シュリフォンから戻った俺は、次の行先であるハヴォニワへ向かう為の準備と今後についての話し合いをしていたのだが、キャイアとエメラが脱走した件を聞きつけ関係者を呼びつけて問い詰める事に
「それで勝手に開放したばかりか、逃走したと?」
「そう言ってるのではありません、彼女も彼女なりにダグマイアさんの事を心配しての行動だと言っているのです、彼女達は幼馴染なのですから」
「バカにしてるのか?、俺は拘束監禁そして尋問をしろと言ったはず、命令違反だな、これについての弁明もそれでは足らんし、責任の所在をハッキリした上で報告書を提出しろ、報告書を見て今後の動きを決める。
それとこの件で行くのが遅れるが、行くのが遅れてハヴォニワが落ちていたら貴様たちが保証をするという事でまずはいいのだな?」
「なぜそういう話になるのじゃ!この件は此方でやっておく出発すればよかろう」
「それは俺に対して宣戦布告と言う解釈でいいんだな?受けて立つぜ1時間で皆殺しにしてやる」
「この状況で皆殺しにするだと!どう言う神経してるんだ貴様!!」
「誰が口をきいていいと言ったキャイア被告、次勝手に発言したら殺すぞ?」
「被告とはなんだ!キャイアを犯罪者とでも言うつもりか?!」
「違うのか?、俺は拘束もされず、ここに居る事が事態が不思議でしかないんだぜ、さて俺は即刻キャイアとエメラの死刑執行及び、計画に支障が出た分を飼い主であるラシャラに請求する、ハヴォニワが落ちていた場合はコレを上乗せとする、聞き入れないのであれば俺は貴様らに対して宣戦布告をする」
「本気なんじゃな?」
「ああ、本気だ怒らせる相手を見誤るからこうなる」
「シスイ君おちついてください、なぜ死刑執行なんて物騒な話になるんです、貴方は今怒りに任せてるだけだは有りませんか、我々が仲たがいをしていては聖地奪還どころか世界が取り返しのつかない事態になってしまうのですよ」
「じゃ~分かりやすく説明しよう、まずこの場の指揮系統は俺が握ってる、当たり前だ最高戦力を俺が握ってるんだ、嫌なら俺に対して力ずくで奪えばいい、出来ないだろ?、さて最高司令官の俺が言う事を守れなかったら罰が必要だよな?他の部下たちにも示しがつかない、これを見逃したら、キャイアもやってて見逃されたんだし今日はババルンの所へいって情報を売って来るね!すっごいいいお金になるんだよ~ってな感じで行き来が可能となる、さてこれはいかに?当然ありえないよな?俺はコレを言ってるんだ、戦争において重要なのは情報なんだ、コレが勝手な行動によって漏れてたらどうなるかは分かるな?
明日俺らがこの航路を使って移動する、バレてる罠が仕掛けられてる全滅、おわかり?
さて罰の重さについてだが、俺達は仲良しこよしの学園生活の課外授業をやってるんじゃない実戦をやってるんだ、いわば俺達は軍属なんだよ、殺し合いをする為に集まり計画してるんだ、じゃ~敵内通者の罰は?死刑に決まってるだろうが、裏切者なんだぜ?見せしめのためにも即刻死刑にするべき、対価を貰って捕虜みたいな扱いにはならんのだよ理解しろ、それに合わせて内通者によって受けた被害は上司にも責任がある、その責任の所在をはっきりしておいたのだラシャラにあるとな、これだけ聞いても理解できないか?」
「・・・・」「・・・・」
「死刑執行を俺直々に執り行う、遺言でも書いておくらいの時間はやる、明日の朝10時に死刑執行を執り行う、俺は死刑執行の段取りを指示して自分の戦艦に戻る」
言いたい事だけ言って戦艦へ戻る、どうせ逃がす事くらいは分かってるからだ、死刑執行の指示もせず、操縦室でふんぞり返ってると剣士が話しかけて来る
「相変わらず厳しい事を言うんだね、逃がしちゃうんじゃない?」
「だろうな」
「じゃ~なぜここに居るの?」
