フェバル~TS能力者ユウの異世界放浪記〜   作:レストB

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20「Prison Breakers 1」

 作戦の日の夜。決行メンバーが一堂に会した。

 場の空気は、突き刺すくらいビリビリと張り詰めている。これから死地に向かうというのだから、当然だった。

 あのアスティや、普段はへらへらしてるロレンツも、重苦しい顔で目を瞑り、何やら静かに祈りを捧げている。

 逆に私と同じ先行突入組、ラスラとデビッドはじっとしていられないのか、スレイスの素振りをしていた。一振りごとに、二人の闘志が滾っていく様が肌で伝わってきた。

 決行は、最も人目に付かない深夜に行われる。

 ディーレバッツの連中も寝ているはずなので、彼らに連絡が行き渡りこちらに来るまで、ほんの少しは時間稼ぎになるだろうという考えだ。

 ちなみにどうして寝ているはずかというと。

 ナトゥラは自己メンテナンスを、毎日人間と同じように寝ることで自動的に行うようにできている。身も蓋もない言い方をすれば、PCがスリープモード中に勝手に自動アップデートするようなものらしい。

 私はまず女として刑務所内に忍び込み、襲撃が察知された段階で男に変身して戦う手筈となっている。

 全員に基本装備が支給された。

 銃弾や小型爆弾などの武器類、防弾チョッキ。刑務所に侵入する際に感電するのを防ぐためのの手袋と靴下。互いに連絡を取るための無線。

 それから、先端にフックのついたワイヤーを射出して、壁に引っ掛けるなり突き刺すなりして、ワイヤーの伸縮を利用して移動する装置が配られた。ジャンプではいけないような高いところにも行けるようにするためのものだ。

 もっとも、ディースナトゥラの建物の壁はほぼ硬い金属でできているので、とてもワイヤーなどは刺さらない。

 よって、どこか引っ掛けられるような高いものがあるとき、すなわち刑務所の壁を乗り越えて侵入するときと脱出するときくらいにしか使えない可能性は高いという話だった。

 銃やスレイスは、みんな自前のものを使うみたいだ。

 私はそういったものは一切持ち合わせていなかったので、装備係を務めるマイナに頼むことにした。

 

「マイナ。支給品とは別に装備を少し用意してもらってもいい?」

「ええ。もちろん構わないわよ」

「ありがとう。じゃあ、まず左効き用の銃を。それから、もしスローイングナイフがあれば、それもいくつか頼みたいの」

「どちらもあるわ。取りに行くから、ちょっと待っててね」

 

 しばらくして戻ってきた彼女から、ハンドガンとホルスター、スローイングナイフを五本受け取った。

 私は左腰に付けていたウェストポーチを右に移して、左腰にホルスターを取り付けた。

 スローイングナイフは、丁寧にポーチのサイドスロットに差し込む。

 

「いよいよだね」

「そうね……。私の村は飢饉のとき、テオにとても良くして頂いたから。私情の上でも、何としても彼を助け出したいわ」

 

 これまで聞いたところでは、彼女のような人ばかりだった。

 全員が揃ってテオという人物を尊敬し、あるいは恩を感じているようだ。

 それほどの好意を誰もから受け取る人物とは、一体どのような人なのだろうか。

 こんなときに言うのもなんだけど、私は彼に会うのが少し楽しみだった。

 拷問であまりひどいことをされてなければいいけど。

 

 などと考えていると、デビッドから声がかかった。

 

「ユウ。ちょっと気剣とかいうのを出してくれないか」

「え。うんわかった」

 

 何だろうと思いつつ、男に変身してさっと左手から気剣を出す。

 

「何をする気なんだ」

 

 デビッドの隣にいたラスラが、説明してくれた。

 

「古来よりのしきたりでな。前衛は戦いの無事を祈って、それぞれの剣先を軽くぶつけ合うのだ」

「へえ。そういうのがあるのか」

 

