柾木家に喧嘩売るとか正気ですか?   作:ぐれむりん

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入学

 

「新入生代表マグノリア・トリステイン!」

 

「はい!」

 

ようやく入学式を迎え、息子の新入生代表の挨拶を聞きながら生徒に交じって潜入してる俺はまだ誰にもバレていない

 

式が終わり、数日前から寮生活も始まったが、やっぱ普通が一番だよな、生活の全てを自分達で行う、人間らしい生活だと言えるだろう

 

マグノリアは必死で俺を探してるみたいで、壇上に上がってもやたらきょろきょろとしてた、まったくお前に見つかる俺ではないのだよクックク

 

入学式には、ユキネを始めとする顔見知りの奴らも居たが、お前らも探し過ぎだっての、不審者と思われるぞ、俺が何に策も無しに来てると思ってたのかね?

 

ちなみに知ってるのは1人しかいない、もちろん此処にはおらず学園長ですら把握してないのだ、おまいらに分かるはずないだろうが

 

さて俺が前に来た時と学園が大きく変わった点は、今年から上級生とか下級生と言う部分が廃止、下級生は中等部という名称となり、基本的に10歳から15歳の為に基礎学と聖機師としての基礎を学ぶ事になり、上級生は各学部への入学となる事が大きな変化だ

 

学園都市計画の建設が始まり、聖機師の為の聖機師養成専門学部、聖機工と機工人の為の聖機師工業学部への進路が選べるようになった、但し能力の高い聖機師と男性聖機師は有無言わさず聖機師育成専門学部への入学が義務付けられている、コレには俺は反対したがやっぱ色々と無理だった・・残念

 

本当は他にも学部が出来るのだが、今は試運転的に2学部にして様子が見たいらしいのと、建物の建設がまだ途中なのが原因だ

 

 

 

さて大きく変わったのは学部についてもあるが、もう1つ厄介なのがあったのだ、まさか学園がここまでバカだとは俺も聖地へ来てびっくりした、ダブルオー、クシャトリア、剣士の聖機人、ユキネの聖機人の銅像が聖機神の代わりに鎮座してるんだ、よくもまぁダブルオーをここまで再現したなって位な精巧な作りで、おもわずパクられたのでは?と見に行こうかと思ったくらいだ、こういう嫌がらせはフローラだろうと決めつけて、後で仕返ししてやると決めると、その場を離れた

 

ちなみに機体中央には俺の銅像まであったので、こっそり破壊しておいた、流石に怒りが有頂天だっての!

 

その後は勿論大騒ぎになったが知るか!!

 

 

 

 

さて授業が始まり、至って普通で内容も分かり切ってるので苦痛な授業内容だがバレる訳にも行かないので我慢して授業を聞いてると、下の席に座ってる女の子達が何やらひそひそ話を始める、内容はマグノリアの事だ、どうやら既に女子のハートをガッチリ掴んでるらしく、我が息子ながらイケメンシネ!と言いたいが、これはこれで大変な事を経験してるので、逆にガンガレと思いつつ初々しい話を聞きながら過ごした

 

そして授業が終わり、教室を出て行こうとすると、同じ男性聖機師の学友に話しかけられる

 

「君はシュリフォンから来たんだよね?」

 

「うん、君はハヴォニワからだったよね?マルコ君」

 

「今から闘技場行って見ない?なんか昨日騒ぎがあったみたいなんだ、気にならない?」

 

「へぇ~そうなんだ、気になるね!」

 

(や・・やばい、銅像の件だろうけど・・断る訳にも行かんな)

 

そして一緒に他の男性聖機師も誘って見に行くことになってしまう、クラスには俺を含めて5人の男性聖機師が居る、全員がスレてもなくいい奴ばかりだ、話をしながら闘技場へ行くと、人だかりが出来ており見下ろす形で中の様子を伺う

 

「んで結局何があったんだ?あのダブルオーが動き出したとか?」

 

(おいおい10歳児にまで知れ渡ってるのか・・)

 

「さぁ~何だろうね、ここからじゃよく見えないね」

 

「ダブルオーはかっこいいよね、アレが動いてたなんて写真でしか見た事無いけど、授業で動画とか見られないのかな?」

 

「いくら何でも無いんじゃないのかな?アレって聖機人じゃないんでしょ?」

 

俺は冷や汗が止まらず話を聞くしかない状態だ

 

「あ~あ、やっぱ工業課に行かないと見られないのかな?、女性聖機師がうらやましいよ」

 

「なんだよ、お前工業課行きたかったのか?」

 

「そりゃそうだよ、ダブルオーはロマンだよ、あの姿を写真で見た時から僕の心はダブルオーにあると言ってもいいね」

 

「そこまで行くと若干引くって、けど少し気持ちが分かるかも」

 

「「「うん」」」

 

(なぜ俺も同意しなきゃならん、これもあんなのを銅像にするからだ!)