「ん?恐らく逃がした後、ラシャラも逃走するはずだからだ、スワンを沈める子供のおもちゃにしては大きすぎるから勝手な事をするんだ、無くなればいよいよ気が付くだろ?自分の力の無さと愚かさに」
「そんなことしたら完全に第三勢力になってしまうんじゃないの?」
「なるだろうな、しかしそれでいい、その後俺達はシトレイユへ向かって国を立ち上げる、三国志ってか?」
「そんなこと考えてたの?」
「いいや暫定国家だな、ババルンも教会もうんざりと言う奴らの受け皿になればいい」
そして俺達の予想通り、2名の含む数名が夜の暗闇に紛れて逃走するのを確認、甘いんだよ、こっちの監視システムを知らないからでもあるんだけどね
「ちょっと行って来る」
「可哀そうに・・あまり手荒なのは駄目だよ」
「ヘイヘイ」
そして聖機人に乗り込んで、一気にファンネルを使って逃走に使ってるエアバイクを破壊する、そのまま聖機人を降りて墜落現場まで行き
「すまんが拘束させてもらう」
「な・なんで・・・」
「うっ・・・」
そのまま有無言わさず拘束し、戦艦の独房室へ監禁する、そのまま監視を続けていると明け方に差し掛かる頃にスワンが動き出すのを確認
「いや~面白いくらいに予想通りに動くね、バカなのかな?」
「可哀そうに、僕は出なくてもいいよね?流石に可愛そ過ぎるよ」
「どうしよっか?人質を使うほうが面白いか、一気に沈めるのが面白いかどっちかな?」
「どっちも最悪だと思うよ僕は、けど人質は良くないよ」
「了解、一気に沈める」
回線を開いてスワンに通信を行う
「こちら戦艦アークエンジェル、スワンの出航は聞いてないがどう言う事だ?」
「私らはもう貴様に付き合いきれんのじゃ、勝手にやらせてもらう」
「了解、そのまま1分以内に止まらない場合は攻撃を開始する、止まる事をお勧めするが?」
「ふん!勝手にすれば良かろう」
「了解した」
そして通信を切ると、戦艦を動かしてスワンの直前まで一気に加速して近寄る
「これよりスワンを落とす、死にたくない奴は逃げ出せ」
そして戦艦の主砲がスワンを貫通させる、見事な大穴が空きそのまま航行不能となって落ちていくのに合わせて、とどめの1発を打ち込み完全に撃墜した
「くだらん、子供の浅知恵にも困ったものだな、さて学園長はどう言う反応をするのやら」
そして残骸から動く所を次々と捕えていき、ラシャラの捕縛にも成功する
「離せ離すのじゃ!!」
そのまま無表情でラシャラの顔を蹴り飛ばし黙らせ顔に足跡と血のりを付けた彼女を独房へ放り込み、次の作業へ向かう
全ての生き残りを捕縛し、独房へ入れると一休みする為に3時間ほど仮眠をとった
起き上がり準備を整えた後、学園長に回線を開き、スワンの撃墜を報告する
「スワンは完全に撃墜した、それと昨夜に逃亡した2名を此方が預かっている」
「な・なんという事を!貴方には慈悲は無いのですか?」
「浅はかにもほどがある、俺達は教会本部による俺達への宣戦布告と受け取らさせて貰う、この一連の件は遺憾ともしがたい事であり、このまま俺達は教会とは決別すると同時にシトレイユに対して軍事行動を開始する、この発言は宣戦布告である」
「なぜシトレイユなのです?」
「言う必要性を感じませんが?」
「世界を戦乱の渦に巻き込むつもりなのですか?そんな事をすれば戦火は拡大するばかりとなります、今一度考え直して頂けないでしょうか?」
「拡大させたのは貴女でしょ?今更それについて話し合う余地を感じませんが?」
「なぜです、私が悪いと言うのですか?生徒の命を助けたいと願う事がそんなにいけませんか?」
「戦争を始めたのが自分ではないと言いたげですが、防げなかった時点で貴方にも重大な責任があるんですよ?泣き言いってたら見逃して貰えるなどと思ってるから人を次々に殺ししていくんだ、にもかかわらず最低な指示を出してしまう、戦争になった時点で貴女は身を引くべきだった、貴女は教育者であって指導者ではないのだから」
「ではどうしたらキャイアさんが助けられたのですか?」