 デビッドは左手のスレイスを収め、右手のものだけ残した。

 ラスラとデビッド、そして俺は互いに向かい合う。

 二本のスレイスと一本の気剣が並ぶ。

 ラスラが可笑しそうに笑った。

 

「ふふ。時代は変わったな。一本も普通の剣がないとは」

「なに、大事なのは形じゃないさ。気持ちだと思うぞ」

 

 デビッドの言葉に、俺もラスラも同意して頷く。

 

「その通りだな。では――互いの無事を」

 

 ラスラが音頭をとって剣を高々と掲げた。

 俺とデビッドもそれに倣う。

 

「「互いの無事を」」

 

 三つの剣が傾いて、同時に触れ合った。

 本当ならカチャンと綺麗な金属音がするところだが、レーザー剣と気剣の組み合わせのせいで、ジジッという何とも締まらない音になってしまった。

 でも、形は問題じゃない。

 俺は内から沸々と気分が高揚するのを感じていた。

 

 

 ***

 

 

 出発のときが来た。

 地上へと繋がるトライヴゲートの前に、みんなが集う。

 実行メンバーは、私とルナトープ全員がメイン、それからサポートでリュートを始めとしたアジトのメンバーが数人だ。それ以上の数でぞろぞろ動けば、早期に見つかるリスクの方が高いと判断された。

 見送りには、アジトの人たちがほぼ全員集まってくれた。

 クディンとレミが代表して、前に進み出る。

 

「僕たちはここから見ていることしかできないのが心苦しいが、全員の活躍と無事を期待して待っているよ」

「この日のため、隠しカメラを各地に設置しておきました。敵の位置は可能な限りしっかりお知らせいたしますので。皆様の無事と作戦の成功を、心より祈っております」

 

 みんなに温かく見送られながら、一人ずつ順番にゲートを通っていく。

 屋内に設置できるような小型タイプでは、一度に一人しか通れないのだ。

 転移は滞りなく進み、間もなく私の番が来た。

 ゲートの奥の空間は渦を巻いていて、不安定にゆらゆらと揺らめいている。

 まるでブラックホールのイメージがぴったりなそれを、いざ目の前で見てしまうと。

 もう何度も入ったことがあるにもかかわらず、何となく進むのが躊躇われる気分になってしまう。

 初めてのときこそ好奇心が勝ったけど、どうもゲートでの転移って不安になるんだよね。

 そのまま揺らぐ時空の狭間に落ち込んで、二度と出られなくなってしまいそうで。

 無機質な装置だからなのかな……。

 先生と手を繋いでの転移魔法なら、いつでも安心できたのにね。

 そんなことを思ったが、ぐずぐずしていると後がつかえそうなので、すぐに意を決して飛び込んだ。

 落ち着かない浮遊感をほんの一瞬感じたら、もう地上へと転移していた。

 転移先は、がらんどうな部屋の中だった。

 クディンが前もって地上に借り切っていたビルの、特に広い一室である。刑務所からは比較的近い場所にあるということだ。

 

 全員がこちらへ到着したところで、全体リーダーのウィリアムが点呼を取った。

 それから改めて、各員の行動を指示していく。

 その声は、はきはきと気迫に満ち溢れていた。

 

「まず一番重要になるのが、ラスラ、デビッド、そしてユウの三人だ。諸君はとにかく率先して前へと突き進み、何としてもテオの元まで辿り着いてくれ」

 

 三者三様で相槌を打つのを確認しつつ、ウィルアムは続ける。

 

「テオを救出した後は、彼を護衛しつつ、速やかにアジトへと帰還して欲しい。ここを含め、三か所に設置されたトライヴゲートのいずれかを状況に応じて選び、目指してくれ。いいな?」

「承知した」「わかった」「うん。任せて」

 

 私もしっかりと頷く。

 他の誰が上手くいったとしても、私たちが成功しなければすべては水の泡となる。責任は重大だった。

 