 

「あーーーっ!」

 

「なんだよマルコ突然大声を上げて」

 

「分かった・・・真ん中で鎮座していたトリステイン国王陛下の銅像が消えてるんだよ」

 

「「「「ホントか?」」」」

 

(随分と俺も慣れたもんだぜ)

 

「なにか国王陛下の銅像にあったんだよ、絶対にあったの覚えてるもん」

 

「なんで一国の国王の銅像なんか置いてあるんだ?」

 

「ばっ!バカ!!君は何を言ってるんだい!!そんな事を他では絶対に言ってはいけないよ、皇太子殿下にでも万が一聞かれたら殺されてしまうよ!新入生代表の挨拶で姿を拝見しただろ?」

 

(不味った・・ついつい口が・・)

 

「そういやクラスの女子も色々と話してたっけ?」

 

「そう、かの英雄王にしてダブルオーのパイロット、世界最強の国家にして全世界のあこがれとも言うべきトリステイン国王陛下だよ、僕なんか陛下が卒業された同じ学園に来た事もあるけど、何より皇太子殿下と同級生になれるってだけで、故郷では英雄視されたほどなんだ」

 

他の全員がドンビキしてる、マルコェ・・

 

「原因も分かった事だし帰ろうぜ、初めての授業だったし疲れたから休むよ」

 

「あ~そうだな、マルコの事も良く分かったよな」

 

「「ハハハハー!」」

 

 

 

 

 

一方のマグノリアはと言うと、入学する前からソワソワしていた、まさかあの偉大なる父王殿下様を差し置いてまさか自分が、新入生代表となるとは思っておらず、昨日になって原稿が手渡されると、渡した相手に色々聞いたが父王殿下様の様な方の入学は聞いておらず、即座に王宮へ連絡を取って話を聞くと、確かに今年度の入学をしてるはずだと言う、なら何故?と聞けばお忍びだからという

 

そうか、僕は試されているのだなと思い原稿をチェックして明日に備えた

 

そして入学式中も壇上で挨拶をしながらも新入生の1人1人を確認するが、居ない・・・

皇后様の方を見るも首を振るだけだ、一体どう言う事なのだ入学されていないのか?

 

しかしその不安もとある事件により、僕の怒りはかつてないほど燃えた、事もあろうに父王殿下様の銅像が破壊されたとの報を聞きつけ授業が始まってるのにも関わらず駆けつけた、現場は闘技場で既にテープが張られており入れない様になってるが、関係者だと言い入らせてもらうと、無残な姿の父王殿下様の銅像を前に崩れ落ちる

 

「おのれえええ!!我が国への反逆者が居ると見える!必ず犯人を捜し出すのだ!!」

 

血の涙を流しながら捜査員に睨みつけそう言い放つと、その場を後にして王宮へ軍の編成をするように言いつけると、部屋から出て学園長室へ向かい、目の前に鎮座する学園長に

 

「父王殿下様の銅像を破壊した反逆者が居る即刻炙り出す手配を致せ!」

 

「どうしたのですか?マグノリア皇太子殿下、貴方授業中ではなかったのですか?」

 

「その様な細事などどうでもよい!」

 

「はぁ~・・・皇后殿下」

 

「何をやってるの?マグノリア」

 

客員用の席で座っていたユキネは、突然の息子の暴走に頭を抱えつつも、親子そろって授業初日を抜け出すなどとは思ってもおらず、学園長に謝りつつマグノリアと話をする事に

 

「あ・・え?・・・皇后様?」

 

まさか自分の母がここに居るとは思っても居なかったマグノリアは、恐怖で顔が歪む

 

「全く、親子そろって授業初日を抜け出すなんて、どうせ銅像の事なんでしょ?」

 

「はい!今しがた反逆者にやった事の罪を思い知らせてやる為に軍の編成を要請を致しました、もうしばらくお待ちください必ず炙り出して見せましょう」

 

