聖機人の起動式典は、ながったらしいお話や来賓あいさつの後、順番に生徒が騎乗していき各種テストを行っていく、この日の為に教会から多くの機体が持ち込まれており、生徒達は眼を輝かせてはしゃいでいるのだった、1名を除いてだが
「姫殿下は参加されないのです?」
「私は王侯貴族として入学してるのよお母さまと一緒にしないで欲しいわ」
「羨ましい事で、ラシャラ姫もそうみたいだけど?」
「そうよ、気になるのかしら?」
「別に・・」
マリア姫の豪華な観客席から、みんなの聖機人への騎乗を眺めていると、決められた手順で各自動作試験を行っていた
酢俺を除く全員のテストが終わると、生徒会長から
「今年は優秀な生徒多くが入学して来てくれた事を大変うれしく思う、そして新入生諸君並びに在校生諸君、これより聖機人による代表模擬試合を執り行う、新入生並びに生徒諸君それぞれが彼らを目指す目標となる学園史上最強候補の2名による模擬試合だ!」
「あふぉだ・・原稿を書いた奴後でお仕置きだな」
「あら本当の事じゃないですか」
「上級生代表聖機師ユキネ・メア!前に!全校生徒代表シスイ・メア!前に!」
「まてまておかしいだろ!」
「おかしくありませんわ早く前に行ってくださいまし」
渋々、壇上へ上がる俺とユキ姉、当然生徒会長に殺気を込めた視線を向けると、生徒会長は泣きそうなのを我慢しながら
「この2名が学園最強候補である、これより各自騎乗し模擬戦を執り行って貰う!」
会場は大賑わいとなり、俺の件そっちのけでユキ姉にエールが送られている、人気あるんだ姉さん
そして対戦者同士握手したり、簡単な挨拶をした後それぞれがコクーンの前で待機すると
「行って来る」
「がんばってくださいまし全学園代表様」
「ホント、似て来てるからな?」
「まだ言いますか?けど今は許します」
そしてコクーンに触れて起動させると一気に上空へ飛び出す、もちろん卵の状態であるシールドモードでだ、その姿がモニターに映し出されると異様な姿に困惑した声がちらほらと
対戦相手のユキ姉も騎乗して上空の指定された位置に来て俺の方を向く
「ユキ姉がどれだけ腕を上げたかには興味がある、そこだけはこのくだらないイベントも異議を見いだせるというもの、応援してるから頑張ってね姉さん」
「対戦相手に応援しちゃダメ、前も言ったでしょシスイ」
「わりぃわりぃ~気を付ける様にするよユキ姉」
そして戦いのゴングが鳴り響くと、俺は手に持ってるライフル銃を背中に隠した状態で腰にある剣を出して一気に相手の所まで行くとアタックモードに変更して攻撃を仕掛ける
「っ!」
知ってただけあって、姉さんはギリギリ俺の剣を受け流した後素早く距離を取る
「奇襲はやっぱバレバレだね、普通ならこれでゲームオーバーなんだけどな」
「強くなったのかな私?」
「上級生最強なんでしょ?弱いとか言うと怒られるよ?」
「・・・うん」
今度はユキ姉から仕掛けて来る、急接近して燕返しだ前に教えた夏の終わりとはスピードキレも格段に良くなってる、何度目かの燕返しが切り札だったらしく避け切る事が出来ず被弾してしまう
「なるほどまさか被弾するとは、やるなー姉さん」
「決まったと思ったのに・・・」
「俺以外の聖機師ならね、教えた本人が俺じゃ無ければ深手って感じかな、けどもう隠してるネタが無いのなら決めちゃうけどいい?」
「・・・くやしいけど仕方ないわ」
「了解!」
一気にシールドモードで距離を取ると同時に3機射出し、シールドモードの中で武器を背中に隠していたライフル銃を手に持つと、離れた先でアタックモードになると、来賓席などから色々何かを言ってるのが分かる
「さーていきまっせ!」
俺はライフルを構えて適当に打ちまくるのに合わせてファンネルをうまく使ってユキ姉の手足をハチの巣にしていこうとするがユキ姉は高速移動をランダムにして動く事によって的にならない様にして動き出す
「簡単にはやらせないってか!」
それでもユキ姉が見えてるわけではないので、動くなら動きに合わせるだけとばかりに次々に命中させていく、ライフル銃の方は明後日の方向にしか飛ばしてない分かる人にはわかる分からない人には超長距離からのライフルによる攻撃
結局1分もしないうちにユキ姉の機体は維持する事が出来ず撃沈、落下寸前に胴体部分となってしまったユキ姉を抱えて元の位置に向かうのだった
「おつかれさまユキ姉」
「あ~あ全然だめだった、これじゃ~怒られちゃうかも」
「怒った奴を言ってくれればフルボッコにしてやるさ」
「ダメだよそういう事言っちゃ」
「はーい」
そして姉さんを元の場所へ戻した後、自分の場所へ戻ると歓声が鳴り響いたので手を挙げて答えてやると一層の声援が送られた