「私とネルソンとロレンツは、三人の後をすぐに追う。追っ手を少しでも散らして三人の負担を減らしつつ、脱出ルートの確保に専念する。これも非常に大事な役目だ」

「そうだな」

「言われるまでもねえぜ」

 

 ネルソンとロレンツが改めて気合いを入れる。

 ウィリアムは注意事項も添えておく。

 

「ディーレバッツと鉢合わせる危険が大きいが、もし遭遇しても、無理に正面から戦おうとはするな。我々の本分はあくまで囮役に徹すること。先行班が無事に逃げた頃合いを見て、退避に移ってくれ」

「うむ。精一杯務めさせて頂こう……」

「了解っす。隊長さんも無理したらダメですぜ」

「ああ。わかっているとも。というより、そもそもだな」

 

 隊の全体を見回して、

 

「私が倒れたら、一体誰がこの変わり者の連中をまとめるんだ?」

 

 いささかおどけてみせた彼に、即座に反応したのは副隊長だった。

 

「私は絶対にパスだぞ。細かい作戦なんて考える頭などないし、きっと今より戦えなくなるからな」

 

 心底嫌そうに肩をすくめたラスラに、隊員たちから小さな笑いが漏れた。

 この場からほんの少しだけ、嫌な緊張がほぐれたような気がした。

 

 だがそこで一人、ぴくりとも笑っていないネルソンが重い口を開く。

 

「もしものときは私がやろう……。もし倒れたらなどと、あまり変なことは言うものではないな。隊長」

 

 言われたウィリアムは、少し嬉しそうにふふんと鼻を鳴らした。

 

「お前なら安心して後を任せられそうだ。私より先にくたばるなよ?」

「ふん……。誰がくたばるものか。隊長が死んだら、立派な墓を作ってやるさ」

 

 二人は数瞬顔を突き合わせて、それから笑い合った。

 気難しそうなネルソンが笑うのを見たのは、これが初めてだった。

 きっとかなりの付き合いなのだろう。多くを語らずとも、通じ合うものがあるみたいだ。

 何だかちょっと羨ましい関係だな。

 

 ひとしきり笑うと、こほんと空咳をして、ウィリアムは残る指示を続けた。

 

「アスティとマイナ、それからリュートたちは、手筈通りに場をかき乱して欲しい。タイミングは、我々の刑務所突入とほぼ同時だ」

「了解です。隊長」「腕が鳴るわね」

 

 サポート組も意気十分だ。

 ウィルアムは彼女たちを頼もしい目で眺めつつ、しかし釘は刺しておく。

 

「君たちの任務は、あくまでディーレバッツの注意を少しでも引き付けることにある。何もそのために死ぬことはない。無理をせず、自分の命を最優先にしてくれ」

「「ラジャー」」

 

 アスティとマイナが元気良く敬礼すると、リュートたちも小さな体を目いっぱい使ってそれを真似していた。

 そのあどけなく、ややもすると頼りない姿は、知らない人が見れば場違いと断じそうなものだけど。

 彼らもまた立派な戦力であり、頼もしい仲間たちである。

 残念ながら戦闘能力には乏しいので、サポートに回るしかないけれども。本心としては自分たちで何とかしたかったはず。

 彼らの分の気持ちも汲んで、私が頑張らないと。

 

「よし。とりあえずは以上だ。あとは状況に応じて無線で伝えていくが、各自その場での判断が多くなるだろう」

 

 一泊間を置き、隊長は再三注意して話を締めた。

 

「いいか。ここから先は安全な場所など一つもない。総員、決して気を抜くな。また無事で会えることを祈っている。では、行動開始」

「「はっ」」

 

 

 ***

 

 

 私たち六人は、アスティたちと別れてすぐに刑務所へと向かった。

 人通りの少ないルートを選びつつ、慎重に進んでいく。

 深夜ということもあって、夜闇に姿が紛れるので、気を付ければそこまで目立つことはなかった。

 無事に、刑務所外壁の近くまで辿り着くことができた。

 