「犯人は国王陛下よ、頑張ってみるのね、きっと喜んでくれると思うわ」

 

「はぁ?」

 

思わず間抜けな声が出てしまうマグノリア10歳、精神年齢は多分50歳は言ってると思わしき少年の間抜けな顔に、ユキネは顔を引きつらせながら

 

「そんな顔も出来るのですねマグノリア、いいですか?国王陛下は勝手に自分の銅像を置かれて恥ずかしかったのよ、これで陛下が潜入入学している事が分かって助かったわ、まさか学園長にすら話してもないんですもの、学園に行くと言いつつ何処かへ行ってしまったのかと思ったけど良かったわ、学園長このまま私は帰ります故、後の事はお任せします、それと国王陛下からの伝言ですわマグノリアを含むトリステイン関係者を優遇する事を禁ずる、以上です」

 

「わかりました皇后陛下、さてマグノリア君は何故授業を抜け出したのですか?」

 

「あの・・その・・・申し訳ありませんでした」

 

「しでかしてしまった事は仕方ありません、ちゃんと自分で話をして来るのよ?いいわね?」

 

「・・・はい」

 

そしてトボトボ俯き歩いて行くマグノリア、国に連絡をして色々と謝って編成を取りやめて貰い、教室に戻ると色々の子から心配されたのが余計に辛くなったのだった

 

授業も耳に入って来ず、初日からまさか自分がこの様な失態を犯すとは情けなくなり、教科書で顔を隠しながら涙した

 

授業が終わり、女子生徒が色々と話しかけてくれる、どうにか気持ちを切り替えながら、皇后さまの言葉の中にあった、国王陛下が潜入入学しているという事が気になり他の男子生徒に視線が移る、ボクを含めて男子生徒は4名しかおらず、学年を通しても14名しかいない、その中に父王陛下様が居るのだと思うと気になってしまうが、今はせっかく話しかけてくれた女子との会話を楽しむことにした

 

「皇太子殿下は、銅像が壊された件で途中授業居なかったんですよね?」

 

「僕の事はマグと呼び捨てでいいですよ、ここでは国王陛下様から一般の生徒として扱う様にって言明されてるので」

 

「流石にそこまではスグには抵抗があるかな~他の子達の目もあるし、マグ様でいい?」

 

「うん、銅像の件は終わったよ、ちょっと色々あってショックだったんだ、話しかけてくれてありがとう気がまぎれたよ」

 

「それなら勇気を出して話しかけた甲斐があったわ、それで誰がやったの?」

 

「そ・それは言えなんだごめんね」

 

「そっか~さっき出て行った子達は、現場を見に行ったみたいだよ」

 

「そう言えば父上の機体の銅像もあったんだっけ?」

 

「そうだよ、すごいよねー初日に見たんだけどさ、めちゃくちゃ綺麗で本物は写真で見たんだけど、マグ様は本物を見た事あるんですか?」

 

「うん1度だけ、ほんの少しダブルオーを見たよ」

 

「やっぱ皇太子でも、少し見る程度じゃ触る事とか直接見る事なんて夢のまた夢なんだろうな~」

 

「ははは、君もダブルオーが好きなのかい?」

 

「うん!すっごくかっこよくってー威厳があるじゃない、聖機人もすっごくいいんだけど、私は断然ダブルオー派なのよ」

 

「私は皇后様の聖機人が好きよ、私もあんな聖機人だったらいいなぁ~」

 

「それでマグ様はどの機体が好きとかってあるんですか?」

 

「僕は・・・やっぱダブルオーかな、外から動いてるのを見た唯一の機体だからなのか印象深いよ」

 

「他のは見た事無いのですか?」

 

「うん、無いよ」

 

「そっか~本物の皇后様の機体を見た感想聞きたかったなぁ」

 

「ははは、何かの機会に見る事が出来るといいね」

 

「マグ様の機体ってどんな感じなの?」

 

「僕のかい?母上に近いと思うよ、残念ながら父上の様にはいきませんでした」

 

「そうなんだ、マグ様の機体って皇后様に近いんだ~楽しみだなぁ」

 

「マグ様としてはトリステイン国王陛下の様な機体が良かったの?」

 

「そりゃそうさ、聖機師の頂点なんだから」

 

「「へぇ~」」

 

 

 

こうして学園生活がスタートした、しかし一向に国王であるシスイの足取りがつかめず、聖機人お披露目には各国の国主達が噂を聞きつけ楽しみにしていたのにも関わらず、普通に終わってしまったのだった

