「わあ、すごーい」
「妖精さんの前に、木材を置いといたら、立派な別荘を建ててくれたんだ」
「妖精さん、そんな事もできるのね……」
「さ、まずひと泳ぎしましょうか、皆さん」
心なしか赤城の声も弾んでいる。
「あの、提督……」
「ん、どうした飛龍?」
「いや、確かに昨日水着姿見られましたけど…」
「それがどうかしたか?」
「その…流石に着替えているシーンを見られるのはちょっと……」
「あ、すまん、すぐ、外に出ますので、許してくださいまし」
「提督……」
「加賀さん、なにか?」
「覗いたら爆撃します」
「すみませんしませんだから爆撃しないで」
恐怖から覗きたい衝動にもかられず、気づいたら皆んな着替え終わっていた。
「提督ー、ビーチバレーしよー」
「よーし。帰宅部エースの力を見せてやる!」
誤算だった。せめてもっと動けると思ったのだが。
ボールが飛ぶ、跳ねる。すると周りのみんなが動く。その度に各々の胸部装甲が激しく動く。
動けない。動けない。動けない。動けない。動けない。
ああ、神よ、おたすけください。テキストにも載ってません。歴史上の偉人も語っていません。このような時、どうすればよいかを。
私にどうしろと。私が何をしたと。
「えーいっ」
ボンっ
シュー
バタッ
「て、提督?」
「いや、このボール、全然固くないぜ」
「慢心、ですね。」
「メシだー!」
「で、提督。どこにあるんですか?」
「どこにある?ああ、材料なら一式陸上攻撃機の中に積んでおいたぞ。」
「えっ、自炊ですか!」
「当たり前だ。さあ、今日はだれが作る?」
「じゃあ、私達が」
「なのですっ!」
1日目昼 食事当番 陽炎、電、漣
「おおっ、美味いな。」
「こういう時は、カレーよね。」
「む。これはいいな……。なあ、伊勢。」
「じゃあ夜はウチに任しときー」
1日目夜 食事当番 龍驤
「たこ焼き、焼きそば、お好み焼き。大阪三角形キタコレ!」
「龍驤、料理できるんだ…」
「なんや、キミ。失礼やな。ウチだって、ちゃーんとできるんやで」
1日目が終わりを迎えようとしている。楽しい楽しい1日だった。なのに……
「なんで俺だけ一式陸上攻撃機のなかで寝てるんだー!!!!」
居住性はあまり良くない。当たり前だ。艦娘達から、追い出された。ここは大奥だ。と。ああ、この理不尽。俺が妖精さんの所に木材持って行ったのに。
ああ、神よ。私が何をしたと。ああ、神よ。これが運命なのですか。
せめて、せめてこの試練を乗り越えた時には、ご褒美の一つ、用意しておいてください。おお、神よ。