想像以上ね、これは。
列車を降りた私達を待っていたのは花火と音楽隊の歓待だった。
「おかえりなさいませ!リアスお嬢様!」
正面の道路?の両側には騎士と使用人やメイド達がズラリと並んでおり、正面には姉ちゃんと姉ちゃんの子供だろうか?がおり、その後ろには馬車が数台並んでいる。
「小猫、いつもこうな感じなの?」
「そうですね、部長が帰省すると毎回こんな感じですね。」
「疲れない?」
「・・・慣れました。」
と言っているがちょっと嫌そうな顔をしている。
「リアス姉様!おかえりなさい!」
姉ちゃんの子供?がリアスに駆け寄り抱きつく。
「ただいまミリキャス。大きくなったわね。」
ミリキャス・グレモリー。やっぱ姉ちゃんの子供か。しかし姉ちゃんに子供って昔を考えると似合わない。
「里奈様、なにか?」
ギロッ
「何でもないわよ。」
・・・相変わらず感が鋭いっ!
「この子はミリキャス・グレモリー。お兄様の子供よ。里奈、アーシア挨拶して。」
「兵藤里奈よ。リアスの
「アーシア・アルジェントです。
私達は順に挨拶をする。
「ミリキャス・グレモリーです!え〜と、この方が叔母様になるんですか?」
ピピクゥッ!
「グレイフィア〜?」
私が睨むと姉ちゃんは目を逸らす。確信犯かっ!
「ミリキャス〜、里奈お・ね・え・さ・ん・よ。分かった?」
私はミリキャスに言いながら詰め寄る。
「分かりました!里奈お姉さん!」
満面の笑みで返しえくるミリキャス。
うんうん、素直でよろしい。
とはいえ、こう無邪気に返してくるとちょっと罪悪感が湧くわね。
「それでは皆さん、馬車にお乗りください。」
いつの間にか私達の荷物は積み込まれており出発の準備は整っていた。
「里奈とアーシアは私と同じ馬車で、朱乃達はそっちの馬車に乗って来て頂戴。」
リアスの言葉でそれぞれ馬車に乗り移動を始める。
「ふ〜ん。自然に囲まれてて良い土地ね。」
「ええ。この辺は特に多いかしら?そうだわ、里奈もアーシアも眷属になったからグレモリーで空いてる土地をあげるわよ?」
そう言って魔法の地図を出す。
「割と未開拓な土地が多いのね。」
「人口も少ないし現状資源にも困ってないから開拓されてないのよ。」
悪魔社会だとその辺は魔力でどうにかなっちゃうからな〜。
私は湖と山がある所を貰うことにした。
アーシアはよく分からないからと一旦保留した。
「リゾートでも作る気なの?」
私が指定した場所を見てリアスが聞いてくる。
「それもいいわね。ただ、暫くはコテージでも建てて別荘感覚でのんびりする場所として置いておこうかな?と思ってね。活用なんてすぐ出来そうにないし。」
「そうね。資金とかスポンサーとかいないと大規模な事は出来ないものね。」
コテージ位なら建てられるお金はあるけど流石にリゾートを作れる程は持っていない。
そうこうしているうちにグレモリーの城が見えてくる。
「おっきいです〜。」
アーシアが驚きながらも興味深そうに見ている。
たしかにデカイ。悪魔でも有数の家柄だけあるわね。
前世でも個人所有ではここまでの物は無かったはず。
「ほんと、人間界だと有り得ないわね〜。私が冥界に家建ててもここまで大きいのは勘弁だわ。」
私的には今の部屋の広さで充分である。
「個人としてなら私も同意なのだけど、
リアスの言葉を聞きながらそうなんだろうな〜、と思いつつも家に金かけるならもっと他にあるだろ!と心の中で突っ込みをいれていると馬車が止まった。
どうやら着いたらしい。うん、無駄に大きい。
「荷物はこちらで運びますので皆様は中へどうぞ。」
そうグレイフィアに促され城の中に入る。
中に入るとヴェネラナさんが待ち受けており
「みなさん、遠路遥々お越しくださいました。お帰りなさい、リアス。」
「ただいま、お母様。」
ヴェネラナさんとリアスが挨拶をした後、こちらに向く。
「里奈さんお久しぶりですね、梨沙さんと誠司さんはお元気かしら?」
「はい、相変わらず世界中飛び回ってますね。ああ、それからこれは両親からのお土産です。」
そう言って手提げから包を渡す。
「ありがとう。あらあら京の漬物ね、明日の朝にでも皆でいただきましょうか。」
中身を確認しながら感謝してくる。相変わらず悪魔のくせに一家で和食好きとは何か不思議な感じがする。
