あれから暫く話した後私達は別の場所に案内されて会議場らしきところへ集められていた。
正面上段には悪魔のお偉いさん方更にもう一段上に四人の魔王が座っている。
貴族社会の典型よね〜、こういうの。バカとなんとかはなんてね。
私達は対面にリアス達主が並んで座り眷属は後ろに立って控える形で並んでいる。因みにゼファードルも参加しているがさっきサイラオーグに殴られた頬の所が腫れたままになっている。
会談の開始早々にさっきの件でお偉いさんの一人が皮肉を言っていた。貴族ってこんなのばっかりだから嫌いなのよね〜。まあ、生前に知り合った博愛主義の王様みたいなのばっかりってのも勘弁死てほしいけども。
なんて考えていたら会談は進んでおりリアス達が将来の夢について語っていたんだけど・・・サイラオーグが魔王、リアスがレーティングゲームで各大会での優勝と。そして最後になったソーナの下級悪魔でも転生悪魔でも受け入れるレーティングゲームの学校の建設という夢に対してお偉いさん方は笑い、馬鹿にしていた。
「黙って聞いていればなんでそんなソーナ様の夢を馬鹿にするんですか!俺達は本気で叶えようとしてるんですよ!叶えられないなんてなんで決めつけるんスか!」
あ〜、こういうので熱くなったら負けなのに〜。案の定ソーナに窘められてるし。
とはいえこういうのは嫌いじゃないし丁度いい機会だから乗らせてもらいましょうか。
そう思いサーゼクスに視線を送り頷いたので実行に移すことにする。
まずは〜・・・魔力を全開放!
ドンッ!
部屋全体が魔力の開放で揺れる。
「なっ!」
「くっ!」
「ちょっと!里奈!」
リアスの言葉を手で制し
「そもそもあんたらが夢を語れって言っておいてそれを言っただけで笑ったりバカにしたりとか可笑しいんじゃない?それにあんた等だって下級悪魔使ったりしてるんでしょ?その上でバカにするんだったらその上司であるあんた等も同じよね〜。そんな考えだったらその内悪魔は滅ぶわね。」
「下級悪魔の小娘がっ!わかったような───」
私に反論しようとしたお偉いさんを籠手を出して更に魔力を上げ黙らせる。
「そもそもあんた等みたいな古い考えでやってきたから悪魔の数が減って滅びそうになったのよね?それでそれじゃあいけないからって転生悪魔を増やして存続しようってやってきたのにそれで今度は下級悪魔だの転生悪魔だので差別するんだったら変わらないわよ。数だけ増やしてもやってる事や考えが変わらないなら滅びるしかないわよね〜。」
と、ここで一旦言葉を切ったが反論や言葉を発する人がいないようなのでわざと意地悪そうな顔をして
「サーゼクス達魔王も大変よね〜、こんな頭の堅い連中が周りに居たんじゃ進む物も進まないわよね〜。ま、あんまり考え無しな発言してると赤龍帝としてお仕置きに行っちゃうわよ?」
そう言って魔力の開放と籠手を抑える。
「里奈さん、やりすぎですよ。とはいえ里奈さんの言うことも最もだ。聞いておいて夢を潰すような発言は控えていただきたいですね。それに誰にでも強くなる機会が与えられる学校を作るというのは悪魔の世界にとって良い事だと思います。」
「そうよ、そうよ!皆で寄ってたかってソーナちゃんをいじめるのなら許さないんだから!それにゲームでいい成績おさめれば文句ないでしょ!」
今度はサーゼクスとセラフォルーが苦言を言い、周りを黙らせる。
サーゼクスも静かに言っていたけど魔力を軽く開放して威圧してたし、中々どうして役者である。
「ちょうどいい。では若手同士でゲームをしよう。リアス、ソーナ戦ってみないか?」
見ればリアスもソーナもやる気みたいである。
「元々リアスのゲームを近日中に行う予定だった。元々アザゼルの案でレーティングゲームのファンを集めてデビュー前の若手悪魔の試合を観戦させる目的もあったものだからね。だからこそ丁度いい。リアスとソーナで1ゲーム執り行ってみようではないか。」
