普通の魔法使いが行く!Fate/Grand Order   作:秋塚翔

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どうも、無事に1000万ダウンロードでネロを手に入れたけど素材が足りなくて泣いてる秋塚翔です。
初期からある素材って、意外と長くやってるほど足りなくなったりしませんか?イベントで全部回収してる方は問題無いけど、使わないから大丈夫と油断したら必要な時に泣く。マスターなら誰もが通る道なはず。

今回かーなーり長いです。だいぶ削ったのに、二話目にしてこの長さはどうかなと……とりあえず『ラノベの一話はこれ以上だから』と自分に言い聞かせて投稿。どうぞご覧ください。


第二節 合流、そして召喚

「人理焼却ぅ?」

 

突拍子も無く振られた、聞き慣れない言葉に魔理沙は団子を取る手を止める。しかし横取りはされぬよう皿に残った2本をガッチリキープするのだけは忘れない。

ここは霧雨魔法店。魔法の森の奥深くにある何でも屋で、魔理沙の住居だ。その店主であり家主の『普通の魔法使い』霧雨魔理沙は、向かい合って座る女性に訝しげに目をくれた。

 

「ええ、私の計算では近々それが確実に起こる。そこで貴女には、その異変の解決を依頼したいのですわ」

 

八雲紫。境界を操る大妖怪にして、ここ幻想郷の管理者。いつもなら神社に良く出没する彼女だが、今日は朝一から霧雨魔法店を訪ねてきていた。しかも手土産(団子)を手に、まさかの依頼ときている。魔理沙は訝しげに団子を再び口に運びながら問う。

 

「どういう風の吹き回しだ?お前が霊夢じゃなく私に異変解決の依頼なんて、明日は弾幕か妖精でも降るのか?」

 

「幻想郷の天気は、いつでも弾幕時々妖精ですわ。貴女だからこそこの異変には適任なのです。魔術回路……いえ、魔力を持つ魔法使いの貴女だからこそね」

 

いつもの人を食ったような、からかうような不敵さではなく神妙な面持ちの紫。それに魔理沙は気になる事を追及はせず、異変解決の専門家(自称)として本題に入る。

 

「なるほどな。それで?その人理焼却とか言う異変はどんなもんなんだ?」

 

「そうね、簡単に言うなら……放っておけば今から二年後、2017年を境に人類は消えて無くなってしまうわ」

 

「……そりゃまた、随分と穏やかじゃないな」

 

「穏やかじゃないのよ。人間が消えれば、妖怪や神の存在を支える恐怖や信仰は必然的に無くなる。そうなれば幻想郷は外の世界もろとも焼却されてしまいますわ」

 

言って紫は魔理沙の淹れた出涸らし茶を一口啜る。その様子は少し余裕が無く、不機嫌な雰囲気だ。付き合いは浅いが長い魔理沙にはそう見て取れた。

魔理沙は残り一本の団子を食い終わると、依頼に返答する。

 

「そう言う事なら、私の出番だな。お前が訪ねてきたって物珍しさと団子で引き受けてやろう。ちゃちゃっと解決して、霊夢を悔しがらせてやるぜ♪」

 

ニヒルな笑みを見せる魔理沙。それに紫も予想通りの返答だと見透かされていたかのような、いつもの妖しい笑みを浮かべる。

 

「期待してますわ♪私も今回は少し()()をして、貴女の異変解決をサポートするわ」

 

「ほう、どんな細工だ?永琳の何度もやり直せる薬みたいなか?」

 

「それは見てからのお楽しみ。代わりに私の分の団子を食べたから、もう少し話に付き合ってもらいましょう。まず貴女がこれから行くカルデアと言う場所についてですが──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

「──熱い場所から飛ばされたと思ったら、また熱い場所か。情緒が無いぜ」

 

「フォウ!」

 

フォウに顔を舐められて魔理沙が目覚めると、そこは燃え盛る管制室ではなく燃え盛る外の世界──都市伝説異変で行ったことがある──の街だった。

確かマシュを助けるため、瓦礫を吹き飛ばそうとしたら体が光の粒子になって……と最後の記憶を辿る魔理沙。そしてこれが紫から聞いたレイシフトか、と状況から考察する。

 

「面倒な時に来てしまったが……まぁ結果オーライって奴だな。さて、これからどうするか」

 

腕を組み考え込む魔理沙。足下にいるフォウは、それを興味津々に見上げる。と、その時。ガチャガチャと忙しなく音を立て、何かが正面と後ろから迫ってきた。

 

「! ……雑魚か。何すべきか分かりやすくて助かるぜ」

 

