とあるアークスの物語   作:マッキー707

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どうでもいいかもしれませんがオリキャラの容姿は、私が実際にPSO2で作った容姿です。


とあるアークスの兄妹 1

 フランカ´sカフェの二階の一角で、男はどうしてこうなったと考えながら自分の目の前に置かれたカップに目を落としていた。ちょうどここがカフェでお昼頃でということもあって、下からは賑やかな喧騒が彼らのいる二階にまで聞こえてくるのだが、このテーブルだけは周囲から切り離されたかのように静かで、その喧騒はどこか遠くのことかのように感じれらる。

 

 叱られている子供のように恐る恐るという感じで眼鏡の奥から紅い瞳で見上げれば、左右で瞳の色が違う視線と正面からかち合った。

 

 テーブルを挟んで彼の正面に座っている少女は、端正な顔立ちをしていた。身内の贔屓目もあるかもしれないがと彼は思っていたが、世間一般的に見ても彼女は美人だ。特徴的なのは瞳で、紅の瞳と水色の瞳というオッドアイであった。くせ毛の彼とは違い手入れの行き届いた瑠璃色をした長い髪をリボンで括っている。普段は意志の強さをと優しさを感じさせる量の瞳は、今は彼女の心情を顕してるかのように冷たい。にこりともせずに、お手本のような真っすぐな背筋のままカップに口をつけてこちらを見ている。無表情でこっちを見てくるものだから、思わず目を逸らして同席している少女に助けを乞うように視線をずらすが、もくもくとケーキを食べており、無言のSOSに気付くことはなかった。

 

 三人の間に流れている空気というものは決して穏やかではなかった。というより一人の威圧感がすさまじい。

 

 場を支配する空気の主--正面に座る少女が口を開いた。威圧感はそのままに、可愛く小首をかしげてにこり。括られた髪が揺れる。誰もが見惚れるような笑顔を浮かべて一言。

「さぁ兄さん……説明してください」

 

凛とした声に兄と呼ばれた男は、口を引くつかせて話し始めた。

 

 

 

 

「やっと終わった……」

 

 実妹によって窮地に立たされる一時間くらい前のことだった。

 彼は疲れた様子で肩を回しながらアークスシップからゲートエリアへの入り口を潜り抜けてきた。

 

「あの野郎……」

 

 気だるげに歩いて悪態をつきながら思い出すのは出撃要請をだした人物の顔。今日は非番だったのだが、朝早くから通信があったのだ。眠たい目を擦りながら何事かと応答してみれば、映し出されたのは情報部の司令--カスラであった。その瞬間思わず通信終了のボタンに指をかけてしまいながらも寸でのところで踏みとどまり、要件を訊ねれば、地球でなにやら幻創種の反応があったから出撃してほしいというものだった。普段からだらけたいと思っている彼からすればそんなものは即断で--しかも相手があのカスラの頼み事ならば--断りたい話であったが、相手はあの情報部の司令。言葉巧みに丸め込まれてしまったのだった。

 

 一度一息つこうとゲートエリア中央あたりに備え付けられているベンチに腰を下ろす。

 

「人が断れなくなるの知っててああ言ったんだろ……」

 

 両手を広げて見上げながら今朝のやりとりを思い出す。あの陰険眼鏡と悪態をもう一度ついた。丸め込まれたという自覚はあった。だが、わかっていても断れなかったので、結局やけくそ気味に了解して出撃するしかなかった。気分があれたおかげで、部屋を出る直前にかかってきた別の通信にも出ずに出撃をした。

 

 あれぐらい人心のことに精通していないと情報部というデリケートな部署の司令などは務まらないのかもしれないが、ムカつくものはムカつくのだ。それを悪態として発散するくらいはいいだろうと思う。

 

「けどなぁ」

 

 しかし、悪態をつきながら彼は思う。確かに自分が行ってよかったのだ。

 現場では確かに幻創種は発生しており、掃討はした。拍子抜けだった。あの陰険眼鏡のことだ、もっと厄介なことになっているのではと勘ぐっていたのだ。その時は思ったのだが—問題はそのあとだ。

 

「なんであいつが来るんだよ」

 

 いやがらせかとかぼやきながら帰還のために連絡しようとした刹那のことだ。空からヒーローよろしくファレグが襲来してきたのだ。

 

ファレグ。通称魔人。フォトンやエーテルの力を度外視してもなお並外れた力を持つためについた異名だ。

 

 本当に刹那の出来事だった。

 

 大砲の着弾のような轟音を立てて魔人は背後に着地。こちらが振り向く前に振り向くまえに背後から繰り出された回し蹴り。身をかがめることでかろうじて躱すことに成功したがあの魔人と渾名されるに相応しい膂力からの一撃は、直撃したら頭と胴体を分断していただろう。今思い出しても鳥肌ものだ。

 

 初撃を躱したあとは一も二もなく撤退することで事なきを得たのだった。その撤退も容易ではなかったが。

 

「絶対知ってただろ」

 

 体を起こして少し鳥肌が立った腕をさする。あの陰険眼鏡はこのことを知っていたんだろうと彼は思う。確信はなかったかもしれない。だが、魔人と遭遇する可能性があったから俺に出撃を要請したのだろうとの推測だが、半ば確信していた。あのカスラだ。十分にあり得る。それにそう考えれば休暇のある俺に出撃要請があるのにも合点がいく。ファレグとは二度交戦したが、生き延びている。なら再び遭遇しても対処もできるだろうということを考えたはずだ。

 

--と言ってもなんとかなってるのは誰かと一緒だったからだけだしな。

 

 ファレグと遭遇した時は二度だが両方とも誰かと応戦していた。だからなんとかなったのだ。タイマンなんて御免被る--と彼は今思っているが、撤退できない状況の時は戦いを選ぶ。特に誰かがを守るときは見捨てるという選択肢は初めから捨てる。だが、ファレグほどの相手取るとなると一瞬の油断が命取りになる戦いになる。心身を限界まで酷使することになる。へとへとになる。彼はそれがとてもとても嫌だった。要するに疲れることはできるだけ避けたいのだ。

 

--もうやめよう。この後のことだこの後のこと。

 

 思い出しても嫌な気分にしかならないので、無理やりに頭の片隅に追いやった。自分はこのあとはなにもない。久々の自由だ。貴重な時間を無駄にできない。顔を両手で軽くたたき、気分を切り替えて立ち上がると目の前に見覚えのある二人--ではなく一人と一体が対峙していた。




おためしで書いてみた。どうしても抑えきれなかった。絵が描けないなら書くしかないじゃないの精神で書いた。面白いと思ってもらえれば幸い。初めて投稿するのであたたかな目で見てほしい。
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