元々アザゼルの案があってのこの話なのね。ということは他の若手悪魔も試合があるってことでしょうね。この世界のゼロスの力も図れそうだし丁度いいわね。まあ、奴の事だから本当の本気は出さないでしょうけど。
「公式ではないとはいえ初のレーティングゲームの相手があなただなんて運命を感じてしまうわね、リアス。」
「競う以上は負けないわよ、ソーナ。」
早くも火花散らしてるわね〜、私も油断して足元すくわれないようにしないとね。
「リアスちゃんとソーナちゃんの試合!燃えてきたかも!」
セラフォルーも楽しそうね。
「対戦の日取りは人間界の時間で八月二十日。それまで各自自由に時間を割り振って構わない。詳細は後日連絡する。」
サーゼクスの言葉でゲームの日取りが決まった。
夏休み中にやるのね〜。修行の成果を試すにはみんなにはうってつけね〜。
問題は私よね。今の状態だと迂闊にドライグ使えないし
さっき位の威嚇に出す程度なら問題無いけど実戦だと制御がまだまだ甘い。なんとかゲーム迄に制御出来るようにしないといけないわね。
さてさて本来なら会談も終わったのでグレモリーのお城に帰るんだけど私の本番はここからである。
「いや〜、お久しぶりですね。里奈さん。」
私に声を掛けてきたのはさっき迄会談の場で若手悪魔の
場所はサーゼクスに前もって押さえておいてもらった応接室で、今は私とゼロスだけで他のメンバーは外してもらっていた。姉ちゃんが最後までゴネていたのは内緒である。
「そんで?詳細聞かせてもらえるのよね?」
「せっかちなのは嫌われますよ?と、言いたい所ですがお互いこれから忙しい事になりそうなので現状でわかってる事と僕のこれからの予定を話しますのでそこでどうするか決めましょう。」
「珍しく勿体ぶらないのね。」
「いや〜、そうしたいのは山々なんですが現状の立場とかもありまして。」
確かに魔王の血族でもあるからそれなりに色々あるのだろう。
「という訳で時間も無いので話しを進めましょうか。」
「────────という感じですね、今の状況は。」
・・・。
「流石ね〜と、言いたい所だけど想像以上でこの場で決めるのは事が大きすぎて厳しいわね。」
「ですね〜。
「そうね〜、とりあえずみんなやアザゼルやサーゼクスと相談してみないことにはどうしようも無いわね。そういえばゼロスの事はアジュカには?」
「まだ言ってません。が、ただ状況的にそろそろ隠し通すというわけにはいかなくなってきましたね。なのでサーゼクス様の方から前もって話しを通しておいて欲しいのですがお願い出来ますか?」
「事前に話しておいた方が説明しやすいからってことかしら?」
「それが第一です。それと
なる程。
「そうなると、まずはこっちで話し合って方針決まったら連絡する感じでいい?」
「ええ、構いません。・・・出来ればルナさん・・・グレイフィアさんからの連絡はやめて欲しいんですが。」
言いながら顔が青ざめていく・・・これは相当絞られたわね。
とはいえ
「無理ね。」
キッパリ否定する。
「・・・。」
私の否定で更に顔を青くする。
「今の話しを私とゼロスだけでするのも嫌がってギリギリまでゴネてたし。何されたかは聞かないで置いてあげるから諦めなさい。」
「嫌だぁぁぁぁ!耳元に僕にだけ聞こえる魔法陣貼られて何時間も嫌味言われるなんてぇぇぇぇ!!」
うわ〜、姉ちゃんえげつない。
「ま、まあその辺は言っとくからとりあえずまた連絡するわね。」
そう言って私は部屋から出たのだった。
「嫌だぁぁぁぁぁ・・・。」
ゼロスの叫びは暫く続いたとかなんとか。
合掌。
ゼロスが素直になってます。基本は変わらないんですが・・・姉ちゃんのせいですね。