「もっと俺の言葉を精査し検討した上で行動すれば、最初の指示を貴女方は守ったはずだ、そうすれば第三勢力は出来なかったし、スワンの乗組員も死なずに済んだ、違うか?」
「分かりました、我々は強化本部へは行かず何処かへ姿を隠します、もう人が死んで行くのを見ていたくはありません」
「結局自分の非を認めず逃げ出すのですね、それもいいでしょう教会本部が敵前逃亡をどう扱うのかを楽しみにしています、それでは」
こうして学園長は、後を教皇の孫であり学園の生徒会長も務めるリチアに全てを託し、希望者達と共に表舞台から永遠に消えるのだった
教皇は戻ったリチアと共に、今回の経緯を聞きながら大きな画面に先の戦いの録画を見ながら耳を傾けていた
「あれはもう戦争に魅入られた野蛮人ですわ、何時バルルンと合流してもおかしくありません」
「ふむ・・なんという愚かな、このままでは教会の機能が次々と失われていくのを見ている事しか出来ぬ、敵に回すべき相手ではなかったな、彼らが敵となる様では聖機神へは教会とて対抗する手立てがない」
「しかし戦闘記録を見る限り十分聖機師で対抗できていますわ」
「そういう問題ではないのだ、ガイアの盾を持った聖機神に対抗する手段など何処にもないのだ」
「野蛮人は折り合いさえつけば自分達だけで落とせると言ってましたわ」
「その折り合いと言うのが、全ての抹殺そして聖地を更地にしてだと言うではないか、その様な手段を持ち合わせてるなど到底思えん、しかし試してみる価値はあるとはいえ敵対してしまっては法外な要求をして来ることは間違いなかろうて、だが一度ワシ自ら赴き会談をするべきであろうな」
「おじい様自らですか?」
「そういう事態になっておるのじゃ、各国にも既に戦火は広がっておる、テレポートの施設を使ってな、よもやその様な方法を見抜いておった者がおろうとはのぉ」
「同じ野蛮人だから分かったに過ぎませんわ、まともな人間なら思いつく方がおかしいのです」
そして戦艦アークエンジェルとのコンタクトを取りつけると、教皇自らが話をしたいと言って来るのでとりあえず回線での会談をする事に、簡単な挨拶と自己紹介の後に話が進む
「貴殿は旧シトレイユ皇国の場所を既に占拠し終えてるばかりか建国したと申されるのか?」
「ええ、ここは現在トリステイン王国と名を変えて建国しました、俺はトリステイン王国の国王シスイ・メア・トリステインと名乗っています、この建国はババルン王を始め、ハヴォニア王国、シュリフォン王国も認めており教会には近日中に連絡する所でした」
「貴殿はババルン卿に対して敵対しておったのではないか?」
「ええ、しかしお互いの利益などをすり合わせた結果、停戦条約を条件にトリステイン王国の建国を認めさせました」
「それで貴殿らは我々教会にどのような事を求めておるのじゃ?」
「求めているのは其方でしょう、我々から会談を申し込んだ訳ではありませぬ故」
「我々の要求は、聖機神とガイアの盾の破壊の協力を要求したいのじゃが」
「それは此方の条件を飲むという事でよろしいのですね?」
「そちらの条件を聞きたい、何を求めるのだ」
「まずトリステイン王国の建国を正式に認めて頂きたい、さらに破壊を行っている間の足止めを教会が主導で行ってください、聖機神をおびき出せればいいです、それと聖機神のパイロットであるメザイア・フランことドール・サードの所有権を頂きたい、さらに破壊の成功報酬として100兆円を要求します」
「ワシ一人で決めかねるのでな一度会議の議題に上げておくとしよう、それで成功の見込みはどの様にして証明する?」
「24時間以内に教会本部を更地にすれば信用できますか?」
「なっ!なんじゃと?」
「戯言と思うならやらせてみては?」
「お主何を隠しておるのじゃ?」