魔理沙を取り囲んで現れる異形の集団。暗色の骨だけで構成された竜牙兵の群れだ。まるで生きている者は皆殺しだ、と命令を受けているかのように剣や槍を魔理沙に向けている。そこにはもちろん情などない。

対して魔理沙、余裕な様子。その手に八角形のアイテム、魔法で出した箒を持ち骨の群れを迎え撃つ。

刹那、その骨の群れを蹴散らしながら何者かが魔理沙めがけて駆け寄ってきた。

 

「──先輩!大丈夫ですか!?」

 

「ん……おお、お前マシュか。どうしたその格好?」

 

それは武装している差異こそあるが紛れもない、マシュ。深い紫色の装甲を纏い、巨大な盾を掲げて敵と相対する姿は全くの無傷に見える。マシュは盾で守るようにして魔理沙に言う。

 

「話は後ほど。まずは敵の掃討を。指示をください、()()()()

 

 

 

 

 

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 

火炎と瓦礫が散乱する町通りを、一人の少女がひた走る。その後を追うのは十数の竜牙兵。動くものは疲れ知らずの体でどこまでも追いかけ、無機質に始末せんと迫る。

 

「このッ……!」

 

振り向き様に、少女は竜牙兵を一体一体返り討つ。魔力を込めた小石を投げ放ち、銃弾に劣らないスピードで竜牙兵の体を撃ち抜き倒した。しかし焼け石に水。恐れを知らず数のある竜牙兵らは、一体倒されても怯まず標的を追い詰めんとする。

 

「なんで、なんで私ばっかりこんな目に遭わなくちゃいけないの!?もうイヤ、来て、助けてよレフ……!」

 

虚勢は長く持たず、訳の分からない事態に少女は信頼する者へ届かない助けを求める。しかして声は届いた。だが、それは彼女の求める者ではなく……箒に跨がる金髪の少女だった。

 

──魔符『ミルキーウェイ』──

 

燃え盛る街にそぐわない目映い星が降り注がれる。色とりどりの星は骨の群れに悉く炸裂し、その数を減らしていく。

一方、それを呆然と見やる少女の元には、大盾を持った鎧の少女──マシュが駆け付ける。

 

「オルガマリー所長!」

 

「あ、貴女、まさかマシュ!?」

 

驚く少女──オルガマリーの盾になり、マシュは星の弾幕から逃れて尚も襲い掛かる竜牙兵を叩き潰す。巨大な盾で防ぎ、押し返し、縁で砕く。弾幕に大半が撃破されたのも手伝い、竜牙兵の群れはすぐに壊滅させられた。

 

「……敵の駆逐を確認しました。戦闘を終了します」

 

「取りこぼしの片付け、お疲れさん。助かったぜマシュ」

 

「いえ、むしろ私の方こそ助けられました。ありがとうございます、マスター」

 

辺りにもう敵はいない事を確認し、盾を下ろすマシュと地上に降りる金髪の少女こと魔理沙。二人が和気藹々に労いの言葉を交わすのに対し、オルガマリーはその二人に眉をひそめて独りごちるように呟く。

 

「…………どういう事?」

 

「所長?……ああ、私の状況ですね。信じがたい事だと思いますが、実は……」

 

「サーヴァントとの融合、デミ・サーヴァントでしょ。そんなの見れば分かるわ。私が聞きたいのは、どうして今になって成功したのかよ!」

 

一安心したせいか、調子が戻って声を荒げるオルガマリー。その意味不明から来る怒りの矛先はマシュの隣、魔理沙へと向く。

 

「いえ、それ以上に貴女よ!私の演説を遅刻どころかバックレた一般人!なんでマスターになってるの!?サーヴァントと契約できるのは一流の魔術師だけなのに!」

 

「つまり私がその一流だったんじゃないか?逸材ってのは、意外な場所で発掘されるもんだ」

 

「そんな訳ないでしょう!一体どう脅してマシュを言いなりにしたの!?」

 

「と言うか、お前が所長か。私は霧雨魔理沙、以後宜しく。これ差し入れのキノコだぜ」

 

「ああ、これはご丁寧に。私はオルガマリー・アニムスフィアで……って違あああああぁうッ!」

 

「あの……落ち着いてください、所長。私が無理に契約してもらったんです」

 

ペースに飲まれかけたのを怒りから振り切り、荒ぶるオルガマリーをマシュが宥める。その甲斐あってか、少しして気を取り戻したオルガマリーは深く溜め息を吐く。

 

「まぁ良いわ。とりあえず霧雨、貴女をマシュのマスターとして認めます。以後、私の指示に従ってもらうわ。まずはベースキャンプの作成ね」

 