その日は祝勝会だとかなんやらで引きずり回されて帰ったのは夜遅くとなり風呂に入ってとっと寝る事になった
翌朝いつもどおりに教室に入ると、特に騒ぎにもならずホッとしていると、尻を撫で回した女性である子が
「やるじゃない見直してさしあげますわエロ餓鬼君」
「そうかよそのツンデレわざとだろ?」
「なっなにがよ!」
「まぁ~いいんだけどさ、珍しいじゃねーかユリア姫の所に居ないなんて」
「貴女には関係がないでしょ!」
「おっ!シルビアちゃんおっはよー!」
ツンデレもどきを無視して入り口から入って来る大人しめの女の子に話しかけて見る、珍しく俺から姫以外で女性一人に対して声をかけるのは初めてで、クラスの女子が全員彼女の方を見る
俺はそれを無視して彼女を手招きすると
「君の機体見てたよ才能有ったんだね結構いい機体だったしデータも改めてよく見させてもらったけど中々いい数値だった、今度一緒に食事でもしながら色々聞かせてよ」
「あ・・あの・・その・・」
「あんたねーー!私を無視して勝手に!」
「すまんお前のは見てなくって知らないんだ、たまたま目に入ったのがいい機体だったからさ調べたんだ」
本当は勿論嘘で、全員のデーターは持ってたりする、当然ツンデレもどきのも
「う・嬉しいです、シスイ君の模擬試合とっても感動しました」
「そう言って貰えると嫌々参加した甲斐があるって話だ」
「そういや嫌がってたのって何でなの?別に強いくらい名誉な事じゃない」
ほぼ全ての人はファンネルについて一切を知らない、見てはしたがライフル狙撃にしか見えなかっただろう
「その答えはシルビアちゃんにどう思う?」
「うう・・ごめんなさい分からないですぅーー」
「っという事だお分かり?」
「おわかり?じゃないわよ全然わからないわよ!」
「それが君の限界だ、その程度だと聖機師になれず浪人だぞ?」
「うっさいわねーーっ!気にしてるんだから言わないでよ」
「ま・がんばりたまえ・・・あっ!」
「どうしたのよ?」
「今日だよな?剣術の授業って」
「そうよ?どうかしたの?」
「わりぃ・・早退します」
そう言って鞄を持って出て行こうとすると、マリアの護衛と新たに派遣された俺の監視役に立ちふさがれる
「・・・泣くぞ?」
「何かにつけて早退とかいけませんシスイ様」
「よし!俺の護衛達よこの無礼者どもを排除したまえ!」
「無理ですよ、我々も同じ意味でここに居るのですから」
「・・泣くぞ?」
「いいですから授業始まりますし戻ってください」
そして渋々机に戻って授業を受ける事に、そして恐怖の剣術の授業となった、入学してから2か月近くも無かったのは聖機人に剣術がなぜ必要なのかを理解するためだそうだ、なので聖機人へ初めて乗り強くなるには必要だと肌で分かった所へ直ぐに授業に組み込まれていたのだ
「やっと一緒に授業を受けられますわねシスイ様っ!」
「こっちくんな生徒会長、ユキ姉はいいけど」
「相変わらずですわね」
そして授業が開始されると、生徒会長から説明が始まった
「なぜこのクラスだけ我々上級生と合同なのかを説明しますわね、昨日の模擬試合を見てシスイ様の技術の高さは理解して頂けたと思います、これは剣術でも同じことが言えます、我々上級生が全員束になっても下級生であるシスイ様には勝てません、よって上級生の上位者にはシスイ様に手ほどきをして貰う為に共同で行う事になりました、下級生の皆様も実力を示してください、そうすればシスイ様より手ほどきをして頂けるでしょう、そして上級生から様々な事を学べるいい機会です、他のクラスより恵まれた環境の中で尽力して頂けたら幸いです、人に教えると言うのも立派な剣術の修行なのですから上級生諸君も尽力してくださいね」
そして授業が始まると、3つのグループに分かれて授業が行われたのだが
「で、なんでお姉様方に囲まれる訳?」
「先ほどの私の言葉が信じられないとの事ですわ、お相手して差し上げて頂けないかしら?」
「へいへい・・好きにかかって来いよ」
「ホント生意気な子よね、本当にユキネ様の弟なの??」
「けど結構そこがいいかも・・・」
「お姉さんが可愛がってあげるわフフフ」
「かすりでもしたら1日俺を貸してやってもいいぜ?」
その言葉と共に一斉に襲い掛かって来る人達を次々に吹き飛ばしていく、ものの数秒で場外へ吹き飛ばし生徒会長の所へ行き
「本当に学園のレベルの低さを体感したわ、なるほどモルガンが優秀に見える訳だな」
「それではお願いしますわ」
モルガンとユキ姉相手に授業を開始する、先ほどの女性達はモルガンに言われて正座して見てる様に言われ見ている
「モルガンなかなか良くなってるな、ちゃんと周りを見れるようになった様でなによりだ、けどまだ甘い!」
