「ねえ鳥海」
「あ、高雄姉さん。何かご用で?」
「最近、提督の様子がおかしいと思いません?」
「いえ、何も気づきませんでしたよ」
「最近は秘書艦はしていないの?」
「はい。いつも秘書艦してばかりで訓練ができてないだろうからって」
「何もないならよいのですが……」
早いもので、二ヶ月というのはあっと言う間に過ぎた。
「AL作戦案です」
「見せて貰おうか」
元帥へと提出する両手が、心なしか震えている。
「本当にやれるのかね?」
「私の自慢の子達ですので。確信を持って提出致します」
「任せよう。存分にやってくれ。私はこのMI作戦に命を賭けている。必ず、必ずこの作戦は成功させねばならぬのだ。昔におきた、かの敗戦を気にしないわけではない。だが、その歴史をも越えて、勝たぬといけないのだ。ALも、MIも、どちらも成功させねばならない。どちらが崩れても、満足のいく戦果はあげられない。政府の意向もある。この作戦が成功したら、来年、こちらに予算が多くおりてくる。そうなれば、我々の作戦行動の幅も広がる。まさに、人類の、そして海軍の命運もかかっているんだ。よろしく頼むよ」
「はいっっ」
「それでは、只今より、作戦幹部によるAL・MI作戦の最終確認を行います……」
「あ、提督、お帰りなさい。会議、お疲れ様でした」
「ああ、鳥海さん。どうも。早速で悪いが、艦娘達全員を1900にモニタールームで頼むよ」
「艦娘全員、モニタールームに1900ですね。かしこまりました」
「ん?どうした。何か嬉しそうだな」
「いえ、提督が久しぶりにいい顔をしているので少し安心して」
「色々吹っ切れたからな。心配かけて悪かった」
「いえいえ。提督の中で何かよい変化があったのなら何よりです」
「鳥海さんにはずっと初期からお世話になったな。色々迷惑をかけてすまなかったよ」
「そんな……私の方が色々と学ばせていただくことが多くて。何より、提督はいつも艦娘のことを第一に考えていてくれますし」
「どうだ?一緒に夕食でも」
「あら、ナンパですか?」
「と、とんでもない!」
「冗談ですよ。でも、提督にナンパされるなら、いいかもしれません」
「またまた冗談を。まあ、行こうか」
「ゴホンゴホン!」
「「あ」」
「そんなナンパなんかしたら、多聞丸に怒られますよ〜」
「うん、やめよ。冗談にならんから」
「えっ、なになに?夜戦?夜戦しに行くの?」
「提督……どこにお楽しみに行くので?」
「うわああ、加賀さん」
「提督、みんなで行きましょうよ。夕食。中将になったんでしょう」
「鳥海さん、なぜそれを……」
「多聞さんがぼやいてましたよ。あの若造と一緒の位になった、って」
「よし、多聞中将も誘ってくか。そして少し金を払わせよう」
「さ、行きましょ!」