「移動で疲れたと思いますので、夕食までは部屋でゆっくりしてて下さい。ジオティクスも夕食には帰ってくると思いますので。」
ヴェネラナさんの言葉で全員部屋で休む事にした。ちなみにアーシアは「こんな広い部屋で一人は落ち着かなくて無理です〜。」と言って早々に私の部屋に移動してきた。確かに無駄に広い。質素な生活をしていたアーシアだと落ち着かないだろう。私も同意見だったりする。
その後、夕食迄各々自由に過ごした。私は書庫に籠もり幾つか面白そうな本を見つけたので借りる事にした。
全員着替えメイドさんに連れられて部屋を移動し、帰って来たジオティクスさんを交えて夕食が始まった。
最初の方は挨拶や改築等のお礼などを食事を進めつつ穏やかに過ぎていった。
食事を始めて20分位経った頃アザゼルとガウリイが会議を終えてやって来た。
「お初にお目にかかる堕天使総督のアザゼルだ。今回は受け入れて頂いた事感謝します。」
珍しく真面目にアザゼルがジオティクスさんに挨拶している。
「いえいえこちらこそ娘と眷属がお世話になっていますから気にしないで下さい。それに今は同盟も結びましたからな、互いに協力していく関係ですから堅苦しい挨拶や言葉ではなくて結構ですよ。」
ジオティクスさんはそうアザゼルに答える。
「そう言ってもらえると助かる。こっちも堅苦しいのは苦手でな、普通に話させてもらおう。」
こうしてアザゼルとガウリイも交え食事も再開したのだが・・・
「ガフッ、モガッ、ガブッ!」
みんながガウリイの食いっぷりに注目する。
凄い速度で食べているが昔のようではなくナイフとフォークを使いテーブルマナーもきちんとして綺麗に食べている。
なんて器用な奴。私もテーブルマナーをちゃんとして食べているが流石にあの速度で食べてはいない。
「ガウリイはどこまでいってもガウリイなのね。」
ちょっと安心しながら呟く。
「先輩、乙女の顔してます。」
「えっ!?ちょ、小猫!?」
小猫の突っ込みに慌てる。
「慌てる先輩レアです。」
くそう、相変わらず鋭い観察力ね。
「くあ〜、食った食った。美味かったですありがとうごさいます。」
「いい食べっぷりでしたよ。食事の出し甲斐がありますな。」
満足したのかガウリイがジオティクスさんにお礼を言い話をしている。
「まったく遠慮ってものを知らんのかお前は。」
アザゼルが呆れた顔をしてガウリイに声をかける。
「いや〜、美味かったもんでついな。」
「まあまあ、アザゼル総督。余らせても勿体無いからですね、美味しく食べていただいたのなら問題無いですよ。明日の朝食も少し多めに用意しましょう。」
「是非是非お願いします。里奈の飯も美味いけどここの料理も違った感じで美味しいですから。」
「里奈さんも料理されるのですか?」
ヴェネラナさんが私に聞いてくる。
「えっ!はい、します。」
まさかこっちにくるとは考えて無かったので油断してて咄嗟に言葉が出ない・・・ガウリイに褒められて照れていたとかそういうのではない。本当だってば!
「というか里奈さんとガウリイさんは一緒に食事されているのですね。もう結婚を?」
「してません!いや、まあ、一緒に食事してるのは確かですが・・・。」
恐らく私の顔は真っ赤になっているに違いない。
「里奈の飯は美味いですよ、今度お礼に里奈が料理振る舞ったらどうだ?」
こいつは〜、とはいえここでガウリイをぶっ飛ばす訳にはいかないし〜
「はぁ〜。仕方無いわね〜、なら明日の朝でもいい?和食になるけど。」
「それはいいですね。先程頂いたお漬物も出して頂いてもいいかしら?」
ヴェネラナさんが聞いてくる。
「いいですよ。それに合わせて作りますね。」
「いいの?里奈。」
リアスが聞いてくるが
「明日から予定詰まってるしね〜、後半も予定どうなるか分からないからやるなら明日の朝が丁度良いと思うわよ。」
「なら私も手伝うわ。人数多いし私も久しぶりに実家で料理したいし。」
「オッケー。そうしてくれると助かるわ。」
「リアスも作ってくれるのか。それは今から楽しみだな。」
ジオティクスさんも楽しみにしてくれるようね。
「じゃあ、明日の朝食頑張りましょうか、リアス。」
「わかったわ、里奈。」
その後はリアスと明日の献立話し合ったりヴェネラナさんやジオティクスさんと話をしたりして夕食は穏やかに過ぎていった。
本編よりも里奈はちょっと乙女で素直な設定にしてます。