モルガンを吹き飛ばし、ユキ姉を手で制すると
「今後は相手の力を利用したり、自分のなりの戦い方をもっと工夫するといい、今はまだ力押しが目立ち過ぎる」
「はい」
そしてユキ姉の相手をする、ユキ姉は最近伸び盛りらしくモルガンを寄せ付けない強さとなり去年卒業したメザイアという女性と互角なのでは?と噂される程だ、このメザイアってのがやっかいで人造人間な上に古代人でキャイアとは一応姉妹となっている
そんな奴と互角とまで言われるユキ姉、相変わらず受け身でユキ姉からは余り攻撃を仕掛けてこない、けど今日は違う様で何度も攻撃を仕掛けて来ている
ジリジリ魔ワイを確かめながら慎重に距離を地締めて来るユキ姉、それに対して何もないようにゆっくり前を歩く俺、ユキ姉の間合いを何もないように歩いて行くと一気に攻撃を仕掛けて来るユキ姉
それを受け流していく、次々と連続で攻撃を仕掛けて来るが全て受け流し、一旦距離を取って息を整えるユキ姉、周りでは息を止めてたのか空気を履く声が聞こえる
「・・・やっぱり強いね・・・全然強さの先が見えない」
「そうかな?」
「・・・・強くなれなるほど遠く・・・感じるわ」
「燕返しは完全に自分の物にしたね、昨日も感じてたけどもうユキ姉の技になってる」
「・・・ありがとう」
「次に何か覚えたいって顔してるね」
「・・・あるの?」
「あるって言うか・・・やる?」
「真似しないですっごく嫌」
「あうううごめん姉さん」
「だったら教えて」
「いいぜ構えてくれるか?一瞬だ間違いなくその剣が消し飛ぶからな気を付けてね姉さん」
俺がそう言うとユキ姉は剣を構えるが両手を使ってきっちりガードさせると
「これは見て盗んで欲しいかな、口であれこれ教えたくない」
「・・・わかった」
そして剣に気を這わせてぼんやりと光らせると、足に気を一気に乗せて距離を詰めて切り裂くと真剣を使ったかのような切れ味でユキ姉の使っていた剣が真っ二つとなった
「技の名前もない、個人的には斬鉄剣と呼んでいる、木刀でもそれなりの厚みのある鉄板を斬る事も可能だから俺はそう呼んでいる」
「・・・」
放心状態のユキ姉、彼女は剣ではなく自分が真っ二つにされた錯覚を覚えるほどに震えていたのだ
「見てる方々悪いがユキ姉を医務室へ、今日の授業はここまで後は自習しててよ」
「「「「はい!」」」」
授業の後半は各自自習にして貰ってのんびり空を眺めながら昼寝してると学園長が声をかけて来る
「とてもよい剣の技術を持ってるのですねシスイ君」
「独学ですよ、本を読み実践し試行錯誤しただけです」
「そうでしたか聞いている授業態度と違って勤勉なのですね」
「好きな事を好きなだけやっただけの結果ですよ」
「そうでしょうか?ここから見える生徒の表情を見るとそうは思えません、よい授業となって本当に良かったです」
「俺が寝っ転がってるのを叱りに来たんじゃないんだ」
「それをするだけの技量があるのです文句はありませんよ、貴方の御蔭で毎年男性聖機師の生徒達は授業に前向きではなかったのに、今年は全員が真剣に取り組んでいます」
体を起こして生徒たちの様子を眺めると其々が各自真剣に取り組んでいるのが良く見える
「それなら嫌々でも参加した甲斐があります、使命が終わったら教諭を目指すのもいいかもしれないっすね」
「貴方ならいつでも歓迎しますよ」
「じゃ~予約って事で、予定では卒業までに女神の奴からの使命も終わるだろうし」
「女神様を女神の奴ですか、何を頼まれているのでしょうか?」
「あまり言いたくないですね学園長と言えど言うと使命を達成する弊害になります」
「・・そうですか」
そして月日は流れ、ユキ姉達が卒業する年になると、いよいよ奴が来るだろう事を警戒して準備を進める
「順当に奴も動き出してくれてるみたいだし、予定通りいきますかね」
奴とはユライト教諭そしてその甥であるダグマイアである、この数年で何度か話もしてるし、ユライト教諭は去年から赴任してきた、ついでに入学時にすれ違いで卒業したメザイアも教諭として赴任してきた、役者がそろいつつある状況にいよいよかと思わせてくれる
俺の目の前には完成した永久機関グラビディーエンジンを2機搭載した機体が鎮座している、エンジン部分は完全にブラックボックスとなっており解析できない様に聖機神よりも厳重な仕組みになっており解析するのは不可能に近いだろう
テストも良好でもっぱら宇宙でテストしてるが問題ない、この世界の人達に宇宙で何をやってもバレないんだから
姫殿下にお披露目すると言ってた機体は、全くの別物で片手間に作ったおもちゃだ
「さてさて明日は卒業式だし戻るかな」
そして翌日ユキ姉達は卒業するのだった