 

「一体どう言う事なの?!確かに全生徒が騎乗したのよね?」

 

フローラ殿下は、資料を見ながら、この不可思議な現象をユキネに聞いていた

 

「・・・そのはずです」

 

「属性を変更してたって、あの規格外の性能までは隠せるわけがないのよ・・一体」

 

「お母さま、トリステイン国王陛下は、あのダブルオーを開発した方ですのよ、何かを下に決まってますわ」

 

「やってくれたわね、まさか無駄足になるだなんて、私達はいい笑い者って訳かしら・・・フフフフ」

 

黒いオーラを纏いながらフローラがプルプル震えているのを見て周りは距離を置く

 

一方の学園側では、もしシスイが誰なのか判明したら、即座に模擬戦に組み込むための準備が進められており、結局分からずじまいとなって急遽、マグノリアが相手をする事となり、上級生代表はシスイが潜入をしてる事など知らず、準備に取り掛かっていたが

 

「ミーシャ残念だったね、相手の子が隠れた世界最強じゃなくって」

 

「・・何の話だ?相手の新入生代表はかのトリステインの皇太子殿下であるぞ、油断など出来るものか」

 

「その父君が新入生の中に隠れてるって噂なのよ、本当かどうかまでは分からないけど、証拠が各国の国主達が集まってるのにも関わらず、トリステイン国王陛下だけが来てない、まぁ私達のお披露目の時は各国の国主なんて誰も居なかったんだけどね」

 

「皇太子殿下を見に来ての事ではないと?」

 

「そうよ、おかしいじゃないトリステイン国王陛下だけが居ないのよ?」

 

「ふん、かの御仁が来たのなら大騒ぎになるだろうな、そうなっては運営に支障が出るのを遠慮したのではないか?」

 

「そうかもしれないんだけどさ、居たらと思うとドキドキしない?」

 

「そ・そりゃ~全ての聖機師の憧れだ、気持ちは分かる」

 

「それじゃ~頑張ってね上級生代表!」

 

「ああ、恥をかかぬよう務めを果たすよ」

 

 

そして模擬試合が執り行われる、操縦者の各挨拶から始まり、騎乗してそれぞれがスタンバイをする、操縦席の中でマグノリアは悶々としていた

 

「一体どう言う事なんだ、本当に父上は学園の中にいるのか?」

 

そう呟かざる得なかった、直前まで全生徒が騎乗したがその中に父上の機体らしき姿はなく属性を変えて来るだろう事も見越して騎乗の際に計測もしていたのにもか関わらず判明する事が無かった、仕方なく表面上は自分が模擬戦に参加する事になってはいたが、納得できないでいるマグノリアの呟きに管制室から

 

「集中しなさい、相手は上級生代表よ考え事をしていたら一瞬でやられるわよ、恥をかきたいのですか?」

 

「はい、すいません!」

 

言われて気づく、そうだ父上が何らかの方法を取って隠れているのならば、この僕の姿を見ておられるのだ、無様な姿を見せる訳にはいかないと対戦相手を見据えるマグノリア

 

 

一方の噂と騒ぎの張本人と言うと、遥か上空から模擬戦の様子を見ていた、カラクリは簡単だ替え玉である、義理の父でもあるシュリフォン王に頼んで替え玉用の人を借りて、時折入れ替わってるのだ、しかしなるべく学園生活をしたいシスイは計測の様な時を除いては生徒として居る為に、なかなか判別つかないだろう、替え玉君も今回は亜法酔いと称して医務室にいてクラスメイトと極力接触を避けている

 

「コレを見たら入れ替わるかな、しっかしやっぱマグの奴になったな、さて何処までやるかな」

 

 

 

そして模擬戦が始まり、同時に距離を詰めていく両者、射程距離になりマグノリアが短銃を使い牽制する、それを盾で防いでいく上級生は動き回りながら的を絞らせない様に、相手の周りを回るように隙を伺うと、大きく外した銃口の隙をついて一気に急加速して切りつける

 

「よし!乗って来た!!」

 

マグはわざと隙を見せることで急接近して来た相手に向かってカウンターを取る、そのカウンターが綺麗に入ってしまい直撃を受けた相手は移動不能となって勝負が決まってしまう

 

 

上空から観察していたシスイは、あっさりと決まってしまった勝負に

 

