば、テレビの知識は、やっぱり俺が由来になるのか?」

 

「それも大きいわね。でも、テレビ自体は元々知ってたわ。

 そもそも戦争の前にドイツでテレビの定時放送が始まってたし、日本でも試験放送をしたことくらいはあったわよ?」

 

「……そうだったのか」

 

 やっべ、テレビって完全に戦後のイメージだった。

 いやまあ、元になる技術はそれなりにあっただろうし、おかしくないんだろうけど……

 

「そうだったのよ。

 ま、戦争でそれどころじゃなくなったんだけどね」

 

「だからこそ気になる、のか?

 今は外の部屋にしかテレビが無いからな……しばらくは当番の特権になるんだろうな」

 

「構わないわ、他にも気になるものが色々あるもの。

 宝珠の掲示板も使っていいんでしょ?」

 

「節度を守ってくれれば、制限する必要はないと思っているんだが……

 禁止しないといけなくなるような使い方は、してくれるなよ?」

 

「当然よ。その程度は弁えるわ」

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

 色々喋ったり、調べ物をしたりして、夜が更けて。

 俺と榛名の2人は、部屋として割り当てられた、最初に目覚めた家にいた。

 そしてパジャマ姿の榛名は、嬉しそうに布団を敷いている。

 

「……どうすりゃいいんだろうなぁ……」

 

 確かにケッコンした榛名であり、ネット的表現では俺の嫁という表現が正しいとは思う。

 ゲームの世界に行くとか、嫁がゲームから出てきてとか、そんなラノベや漫画なんかがあるのも知ってる。

 だが、いざそうなると、どうすればいいのかさっぱりわからない。

 お互いの事を少しは知っているとしても、意思のある異性として会うのは初めてだし、むやみに高い好感度や妙な方向でおかしなことになっている事実が、余計に難しくさせている。

 少なくとも、さっきの「着替えてきますから覗かないで下さいね」がお笑い芸人的な意味ではないと言い切る自信は無い。会ってすぐの暴走で口走った内容や、ピンクで可愛い系のパジャマを持つ霧島に「ギャップ萌えでハートを鷲掴みよ」とか言われた時にこっちを窺うに見た視線が……結局それを着てるし。

 もしかして難聴鈍感系主人公の一部は、自分がモテるわけがないと思い込むことでこんな悩みを回避しているだけだったりするんだろうか……?

 

「それでは、明日も予定がいっぱいですし、お休みしましょう!」

 

 元気に言われると、ほんと困るな……お休み(睡眠)なのか、お休み(意味深)なのか。布団がぴったりくっついているあたり、本気で誘惑を疑いたくなるぞ。

 でも、いくらなんでも初日から意味深は無い、よな?

 

「そう、だな。明日も朝から予定があるし、いきなりこんな事になったから、精神的な疲れもあるかもしれない。

 休める時に、きちんと休まないとな」

 

「はい、提督。

 それでは照明を消しますね」

 

 ……うん、残念そうな気配はない、気がする。

 だけど、布団に入ると、静かすぎて、榛名の呼吸の音がすごく近く聞こえるんだが。

 実際の距離もかなり近いし、これは、あれか。

 明日の朝には抱きしめられて胸に顔を埋めるのを期待していいフラグ……じゃない。結局気になって眠れずに睡眠不足になるフラグだ、これ。




何とか、こっちも区切りまでは書けました。
一応、次話は掲示板の予定。いつになるかはお察しください?
なんというか、進みが遅いので、話の中と現実の艦これの乖離が進みすぎですね。
あれです。2期になっても榛名はかわいい。
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