遊戯王5D's―破壊神を宿した希望の星は―   作:しえ&翼樹

2 / 5
 えぇっと、遊星二重人格書きたかった、人外書きたかった、みんな大好きブルーノちゃん救済したかった。そんな欲求から衝動書きしました。

 遊星二重人格になります(AIBOとATM的な)。人外になります(十代的な)。
 もしかしたら歴代キャラ出てくるかもしれない。

 ちょっとダークファンタジーが混じった遊戯王5D'sの二次創作、そんな物語です。


第一幕:希望と絶望の混じりし星
第一話―謎の庭園にて


 これは神様達の世界に伝わる昔の出来事を綴った歌。

 

『孤独に苛まれる星の子は その身に人の死の鎖 巻きつけながら闇を抱えて生きている』

 

『彼がやったことではないけれど 周囲は怒りの矛先を 星の子へと突きつける』

『それはまさに愚者の行為』

 

『手をさしのべる友人はいたけれど 星の子は本心隠して過ごす』

 

『だって自分は咎人の息子なのだから 救われる権利はないのだと』

『そう言い裁きという名の理不尽な暴力受ける 彼もまた一人の愚者である』

『本当は救ってほしいと 心は悲鳴を上げてるのに』

 

『ある日星の子は紅蓮の髪の少女に出会う』

 

『少女は女神であった』

『見捨てたモノに容赦なき仕打ちを下すことで有名な』

 

『他の神々から残酷なる女神と呼ばれる女神』

 

『星の子の抱える闇と巻きつく死の鎖 それを抱える星の子の汚れなき純粋そのものの魂』

『女神は彼を気に入り“血”の契約を結ぶ』

 

『契約により星の子は 18歳の誕生日 残酷な女神の庭へと招待される』

 

 

『女神は星の子へと囁く』

 

 

『アナタに巻きつく死の運命、変えてみたくはないかしら?』

 

 

『星の子は告げられる 自らが歩むその道に人の死が転がってると それが鎖として巻きついてると』

『罪に苛まれる星の子は願う せめてもの償いとしてその者達を救いたいと』

 

『こうして残酷な女神は自らの力を分け与え星の子に自らの眷族を憑けさせた』

 

『破壊神の異名を持つ惨血の悪魔を――』

 

 

『希望と絶望が混じりし星は世界で何を紡ぐのか これ破壊の悪魔を宿した星の子の物語』

 

 

 この後にも続くこの歌、実はところどころ間違いがあるんです。

 何が間違いかは、これから語られるお話を見てください。

 

 

 これは昔、ある次元で起こった破壊神と呼ばれた優しい悪魔とかつて星の子と呼ばれた男の人の物語――――。

 

 

 

 

 

 

 父さんの起こしたゼロ・リバースによって多くの死者が出た。それを知ったのはいつだったろうか。

 俺はそれを知ったとき自分が何故、大人達から憎しみの篭った視線を向けられ、暴力を振るわれるのかようやくわかった。

 

 たくさんの人々が死んでしまった元凶の息子。憎しみが向けられるのは当然のことだった。

 

 俺は罰を受けなくてはならない。死んでしまった父さんの代わりに、息子の俺が罰を……。

 

 

 

 

 

「っ……ここは?」

 

 目を開けると花達が俺を見下ろしていた。

 おかしい――D・ホイールのジャンクパーツを探しに来たはずなのに、何故こんなところにいるのだろう。

 

「サテライト、ではないな」

 

 ぐるりと辺りを見渡し、呟く。

 薔薇の花でできた壁が向こう側を見えなくしている。道が別れ、行き止まりになっていたりして迷路のようだ。

 

 ここがサテライトでないのは一目瞭然。サテライトにこんな薔薇園などあるはずもないから。

 そもそも薔薇なんて初めて見た。薔薇どころか花すらサテライトではあまり見かけない。

 

「しかし、これが本物の薔薇か」

 

 近づいて薔薇の壁を見る。そこに咲く薔薇は血のように赤く、どこか狂気を感じさせそうな色にも思えたが綺麗だった。

 

 しかし薔薇なんて今までシティにハッキングした画像でしか観たことなかったから実物を見るのは初めてだ。

 ラリーや皆もこの薔薇を見たらきっと喜ぶだろうな。

 

 そんなふうに仲間の顔を思い浮かべていると、

 

「薔薇が珍しいですか?」

 

 声がしてハッと我に返り振り向く。

 少し前まで誰もいなかったその場所に、黒い執事服の男がいた。

 

 年は俺と同じくらい。闇夜を思わす黒髪に血に染まったような紅い瞳を持つ男だった。

 

 男はクスクス笑って俺の隣に立つ。

 

「まあ、アナタの住む場所ではこんなふうに元気な華の姿を見ることはありませんでしょうから」

 

「お前は、いったい……」

 

 男は「あぁ、これは失礼」と言って俺から一歩離れて胸に手を当てて礼をする。

 