「言わなくてはならぬ理由を教えて頂けますかな?、俺は全て成功報酬でいいと言ってる、失敗してもそっちが負うのはおびき出すまでの戦費でしょう?」
「しかし成功報酬にしては額の桁が違いすぎる、教会の年間予算を遥かに超えておる」
「しかし聖機人の関係で使うより溜まる方が多いのでは?他にも色々と収入減があるようですし、この機会に使っては如何ですかな?」
「ワシだけでどうにか出来る額ではない、それを含めて協議させてほしい」
「分かりました、しかし現在まだ聖機神の修復は済んでおりません、修復が済んだ後の依頼は1000兆円となります故、返答はお早めにする事をお勧めしますよ」
「わ・分かった急いで協議致そう」
そして会議の後、教皇は重鎮達を招集し会議をし方向性を決めるのだが額の大きさに頭を抱えると同時に、他の報酬の精査を行うが、シスイの狙いなど分かる訳もなく、結局ドールに関しては認め、王国も既に他の国々への根回し済みという事も分かり認めざる得ないとして受け入れる、しかし金の部分は交渉すべきという事で決着するが、当然の様にシスイは減額に応じて破壊の手を抜くと言い突っぱねてしまった為、結局言い値で決着する事となった、おびき出す作戦の為に各国への協力を仰ぎ、どうにか数日の間に足並みを揃えて作戦が決行される事となった
どうにかして聖地を奪還したい教会は聖地への正面突破をすると言い張り、おびき出せるのならばという事でそれを受諾
遥か後方で待機する俺達の乗る戦艦は戦いの様子を眺めているのだった
「さて、どうなることやら」
俺の側には剣士とユキ姉そしてメイド部隊が操縦室で戦いの様子を見ている、建国に伴い天地村を解体し、残る住民、トリステイン王国へ行く住民に分かれたのだ、残った村の住民はフローラに任せた、その対価という名目でラシャラ達を引き取って貰ったりもしてる
そして俺が国王になると同時に、剣士にはマスクの着用を義務付けると共に、女性に話しかける事を禁止した、その条件での同伴を許し行動を共にしている、メイドにも厳重に剣士とは関わらせず徹底してる事から、他の関係者も剣士を腫れもの扱いしてるので大丈夫だと信じたい
「やっぱり関所から籠城してるな、時間がかかりそうだし済まんがお茶のお代わりを全員に淹れなおしてやってくれ」
「畏まりました」
その後数日をかけて攻めるが、攻め切ることが出来ずに結局は立て直す為に撤退となってしまうシュリフォン王国がかなり頑張っていたが、他が弱すぎたのと守る方が有利過ぎたのが原因だ、その後に聖機神が復活すると関所の上から攻撃を仕掛けてそのまま引っ込んでしまうが、戦局はこれで一気に敗戦ムードとなり瓦解する
その後、体勢を立て直すべく戻って話をする事になったが、復活の報告は会議の参加者に絶望を植え付ける事となった
「もうダメだ、これでもう世界は終わりだな」
「あんなのどうしろって言うんだ、おびき出すどころの話ではない」
「おびき出したとして本当に勝てるのか?アレの異常性は尋常ではないぞ」
次々と負の言葉が飛び出すのを黙って眺めるシスイは
「それで今後はババルンに、どれくらいの譲歩が望めるかの交渉になるのですか?」
「・・・」「・・・」
皆が押し黙る中、シュリフォンの国王は
「全てお任せした場合、どれ程の額になる?出来るのであろう?」
一斉に俺の方を見る要人達はすがる思いで俺の方を見る
「先の条件に加えて1000兆円と、聖地における権限の全てだ」
「分かった飲もう、それで何とかなるのならやって見せよ、トリステイン国王よ」
「分かった、作戦実行は明日にする」
契約書を交わし、正式に受諾すると握手を交わして交渉は終わる
戻った俺は、作戦を話し合う為に戦艦へ戻り打ち合わせをする
「ようやく終わる、めんどくさい様々な段取りが続いたが明日全て終わらせる、後少しの間だけ俺に付き合ってくれ」
「「「「はい!」」」」
そして翌日トリステイン王国の聖地奪還作戦が決行されるのだった