「でもちょっとかわいそうじゃないですか?夜の寝床が一式陸上攻撃機って」
「まあ、提督がいたら色々話しにくいこともありますし。そーゆー感じの話とか。赤城さんだってそうでしょう?」
「私はそのそーゆー話とかは無いのでよいのですが……。加賀さんはあるの?」
「まあ、あると言うより聞くと言った方が正しいかもしれません。」
「ちょっと、そーゆー話ってどーゆー話ですか」
「あら、貴女の為に提督に一式陸上攻撃機で寝てもらっているんですよ。全く……。これだから二航戦は……旗艦でもこの有様ですか」
「わ、私は……提督のことなんて……どうとも思っていませんから」
「まあまあ、いいじゃあないですか。私、ちょっと羨ましいです。」
「赤城さんまで……」
「で、どうなの?提督とは」
加賀が逃さないぞとばかりに追及する。
「いや、まぁその、悪い人だとは思っていませんよ」
飛龍が何とかかわそうとするが、
「好き、嫌い。yes or no のどちらかです」
加賀は追及の手を緩めない。
「嫌い、ではありませんよ……」
「私は好きか嫌いかを訊いています」
「………いや、その…なんか、見てるうちに…その、素敵だなって、思って………」
「だいじょうぶやて。魅惑の太ももやし。」
龍驤が飛龍の太ももの上で寝ている。それを見て、赤城も
「良いですね〜この太もも。一度触ればどんな人でもイチコロですよ」
と太ももをモミモミと揉む。
「提督のことをそんなふうに思っているのが貴女だけとは思いなさんな。ほら、聞こえませんか?14㎝単装砲の音が。」
耳をすましてみれば聴こえる、戦艦程はないけど、駆逐艦の主砲よりも少し響く音。
「動くならライバルの射程に入らないうちに。アウトレンジですよ。空母にとって、最も大事なのは先制攻撃ですから。」
「大丈夫ですよ。飛龍ちゃん可愛いですし」
諭すような加賀の声。励ますような赤城の声。聴こえる砲撃の音。何一つ音をたてずに過ぎていくのは時間ばかりだった。
「寝れない……」
俺は苦悩していた。そもそも寝ることを想定して設計した訳でもない機体だ。旅客機とはわけが違う。俺は一式陸上攻撃機から外に出て、歩き始めた。
「あ、温かい、、、」
しばらく歩くと、温泉を見つけた。舐めてみても、塩辛くない。南の島で、夜に温泉とはなんと風流なのだろう。喜々として服を脱ぎ、ドポンッとは入る。温泉は池のようになっていた。プカプカと浮かぶようにして、温泉の中を周遊し始めた。
「ん、あれは何だ?」
視界の先に動く物体の存在を見つける。
月明かりに照らされて、ようやく存在がはっきりと見えるぐらいになった時には、一糸まとわぬ姿の川内がいた。そこまで高くない身長、まだまだ成長の余地がある膨らみかけの胸。彼女がこちらの存在を認識したのは、もう風呂に全身つかってからのことだった。
「って、提督!!」
「いや、悪気はなかったんだが……」
「寝れないの?」
「いや、色々あってな。」
「ふうん。」
しばらくの沈黙の後、川内が切り出す。
「提督って、彼女とかいなかったの?」
「お恥ずかしいことにな」
「え、ホント!!」
少し喜んでいるように聞こえたのは少し自分に自惚れ過ぎだろうか。自分もまだまだだなと思う。そして、いつまでもこの平和な日々が続けば良いなと思う。
さて、次章では新たに主人公格を一名追加します。(自分の中で、今主人公格と言えば提督、飛龍、川内くらいです)当ててみてください。絶対に当たらないから。