提督会議
「提督会議、ですか。」
「うん。モニターでやってもいいんだが、大きな意義として、提督同士がお互いに顔をあわせることがある。」
「で、私。ですか。」
「不服か?」
「いえ、そうではありませんが………」
提督会議。それは二年に一度開かれる、大事な会議だ。その会議では、その後二年間の基本的方針などの重要な意思決定が行われる。
「勿論、本当ならば鳥海さんに同行してもらう予定だったんだが、風邪をひいてしまってな」
「それならば、二航戦、飛龍、でます!」
「うん、じゃ、よろしくね」
飛龍が出て行った後、俺は一つのファイルを開く。そして、かの名前を探す。 山口多聞中将 そう書類には書いてあった。
「ねえねえ、早く着きすぎじゃない?まだ誰も来てないよ」
「飛龍が悪いんだろ、一式陸上攻撃機の周りを烈風で囲んで編隊なんてつくるし、航空戦ふっかけようとするから、他にも飛行機で来てた提督の皆様が怖がって進路を変えた結果がこれだぞ!」
「でも提督だってノリノリで他の鎮守府を対地上爆撃のセオリー通りに爆撃しようとしていたじゃない!」
「振りだけじゃないか!」
ちょっとした喧嘩?をしていたところに、大きくて、元気なかわいい声が聞こえた。
「電の提督さーん!どこですかー!」
まさか、「こっこでっすよー」というわけにもいかず、取り敢えず、声のした方を向いてみる。
「……君が、電の提督かい?」
不思議な雰囲気を纏った銀髪の少女が話しかけてくる。
「私達が第六駆逐隊よ!あと、私が暁型の旗艦、暁よ!一人前のレディとして扱ってよね!」
個性的な面々を前に、俺が固まっていると、
「提督、この第六駆逐隊が、今度からうちの鎮守府に編成されるんですよ」
と、隣の飛龍がフォローしてくれた。
「わあっ、いいなー。二人は新婚の夫婦なのね!」
「えっ?」
「ちょっと、雷。そういうことはわかっていても言わないのがレディのたなしみ……コホン。たしなみなんだから」
ちょっと前には秘書艦らしかった飛龍が、今は顔を赤くさせたり、視線を色々なところに逸らしたりで、とても情けない。
「ま、まあとにかく。これでうちの鎮守府の水雷戦隊の強化にもつながるし、暁型は特III型駆逐艦だから、これからよろしくたのむぞ」
と言って、取り敢えず場をまとめようと思ったのだが、視界の先には第六駆逐隊はいなかった。というか、見えなかった。
「おいっ、飛龍、離れろ!動きにくい」
「だってえ、恥ずかしいよー、新婚の夫婦だなんて、ヒャー」
照れからの行動か、飛龍がずっと俺の胸に顔を当ててうずくまっていた。
そして……後ろから感じる異様な気配。後ろを振り向いて、「あっ!」と言った次の瞬間には、俺の顔へと拳が飛んできていた。
提督はどうなる………