「私はこの庭園の主に仕えし眷族、名をルーシア・セレスタイトと言います。

ルシアとお呼びください、不動遊星様」

 

「な、何で俺の名を……」

 

「この場にアナタを招待したのが我が主ゆえに――という理由で納得していただけると」

 

「主……そいつは何者なんだ? 何故俺をここへ?」

 

 俺が問いかけるとルシアと名乗った男はクスリと笑みを漏らし、

 

「それが知りたければ主に会うしかありません」

 

「なら、会わせてくれないか?」

 

「ふむ、それならば私とデュエルです」

 

 デュエル、か……。幸いデッキもディスクも持ってきているな。

 俺はデッキをディスクにセットする。

 

 ルシアも黒と赤のディスクを構えていた。

 

「用意はよろしいですか?」

 

「あぁ、いつでもこい」

 

「「デュエル!!」」

 

 先攻・ルシア

 LP4000

 後攻・遊星

 LP4000

 

「先攻は私が貰い受けます。ドロー。

おろかな埋葬を発動し、デッキよりヴァンパイア・ソーサラーを墓地へ送ります。

そして私はカース・オブ・ヴァンパイアを召喚」

 

 カース・オブ・ヴァンパイア/ATK2000

 

 現れたのは片翼のヴァンパイアだった。

 しかしレベル6?

 

「ヴァンパイア・ソーサラーを除外することでリリースを1体減らすことができるのですよ。

カードを伏せてターンエンドとします」

 

 ルシア

 LP4000

 手札3枚

 モンスター:カース・オブ・ヴァンパイア(ATK2000)

 魔法・罠:リバース×1

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 俺は1枚のカードをデッキから引き抜いた。

 

「俺はワン・フォー・ワンを発動!

手札からボルト・ヘッジホッグを墓地へ送りレベル・スティーラーを特殊召喚!」

 

 レベル・スティーラー/DFE0

 

「ジャンク・シンクロン召喚! そして効果で墓地のボルト・ヘッジホッグを特殊召喚!」

 

 ジャンク・シンクロン/ATK1300

 ボルト・ヘッジホッグ/DFE800

 

 現れたのはオレンジの装甲のモンスターとボルトの突き刺さったハリネズミのモンスター。

 今回も頼むぞ。

 

「墓地からの特殊召喚に成功したことで、俺はさらにドッペル・ウォリアーを手札から特殊召喚!」

 

 ドッペル・ウォリアー/ATK800

 

「レベル2のドッペル・ウォリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!

集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ! シンクロ召喚!

 

いでよ、ジャンク・ウォリアー!」

 

 ジャンク・ウォリアー/ATK2300

 

「さらにドッペル・ウォリアーの効果が発動!

シンクロ素材にされたとき、このモンスターはドッペル・トークン2体を攻撃表示で特殊召喚する!」

 

 ドッペル・トークン/ATK400

 ドッペル・トークン/ATK400

 

「そしてジャンク・ウォリアーは召喚に成功したとき、

フィールド上のレベル2以下のモンスターの攻撃力分、自身の攻撃力をアップする!

 

パワー・オブ・フェローズ!」

 

 ジャンク・ウォリアー/ATK2300→4500

 

「ジャンク・ウォリアーでカース・オブ・ヴァンパイアを攻撃! スクラップ・フィストォ!」

 

 ジャンク・ウォリアーの拳が迫る。

 

「手札より速攻魔法、ハーフ・シャット発動。ジャンク・ウォリアーの攻撃力を半減させます」

 

 ジャンク・ウォリアー/ATK4500→2250

 

「だが、破壊はさせてもらう!」

 

 ジャンク・ウォリアーの拳によりカース・オブ・ヴァンパイアは破壊された。

 

 ルシア

 LP4000→3750

 

「クスッ……手札よりトラゴエディア、特殊召喚」

 

 ルシアがふと浮かべる笑みを深くしそう言った。

 刹那、闇が引き裂かれそこから巨大な黒い体を持つモンスターが現れた。

 

「な!?」

 

 その瞬間、体に走る悪寒。

 ソリッドビジョンのはずなのに、これはいったい……?

 

 トラゴエディア/ATK?

 

「すみません、怖がらせてしまったようですね。

このカードはそれほど大きな効果は持ってませんが、宿る存在は強大そのものでして」

 

 ルシアは笑う。何の気もなしに。

 

「本来なら使う予定ではなかったのですが、主が『手加減したら許さない』ということでして。

 

このカードは手札の枚数分600ポイントの攻撃力となります」

 

 トラゴエディア/ATK?→1200

 

「ふむ、アナタはもう攻撃できませんからこの程度の攻撃力でも問題無いですね。

さらにカース・オブ・ヴァンパイアの効果!