「それでしたら先ほど通信で伺いました。霊脈は所長の足元にあります」

 

「へっ!?あ、ああ、そうよね。それならマシュ、貴女の盾を地面に置きなさい。宝具を触媒に召喚サークルを開くから」

 

「は、はい……よろしいですかマスター?」

 

「あの程度の雑魚なら私一人でも捌けるからな。ボス級が来る前に済ませようぜ」

 

「はい、了解しました。それでは始めます」

 

魔理沙(マスター)からの承諾も受けて盾を地面に置く。すると盾から光が発せられ、幾何学的な空間が出現した。

 

「これは……カルデアにある召喚実験場と同じ……」

 

《シーキュー、シーキュー!もしもーし!よし、通信が戻った!》

 

そこへホログラムでロマンの姿が映り出す。オルガマリーと合流する少し前に、魔理沙の持つ通信端末で交信したので魔理沙とマシュは知っていた。しかし、初見のオルガマリーはまた声を上げる。

 

「はぁ!?ロマニ!?医療部門のトップなんかが何で出るのよ!」

 

《うひゃあああっ!?しょ、所長!?生きていらしたので!?あの爆発なのに!?実は化け物だったのか!?》

 

「失礼ね!それよりレフは、レフはどこ!」

 

《……大変申し上げにくいですが、あの爆発で生きていたスタッフは二十人程度。離れていたスタッフでもそれだけなのに、レフはレイシフトの指揮をしていたから生存は絶望的だ》

 

「そ、そんな……!じゃあ、マスター候補生たちは?」

 

《47人が危篤状態だ。医療器具は足りない。何人か助けられても残る大半は……》

 

「冗談じゃないわよ!すぐ冷凍保存に切り換えて!治療は後回し、まずは生存させる事が最優先よ!」

 

《ああっ、そうか!コフィンにはその機能がありました!》

 

ロマンは慌てて通信席から離れ、生き残ったスタッフに指示を送りながら通信の裏でマスター候補生の冷凍睡眠措置にかかる。その間、オルガマリーは爪を噛んで焦りぎみだ。

 

「……良いのですか?冷凍保存は本人の許可なく行えば犯罪行為なのに……」

 

「良くないわよ!ただ、生きてさえすれば後で幾らでも弁明できる。47人の命なんて私に背負える訳ないわ……!」

 

暫くしてロマンが戻ってきた。どうやら無事に冷凍保存を完了したようだ。流石に初めて実用する機能に難儀したか、一息吐きながら席に着いたロマンは引き続きカルデアの現状をオルガマリーに伝える。

 

『──報告は以上です。今のカルデアはシステムの八割を失っています。残ったスタッフではできる事が限られてるので、こちらの判断でレイシフトの修理、カルデアス及びシバの現状維持に人員を割いています』

 

「結構よ。ロマニ・アーキマン、貴方には引き続き私が戻るまでカルデアを任せます。私達はこれから……この特異点Fの調査をするわ」

 

『ええっ!所長自ら!?チキンの癖に!?』

 

「黙らっしゃいゆるふわドルオタ!この状況で何の成果も得られなければ、いよいよカルデアは破滅よ!これより霧雨魔理沙、マシュ・キリエライト両名を探索員として特異点Fの原因を調査、発見し次第退却します」

 

「見付けるだけなのか?」

 

と、ロマニとオルガマリーの話に着いていけてなかった魔理沙が口を挟む。

 

「当たり前でしょう。本来なら47人体制で行うミッションなんだから。残った人員がマスターもどきとなりたてのデミ・サーヴァントでは、調査も一苦労だわ」

 

『それについてなんですが、所長。マシュは恐らく防御特化のサーヴァントと融合していて、ましてや所長の言う通り融合定着から間もありません。ここは魔理沙ちゃんに召喚を試させてみては?』

 

「……それもそうね。不本意だけど、戦力を補強して損は無いわ」

 

「可能なんですか?確かシステム・フェイトはまだ不完全のはずでは……?」

 

「物は試しよ。このまま行って全滅じゃ洒落にならない。デミ・サーヴァント化した貴女を基点に、上手く機能してくれるかもしれないわ」

 

「良く分からんが、召喚か。魔法使いらしいな。それなら形から入るとしよう」

 

そう言うと魔理沙はふと手を服に翳す。

するとどうだろう。『ボワンッ☆』と軽快な音を立て、カルデア支給の白い魔術礼装は一瞬にして白と黒のエプロンドレスに早変わりした。

更に大きな帽子を出して被り、まるで古典的な魔女のような装いとなってマシュ、オルガマリー、ロマンの目を丸くさせた。

 