「さて――問題はここからだな」

「そうだね」

 

 後ろ髪を纏めたラスラが、私に目配せする。

 

「どうやって入り込むか。おそらく収容所内部は、セフィックでも誤魔化しが効かないだろうが。外はどうだろうな」

 

 そびえ立つ外壁をうんざり睨み付けながら、彼女はそう言った。

 

「しっかし、こっちからじゃマジで何も中がわからねえなあ。早くもぶっつけ本番ガチンコ勝負ってか」

 

 ロレンツはややいらついたように、くせ毛の頭をくしゃくしゃしている。

 いくら事前にシミュレーションをしていたからと言っても、やはり本番になってみないとわからないことは多い。

 私は予め下見をしておいたけど、他のみんなはこの壁の実物を見たのは初めてだからね。少々面食らっている様子だった。

 それでも、演習に意味がなかったわけではない。

 ウィリアムが落ち着いた調子で言った。

 

「爆弾で壁を壊すか、ワイヤー装置で行くか」

 

 彼はそれぞれのメリットとデメリットを語る。

 前者は確実に見つかるが、一番手っ取り早いし、帰りの逃げ道の候補が一つできる。

 ただ、早くに警報が作動すると、収容所が最初から堅い守りになるだろう。

 その上、ディーレバッツもやはり早く来てしまうから、なるべくなら避けたい方法だ。

 後者は、上手くいけば収容所までは安全に行けるかもしれないが、全員が登るにはそれなりの時間がかかる。

 もし途中で見つかると、身動きの取れないところを狙い撃ちにされてしまうかもしれない。

 

「さて、どちらにする? 好きな方でいい。諸君の意見を聞こう」

「私はぶっ壊す方だ」

「オレは慎重にいきたいな。強引に行って失敗はしたくない」

 

 ラスラとデビッドが、各々反対の意見を述べる。

 他の者も順番に意見を述べたが、概ね割れた。

 

「ユウはどう考える?」

 

 ウィリアムに振られた私も、頭を悩ませる。

 

「うーん。やっぱり私も慎重に行った方がいいかなと――」

 

 そこで、一つアイデアが浮かんだ。

 

「そうだ。ここは感知システムに引っかからない私が、少しだけ様子を見てこようか。一人ならそんなに目立たないし」

 

 これでもそれなりに場数は踏んできてるから、ちょっと様子を見てくるくらいなら一人でもいけると思う。

 サークリスの事件があってから、もっとしっかりしなくちゃいけないって色々頑張ったもの。

 この世界に来た最初みたいに、いきなり何も知らない環境に飛び込むとかじゃない限り、そうそう変なへまはしないはず。

 

「だそうだ。諸君はどう思う?」

「私は構わないが……あまり先走るなよ。そこで見つかれば、余計に不利になってしまう」

 

 ネルソンの注意はもっともだ。もちろん見つかる気なんてない。

 

「そこは肝に銘じてる。見つからない範囲でやるよ」

「だったらいいんじゃねえか? 俺は賛成だぜ」

 

 ロレンツが首を縦に振った。

 

「私もユウの力は身をもって知ってるからな。反対などないさ」

 

 ラスラも含め、みんな口々に賛成してくれた。

 

「よし。ではひとまず、ユウに任せるとしよう。何かあれば、すぐに無線で連絡してくれ」

「了解」

「しっかりやれよ。ユウ」

 

 期待を寄せるデビットに頷き返して、私は一人壁の前へと向かった。

 もちろん正面入り口にいる二人の警備員からは、見えない位置に行く。

 ワイヤーを壁の上に引っ掛けて、できる限り速やかに壁を登っていく。

 どうにか見つからずに、上まで行くことができたみたい。

 上からざっと眺めると、向こうに収容所の無骨で大きな建物がそびえているのが見えた。

 