「あんれま、マグレみたいなカウンターで決まっちゃったな、相手の子可哀そうに」

 

 

 

 

一方の来賓席でも、シスイと同じ様な評価をするフローラと、流石皇太子殿下だと言う声の2つに分かれた

 

「流石であるな、かのトリステイン王の再来と言ったとこでしょうな」

 

「相手の子気を落とさなければいんだけど、マグレに近い形で一瞬だなんて」

 

「仕方がないですわお母さま、コレも勝負の時の運ですもの」

 

「そうね、コレを見ているであろうシスイ君はどう感じてるのかしらねユキネさん」

 

「息子が図に乗らない様にって危惧してるって思いますよ」

 

「来ると思う?」

 

「さぁ~半々かしら」

 

 

 

 

そしてユキネの予想は的中しており、上空ではシスイが出陣の準備をしていた

 

「やれやれバカ息子が調子に乗って俺を呼ぶとはな」

 

そうなのだ勝利宣言の後に、元の位置に戻ったマグがマイクで

 

「所詮こんなものだ、上級生などとデカい顔が出来なくなって残念であったな!実に退屈な模擬戦であったぞ!」

 

っとあからさまに俺を挑発したのだ、こんな事を言う様なマグではない事は知ってる者なら分かる、ならばこれは俺への当てつけなのだ

 

「おい!あのバカにお仕置きをする、上空から1時間後にクシャトリアが参上する、代表選勝利者の褒美だとでも何とでも言え、この俺シスイ・トリステインが1時間後に来るとな!マグノリアを準備させておけ!」

 

俺は上空から生徒会執行部のコントロール室に連絡を取って一方的に言いたい事を言うと回線を切って準備にとりかかる

 

一方の執行部は、いきなりのトリステイン国王陛下からの通信に呆然とする事となった

 

「至急学園長へ!、それとマグノリア君にもだ!!」

 

「来賓席はどうされるのですか?各国から王侯貴族が来てますが」

 

「後にしておきなさい!一大事よ!!」

 

執行部は蜂の巣を突いた様な騒ぎとなり、各メンバーが各所に連絡を取っていく、その報告はマグノリアにも告げられると

 

「本当なのですね!」

 

「ええ、なんだか嬉しそうにしてるけど、大丈夫なの??」

 

もちろん稼働限界の話だ、亜法による負担は軽くはないのだ、1時間後とは言え心配する執行部員の先輩を他所に、マグはやはり見ておられたと感激するのだった

 

(無理に挑発をした甲斐があったと言う物、伝説の機体クシャトリア・・)

 

話などで聞いていたが、姿を実際に見たと言う事はなく、胸躍るのを抑えられないマグノリア

 

来賓席でもユキネ達にも執行部からの連絡が来る

 

「ユキネさんの予想通りね、よくぞあのシスイ君を挑発してくれたわ流石マグノリア君ね」

 

「相変わらず単純よね、見え見えの挑発に乗るなんて、それで生徒の方に動きのあった子の調査はさせてるんでしょうねお母様?」

 

「あ・忘れてたわね、ツイツイ嬉しくなっちゃって、いいじゃない詮索は無粋よ」

 

「相変わらずなんですから、私の方で調べますわよ?」

 

「そう、行ってらっしゃいなマリアちゃん」

 

しかしフローラにはその程度の詮索で見つかるなどとは考えておらず、ユキネと一種に楽しむ事した

 

 

 

そして1時間後きっかりに全生徒が見守る中、上空からコクーンが急降下してくると、会場からは大盛り上がりとなった

 

「本当に来た!」「あれが伝説の?!」「やべええ!なんツーかっこいい登場だよ!」

 

コクーンは闘技場へ来るとゆっくりと着陸し、シールドモードのまま待機し

 

「よぉ~コレを見ている諸君、俺がシスイ・トリステインだ、バカ息子に仕置きをしてやることにした、よりにもよってこの俺を挑発するとは、いい度胸だマグノリアよ!対戦相手のミーシャ・フロント、実に良い素質を持った聖機師だ、その名誉をまぐれで勝利を収めた程度で調子に乗るなど笑止千万!