 

ライフを500払い、スタンバイフェイズにこのカードを攻撃力を500ポイントアップさせて蘇らせます」

 

 ルシア

 LP3750→3250

 

「くっ……俺はカードを1枚伏せてターンを終了する」

 

 ジャンク・ウォリアー/ATK2250→4500

 

 遊星

 LP4000

 手札1枚

 モンスター:ジャンク・ウォリアー(ATK4500)

       ドッペル・トークン(ATK400)×2

       ボルト・ヘッジホッグ(DFE800)

       レベル・スティーラー(DFE0)

 魔法・罠:リバース×1

 

「私のターン、ドロー」

 

 カース・オブ・ヴァンパイア/ATK2000→2500

 トラゴエディア/ATK1200→1800

 

「カース・オブ・ヴァンパイア……不死のモンスターか」

 

「はい。

私はトラゴエディアの効果を発動。ヴァンパイア・ドラゴンを墓地へ送ります。

そしてヴァンパイア・ドラゴンと同じレベル5……ジャンク・ウォリアーのコントロールを得る!」

 

「なに!?」

 

 トラゴエディアの邪気にジャンク・ウォリアーが捕らえられる。

 まさかそんな効果があったとはな。

 

 トラゴエディア/ATK1800→1200

 

「驚くのは早いですよ? 3体のモンスターをリリースし……」

 

 空が暗雲に包まれる。それと同時に先ほどのトラゴエディア召喚とは比べ物にならないプレッシャーが襲ってきた。

 

「何だ、このプレッシャーは……!?」

 

 暗雲を切り裂き現れたのは巨大な翼、緑の体、そして鋭い爪を持ったモンスター。

 

 カタカタと体が震える。体の中の根本的な何かが揺さぶられる。

 恐怖で今にも意識を失いそうだった。

 

「邪神ドレッド・ルートですよ」

 

「邪神……?」

 

 邪神ドレッド・ルート/ATK4000

 

「いつもは別のデッキに入れてるんですがね……

 

今回はこちらに入れてみました。意外と相性良くて驚きです」

 

 さっさと終わらせましょうと笑顔で言いながら、こんな恐ろしいモンスターを従えるルシアが怖くなった。

 

「ドレッド・ルートがいることでこのカード以外のモンスターの攻撃力、守備力はすべて半減します」

 

 ドッペル・トークン/ATK400→200

 ドッペル・トークン/ATK400→200

 ボルト・ヘッジホッグ/DFE800→400

 レベル・スティーラー/DFE0→0

 

「ドレッド・ルートでドッペル・トークンを攻撃します」

 

「く、トラップ! くず鉄のかかし!」

 

「あぁ、攻撃を無効にするカードですか。ですが通用しませんよ?

トラップ・スタンを発動します。効果は、トラップを無効にする」

 

 っ!?

 マズイ、このカードの攻撃を一撃でも喰らったら……!!

 

「フィアーズノックダウン!」

 

 ドレッド・ルートの拳が迫る。

 

「っ! ぐぁぁぁぁ――――っ!!」

 

 

 勢いよく吹っ飛ばされ地面に叩きつけられる。

 

「ガハッ!」

 

「しまった!?」

 

 ルシアが駆け寄ってくる。その光景を最後に俺の意識は闇に堕ちていった。

 

 

 

 浮上した意識。耳に聞こえてきたのは誰かの棘の刺さるような言葉だった。

 

「確かに本気を出せとは言った。けどさすがに邪神出すとかやりすぎじゃない?」

 

「はい、申し訳ありません」

 

「っていうか、予想できたわよね? 遊星は普通の人間。邪神はその名の通り神。ソリッドビジョンって言ってもそれはディスクを通じて神の波動が映像化したようなものなんだから、波動をブチ当てられればいくらデュエルでモンスターに阻まれてもこの庭園は神の領域でもあるのだから当然神の力も増す。そんな威力が上がった神の攻撃まともに喰らったようなものなのだから気絶するの当たり前よ? てか気絶ですんで本当に良かったわ。下手したら遊星の素晴らしく近年稀に見る純粋な魂を粉々にふっ飛ばしてたわよ。アンタ本当に私の眷族? ってあら、起きたのね」

 

 目を開けてみると、俺が寝かされているのはベッド。サテライトではまず存在しえない柔らかいベッド。横を見ると赤い髪の女性が息もつかずにルシアを攻め立てていた。

 そんな彼女は先ほどの刺々しい言葉が嘘のように笑って俺を見やる。

 

 その変わりように唖然とする。

 本当に同一人物なのだろうか?

 

「まだ眠ってたほうが良いわ。邪神の攻撃を受けて傷ついた魂が回復している途中なのだし」

 

 女性の右手が俺の瞼の変わりをして視界を遮る。

 

「回復したら話をするから、それまではゆっくりとね」

 

 心地よい声に俺の意識はまた沈んでいく。

 この人物は誰なのだろうと、そんなことを考えながら。

 

「お休みなさい、遊星」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。