 あそこにテオがいるのか。

 おっと。こんなところでぼーっとしてたら見つかっちゃうね。

 

 なるべく音を立てないように、足を柔軟に使ってすたっと綺麗に着地する。

 そして気配を殺しつつ、物陰に隠れながら、ささっと収容所に近づいていった。

 まるで気分は忍者だ。まさか自分がこんなことするなんてね。

 意外だったのは、ヒュミテ感知システムによほどの自信があるのだろうか、内部でもこれと言って人員警備が厳しいということはなかった。

 深夜という時間帯もあり、ナトゥラの姿がちっとも見当たらない。

 何だか拍子抜けだ。これなら壁を壊すより、登って行った方がいいかな。

 ただし、収容所の前には、さすがに見張りの男が一人いた。

 彼は油断なく周囲を警戒している。

 

 さて、どうしようか。

 このまま戻ってもいいけど、相手は一人だし……。

 もし次にみんなで来たとき、彼に見つかるリスクを考えたら、今気絶させておいた方が良いかもしれない。

 ――そうするか。

 

 気絶と言ったけど。

 ナトゥラは機械なのに、強いショックを与えると気絶するようにできている。

 彼らの人工知能はあまりに正確に人間を模倣したためか、そんなところまでも再現されているらしい。

 無駄にすごいけど、おかげで殺さずに済むケースが増えそうで助かった。

 

 収容所の前は見晴らしが良い。

 さすがに正面から突っ込んでは、どんなに気配を殺していても見つかって応援を呼ばれてしまう。

 ならどうするか。ここで魔法が役に立つ。

 この世界では、魔法はほとんど使えないけど、相手の注意を引くくらいなら辛うじてできないこともない。

 

《ボルチット》

 

 私は指先から、小さな炎を生成した。

 そいつを物陰から、そーっと浮かせて警備員の目の前に送り込む。

 小さな火の玉が、突然ゆらゆらと宙を漂っていくのが、彼の目には映る。

 こんな不思議なものを目にすれば、どうしても注意はそちらへ逸れてしまうだろう。

 

「ん? なんだ?」

 

 案の定彼が気を取られている隙に、私は音を殺しながら、素早く彼の側へ駆け寄った。

 

「はっ! 誰だきさ――」

 

(ていっ!)

 

 行動を起こされる前に、彼の首筋へ鋭い手刀を入れる。

 狙い通り、彼はその場に崩れ落ちるようにして倒れた。

 

 よし。上手くいった。

 

 私は無線でウィリアムに、どうやら大丈夫だと告げた。

 やがて向こうの壁から覗いた五つの顔に、ちょいちょいと手招きする。

 間もなく、全員が私のところまでやって来た。

 倒れた警備員を見て、

 

「手際がいいな。おかげで安全にここまで来られた」

 

 と、ラスラが感心してくれた。

 

「さっさとこいつを設置するぞ」

 

 入り口は鍵付きの分厚いドアで閉まっているので、デビッドが爆弾を使って強引にこじ開ける。

 ここまで来たら、もう見つかるのは仕方ないだろう。

 爆音が轟いた瞬間、大きなサイレンが鳴り出した。

 ウィリアムが無線でみんなに通知する。

 

「我々はこれより突入を開始する。みんな、よろしく頼むぞ」

 

 全員がほぼ同時にスレイスを抜いた。私も即座に男に変身する。

 やはり魔法がまともに使えない以上は、戦闘力ではこちらの方がずっと上だ。メインはこっちでいく。

 

「突撃するぞ!」

 

 ラスラが声を張り上げて、真っ先に先陣を切っていった。

 

 ついに始まったか。

 俺は一息気合を入れると、気剣を抜いて、彼女の後に続いて駆け出した。

 男になると気でわかった。

 地下深く、おそらく特別収容区画にテオと思われる人間の反応がある。

 あまり時間はない。急ごう。


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