赤城、出ます!
「装備報告ー」
「第二艦から十二艦まで、装備揃いました」
「空母機動部隊、出撃準備完了しました!」
「提督、司令部より、出撃せよとのことです」
「赤城、加賀、飛龍、神通、川内、那珂、長良、妙高、陽炎、不知火、黒潮、秋雲。空母機動部隊、出ます!これで本部との連絡は最後です」
「帽、振れーっ」
体に当たる風が冷たい。もう2月だからだろうか。
「行ったか……」
「多聞中将、どんな感じですか、訓練での手応えは」
「あんだけ厳しくやったんだ。きっと、大丈夫だ。やれる。君こそ、さっさと執務室に戻らんといけんだろう。水上打撃部隊の方への指示があるんじゃあないか」
「赤城達がしっかりしてくれているおかげで落ち着いて指示ができます」
「さあ、戻ろうか」
「提督、水上打撃部隊より電文、出動準備完了。司令部より、出撃せよ、です」
「よしっ、出撃!」
機械の前に立って、電文傍受しているのは鳥海さんだ。
電文には二種類ある。数字などを組み合わせたり、言葉を決めたりして、一文字ずつ打つ電文。これは、弱い電波でできるので、攻撃完了後などに利用可能だ。もう一つは、電話のように会話ができるもの。これは、一方通行でないので色々とやりやすい。ただ、電波は強いものが必要だ。電波が強いと、敵に電波の発信位置から艦隊の位置を特定される。
「ねえねえ提督っ」
「あ、雷じゃないか。どうした?」
「なんで長門さん達はここから出撃しないの?」
「ここの鎮守府の出動準備能力はもうあの空母機動部隊で限界だからな。あの機動部隊の飛行機だけで230機ある。その全てを整備して、燃料を詰めなくちゃいけない。しかも、その他の九艦分の装備点検がある。だから、長門達は別の鎮守府から出撃したんだ」
「zzz……」
「えっ?寝た?」
無理もないのかもしれない。なにせ、夜の出撃だったから。この次に太陽が上がる時、我が鎮守府が誇る230機の精鋭達も空へと飛び立つ。
「提督、MI方面艦隊、出撃に向け整備を開始したとのことです」
「これで第一関門はクリアか」
「ええ。でも、まだまだこれからですから」
鳥海がそう言って耳につけていたイヤホンを外す。ここから日の出まで、しばらくは何もない。
部屋には俺と鳥海さん以外、誰もいなくなった。雷は暁型のみんなが引っ張っていったし、多聞中将は今も海を見ているだろう。
「そういえば提督」
「何か?」
「いつ式を挙げるんですか?」
「なんの?葬式?」
「提督と、飛龍さんと、川内ちゃんと、あと二人ぐらい増えるかもしれませんね………。まあ、その人達との結婚式です」
「え、何?俺結婚すんの?しかも重婚」
「あれですか?あの、『俺、この戦いが終わったら結婚するんだー』ってやつですか?」
「いやだめだろそれ。死亡フラグ建ちすぎだろ、その戦いで絶対どっちか死ぬぞ」
「まあ、勝てばいいんじゃないですか」
「お前ら揃いも揃って何言っとんのじゃ!」
多聞中将に怒られました。