この俺自らミーシャの無念を晴らすべく大人げなくも乱入した無礼を許せ、俺も学院生徒故な模擬戦への参加資格はあるはずだ!」

 

「シスイ・トリステイン様が本学生生徒である事とを認め追加の模擬試合を執り行います、両選手は戦闘準備を行ってください!」

 

執行部から正式に模擬試合が行われると発表すると、会場は大盛り上がりとなった

 

「あれがクシャトリア、唯一聖機人の中で名称を持ってると言われる機体」

 

「すげーー!!なにアレ!」

 

「けどどういう事なの?あからさまな挑発って?」

 

「分からないのかよ、マグノリア様は対戦相手にあんな事を言う人柄じゃないんだ」

 

「あ・そういう事なんだ、けど行き成りなんでこんな場所で?」

 

「色々とあるんじゃないのかな?王族ってのはさ」

 

「いいじゃんいいじゃん!めちゃくちゃ凄いんでしょ?どう言う闘いになるのかな?」

 

 

 

 

来賓会場でも、少々の騒ぎになっていた

 

「やはり潜入されておったのですね、ユキネ皇后陛下様」

 

「・・・お恥ずかしながら」

 

「しかし来たかいがあったと言う物、流石は殿下ですな、サービス精神を忘れないとは、かつてないほどに盛り上がっております」

 

「今回は使うのかしらね?」

 

フローラは皆が忘れかけていた代物が登場するのでは?と興味津々で合った

 

「・・・・・出ないと思いますよ」

 

「ああーーん!マグちゃーーん頑張って引き出すのよーーー!!」

 

女王陛下とは思えない行動にマリアが母を止めるが、もう言う事を聞く感じにない

 

 

 

 

 

そして模擬戦闘が開始されると、指定された位置からシスイが

 

「テメーの要望通り来てやったぜ、少しは骨のある所見せて貰おうか」

 

「ありがとうございます父王殿下様、初めて拝見させて頂きましたが・・・それは?」

 

「ああ~あまり知られてないんだったな、これはシールドモードだ機動力と防御力に特化した形態だ、クシャトリアは変形型の聖機人なんだ」

 

「話にだけは薄っすらと聞いておりましたが、まさか本当に卵型だなんて・・」

 

「かなり早いからな、目だけで追うんじゃない感じろ、そうしなければ無様を晒すことになる」

 

「はい!」

 

そして戦い前のこの会話は、会場にも届けられており、観客席からは様々な声が聞こえて来た

 

「変形型ってそんなのありなの?」

 

「やっぱすげーー!俺達って歴史の生き証人になってるんじゃ?」

 

「凄い綺麗よね国王陛下の機体って宝石みたいじゃない?」

 

「見る事さえ叶わぬとされた、聖機人に搭載された初めての武器であるファンネルの事なの?出るのかな?」

 

「さぁ~あまりそれって知られてないよね?なんか昔は各国が競って再現化に向けてたって聞いたけど、結局ダブルオーと言う魅力の方が強くなって隠れちゃった武器だよね?」

 

「うん、けどいまだに研究しているチームがまだあったはずよ、ここに来てないとしたら悔しがるでしょうね」

 

 

 

 

模擬戦開始の合図と共に、姿を消すクシャトリア、消えたのではなく急発進による目の錯覚だ時折見える残像が機動力の高さを窺い知ることが出来る

 

シスイも真っすぐに移動するのではなく緩急を付けて移動をしているので残像が時折見えるのだ、そのまま直前まで来るとアタックモードでマグノリアの機体へ切り付け様とするが、あっけに取られていたマグノリアの状態を見て蹴りに切り替え吹き飛ばす

 

「寝ぼけてんのか?ぼけがああ!」

 

大きく吹き飛ばされて壁に激突したマグノリアの機体、それを見下ろす様にクシャトリアの中から罵声が飛ぶ

 

「そんな無様を見せる為に、この俺を呼んだのか?舐めてんのか貴様は?」

 

「・・・いえ、その様なつもりは毛頭ありませぬ」

 

「ならさっさと立て!」

 

マグノリアは、一瞬で目を覚ました、罵倒よりもさっきの攻撃は決まって居たはずだ、あの一瞬の間に武器ではなく蹴りに変えたのを見ていたマグノリアにとって屈辱以外の何者でもない攻撃だった

 

即座に立ち上がり武器を構えると、シスイに向かって叫び声と共に攻撃を仕掛ける

 

「うおおおおおおおお!!!!」

 

その攻撃を持ってる武器で次々と捌いて行くシスイ、マグノリアも必死になって追いかける、他の生徒から見れば善戦しているように見えるが、攻撃を仕掛けているマグノリアは、遠く果てしなく遠い背を追いかけていた

 

(なぜこうも強いのだ、まったく戦ってる気がしない、それどころか当たるのかこれは?)