「よし、やっぱこの方が動きやすいぜ」

 

「す、凄い……詠唱も無しに、お伽噺の魔法使いみたいです!」

 

「まさしくその通りだ。カボチャを馬車に、ネズミを馬に、恵まれない少女を一晩だけのお姫さまに変える。それがこの私だぜ」

 

「…………貴女、一体何者?一般人じゃないわよね?」

 

「秘密だぜ。乙女には秘密があった方が良いだろ。まぁ、紫みたいにだと胡散臭くなるがな」

 

「……はぁ、もう問い詰めるのも埒が明かないわ……とりあえず召喚してみなさい」

 

分からない事だらけに疲れたか、オルガマリーは大人しく魔理沙に複数個の石を手渡す。七色に輝く魔力の石──聖晶石だ。

 

「おお、まるでこれに何十万も使い果たして破滅しそうな人間の欲望を感じる輝きだぜ」

 

「それは……何とも言えませんが、否定もできません……」

 

貰った石を召喚サークルの光にかざしつつ、魔理沙はそれらを召喚陣に投げ込む。そうする事で複雑な光の回転が置き、バチバチと火花を散らす。

 

「えーっと、そうだな。ここは魔法使いらしく呪文を……なんでも良いか。なんか出てこい!」

 

「そんな適当な!?」

 

元々このシステムに詠唱は必要無いが、それでも適当すぎた召喚文句にオルガマリーは堪らず突っ込む。勿論そんなのは関係無しに()()の光が収束、召喚陣の中心に人影が現れた。

 

「──新免武蔵守藤原玄……ごめん、やり直し!サーヴァントセイバー、新免武蔵。ここに推参!面白おかしく過ごさせてね、マスター」

 

出で立つ姿は侍。しかしその容姿は可憐な少女。刀を携えた勝ち気そうな少女は快活に笑いながら名乗る。新免武蔵……宮本武蔵と。

 

「お見事です、マスター。サーヴァント召喚成功しました」

 

「初めてにしちゃ上出来だな、私。よろしくな武蔵」

 

「こちらこそ。いやー、しっかし召喚されたのがこんな大火事の中とは思わなかった。もっと一段落ついた正月の場所だと思ってたわ」

 

「……ウソ……」

 

親しげに会話する武蔵と魔理沙、マシュの一方でオルガマリーはその結果に唖然としていた。実は余り期待しすぎてもなかった召喚システムが機能したのもそうだが、魔理沙が──召喚の光から察するに──強力なサーヴァントを呼び出した事にもだ。失敗してスカ、成功しても大した英霊は呼べないと踏んでいただけに開いた口が塞がらない。

更に、

 

「! マスター!今度は金色の光が!」

 

マシュの声に一同が振り向くと、召喚サークルの光が金色に輝いて収束している。そうして出現した二つの影に……今度は魔理沙が唖然とした風に呟く。

 

「…………なるほど、紫が言ってた細工ってのは、こう言う事か。こりゃ面白くなってきた」

 

 

 

「アサシン、魂魄妖夢。この刀は主と貴方のために振るいましょう」

 

「フランドール・スカーレット、バーサーカーよ。貴方が私の遊び相手?すぐに壊れたりしないでね」

 

 

 




魔理沙が説明会バックレて出番を削られたオルガマリー所長、初登場。原作で「あなた達(マスター候補生)は私達の道具」と言ってたけど、リヨぐだ子と二次創作界隈では貴女が玩具だよね。そんな所長が可愛いです……弄り要員として(ボソッ

魔理沙がカルデアに来たのは紫の差し向けでした。いくら紫でも人理焼却は察知できないかな?まぁ、そこはカルデアの資料を盗み読んだとでも別の解釈を。
そして紫の細工で妖夢、フランドール召喚!フランはバーサーカーで納得だけど、なんか妖夢がアサシンです、刀だからセイバーっぽいのに。そこの理由は次回で。宇宙にいるセイバー(殺)と仲良くなれそう。

因みに武蔵ちゃん召喚したのはfateサイドとのバランス取りです。あと強いし好きだから。ウチのカルデアにはストーリーに絡む予定だったり、この時点での召喚に難があったり、嫁だったり水着だったりで無理がある鯖だかりなので、無難な武蔵ちゃんが何とか選ばれました。妖夢、フランドール共々活躍に期待。

これでもマシュの初戦闘やカルデアのシステム説明とかを削ったのにこの長さ。やはり一節だけでも中々の質量です。次回は精進して気安く読みやすい長さを目指して書き上げる所存。
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