 

徐々に攻撃が単調になって言ってしまう、何時も剣の修行を見て貰ってる時に注意されていた点だったが、どうしたってそうなって行ってしまう・・が、当然それを許すシスイではなく

 

「おい!何度言ったら分かる!ムキになって剣が単調になってると言ってるだろうが!!」

 

再び鋭い蹴りによって吹き飛ばされるマグノリアの機体、またこの縮図となると

 

「やれやれ学園に入って少々気が抜けているようだな、女の子の尻ばかり追いかけてるからじゃないのか?それを悪いとは言わん俺も同じ事をしてるしな

だからと言って鍛錬を怠る事は同義ではない、漢たるもの何時でも使える様にしておいてこそ、真の漢たる務めであるぞ、貴様は只の種馬にでも成るつもりなのか?」

 

「ぐっ!!」

 

機体を起こして再び構えるマグノリア、耐久時間はもう余りないのを考えて、一筋でも充てるべく攻撃を仕掛けるマグ、それを当然の様に受け流した隙に尻尾を使い、機体を一気に移動させ横からのアタックを試みるが、ぶっつけ本番だうまくいくはずもなく、軽くかわされてしまう

 

「どうしろって言うんですか!」

 

「そう自棄になるなマグ、まぁ及第点だもっと強くなれよ」

 

そして一気に姿を消すと、マグの機体の後方に現れるクシャトリアを横目に、ズタズタに切り刻まれバラバラと落ちていく機体、その落下の瞬間に見たクシャトリアの美しさに見惚れながら落とされるのだった

 

「さてと参考になったかは分からんが、これで失礼させてもらうよ、乱入での参加の無礼を詫びよう、ではな」

 

再び球体のシールドモードで上空へ一気に加速して、加速した勢いのままコクーンを回収して再び上空へと消えたのだった

 

そのまま替え玉君に連絡を取って、入れ替わり医務室から何もなかったように出ていくシスイ

 

一方の会場は、消えた後も暫くの間ポカーーンとして口を開けたまま呆然としていた、聞いてはいたが、アレほどまでの規格外、マグノリアが何も出来ず一瞬で細切れにされてしまうなどとは考えてもみなかったのだ

 

「なぁ?現実だよな?」

 

「うん・・たぶん・・」

 

そして執行部からは何もなかったかのように進行されて行き、そのまま閉会式となった、閉会式を迎えそれでも熱の覚める事の無い会場には帰る事無く、大盛り上がりを見せていた

 

「うわあ、まだやってたんだね」

 

「おう、体の方はもういいのかよ?イタチ」

 

「マルコ何かあったのかい?」

 

「なんと!聞いて驚けあの伝説のクシャトリアが登場したんだぜ、それであの有様だ、さっきの映像があそこから流れてるだろ?」

 

指さす方には、画面に先ほどの模擬戦の様子が映し出されていた

 

「ほぇ~なんでまたそんな事に?」

 

「なんだか良く分からないんだけどな、マグノリア皇太子殿下の挑発に乗ったみたいな会話だったな、学園に生徒として居るみたいなことも言ってたけど本当かどうかまではわかんね」

 

「本当なら会ってみたいね」

 

「ああ、本当だな」

 

その様子を知らん顔で他人事の様に映像を眺めるシスイは、クラスメイトと暫くの間付き合う事にしたのだった

 

 

 

生徒会に呼び出されていたマグノリアは、今回の経緯の説明を求められていた

 

「陛下が今年度の新入生の中に居るって本当なんですか?」

 

「ええ、僕達も探していたのですが、一向に手がかりも掴めず申し訳ありません」

 

「いえ、それならば大変名誉な事なのですよ気になさらないでください、陛下が隠したいと思ってらっしゃるのなら詮索は失礼と言う物です、通常通りにしていればいずれ陛下の方から教えてくださいますわ」

 

「はい、そう言って頂けると助かります」

 

「それにしても貴方も大変ですわね」

 

流石のマグノリアも蚊をが引きつるのを抑えきれず愛想笑いをする

 

「それも偉大なる国王陛下の息子たる務め故、致し方の無い事です」

 

「そう、貴方が納得しているのならいいわ、これからも大変でしょうけど頑張ってね」

 

「はい!」

 

 

 

こうして波乱の聖機人のお披露目会は終わるのだった

 

 

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